今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ど派手なアクションとど派手なCGは健在! 「西遊記 孫悟空vs白骨婦人」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、中国香港合作で作られた「西遊記」シリーズ第2弾、
西遊記 孫悟空vs白骨婦人』ですよー!

前作「モンキーマジック 孫悟空誕生」と同じく、CGを駆使したド派手な演出は今回も健在でしたねー。
その上で、今回は師匠三蔵法師孫悟空の師弟愛が詰まったエモーショナルな作品になってました。

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あらすじと概要

西遊記」を題材に最新のVFXで描いた冒険活劇『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の続編。三蔵法師によって封印を解かれ旅の護衛を務めることになった孫悟空が、妖怪・白骨夫人に捕らわれた三蔵法師を救い出すため壮絶な戦いに挑む。前作で牛魔王を演じたアーロン・クォックが主人公・孫悟空を演じるほか、『シャンハイ』などのコン・リー、『神なるオオカミ』などのウィリアム・フォンらが共演。前作に続きソイ・チェンがメガホンを取り、アクション監督を香港映画界の大御所サモ・ハンが務める。

ストーリー:暴れ者の孫悟空(アーロン・クォック)は五行山に幽閉されてから500年後、天竺を目指す三蔵法師(ウィリアム・フォン)に封印を解かれ、三蔵法師の護衛として旅に同行する。道中新たな仲間も加わった一行の前に、永遠に美しい自分を維持すべく三蔵法師の命を狙う妖怪・白骨夫人(コン・リー)が立ちはだかる。白骨夫人はさまざまな謀略を駆使し、ついに三蔵法師を手中に収め……。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

先日も書いた通り、友人と二人で映画のDVDを5本一気に観るという荒行に挑戦した2本目が本作でした。
前作「西遊記 モンキーマジック~』では、中国映画の十八番であるワイヤーアクションとCG満載の細切れ演出で、主演のアクションスター、我らがドニー・イェン兄貴の動きを封じるという暴挙に出たソイ・チェン監督が続投してます。

孫悟空は前作で牛魔王を演じたアーロン・クォック

物語は、前作で五行山に閉じ込められた孫悟空と天竺を目指す旅の僧、三蔵法師(ウィリアム・フォン)の出会いからスタートします。
孫悟空役は前作のドニー兄貴から変わって、牛魔王を演じたアーロン・クォック。
衣装やメイクが変わってるのもありますが、ビジュアル的には前作よりワイルド感が増したアーロン悟空は結構良かったですねー。
何故かずっと内緒話みたいな話し方なのは少し気になりましたけど。

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で、旅の道すがら白馬と猪八戒(シャオ・シェンヤン)と沙悟浄(ヒム・ロー)を仲間にして、天竺に向かいます。
その旅の途中で、三蔵を食べて生きながらえようと付け狙ってくるコン・リー演じる白骨婦人と、悟空が対決するというストーリー。

前作の目が痛くなるようなキンキンキラキラなCGから一変、本作は全体的にダークなトーンになってますが、悟空の方は相変わらずワイヤー宙吊りの空中アクションがメインで、前作以上にスピード感がなくなってる印象を受けました。

ただ、本作はアクションよりも、三蔵と悟空の信頼関係を築いていくドラマが主軸になってるので、アクションはこのくらいでいいのかな? と。

エモーショナル優先のストーリー展開とモヤモヤ

中国映画の特徴として、エモーショナルなシーンが過剰ってのがあると思うんですね。
これは多分、中国人好みの流れなんだろうなーと思うんですが、個人的には正直苦手。
敵役の白骨婦人は、生きながらえるために子供をさらって食べちゃう妖怪なんですが、そこには彼女の悲しい過去が起因してます。

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そんな彼女は、徳の高い三蔵を食べることで寿命を延ばそうとするわけですが、三蔵一行に近づき命を狙うのに、人間に化けるんですね。
でも、悟空は「真実を見抜く目」を持っているので、彼女の正体を見抜き攻撃、そうとは知らない三蔵は、悟空が人間の女子供を殺したと咎めて、ついには破門してしまいます。

白骨婦人の過去は本作の重要な要になるのでいいんですけど、問題は白骨婦人が人間に「化けている」のか「乗り移っている」のかがハッキリしない事なんですよねー。

もし「乗り移ってる」なら、悟空は三蔵を守るためとはいえ人間を殺しているので、三蔵の怒りはもっともなんですけど、「化けてる」=実体がないなら、それは三蔵の勘違いで悟空は怒られ損ってことになるので、三蔵や悟空に対する観客の目も変わってくるんじゃないかなーと。

ここを劇中でハッキリしてくれてないのに悲しい音楽で切な気なシーンが続くので、観ている間ずっとモヤモヤしてしまいました。
原作を知ってる人には、説明するまでもない自明のことなのかなー?

あの映画の、あのシーンやこのシーンがが!

で、色々あってクライマックスの対決シーンになるんですが、ここでは明らかに「アイアンマン」のあのシーンや「マトリックス」のあのシーンっぽい、見たことのあるシークエンスが入ってたりして、不覚にも個人的にはちょっとアガってしまいましたw

監督の名誉のために書いておくと、あくまでパロディーというかオマージュの範囲で別に悪いことじゃないし、他の映画でも(もちろん日本映画でも)そういう事はよくありますよね。
「あ、ここアベンジャーズのアレだな」とかね。

個人的に、中国映画特有のイカニモなワイヤーアクションやエモい描写の多用が苦手なのであまりハマれなかったんですが、娯楽映画としては十分に楽しめるんじゃないかと思いますよ。

興味のある方は是非

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一体なぜ作ってしまったのかと小一時間……「珍遊記」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、日本漫画界の鬼才 漫☆画太郎の同名マンガの実写化作品『珍遊記』ですよー!

友人と行った、1日に5本の映画を一気観。
そして内3本が西遊記縛りという苦行の幕開けを飾ったのが本作でした。
実は僕は漫☆画太郎作品をちゃんと読んだことは一度もないので、本作がどのくらい原作に沿った作品なのかは分からないんですが、素直な感想としては「一体なぜこの映画を作ってしまったのか、なぜ誰も止めなかったのかと、関係者一同を集めて小一時間問い詰めたい」でしたねー。

あと、本作に関してはネタバレがどうこういうタイプの作品ではないので、ネタバレは一切気にせずに書きますので、もしも、これから観る予定のある人は、映画を観たあとにこの感想を読んでください。

いいですね? 注意しましたよ?

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あらすじと概要

週刊少年ジャンプで連載された漫☆画太郎によるギャグ漫画「珍遊記~太郎とゆかいな仲間たち~」を実写映画化。「西遊記」をモチーフに、札付きの不良少年山田太郎が彼を更生させるため引き取った僧侶・玄奘と共に天竺を目指す旅を、お下劣ネタ満載で描く。メガホンを取るのは、『地獄甲子園』などで漫☆画太郎作品の映画化を手掛けてきた山口雄大。パンツ一丁の太郎にふんした松山ケンイチのおバカ全開演技に注目。

ストーリー:天竺へと旅をしていた僧侶の玄奘倉科カナ)は、たまたま寄った家の老夫婦から妖力で悪さをする不良息子・山田太郎ピエール瀧)の更生を頼まれる。玄奘は、宝珠を駆使し妖力を封印することに成功。さらに、玄奘は力を失った太郎(松山ケンイチ)を引き取り、旅に同行させることに。道中さまざまな騒動を巻き起こす太郎は……。(シネマトゥデイより引用)

 

 

感想

まず、最初に書いておかなくてはならないのは、『内容がぶっ飛びすぎてて一般受けはしないが、極一部の熱狂的なファンに愛されるマンガの実写化作品の系譜』という流れが邦画にはあって、一部の好事家の間ではちゃんと需要がある(多分)ということです。
そして、漫☆画太郎先生のマンガの実写化はこれが初めてではありません。
地獄甲子園 BATTLE FIELD STADIUM」(2003)、「地獄甲子園外伝 ラーメンバカ一代」(2003)、「漫・画太郎SHOW ババアゾーン(他)」(2004)と、三作の作品が作られていて、その三作すべての監督が、本作の監督も務めた山口雄大監督なのです。

ざっくりストーリー解説

本作のストーリーをざっくり一言で書くと、西遊記のパロディーです。
妖力を持つ超不良少年山田太郎を更生させるため旅の僧 玄奘が一緒に天竺を目指すというストーリー。
ちなみに不良時代の太郎をピエール瀧が、玄奘との戦いで妖力を失った太郎を松山ケンイチが演じていますよ。

映画冒頭、倉科カナ演じる玄奘にいきなり「ち〇こ」と連発せることで「はい、見ての通りふざけた映画ですよ」と観客に分からせるわけですが、後はもう小学校三年生のバカな男子が考えたようなストーリーが延々延々延々続きます。

良かったところ

こんな風に書くと、どうにもならない酷い映画かと思われるかもしれないし、実際ほぼその通りなんですが、良かったところもあります。

まず、映画のルック。
玄奘と太郎がたどり着く町は、いかにも昔のカンフー映画に出てきそうなオープンセット? になっていて、建物や町人の衣装などもそれなりにちゃんとしているので、映画としてのルックはわりと豪華に見えるんですよね。
もちろんセットとCGを組み合わせてはいるんでしょうけど、この手の作品にありがちな、あからさまな安っぽさはあまり感じませんでしたねー。

そして、温水洋一酔拳
映画の中で、松山ケンイチ演じる太郎と温水洋一が対決するシーンが、本作の実質的なクライマックスなんですが、アル中の温水洋一が繰り出す酔拳が思った以上にジャッキー・チェン酔拳をオマージュしてるんですよねー。
僕はてっきり、アクション部分はスタントマンが演じてるんだろうと思ったんですが、松山ケンイチさんのインタビューを読むと、温水洋一さんがスタントなしで演じていたそうで、ちょっとビックリ。

温水さん動けるんじゃん! と。

あと、カット割りなんかも結構しっかり「酔拳」を模してて、個人的に好感が持てましたねー。

あと、ラストも完全に「酔拳」(というかジャッキー・チェンの「〇〇拳シリーズ」)のオマージュになってて、ジャッキーファンの僕としては少しだけ嬉しかったです。

良くなかったところ

っていうか、上記の3つ以外は基本全部酷いんですけど、とはいえ、やたら裸や尻を出すとか、オナラとか、ウ〇チとか下品で下らないギャグの連発は原作が原作だからまぁ仕方ないと思うし、原作通りは当然無理としても、雰囲気だけでも入れ込みたいという気概は感じなくもないんです。
、外しのギャグっていうか、いわゆるオフビートな笑いのシーンが、尽くボケとツッコミで構成されてる、いわゆるテレビ的なお笑いメソッドで正直うんざり

いや、これは本作だけじゃなくて、よく見かける邦画コメディーの病理なんですけど、もう、本っっっっっっっ当に辞めてほしい!
深夜ドラマとかなら笑いとして成り立つけど、映画でやるとマジでお寒い感じになっちゃうから!

テレビ的なことがやりたいならテレビでやればいいわけで、たとえ内容は下品でもくだらなくてもいいから、ちゃんと映画の笑いを見せてほしいって思いました。

あと、100分はいくらなんでも長すぎ
80分くらいに削って、全体的にテンポアップしたほうがいいんじゃないかと思いました。

とまぁ、この映画を観て文句を書く事自体、当たり屋みたいでアレなんですけどねー。

最初に書いたように、こういうタイプの作品を好む好事家のファンや、原作ファンの人なら楽しめるかもしれないし、ネット評でもわりと好意的な意見もあったので、好きな人は好きな映画かもしれません。

興味のある方は是非。

 

パッケージの地雷臭がスゴイ! 「スタング 人食い巨大蜂の襲来」(2016)*ネタバレ

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、人食い巨大蜂が人類を襲うパニックムービー、
『スタング 人食い巨大蜂の襲来』ですよー!

DVDジャケットの地雷臭があまりにスゴくて、手が出す勇気が持てなかった作品なんですが、「未体験ゾーンの映画たち2016」上映作品と知って、今回思い切って観てみることにしましたよー!

なお、今回はネタバレ全開、悪口も満載になると思うので、本作が好きな方、ネタバレが嫌な方は、スルーしていただけると嬉しいです。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp このジャケットの地雷臭w

あらすじと概要

「武器人間」「ザ・レイド」の制作会社・XYZ Filmsが手がけ、巨大スズメバチに襲撃され地獄と化したパーティ会場の惨劇を描いたモンスターパニックアクション。

ストーリー:ケータリング会社を営むポールとジュリアは、田舎の豪邸で開かれるホームパーティに出張する。ところが、華やかなパーティ会場を突如として獰猛なスズメバチの大群が襲撃。参加者たちがパニックに陥る中、刺された人々の体内からさらに巨大化したスズメバチが這い出してくる。

出演は「エデン」のマット・オリアリー、「パシフィック・リム」のクリフトン・コリンズ・Jr.、「エイリアン2」のランス・ヘンリクセン。監督は、ラース・フォン・トリアーの「メランコリア」でVFXを担当したベニ・ディエズ。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。(映画.comより引用)

 

 

感想

ざっくりストーリー紹介

父が急死し、ケータリング会社の社長を務めることになったジュリア(ジェシカ・クック)と従業員のポール(マット・オリアリー)は、金持ちが集まる郊外の豪邸に向かいます。
その車中での会話で、ジェシカは会社を守ろうと必死、一方のポールは頼りないボンクラだと分かるんですね。

で、そのパーティーの主は怪しげな製薬会社の社長を亡くした未亡人のおばあちゃんと、いかにもなボンクラ息子シドニー。(クリフトン・コリンズ・Jr.)
パーティーには市長(ランス・ヘンリクセン)を始め地元の名士が集って盛況なんですが、突如現れた手のひらほどもあるスズメバチ(というかジバチ?)が襲来。
しかもその蜂は襲った人間に卵を産み付け、あっという間に孵化した卵はあっという間に人間大の成虫となって体内を突き破り次の人間を襲うわけです。

襲われた人間の体から、次々と巨大蜂が生まれる地獄絵図の中、何とか屋敷に逃げ込み生き残ったジェシカ、ポール、市長、シドニーの4人でしたが、実はこの巨大蜂はシドニーが市販の肥料に父親の作った成長ホルモンを混ぜたせいだった事が判明。

しかも、シドニーも蜂に刺されていて、ハイブリット蜂人間になった彼は、三人に襲いかかってくるのです。

映像は悪くない

とまぁ、いかにも低予算のB級映画といった内容の作品なんですが、意外にも(失礼)
映像のルックはそんなに悪くなかったんですよねー。
卵を産み付けられた人の身体を突き破って出てくる巨大蜂のシーンは、80年代の特撮ホラーを連想するいい感じの作りだったし、巨大蜂の頭部に人間の顔の一部が残ってる演出なんかも気持ち悪くていい感じでしたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com どこか80年代を思わせる造形

CGの方も、思ったほど悪くなくて、(暗い画面だからって事もあるんですが)いかにもな安物CGって感じはしませんでしたねー。
セットもちゃんと作られていたし、映画全体のルックはそれほど悪くないのです。

問題は余計な詰め込みと間の悪さ

ただ、(多分ですが)脚本と演出に問題があったんじゃないかなと。
まず、物語にメリハリがない。
例えば4人が地下のワインセラーに立てこもって、それぞれの過去を語るシーン。
そこで、バカ息子のシドニーが蜂に刺されて体内で蜂が動いてるのが分かるんですけど、その様子が何度も何度も小分けに撮されるわけですよ。
市長(ランス・ヘンリクセン、エイリアン2に出てた人なんですね)とポールが、
どーでもいい過去を語っている合間合間にシドニーのそのシーンが細切れに挟まれてて………
お前が邪魔で話に集中できないわー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
ってイライラ。しかも、間が悪いので「くるぞくるぞ…」っていうサスペンスにもなってないんですよねー。
しかも、シドニーが襲いかかる様子は、カメラが外にいるポールを追いかけてるので映ってないっていうね。

豪邸から逃げ出そうとするも、蜂に邪魔されるシーンも、似たようなシーンが何度も繰り返されてグダグダグダグダギダグダグダ……
そんなにいらんわー!(`ロ´)ノムキー!

しかも合間合間で、ポールのズッコケシーンみたいのを挟むので更にテンポはグダグダ。こっちが物語に乗りかけても、そういう余計な演出で冷めちゃうのです。

カッコつけてるけど様にならないキャラなのは分かるんですけど、なんかこう中途半端でイライラしてしまう。
役立たずなら役立たずに振り切ればいいし、ヒーロー感出したいならそっちに振り切ればいいのに、何だかどっちつかずなので、ジュリアの男前な活躍も活きないのです。

あと、いつ蜂が出てくるかとドキドキ…からのドーン! 美味しいシーンも、間が悪いので全然ビックリしないんですよ。お、おう…的な。

ちなみに役者さんたちは、ちゃんと熱演してるんです。
なのに、演出と編集の間の悪さがせっかくの熱演を台無しにしてるように思ったし、上狙いは分かるけど出来てないなーと。

とはいえ、冒頭の映像は面白くなりそうな期待が持てたし、ポールとジェシカの車中のやりとりがラストに繋がってる伏線なんかは、割と気が利いてるなと思いました。
あと一回助かったと思ったら~的なラストは鉄板だけど中々いい感じでしたしね。
そこも正直、もうちょっといい感じに〆られたんじゃないの?とは思いましたけども。

まぁ、この手の映画に文句をつけるのが野暮なのは重々承知してはいるんですが、「B級映画だから」とか「低予算だから」の問題じゃなく、間の悪さとかとっ散らかってる部分が気になっちゃうのはもったいないなーと思うんですよね。

前述したように映像自体はそんなに悪くないだけに、もし、違う監督が撮ったら意外といい感じの映画になってたかもと思うと、かなり残念な気持ちになりました。

ただ、ほかの人のネット評を読んでみると概ね好評なので、単純に好みの問題なのかなー?

そんな訳で僕の好みには合わない作品でしたが、映像や造形は結構良かったし時間も短いので、サクッと観るにはいいかもしれません。

興味のある方は是非

 

風刺コメディー? それとも……「帰ってきたヒトラー」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ドイツの作家ティムール・ヴェルメシュが2012年に発表した風刺小説「帰ってきたヒトラー(原題:Er ist wieder da)」の実写化作品、『帰ってきたヒトラー』ですよー!

聞いていた噂通り、最初は笑って見てられるんですが、物語が進むうちにどんどん怖くなっていく作品でした!((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタ

そんな訳でまだまだ、DVDレンタルを開始したばかりの作品なので、出来るだけネタバレはしないように気をつけますが、これから観る予定の方はいつも通り、映画を先に観てからこのブログを読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ティムール・ヴェルメシュのベストセラー小説を実写化したコメディードラマ。独裁者アドルフ・ヒトラーが突如として現代に出現し、奇想天外かつ恐ろしい騒動を引き起こす。舞台を中心に活躍するオリヴァー・マスッチがヒトラーを演じ、「トレジャー・ハンターズ アインシュタインの秘宝を追え!」などのファビアン・ブッシュや『ビッケと神々の秘宝』などのクリストフ・マリア・ヘルプストらが脇を固める。21世紀の民衆が、知らず知らずのうちにヒトラーに扇動されていくさまに注目。

ストーリーナチス・ドイツを率いて世界を震撼(しんかん)させた独裁者アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、現代によみがえる。非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマンにスカウトされてテレビに出演する。何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが……。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

リアル「ヒトラーおじさん」

本作を観た、ある年代以上の人の中には藤子不二雄の短編マンガ「ヒトラーおじさん」を思い出した人も多いんじゃないでしょうか?
本作を一言で言うなら、まさにリアル?「ヒトラーおじさん」です。
なんたって、主役は現代にタイムスリップした本物のヒトラーですからね。

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画像出典元URL:http://eiga.com 現代にタイムスリップしてきたヒトラー

死の直前、何故か現代ドイツにタイムスリップしてきたヒトラー
しかし周囲の人間は彼をモノマネ芸人だと思い、その完成度の高さ(というか本物だけど)で一躍世間の人気者に。
そして、国民は次第に彼の言動に魅せられていき……。という内容。

最初のうちは、カルチャーギャップネタや勘違い、すれ違いネタ満載でコッチも笑いながら観ているんですが、ヒトラーの人気が高まってくると物語は次第に恐ろしいホラーへと変わっていくのです。

オリヴァー・マスッチの見事な演技

そんな現代に蘇ったヒトラー総統を、ときに滑稽に、ときにチャーミングに、そしてときに恐ろしく演じるのが、ドイツの舞台を中心に活躍する俳優オリヴァー・マスッチ。
この人のヒトラーがまさに絶品で、つけ鼻とかつら、そして皺とトレードマークのヒゲなどの特殊メイクと衣装で見かけもバッチリなんですが、ちょっとした動きや表情、声など、段々ヒトラーにしか見えなくなってくるんですよねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com オリヴァー・マスッチの見事な演技

映画の設定もあるかもですが、ヒトラーが本当に現代に蘇ったような実在感があるというか。
もちろん僕も、「本物」のヒトラーは古いフィルムでしか観たことがないんですが、多分、多くの人の中にあるヒトラーのイメージそのものという感じなんじゃないでしょうか。

半分ドキュメンタリー映画

ヒトラーが目を覚ますと、現代にタイムスリップしていたところから物語はスタートします。

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画像出典元URL:http://eiga.com 最初はモノマネ芸人だと思われているが…

訳が分からず、街の中をウロウロしている彼を見て、人々はモノマネ芸人か映画の撮影だと思い込んで握手をしたり、一緒に記念撮影をしたり。
やがて、偶然が重なって彼はテレビ局をクビになった冴えない男ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)と出会います。
二人は地方を回って撮影した動画で、人気ユーチューバーになり、ついにゴールデンタイムの人気テレビバラエティーに出演し一躍時の人に。

この、地方を回りながら色んな人と政治的な話をするシーンや、人気者になった彼が右派政治団体の人と話をするなどのシーンは、実は役者じゃなく本当に素人の人々にオリヴァー・マスッチが「ヒトラーとして」話をしたり聞いたりしてるんですね。
他にもゲリラ的に行われた撮影で写りこんでいる人たちの多くは一般の人たちだったりします。

この、「一般の人達」の反応が、物語にリアリティーを持たせ、物語のラストシーンへと繋がる大きな伏線にもなっているんですね。

物語の性質上、劇中で使われているのは右寄りな人たちが多いわけですが、それこそ若者からお年寄りまでが移民や避難民に対して排他的な発言をし、さらに「収容所を作ればいい」と言い出す人までいる始末。

ちなみにドイツの名誉のために書いておくと、多くのドイツ国民はヒトラーの格好をするオリヴァー・マスッチに不快な態度だったそうですよ。念のため。

しかし、(偽物だと分かっていたとは言え)ヒトラーの格好をしてヒトラー的な発言をするオリヴァー・マスッチに対して、一般の人(ドイツ内外の人)が好意的な態度を示したり、移民や避難民にたいして排他的な発言をしているのを見ると、何ともそら恐ろしい気持ちになっちゃうんですよねー。

同時にこれはドイツだけでの話ではなく、日本も含めた世界的な「空気」がナショナリズム方向に流れている現代、単なる絵空事のフィクションや他人事とは思えない「リアル」な恐怖なんですよね。

その「リアル」の重さがあるからこそ、ラストでザヴァツキに対してヒトラーが語るセリフに、観ているコッチもギクリとさせられるわけです。

コメディーシーンも秀逸

こんな風に書くと重い映画だと思われるかもですが、もちろんそれだけではなく、本作はコメディーとしても非常に面白い作品です。

ある事件からヒトラーをクビにしたことで、テレビ局の人気が落ちまくって局長が追い込まれるシーンでは、ニコ動の「総統シリーズ」(映画「ヒトラー 〜最期の12日間〜」のヒトラーセリフに嘘字幕をつけたMADシリーズ)に使われる、有名なシーンをまるっとパロディーにしてたり、前述したような面白いシーンも沢山あって、声を上げて笑ってしまいました。

レンタルのブルーレイ版だと、メイキングや主演のオリヴァー・マスッチのインタビューも収納されているんですが、彼の言う「民主主義はとても脆いものだから、みんなで注意深く守っていかなくてはならない」(意訳)という言葉こそがこの作品のテーマなんじゃないかなーと思いましたねー。
もし、レンタルした人は本編と合わせて観て欲しいと思ったし、世界中に排他的で嫌な空気が充満してる今だからこそ、観る価値のある映画だと思いました。

興味のある方は是非!

 

ナメてかかったら見事に騙された! 「アンノウン」(2011)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、映画「96時間」で超絶強いけど娘大好きCIAエージェントを演じて一躍アクションスターとして名を轟かせた名優、リーアム・ニーソン主演のサスペンスミステリー『アンノウン』ですよー!

この作品も観よう観ようと思ってるうちに忘れていた作品なんですが、よく出来た脚本に「そういうことかー!」と、すっかり騙されてしまいました。

ただ、この映画ネタバレすると台無しなので、すっごく感想が書きづらいですw
というわけで先に書いておくと、個人的に超面白かったです!

なので極力ネタバレしないように気をつけますが、もしこれから本作を観てみようかなという人は、先に映画を観てから、この感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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あらすじと概要

『96時間』リーアム・ニーソンを主演に迎えた、ベルリンを舞台に繰り広げられるアクション・スリラー。交通事故から目覚めると妻が自分のことを忘れ、別の男が自分に成り済ましていた上に、何者かに命を狙われる羽目になった男が、奪われた身元を取り戻そうと奮闘する。監督は、『エスター』が高い評価を得たジャウマ・コレット=セラ。共演には『イングロリアス・バスターズ』のダイアン・クルーガー、『マイケル・コリンズ』でリーアムと共演したエイダン・クインら国際色豊かな顔ぶれがそろう。

ストーリー:ベルリンで交通事故に遭ったマーティン・ハリス(リーアム・ニーソン)が意識を取り戻すと、妻が自分のことを忘れ、見知らぬ男(エイダン・クイン)が自分に成り済ましていた。異国の地で身元を証明する手だてがない中、彼は訳も分からぬまま何者かに命を狙われる羽目に。タクシー運転手ジーナ(ダイアン・クルーガー)の協力を得て、マーティンは真相究明に乗り出すが……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

ざっくりこんな物語

本作のストーリーをざっくり説明すると、

学会に出席するため植物学者のハリス教授と奥さんがベルリンに入国。

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しかし空港に荷物を忘れたことに気づいたハリス教授はタクシーを拾って空港にとんぼ返りするんですが、その途中で事故に巻き込まれ4日間の昏睡状態から目覚めた彼がホテルに戻ると、知らない男が自分の名を名乗り、奥さんもその男が旦那でハリスを知らない男だと言ったからさぁ大変。

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そこからハリス教授の自分探しの物語が始まるという物語です。

主演は名優リーアム・ニーソン

本作の主演リーアム・ニーソンと言えば、スティーブン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」アカデミー主演男優賞にノミネートされた名優ですが、僕の中では「96時間」で娘を誘拐したテロリストを皆殺しにするCIAオヤジのイメージが強くて、なので本作も正直ナメてたんですよねーw

ところが、いざ観てみたら見事なミステリーサスペンスで、真相が明かされた瞬間「あーそういう事かー!」と、見事に騙されてしまいました。
もちろん作品事態の構成も上手いんですが、リーアム・ニーソンの緊迫感溢れる演技も、作品に大きく貢献していたと思います。

また入院先の看護婦の紹介で、ハリスに協力する旧東ドイツの秘密警察の老人ユルゲンを演じるブルーノ・ガンツの演技も素晴らしかったですねー!
隠居した老スパイという一癖も二癖もありそうなキャラを見事に演じていました。

ハリスと一緒に真相に近づいていき最後にひっくり返される快感

本作は中盤までハリス視点で描かれて行くので、見ているこっちもハリスと同じように混乱し、真相に近づいていきます。
なので、次第に明かされるヒントを見ながら「こういうことかな?」と推理しながら観ることが、後半まで物語の推進力になります。
そして、すべての謎が明かされた瞬間、足元からひっくり返されるわけですが、その時にそれまで不自然に感じていたハリスの行動や、ユルゲンの含みのあるセリフ全てに納得するんですよね。

これ、本作の中だけじゃなく「96時間」以降のリーアム・ニーソンのアクションスターのイメージも何気に「仕掛けの一つ」として機能してるような気がするんですよね。
もしかしたら、そこも踏まえてのリーアム・ニーソンの起用だったじゃ……というのは流石に考えすぎなのかなw

とまぁそんな感じで、アクションあり、サスペンスあり、ミステリーありと、とても良く出来たエンターテイメントでした。(´∀`)

 

ただ、ラストは多少モヤモヤするけど。

興味のある方は是非!!!

 

▼ジャウム・コレット=セラ監督作品▼

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テキサス系ホラーを逆手に取ったスプラッタコメディー「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」(2012)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、テキサス殺人鬼系ホラーを逆手に取ったコメディー
『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』ですよー!

公開時に気になってた作品ですが、DVDレンタルを待ってる間にすっかり忘れてて、「何か面白い映画ないかな~」と先日TSUTAYAをウロウロしてる時に見つけて「あ、そういえば!」と早速レンタルしてきましたー!

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp/

あらすじと概要

休暇を過ごすため森へやって来た2人の男が、キャンプ中の若者たちに凶悪な殺人鬼と勘違いされたことから巻き起こる騒動を描いたスプラッター・コメディー。思わぬ誤解から死人が続出する事態に陥っていく気のいい中年男2人を、『猿の惑星:創世記ジェネシス)』のタイラー・ラビーンと、『3時10分、決断のとき』のアラン・テュディックが演じる。血みどろ残虐描写の連続など、従来のスプラッター映画のイメージを覆す前代未聞の展開に爆笑必至。

ストーリーとても仲がいい中年男のタッカー(アラン・テュディック)とデイル(タイラー・ラビーン)は、手に入れたばかりの別荘で休暇を過ごすため森へやって来る。しかし、同じころに近所にキャンプに来た大学生グループから、森の奥深くに住む殺人鬼と勘違いされてしまう。さらに、二人が川でおぼれかけていた女子大生を救出したことが誤解を招き、思いもよらぬ事態へと発展していく。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

テキサス殺人鬼系ホラーのテンプレを逆手にとったコメディー

本作は「悪魔のいけにえ」から連なる、いわゆる「テキサスの田舎に行くと殺人鬼に襲われる系ホラー」のテンプレを逆手に取って、勘違いと思い込みからのボタンの掛け違いで、事態が大ごとになっていくドタバタホラーコメディーです。

(多分テキサスの)ある森のキャンプ場に遊びにきた大学生のグループは、その道中でいかにも不気味な二人組、タッカーとデイルと出会うんですね。
しかし、実は二人はコツコツ貯めたお金で買った念願の別荘(山小屋)に休暇でやってきた、仲良しのおっさん二人組。

この二組の目的地は一緒で、キャンプに来ていた大学生が夜、湖で泳いでいるところに、たまたま夜釣りに来ていたタッカーとデイルと鉢合わせ。
びっくりして湖で溺れた女の子アリソン(カトリーナボーデン)を助けようとしている二人を見た大学生たちは、友達が殺人鬼にさらわれたと勘違いしたからさぁ大変! 

その後「さらわれた」アリソンを救おうとする大学生たちですが、偶然が重なって次々に無残に死んでいく(全部自滅)んですねー。

タッカーとデイルを応援せずにはいられない!

イケてる大学生に殺人鬼と勘違いされる、イケてない中年タッカーとデイルですが、二人は田舎のトイレ工場で働くただの気のいいオッサンでして、とくにデイルの方は魚が可哀想で本当は釣りも嫌いな優しい男なんですね。
対する大学生グループは都会のインテリ学生で、最初から田舎者をバカにするイヤな感じのやつら。

なので、二組の事情を知った観客は、どうしたってタッカーとデイルに感情移入してしまうわけです。

二人に救われたアリソンは早々に誤解に気が付くものの、大学生グループのリーダーでアリソンに言い寄る青年チャドのせいで、状況はどんどん悪化していきます。

二人が買った小屋に、アリソン救出のために忍び寄る→小屋の修理のためチェーンソーで朽木を切っていたタッカーがうっかり蜂の巣を切ってしまってチェーンソーを振り回しながら蜂から逃げる→大学生は自分に襲いかかってきたと勘違いして逃げる→前をちゃんと見てないので尖った木の枝に突き刺さって死ぬ。

トイレ用の穴掘りを手伝うアリソンを物陰から見た大学生が、デイルに脅されて自分の墓穴を掘らされてると思い込む。

ウッドチョッパー(木片を粉砕する機械)の前で作業していたタッカーの後ろから襲いかかる学生→タッカーが木を拾おうとしゃがむ→学生はウッドチョッパーに頭から突っ込んで死ぬ。みたいな感じ。

いや、最初から警察呼べよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ 

と、観ているこっちは大学生グループにツッコんでしまうし、実際メンバーもチャドにそう進言するんですが、チャドの方は自分たちでアリソンを助けようとノリノリで被害は拡大する一方なんですね。
つまり本作は、無能なリーダーは組織を壊滅させるという組織論的映画です。(嘘)

まぁ、全体的にかなり無理があるなーと思うものの、「悪魔のいけにえ」系映画のパロディーだし、すぐに解決しちゃうと映画にならないので仕方ないのかなーと。
この手の映画の場合、ストーリーのゆるさも味のうちですしねーw

ただ、ラストの方でチャドの行動の理由が明かされるんですが、それは流石に蛇足なんじゃないかなーと思いましたねー。
無理に物語の統合性をつけようとしないで、最後まで勘違いのまま、大学生グループが全滅して欲しかったかなと。

そんな感じでストーリー的にはかなり無理があるし、残酷な描写も満載(R-15指定)なので万人にオススメできる映画ではありませんが、スプラッタホラー好きな人は結構楽しめる良作なんじゃないかと思いましたよー。

興味のある方は是非!!

 

NYを影から守る4人兄弟が帰ってきた!「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2014年公開のアメコミヒーロー映画「ミュータント・タートルズ」の続編、『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』ですよー!

前作よりもスケールアップしたカメ4兄弟が活躍する楽しい映画でしたー!

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あらすじと概要

4人組のカメ忍者が活躍する人気ヒーローシリーズを実写映画化した『ミュータント・タートルズ』の続編。タートルズの面々が世界を救うため、ニューヨークの街を飛び出し力を発揮するさまを、カーアクションや迫力あるアクロバティックシーンと共に描き出す。前作に続きヒットメーカーのマイケル・ベイが製作を務め、ヒロインのミーガン・フォックスが続投。『アース・トゥ・エコー』などのデイヴ・グリーンがメガホンを取る。

ストーリータートルズの宿敵シュレッダー(ブライアン・ティー)は、マッドサイエンティストバクスター・ストックマン博士(タイラー・ペリー)らの協力で脱獄し、再びニューヨークを大混乱に陥れようと画策。邪悪な陰謀を阻止すべくタートルズと仲間たちが動くものの、ミュータントに変身したビーバップ(ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ)とロックステディ(ステファン・“シェイマス”・ファレリー)が立ちはだかる。さらに世界征服をたくらむ悪の帝王クランゲが異次元から襲来し……。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

前作の感想でも書いたんですが、「ミュータント・タートルズ」が日本でアニメ放映されてた頃、僕はすでに大人だったので、(名前は知ってたんですが)観たことはなく、なので前作「ミュータントタートルズ」で初めてちゃんと観たんですね。

スーパーマンバットマンが、いわゆる中二的カッコよさなら、本作は小学五年生男子がワクワクするような、笑いありアクションありの作品です!

主人公は4人組のカメ忍者!

本作の主人公は、突然変異で誕生したカメ忍者。
日本でも放映していたので、アニメで観たことがある人も多いんじゃないでしょうか。

1984年、原作者ケヴィン・イーストマンとピーター・レアードの二人がミラージュ・スタジオの名義で3000部だけ印刷された白黒同人誌『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』からスタートしたこのシリーズは、映画、ドラマ、アニメなどのメディアに登場し、マイケル・ベイ制作のもと、前作「ミュータント・タートルズ」としてリメイクされました。

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リーダー兼戦略担当のオールラウンダー、レオナルド(青)
男気溢れる釵(さい)の達人、ラファエロ(赤)
陽気で無邪気、ヌンチャクの達人、ミケランジェロ(黄)
棒術の達人でメカニック担当、ドナテロ(紫)

4人は、NYの下水道を改造した隠れ家で、突然変異したネズミの師匠、スプリンターと暮らし、密かにNYの街を守るニンジャヒーローなんですね。

前作でも登場したヒロイン、エイプリル・オニール役のミーガン・フォックスが続投。
前作のラスボス、シュレッダーも今回は顔出しで登場します。

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更に、本作ではマッドサイエンティストバクスター・ストックマン博士(タイラー・ペリー)
ホッケーマスクをかぶったNY市警のケイシー・ジョーンズ(スティーヴン・アメル)
イノシシとサイのミュータントに変貌したビーバップ&ロックステディ
悪の帝王クランゲ などなど、本シリーズの人気キャラも登場しますよー!

ディテールにワクワク!

本シリーズの特徴は、他のアメコミヒーローものに比べて低年齢層向きだということ。なので、DCやマーベルのヒーローのように深刻に悩みすぎないし、ストーリーも極めてシンプルです。

もちろん、彼らも悩んだり、揉めたり、傷ついたりするんですが、テーマを兄弟の絆に絞って、あとはアクションや笑いで観客を楽しませてくれるんですよね。

今回は全体的に前作よりスケールアップしていて、ウォータースライダー付きの隠れ家や、タートルズが出動で使う改造ゴミ収集車(ニトロ、巨大ヌンチャク、各種レーダーやモニター、捕獲網発射台など装備)のディテールは、もう見ているだけでワクワクしてしまう小五男子仕様になってます。

なので一本の映画として、ストーリーは大人が観るには少々物足りなさはあるかもですが「そういうもの」として観れば、大人でも十分に楽しめる作品なんじゃないかなーと思います。

ビーバップ&ロックステディがサイコー!

前作で、タートルズの活躍で刑務所に収監されたシュレッダー(ブライアン・ティー)の脱走から物語はスタート。
悪の帝王クランゲから渡された謎の青い液体を使い、サイと猪の怪人になってしまった小悪党のビーバップ&ロックステディは、本作のコメディーリリーフとして活躍するんですが、この二人が何とも微笑ましくて、悪役なのに全然憎めないんですよねーw

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悪党というよりもクラスの悪ガキコンビのような感じなんですよ。
で、サイと猪の遺伝子によって強くなったものの、元がバカなのでシュレッダーの足を引っ張ってばかり。でも、二人共ずっと楽しそうで、観ているこっちまでハッピーな気持ちになっちゃうんですよねー。

前作では、主にミケランジェロがコメディーリリーフを担当していたんですが、本作では彼らの成長や葛藤が描かれる分、4人は少しだけシリアス寄りになっていて、その分を、この二人があらゆるシーンで笑わせてくれるのです。
もちろん、タートルズ4人のやり取りの面白さも健在ですけどね。

アイデンティティーの物語

本作で登場する、遺伝子を組み替えてしまう謎の液体をドナテロが解析してみると、人→獣だけでなく、獣→人にもなれることが分かります。
タートルズの4人はカメなので、人前に姿を見せる事はできません。
しかし、もし人間の姿になれたら……。
人間への憧れに揺れ動くタートルズの4人はどうするのか!

というのが、本作のメインテーマ。
つまり、本作はアイデンティティを巡る成長の物語なんですねー。

整理されたアクション

とは言うものの、本作のお楽しみといえばド派手なアクション。
本作でも、アクションの面白さは健在で、道路で、ビルで、飛行機の中、ジャングル、川と、あらゆる場所で4人のニンジャアクションが繰り広げられますよ!

正直アバンの部分は目が慣れてなくて、少し観づらい印象もあったんですが、4人と敵、味方が入り乱れる複雑なシーンでも、観客が置いてきぼりにならないよう整理されているので、トータルではとても見やすかったし、各セクションでそれぞれ工夫も凝らされているので、最後まで飽きることなく観ていられましたー!

ぶっちゃけ、ヒーロー映画はアクションさえしっかり押さえててくれれば僕はある程度は満足ですし、ストーリーも前作より本作の方が個人的には面白かったように思いましたねー。

興味のある方は是非!

 

▼関連リンク▼

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