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今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

まんま女の子版テッドだった 「ベラ」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品のドイツ映画
『ベラ』ですよー!

本作を一言で言うと命を持ったテディベアのドタバタコメディー映画『テッド』の女性版です。
孤児院育ちのヤナが唯一父親から貰った、命を持った人形ベラが騒動を巻き起こすブラックコメディー? です。

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ドイツ版「テッド」とも言える異色のロマンティックコメディで、命を宿した女の子のぬいぐるみ・ベラが巻き起こす騒動を過激なブラックユーモアたっぷりに描いた。
ストーリー:結婚を目前に控えた幸せなカップルの前に、突如として現われた赤いおさげ髪の人形ベラ。可愛らしいルックスとは裏腹に毒舌で下ネタが大好きなベラは、酒やタバコ、時にはドラッグまでたしなむトラブルメーカーだった。そんなベラの存在がカップルの関係に波乱を巻き起こし、彼らは婚約解消の危機に陥ってしまう。

監督はドイツのテレビ界で活躍するジョッシュ・ブロエッカー。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。(映画.comより引用)

 

 

感想

まんま女の子版『テッド』だった

本作は「もし、テッドが女性だったら?」っていう発想で作られた作品で、内容はほぼそのままテッドでしたw
噂には聞いてたけど、正直ここまでとは思いませんでしたよ。

ただ、ベラがぬいぐるみじゃなく「人形」であること以外にも、いくつか変更点があります。

まず、ベラの親友ヤナ(ローラ・ベルリン)は孤児院育ちの女の子。
ヤナは幼少の頃に孤児院に預けられていますが、彼女を捨てた父親の唯一のプレゼントが命を持った人形のベラだったという設定。
しかし大人になったベラはスターを目指し孤児院を出て行き、ずっと音信不通なんですね。

一方のヤナは、同じ孤児院で育ったウォルフガング(トム・ペック)と婚約。
二人の新居も購入予約し順風満帆に思えた彼女のもとに、破産したベラが転がり込み、ふたりの仲をぶち壊そうとするんですね。

で、ベラの性格も破天荒でタバコは吸うし、麻薬も吸うし、乱交パーティーもするしと、まぁ、まんまテッドなわけです。

設定を変えた事でかなり無理のある展開に

じゃぁ面白いのかというと、これが個人的には正直うーん……っていう。
テッドの場合、中年のボンクラ男とボンクラテディーベアがずっと一緒に育ってきたってのが一つポイントだったと思うんですが、本作の場合、前述したようにヤナとベラはかなり前に別々の生活を送っているんですね。

で、このヤナは非常に奥手というか真面目で、今まで付き合ったのはウォルフガングだけ。しかも母親は亡くなり父親は彼女を捨てて音信不通なので、ヤナは愛される事を渇望しつつ自分に自信がもてないっていう、かなり重い設定なんですね。

もちろんコメディーなので、あまり重くは描かれてないものの、この設定を中心に物語が展開していくので、テッド的なバカバカしさを求めて観ると、肩透かしを食らう事になるかもしれません。

展開的にも、冒頭から好き勝手に暮らして破産するベラと、ヤナとウォルフガングのラブラブな生活を交互に見せて、ウォルフガングが新居でヤナにプロポーズするところで、ベラと合流するんですが、このプロローグが長くて少々かったるく感じるんですよね。

あと、ウォルフガングとベラ、ウォルフガングとヤナ、ヤナとベラの関係性もセリフで説明されるだけなのも、感情移入しにくいかなと。
その辺の関係性は映像でも見せて欲しかったなーと思いました。

もちろん面白いシーンもあるけど

思わず笑っちゃう面白いシーンももちろんあるんです。
例えば、酔ったヤナにゲロをかけられたベラがコインランドリーでグルグル洗われたり、部屋干しされたり、車に轢かれたり、車に飛び込んだら窓に張り付いちゃったりと、テッド同様ぬいぐるみ設定の面白ギャグも沢山入ってるんですが、ただ、ベラの弱点や命のルール(例えばどうなったら死んじゃうとか)が曖昧なので、その後の色々な展開にもドキドキもハラハラもないし、そもそもベラが何をどうしたいのかイマイチ分かりづらいんですよね。

下品なギャグに引く

で、ベラの性格はほぼテッドと同じハチャメチャなんですが、例えばベラが男を連れ込んでHしたり、下品なジョークを連発したり、タバコや麻薬を吸ったり、ゲップやオナラをしたりすると、正直ちょっと引いちゃうんですよね。
これが人間の大人の女性なら(多分)平気なんですが、見た目は女の子の人形なだけになんかこう、より下品さが際立っちゃうってうか。

テッドの場合は男(オス?)で、しかもオッサンでクマっていうワンクッション入ってるので、下品さもある程度緩和されて面白さに変わるんですが、人型で見た目女の子の人形だと人間(というか少女)に近い分、下品さが際立っちゃう気がしました。

僕が男だからそう思っちゃうのかなー?

振り切れてない

で、本作の一番の問題は笑いと物語のどちらにも振り切れてないって事じゃないかなーって思います。
テッドを意識して作るなら、いっそ設定からまるっとパクって、幼馴染のダメダメ中年女性コンビの片方に彼氏が出来て…っていうドタバタにしたほうが良かったんじゃないかなと。その上で、男女の友情の違いを描いていく的な。

本作でヤナ役を演じる、ローラ・ベルリンが上品で美人でいい子すぎるので、ダメ要素や下品要素を全部ベラに背負わせる形になっちゃって、ベラの面白さより嫌な感じが前面に出ちゃってるなーと。
監督やスタッフはまさにそんな二人のギャップと友情物語を狙ってたのかもですが、ある種バディもの特有のコンビならではの相乗効果的な面白さが削がれちゃってる感じだし、二人の友情もイマイチ描ききれてなかったように感じました。

という感じで、個人的にはあまり合わない作品でしたが、面白いシーンは沢山あるし、僕も声を出して笑っちゃったシーンもあります。
人によってはテッドより、本作の方が楽しめるかもですしれませんね。

興味のある方は是非。

 

全てにおいて丁度いい面白さ「ペット」 (2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、『ミリオンズ』のスタッフが作った3DCGアニメ『ペット』ですよー!

一言で言うなら「全てにおいて丁度いい映画」って感じでした。(褒め言葉)

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

世界中でヒットを記録した『ミニオンズ』のイルミネーション・エンターテインメントとユニバーサル・ピクチャーズが作り上げた、ペットたちの知られざる世界に迫るアニメ。人間たちの留守中に犬や猫や小鳥といったペットたちが、どのように過ごしているのかをユーモアたっぷりに映す。『ロラックスおじさんの秘密の種』に携ったクリス・ルノーとヤーロウ・チェイニーが監督を担当。飼い主たちが知らないペットたちのキュートな姿に笑いがこみ上げる。

ストーリー:犬のマックスは、ニューヨークで大好きな飼い主のケイティと最高のハッピーライフを送っていた。ところが、ケイティが大型犬デュークを新たに連れてきたことから、マックスの生活環境はガラリと変化する。マックスとデュークが何とか自分が優位に立とうと頑張っていたある日、ひょんなことから彼らは迷子になってしまい……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

本作を一言で言うなら、ペットの日常を覗見る映画です。

ニューヨークに住む犬のマックスは、大好きな飼い主ケイティーと幸せに暮らしています。ふたりの住むアパートには、他にも犬や猫、インコやハムスターなど色々なペットを飼っている人たちがいて、その飼い主が仕事などで外出している間、冷蔵庫を開けて盗み食いしたり、ヘビメタでノリノリだったり、だれかの部屋に集まって談笑やパーティーしたり。

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マックスと同じアパートに住むペットたち。 画像出典元URL:http://eiga.com

そんな、飼い主には決して見せないペットたち姿をこっそり覗き見ちゃうというコンセプトの作品なんですね。

制作は『ミニオンズ』のスタッフ

そんな本作を制作しているのは、世界的にヒットした『怪盗グルー』シリーズのイルミネーション・エンターテインメント。
3Dアニメ制作会社としては、今やディズニー、ピクサー、ドリームワークスと並ぶビックカンパニーですね。

リアルな映像表現に重きを置く競合3社に対し、カートゥーンアニメ的な楽しさを追求している印象があります。

二匹のワンコのバディムービー

大好きなケイティーと幸せに暮らしていたマックスに、ある日とんでもない不幸がやってきます。
ケイティーが保健所から、大型犬デュークを引き取ってくるんですね。

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ケイティーがある日、大型犬デュークを連れてきちゃったからさぁ大変。 画像出典元URL:http://eiga.com

二匹は当然衝突し、マックスは何とかデュークを追い出そうとしますが、ある日散歩に出かけた二匹はある事情から迷子になり、保健所に捕まり、下水道で人間への復讐活動を企む「元ペット軍団」に追い回され、マックスの仲間のペットたちも巻き込んだ大騒動に発展するわけです。

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元ペット軍団のボスのスノーボール 画像出典元URL:http://eiga.com

保健所の職員や元ペット軍団から逃げ延びて家に戻るため、最初はいがみ合っていたマックスとデュークが次第にお互いを認め合っていくという、いわゆるバディムービーの犬版になっているんですね。

画面のあちこちで何かしら起こっている

イルミネーション・エンターテインメント作品の特徴として、本筋と関係なく画面のどこかで常に何かが起こっているってのがあるんですね。
画面の真ん中でメインのキャラクターが動いたり話したりしている奥で、別のキャラクターが別のことをしてコケたりドジッたり。

これは黄色の不思議生物ミニオンズが活躍する「怪盗グルー」シリーズから引き継がれた手法で、笑いや作品の楽しさに繋がってるし、本筋を邪魔しないバランスで常に画面のどこかで何かが動いている楽しさの演出という、実は結構難しいことをサラリとやってのけてるんですよねー。

動物好きなら思わずニヤリとしてしまう、ペットあるあるが満載

映像的リアリティーよりも、カートゥーンアニメ的楽しさに比重を置いている本作ですが、ペットたちと人間のバランスにはかなり気を使っています。
例えばペット同士だと普通に人間の言葉で話す動物たちですが、飼い主と一緒の時は鳴き声で人間と言葉が通じない様子を分かるようにしているし、ペットが理解出来ない(飼い主が昼間どこに行ってるのかとか)事は、本作のペットたちも分からないという前提で物語が進むなど、動物を擬人化しすぎないバランスのとり方を気をつけている感じがしました。

あと、何気にペットたちの動きがリアルなんですよね。
ヒロインのマルチーズがピョンピョンはねる仕草や、猫がパニック状態だったのをごまかそうと、何事もなかったみたいにすまして動くところとか、マックスがお腹を撫でられてる時、気持ちよくて後ろ足がピコピコ動いちゃうトコとか。

そういうちょっとした、でも動物を飼ってる人や動物好きなら思わずあるあるー! と笑ったりニヤニヤしてしまう細かいあるある描写が、本作のキャラクターに実在感を与えているんじゃないかなーって思いました。

全てにおいて丁度いい

ディズニー、ピクサー作品なんかは、(特に最近は)世界で起こっている様々な社会問題を、メタファーとして作品に入れ込んでますよね。
もちろんそこも含めて面白いんですが、体調や気分次第では観るときに少し構えちゃう部分もあったりします。

そういう意味では「ミニオンズ」や本作は、気楽に見られて丁度いい感じだなーなんて思うんですよねw
本作も、(多分)人種や格差問題をメタファー的にうっすら取り入れてはいるんですが、どちらかといえば物語やキャラクターの動きの楽しさの方がメインになってる感じなんですよね。

時間も役1時間30分と大人から子供まで楽しく観るには丁度いいし、映像も物語も観ていて疲れない丁度いいサイズ感。キャラクターデザインもリアルすぎず、崩しすぎず、丁度いい可愛らしさと、とにかく何から何まで「丁度いい」映画(褒め言葉)なんですよね。

なので「映画が観たいけどあんまり重いのはちょっと……」という気分の時に観るのには丁度いい映画なんじゃないかと思いますよ。

興味のある方は是非!!

 

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ゴミ溜めの中でのたうつような青春映画「トレインスポッティング」(1996)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは1996年公開のイギリス映画『トレインスポッティング』ですよー!

前回ご紹介した「シング・ストリート 未来へのうた」と同じ、イギリスを舞台にした青春映画で内容やテーマもほぼ同じですが、内容は正反対。
こちらはスコットランドを舞台に、暴力&ドラッグ&セッ〇スにうつつを抜かす自堕落な若者たちの物語です。

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

スラムドッグ$ミリオネア』などのダニー・ボイルが、アーヴィン・ウェルシュの小説を映画化した異色青春ドラマ。ドラッグ中毒の主人公と仲間たちのハチャメチャな日々を、スタイリッシュな映像で活写する。今や大スターとなった若き日のユアン・マクレガーが主演を務め、『ビザンチウム』などのジョニー・リー・ミラーらが共演。イギリスをはじめ世界中が熱狂したポップな感性に魅了される。

ストーリー:ドラッグ中毒のマーク(ユアン・マクレガー)と悪友たちは常にハイ状態か、あるいはドラッグを手に入れるため盗みに精を出しているというていたらく。ある日、マークはこのままではいけないと更生するためにロンドンに行き職に就く。ところが、彼らの仲間が会社に押し掛けたことが原因で、マークはクビになってしまう。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

本作がDVD化されてレンタル店に並んでいたとき、パッケージがとにかく格好良くてずっと気になっていたんですが、なんとなく観るタイミングを逃してたまま時が過ぎ、今年、20年ぶりに続編が公開されるという情報を知り「そういえば、見逃してたっけ」と今回レンタルしてきたんですね。

前回ご紹介した「シング・ストリート 未来へのうた」が、清く正しい優等生的青春物語だったのに対し、本作はドラッグ&セックスに溺れる若者たちを描いた青春物語でした。

ゴミ溜めの中でのたうつような青春物語

本作が世界中で注目を浴びた理由は、カッコイイ音楽とスタイリッシュな映像に乗せて、ヘロインとセックスに溺れる若者のリアルな姿を描いたことが大きいと思います。
冒頭、ユアン・マクレガー演じる主人公レントンが万引きをして逃げ回るのシーンで幕を開けるんですが、その映像に乗せて、

「人生を選べ、仕事を選べ、キャリアを選べ、家族を選べ、バカでかいテレビを、洗濯機を、車を、CDプレイヤーを~(中略)未来を選べ 人生を選べ、俺は選ばないことを選んだ」
というナレーションが入ります。

この時の彼は、明日とか将来なんかまったく考えてなくて、とにかくヘロインでご機嫌になることだけが目的の自堕落な生活を送っているわけです。

そんなレントンの友達は、
同じくヘロイン中毒のスパッド(ユエン・ブレムナー
ヘロイン中毒でスケコマシのシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー
薬はやらないけどケンカ中毒のベグビー(ロバート・カーライル
薬もやらずトレーニング好きで彼女のいるトミー (ケヴィン・マクキッド)

の4人。

本作は、この5人を中心に物語が進んでいきます。

たまり場で、ヘロインを打ちまくりのレントンでしたが、何度目かの禁ドラッグで元気になります。すると今度はヘロインで抑えられていた性欲が湧き出てきてクラブで女の子をナンパ。
女の子の家でHが終わると「帰るか、廊下で寝るかにして」と言われ、廊下で寝て起きたら実はその子はまだ15歳。
さらに就職活動にも失敗して、ヘロイン仲間の赤ちゃんが死んで、再びヘロイン中毒に逆戻りして、ヘロインの金欲しさに万引きをして(これが冒頭のシーン)執行猶予つきの実刑判決をくらい、それでもヘロインを打って死にかけて、部屋に閉じ込められて禁断症状に耐え、更生するも友達のせいでクビになってヘロインに手を出して……。というダメっぷり。

じゃぁ友達はといえば、スパッドはレントンと万引きして一緒に捕まり実刑判決を食らってもドラッグをやめられず、シックボーイは趣味と実益を兼ねてドラッグの売人兼ポン引きになり、ベグビーは強盗で指名手配され、唯一まともだったトミーは彼女に振られ他ショックでヘロインに手を出してエイズになって……。

ほんとお前らどいつもこいつもーー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

っていうね。

それでも何故かレントンや仲間たちを憎めないのは、彼らが抱える“弱さ“に共感してしまうからなんですよね。
頑張ったところで先が見えてるとか、自分の国が最低とか、高卒じゃ採用されないとか、なんやかんや理屈をつけては、目の前の困難から目を逸らすためにドラッグに逃げる。ダメだと分かっていてもやめられない心地いい敗北に浸ってしまう的な弱さって、誰だって多かれ少なかれ一度は経験があって、本作ではそれをドラッグという形で誇張して描いてますが、その奥にあるテーマは世界中の若者が抱える普遍的な弱さを、肯定も否定もしないでありのままに描いているんですよね。
それゆえに、公開時は「ドラッグ賛美だー!」なんて叩かれたりもしたみたいですが。

ただ、ちゃんと最後まで観れば、本作が上記のような普遍的な物語を描いている事がわかると思います。

その上で、最後にはレントンの成長 物語として落とし込んでいるのも良かったですねー。

スタイリッシュなビジュアルとポップな音楽

そんな普遍的な物語に、ドラッグやセックスという刺激的な香辛料をたっぷりかけて、スタイリッシュなビジュアルとノリノリな音楽で彩ったことで、本作はイギリスだけじゃなく世界中の若者にカルト的な人気を得ます。

若者たちの様子をただリアルに描き出すんじゃなく、ヘロインでトリップしているレントンの視点を入れたり、なんともファンタジックな印象的な映像とユーモアで高揚感と躍動感のある画作りは、今観てもカッコイイなーって思いました。
ちなみに本作の音声はマサヒロ・ヒラクボという日本人の人が担当しているみたいです。

劇中使われる音楽も、イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」を始め、ブライアン・イーノプライマル・スクリーム、スリーパー、ニュー・オーダーなどなど、そうそうたるミュージシャンのヒット曲ばかり。

この音楽と映像、キャラクターの魅力、そして普遍的に共感されるストーリーが揃ったことで、本作は長く愛されるカルト的な青春映画になったんですねー。

僕も、もし十代から二十代前半で本作を観ていたら、きっとハマってたんじゃないかって思います。

続編は4月に公開されるらしいので、その前に本作を観てみるのもいいかも。

興味のある方は是非!!

 

トレインスポッティング2予告▼

www.youtube.com

 

 

甘酸っぱくてほろ苦い青春映画「シング・ストリート 未来へのうた」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ONCE ダブリンの街角で」や「はじまりのうた」で知られるジョン・カーニー監督の最新作『シング・ストリート 未来へのうた』ですよー!

懐かしい音楽に乗せて、少年の淡い初恋と青春を描いた作品です。
1980年代に青春を送った人には、映画を見ながら自分の過去を重ね合わせちゃう作品なんじゃないかと思いますよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ONCE ダブリンの街角で』などで知られるジョン・カーニー監督の半自伝的青春ドラマ。1980年代のアイルランド・ダブリンを舞台に、さえない日々を送る14歳の少年が一目ぼれした少女を振り向かせるためバンドを組み、音楽活動に没頭する姿を描く。主題歌を、カーニー監督作『はじまりのうた』に出演したマルーン5アダム・レヴィーンが担当。音楽がつなぐ出会いや少年たちの青春を、デュラン・デュランザ・クラッシュザ・ジャムなど当時のヒット曲が彩る。

ストーリー:1985年、ダブリン。両親の離婚やいじめで暗い日々を過ごすコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、音楽好きな兄と一緒にロンドンのミュージックビデオを見ることが唯一の楽しみという14歳。ある日、ラフィナ(ルーシー・ボーイントン)を見掛け瞬く間に恋に落ちた彼は、思わず「僕のバンドのPVに出ない?」と口走ってしまう。慌ててバンドを組んだコナーは彼女を振り向かせようと、クールなPVを撮るため音楽活動に奔走する。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

ざっくりストーリー解説

まず、ざっくりストーリーを書くと、大不況の煽りを受け父親が失業した少年コナーは授業料の安い荒くれ男子校に転校するハメに。
そこで、いじめっ子にいじめられたり、横暴な校長にいじめられたりしていたコナーですが、学校の前に立っている女の子ラフィアに一目惚れし、何とか話しかける話題を作ろうと「ウチのバンドのMV(ミュージックビデオ)に出ない?」とバンドなんかやったこともないのに誘ってしまうんですね。

で、急遽メンバーを集め、当時流行のブリティッシュロックの影響をモロに受けた曲で次々MVを撮影していく。という物語。

音楽だけじゃなく、コナーが次から次へと影響を受けたミュージシャン風のファッションに変わっていくのは観ていて面白いけど、過去の自分を思い出したりして、もう、(*ノェノ)キャーってなっちゃうんですよねーw

若者を取り巻くダブリンの閉塞感

本作の舞台は、監督の故郷でもある1985年のアイルランド・ダブリン。
不況の波で仕事は無くなり、それが原因でコナーの父親は失業し母親とはいつもケンカばかり。
しかも、そのせいで市内の荒くれ男子高に転校させられるわ、母親はパート先の上司と不倫するわ、あげく両親が離婚を決めるわと、思春期の少年にはかなり辛い状況なんですね。
しかし、それはコナーだけじゃなく、コナーが一目ぼれする少女ラフィナは両親に捨てられ孤児院住まいだし、いじめっ子はオヤジがアル中で虐待されてるし、兄貴は引きこもりだし、バンド仲間たちもそれぞれ家庭に何らかの問題を抱えてるんです。

で、ダブリンの若者たちは、海を隔てた50km先のロンドンに行けば……と、淡い希望に思いを馳せているわけです。

つまり、町全体が不景気による閉塞感に包まれてるんですねー。

そんな中、最初はオドオドしていた気弱なコナーはラフィアや音楽と出会うことで、少しづつ成長していくのが、本作の見所なのです。

懐かしい音楽が次々と

僕はあまり音楽には詳しくないんですが、本作でかかる音楽はそんな僕でも耳にしたことのある有名な曲ばかり。

モーターヘッド
デュランデュラン
a-ha
フラッシュ・アンド・ザ・パン
ザ・ジャム
ザ・キュアー
などなど、時代を代表するバンドの名曲が次々流れてきます。

で、コナーたちのバンド「シングス・トリート」はモロにこれらのバンドの影響を受けた“オリジナル曲“を作り出していきます。
寄せ集めの素人バンドな彼らの手で曲が生まれ、やがて音楽の形になっていく嬉しさや楽しさを、ジョン・カーニー監督は曲に乗せてテンポよく、しかししっかりと描いていきます。

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画像出典元URL:http://eiga.com 手作りのMVを撮影するシングストリートのイケてない感がリアルw

この感じって、バンドをやってた人ならみんな共感出来るだろうし、音楽でなくても、初めて自分の手で何かが形になる喜び(お絵かきや小説、手芸や料理、DIYなど)は、誰でも多かれ少なかれ経験はあると思うので、彼らの嬉しさや楽しさは多分、多くの人が共感出来るんじゃないかなーって思うんですよね。

同時にそれは、コナーたちにとって辛すぎる現実からの逃避でもあり、大人たち=社会への反抗でもあるんですね。

兄弟

本作でコナーを導いていく重要な役割を果たすのが、ジャック・レイナー演じる年の離れた兄ブレンダン。
コナーにとってブレンダンは音楽の師匠でもあり、一瞬でも両親の不仲という辛い現実を忘れさせてくれる父親変わりの頼りになる存在なんですね。
ただ、ブレンダンは両親の反対で夢を諦めたっぽいのです。
だから、コナーには諦めないで欲しいと、茶化しながらも背中を押すような言動をしてるんだろうなーと。

両親が1階でケンカしてるの時に、音楽をかけて兄弟(妹)3人で部屋で踊るシーンは超切ないし、ブレンダンが夕方玄関で一人の時間を送る母親の背中を階段に座って見ながらコナーに語りかけるシーン、いよいよ両親の離婚が決まったとき、コナーの一言が引き金になって感情を爆発させるシーンはグッときちゃいました。

本作のEDロールで「すべての兄弟にささぐ」って言葉が出るんですが、監督自身、亡くなったお兄さんをブレンダンに投影しているらしく、僕自身も長男なのでブレンダンに感情移入しながら観てましたねー。(僕はあんなに出来た兄ではないですがw)

“ある曲のMV“の撮影シーンに涙

そんな感じで劇中、コナーが学校の体育館でMV撮影をするシーン。
歌いながらコナーの頭の中で、最高にハッピーな妄想がそれこそMV風に展開されるんですよ。
50年代風の格好で決めたシングス・トリートの演奏に合わせて、生徒や嫌な校長が踊り、ラフィアや両親、ブレンダンもみんないて楽しげに踊ってるっていう、現実とは正反対の脳内MV。クライマックス前の一番悲しいシーンなんですが、映像がハッピーなだけにコナーの心情を思うと、もう号泣でした。

ハッピーエンド?

そんで、シングストリートの初ライブからのラストシーン。
このクライマックス、僕は「桐島、部活やめるってよ」を思い出しましたねー。
そしてラストシーンは、ぱっと見ハッピーエンドっぽいんですが、あえてハッピーエンドとハッキリは描かず、多少の不穏さを残して二人の行く末が不透明な感じで終わってるのも個人的にはとても良かったです。

そんな感じで個人的には大好きな作品なんですが、あえて言うならバンドメンバーとの関係にも、もう少しスポットが当たると良かったかなーと思ったりしましたねー。
まぁ、これは完全な「ないものねだり」なんですけどねw

ともあれ、本作を一言で言うなら、甘酸っぱくてほろ苦い青春映画の傑作だと思います!

興味のある方は是非!!

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吹き替え版で観るのがオススメ! 「ファインディング・ドリー」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2003年公開の『ファインディング・ニモ』の続編(というかスピンオフ?)として昨年公開されたディズニーピクサー作品、『ファインディング・ドリー』ですよー!

公開前は「いまさら続編ってどうなん?」と正直ナメてたんですが、公開後のネット評などを読むと概ね好評だし、ちょっと気になってたんですよねー。
で、今回やっと観てみたら……もうね、号泣ですよ!

なんで劇場に観に行かなかったのかと、2016年の自分を殴ってやりたい気持ちでしたよー。(´Д`)

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

愛くるしいカクレクマノミのキャラクターたちが活躍するアニメ『ファインディング・ニモ』の続編。前作にも登場したちょっぴりドジな愛されキャラ、忘れん坊のドリーに焦点を絞って、彼女の家族捜しの旅に同行する親友ニモと仲間たちの大冒険を映し出す。『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』で2度アカデミー賞長編アニメ映画賞に輝いたアンドリュー・スタントンが、本作も監督を担当。新しい仲間たちも加わった心躍る旅路に、大人も子供も引き込まれる。

ストーリーカクレクマノミのニモの大親友であるナンヨウハギのドリーは、すぐに何でも忘れてしまう。ある日、子供のころの思い出がよみがえり、一念発起して家族を捜す旅に出ることを決意する。おっちょこちょいなドリーを心配したニモは、父親マーリンを説得してドリーの旅に同行する。(シネマトゥディより引用)

 

感想

ドリーの人生(魚生?)に13年越しの決着!

本作の主人公は、前作『ファインディング・ニモ』でニモのパパ マーリンの相棒役兼コメディーリリーフとして登場したナンヨウハギのドリー。

本作では、何でもすぐに忘れてしまう彼女の過去に迫ることで、前作では殆ど描かれず何となく宙ぶらりん感のあった、ドリーというキャラクターの人生(魚生?)に13年ぶりで決着がつくという物語です。

前作以降、ニモとマーリンとともに幸せに暮らすドリーはある日、子供の頃の夢を見て思い出が蘇ります。
本作はそんなドリーの幼少のシーンからスタートするんですが、もうねこのアバンのシーンで描かれるドリーの過去の重さがスゴイんですよ。

正直、え、こんなんディズニーピクサーでやっちゃっていいの? と観てるコッチが戸惑うくらい。
子供の頃から何でも忘れてしまう彼女に、両親が心を痛めつつも愛情を注ぐところも、両親とはぐれた彼女が、独りきりで放浪しながら成長していくところも、両親とはぐれた彼女が周りの魚たちに助けを求めるも、成長するごとに記憶が失われ自分が何を探していたのかも分からなくなって行くところも、記憶障害で迷惑をかけてしまうからと、先に謝ってしまうクセがついてるところも。

もう、この時点で涙腺がヤバイ……というか、すでに号泣ですよ
なまじドリーが陽性なキャラクターなだけに、その生い立ちの辛さが際立ってしまうのです。

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画像出典元URL:http://eiga.com  ドリーが鯨語を話せる秘密が明らかに

そんな過去を突如思い出したドリーは両親を探すべく、ニモ、マーリン親子とともに旅に出ます。

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画像出典元URL:http://eiga.com ベイビードリーと両親

監督は前作と同じアンドリュー・スタントン

監督は「トイ・ストーリー」シリーズの原案・脚本、「モンスターズ・インク」シリーズ、アカデミー作品賞の候補にもなった「ウォーリー」の脚本などを担当し、前作「ファインディング・ニモ」で脚本と監督を務めたアンドリュー・スタントン

ディズニー・ピクサーのヒット作の多くに関わっている超凄い人で、「ウォーリー」は僕のオールタイムベストに入る名作です。

また、ディズニー&ピクサー作品と言えば子供だけでなく、大人が考えるようなテーマを作品に織り込む作風で有名。
同じく昨年公開の「ズートピア」では動物の世界を人種差別のメタファーとして寓話的に描いていたし、「インサイドヘッド」では精神と成長という難しいテーマをエンターテイメントに昇華させていました。

「家族」を通してドリーのアイデンティティーを見つける物語

そして、本作でアンドリュー・スタントン監督が描こうとしたのは前作と同じく「家族」だと思います。
前作「ファインディング・ニモ」で描いたのは過保護な父親マーリンとニモの関係でしたが、本作はそんな前作と対になるようなドリーと両親の関係が描かれています。

一見、ドリーの「記憶障害」がフューチャーされているように見えて、実はそれはあくまで物語のスパイスに過ぎないというか、監督自身はドリーの「物忘れ」を“障害“としてではなく、あくまで“欠点“として扱っているのです。

どんな人でも、何かしら欠けている部分はあるのだから、ドリーは決して特別でも可哀想でもなく、彼女の「忘れっぽさ」はあくまで個性であって、それを補って余りあるモノを彼女は持っているし、欠けている部分を補い合い助け合うのが家族や仲間であり、居場所であり、個人のアイデンティティーになると。

本作はドリーの「家族」探しの物語であると同時に、彼女が自身のアイデンティティーを(長所を武器に)掴み取るという、普遍的なテーマを描いた物語なのです。

確かにやりすぎ感はあるけれど

ただ、個人的にツボに入りまくりだった本作ですが、正直100点満点というわけではないんですよねw
さすがに諸々やりすぎ感は否めません。

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画像出典元URL:http://eiga.com ドリーと万能すぎるタコのハンク

特にタコのハンクがあまりにも万能すぎるし、魚たちが地上を自由に動き回りすぎとかね。
あと、字幕版でシガニー・ウィーバーの役を吹き替え版では八代亜紀さんが担ってるんですが、さすがにビックネーム過ぎて、若干ノイズになってたかなーw

個人的にはアニメの嘘として全然許容範囲でしたけどねw

吹き替え版がオススメ

基本僕は、洋画は出来る限り字幕派なんですが、本作は吹き替え版がオススメです。
ドリー役の室井滋さんの演技がとにかく素晴らしいんですよねー!
あと、幼少期を演じた 青山らら という子の声がカワイイ上に、宇多丸師匠の言葉を借りるなら「泣かせ力」が半端ない。

海外アニメの吹き替え版の場合、配役によってはノイズになっちゃう事もあるんですが、本作においてはむしろ吹き替え版の方が物語に入り込める気がしました。

興味のある方は是非!!

 

これがホントの“クソ映画“ ボンクラ男と警察の我慢比べ!「ブレイキング・ゴッド」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、本国では2014年に公開されたオーストラリア映画
『ブレイキング・ゴッド』ですよー!

1983年にオーストラリアで起こった実際の事件を元にした、クライムサスペンス? 映画です。

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

麻薬の運び屋となった男が巻き込まれる、実話を元にしたクライム・サスペンス。「インシディアス」の脚本家リー・ワネルが製作総指揮も兼ねており、同作に出演したアンガス・サンプソン、「マトリックス」のヒューゴ・ウィーヴィングが出演。極限状態での駆け引きが見どころ。2015年8月にWOWOWにて本邦初放映後、2016年1月~3月開催の<未体験ゾーンの映画たち2016>でも上映。

ストーリー:1983年、オーストラリアのメルボルンにあるテレビの修理店で働く真面目な男レイは、悪友に大金を稼ぐ話を持ちかけられる。それは麻薬の運び屋という危険な任務だった。レイは麻薬入りの袋を飲みこんでタイから帰国するが、税関で不審な行動を疑われ、さらにX線検査を拒否したために拘留される。拘留期限が切れるまでの間、トイレを我慢するレイと、レイが動くのを待つ警察。体を張った究極の我慢くらべの結末は!?(allcinemaより引用)

 

 

感想

ありそうで無かったリアル“クソ映画“

本作の内容を一言で言うなら、ウ〇コを我慢する男の物語です。

中年になっても実家住まいで母親にべったりのボンクラ男レイ( アンガス・サンプソン)がコンドームに小分けした1kgの麻薬を飲み込んで国内に持ち込むも、空港で検問に引っかかり、レントゲンを拒否(任意)したため空港近くのホテルに拘留。
ここからレイと警察の便意を巡る我慢比べが始まる……という、文字通りの“クソ映画“です。

で、このあらすじを見たら、コメディー映画だって思いますよね?
ところが、この作品はなんとガチで手に汗を握るクライムサスペンス映画なのです。

普通、クライムサスペンスと言えば、アクション有り、サスペンスあり、最後には大どんでん返しありのド派手な映画が多いんですが、本作はホテルの一室で主人公がひたすら“ウ〇コ“を我慢するだけっていう、ビックリするほど地味な展開。

証拠がないため、警察が彼を拘留出来るのは7日間。
レイはなんとしても、一週間もの間ウ〇コを我慢し続けなくてはならないっていう、考えただけで地獄のような状況です。

もうね、主演のアンガス・サンプソンの苦しむ表情に観ているコッチまで辛くなりましたよ!
しかも、ヒューゴ・ウィーヴィング演じるトム捜査官は、レイの腹を殴ったりするし(お腹の中でコンドームが破けるんじゃないかとヒヤヒヤ)、国選弁護士は権力への反発から、心が折れて密輸を告白したレイに「もう少しだから頑張れ」とか言い出すし、依頼主はレイを殺そうとするし、挙句、そんな過酷な状況を何とか乗り切ったと思ったら、拘留期間が伸びるし。

もう、どいつもこいつもーー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ と。

そんな四面楚歌の状況の中、レイはひたすらウ〇コを我慢し続けるんですねー。
ちなみに本作の原題は「THE NULE」頑固者的な意味らしいです。

あと、ここだけはちゃんとお伝えしなくてはいけないと思うのですが、

本作には、極めて不快なシーンがあります。

なので、本作を観る人はそれなりの覚悟が必要かもしれません。
わりとグロ耐性のある僕も、そのシーンにはかなり精神的にダメージを受けましたからねー。

負け犬ボンクラ男の逆転なるか!?

ただ、ここを境にそれまで防戦一方というか、あまりの苦痛に心がボキボキに折れかけていたレイが色々吹っ切れて、さらに、“ある展開“を経て自分を見下す連中立ち向かう決心を決めます。
そしてレイは、自分をバカにして見下している奴らを見返すための計画を思いつくのです。

果たして何をやっても失敗続きだったレイの逆転なるか!?
というのが、本作最大の見所なんですねー。

好き嫌いの分かれる映画

こんな風に書くと、いかにも面白かったみたいに見えるかもですが、本作はかなり好き嫌いの分かれる映画なんじゃないかと思います。
上記の問題のシーンは嫌な人は耐えられないだろうし、基本映像は地味だし(中年がウ〇コを我慢するシーンが延々続くし)、ストーリー的にもエンジンがかかるのが遅いので前半から中盤にかけては正直かなり退屈ですしね。

しかし、こんなバカみたいなネタを、クライムサスペンスに昇華させようとした心意気は、個人的に嫌いになれない作品でしたねー。

興味のある方は是非!

 

物語シリーズを追いかけてきた人のためのファンムービー?「傷物語〈II 熱血篇〉」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、西尾維新の人気シリーズ「傷物語」のアニメ化作品
傷物語〈II 熱血篇〉』ですよー!

前作『傷物語Ⅰ鉄血篇』に続き、伝説の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・アートアンダーブレイドと、主人公阿良々木暦が出会うエピソード第2弾。
うっかり伝説の吸血鬼の眷属になってしまった少年が、主のため、三人の吸血鬼ハンターと戦う物語です。

 

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画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

テレビアニメ版も人気を博している、西尾維新のベストセラー小説「物語」シリーズの前日譚を描く劇場アニメ3部作の第2弾。美貌の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを助けたために吸血鬼になってしまった男子高校生・阿良々木暦が、人間に戻るために過酷な戦いに挑む。総監督は前作に引き続き新房昭之ボイスキャスト神谷浩史坂本真綾らが結集。激化する戦いの行方や、暦とキスショットの行く末に注目。

ストーリー:吸血鬼となった肉体を人間に戻すために、吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの奪われた四肢を取り戻す戦いに身を投じる男子高校生・阿良々木暦。怪異専門家・忍野メメのアドバイスを受けながら激闘を続ける彼の前に、吸血鬼でありながら吸血鬼を狩る身長2メートル以上のドラマツルギー、巨大な十字架を駆使する半吸血鬼エピソード、吸血鬼退治の専門家である人間ギロチンカッターが立ちはだかる。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

ざっくり前作のあらすじ

まずはざっくり前作のあらすじから。

ぼっち少年の阿良々木暦は偶然、同級生で委員長の羽川翼のパンツを見るラッキースケベを体験。
その夜、瀕死の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを助けるため眷属になってしまった阿良々木は、(人間に戻ることを条件に)力を失った彼女の代わりに、彼女を追い込み手足を持ち去った三人の吸血鬼ハンターと対決、奪われた手足を取り返すことになる。

ここまでが前回までのあらすじで本作はその続き。いよいよ三人の吸血鬼と対決します。

一人は吸血鬼でありながら同族を狩る 身長2メートル以上のドラマツルギー

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画像出典元URL:http://eiga.com/

巨大な十字架が武器で、人間と吸血鬼のハーフ、エピソード。

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画像出典元URL:http://eiga.com/

吸血鬼退治の専門家で人間のギロチンカッター

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画像出典元URL:http://eiga.com/

そんな強敵を前に阿良々木は、前作で“たまたま“助けられたネゴシエーターでバランサーの胡散臭いおっさん、忍野メメの助けを借りながら、一人一人とタイマンを張っていくわけですねー。

リテラシーが必要なファンムービー

本作は基本的に、原作、もしくはテレビアニメのシリーズを観てきたファンのために作られたファンムービーです。
テレビでは放映できない過激な表現を劇場版で――っていうのが基本的な本作のスタンスなんですね。

もちろん、この『傷物語』三部作だけを観ても、「ストーリー自体は」分かるようになってるんですが、登場人物の言動はかなり飲み込みづらいし、観ていて混乱する部分もあるんじゃないかなーって思うんですよね。

前作で言えば、なぜ阿良々木暦は見ず知らずの吸血鬼を助けるために、命を投げ出そうとするのか理解しずらいだろうし、本作ではヒロイン 羽川翼の行動が、前後の文脈を知らないと理解出しずらいんじゃないかなーと。

原作やアニメで、ここまでの彼らの活躍を観ている(読んでいる)人なら飲み込めるそれらの行動も、本シリーズ単体だとちょっと理解に苦しむというか。

あと、本作を制作している『シャフト』独特の演出も、初めて本シリーズを観る人に対しての分かりにくさに拍車をかけてる気がします。
原作では、どこにでもある様な地方都市の廃ビルや学校などを舞台に物語が展開するんですけど、アニメ版では舞台設定が変わってて…というかデフォルメされてて、ビルがやたら高くなったりスタイリッシュになってたり、校庭のグラウンドが陸上競技場になってたり、しかもその舞台設定がストーリー構成とは特に関係ないんですよね。

ファンやアニメを見慣れてる人なら「ああ、シャフトだしね」と飲み込めるんですが、そうでない人は前述のふたりの言動と合わせて、混乱してしまうというか、シリーズ独自のルールが分からないまま観てしまうと、何が何だか分からないかもなーって思いました。

本作の見所

という事を踏まえての本作の見所は、何と言ってもキスショットがカワイイ&羽川がエロいですかねーww
キスショットが持ち去られた手足は、いわば吸血鬼=怪異としての「存在」そのものなので、阿良々木が取り返してきた手足を食べるたび、彼女は少しづつ成長していくんですね。
なので、本作では、10歳バージョン、12歳バージョン、17歳バージョンのキスショットを見ることが出来ます。
あと、羽川のパンツとかまぁ、色々あるんですが、ここをあまり褒めると、ヤバイ人呼ばわりされそうなので難しいところですよねww

もしかしたらそれらのシーンを観て、「なんと破廉恥な」「ロリコンアニメ」「規制すべき」って思う人もいるかもですが、そのためのPG12指定だし、そもそもこのシリーズは原作からして、そうした表現規制に真正面からケンカを売ってる作品で、本作も概ね原作通りなのです。

そういう訳で、動きも表現も劇場版と呼ぶにふさわしいクオリティーの作品だし、ファンとしては超面白いんですが、本シリーズの入口としてはあまりオススメ出来ない作品だと思いました。

興味のある方は是非!

 

▼前作の感想▼

aozprapurasu.hatenablog.com