今日観た映画の感想

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物足りなさが残るパート3「ラッシュアワー3」(2007)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは前回の記事で感想を書いた「ラッシュアワー2」の続編『ラッシュアワー』ですよー!

前回のラストは、次の舞台はNY!? と匂わせる終わり方でしたが、なんと本作の舞台はパリでした。そしてなんと、本作では真田広之工藤夕貴という日本人キャストがメイン級の配役で登場してましたよ。(*゚∀゚)=3

ただ、率直に言うと、前作・前々作に比べて物足りなさの残る作品でしたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ジャッキー・チェンクリス・タッカーの異色刑事コンビが、過激なアクションとマシンガン・トークで大暴れする大ヒットシリーズ第3弾。花の都パリを舞台に、中国マフィアと壮絶な死闘を繰り広げる。2人の脇を固めるのは、スウェーデンの名優マックス・フォン・シドーロマン・ポランスキー監督など多彩な顔ぶれがそろった。今や国際的に活躍する真田広之が最強の悪役を演じ、エッフェル塔でのジャッキーVS真田のアクション対決は必見。

ストーリー:在米香港領事館の大使が、中国マフィア“シャイシェン”の存在を突き止めたために狙撃される。一命をとりとめた大使と娘を守るかたわら、シャイシェンを追跡することになったリー捜査官(ジャッキー・チェン)とカーター刑事(クリス・タッカー)。事件を解く鍵がフランスにあることを突き止めた2人は、パリへ飛ぶが……。(シネマトゥディより引用)

感想

前作でシークレットサービス・イザベラの後を置ってジャッキーがNYへと飛び立つところで終了したので「ははーん、次の舞台はNYか」と思ったら、本作の舞台はパリでした

まぁ、前作から6年も空いちゃうと色々ありますよねー。

ざっくりストーリー解説

前作から三年、色々やらかしたせいか、カーター(クリス・タッカー)が刑事から交通整理係として働いているところから物語はスタート。

一方リー(ジャッキー・チェン)は、ハン大使の警護として国際刑事法廷のシンポジウム会場に向かっています。
この時、カーターとリーの電話で、リーがイザベラにフラれた事が分かるんですねー。

で、シンポジウムでハン大使がスピーチ。
今まで謎だった中国人マフィア組織「三合会(Triads)」のボス・シャイシェンの存在を明らかにしようとした瞬間、彼は凶弾に倒れてしまいます。

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画像出典元URL:https://movies.yahoo.co.jp

逃げる狙撃犯の姿を目撃し追うジャッキーでしたが、路地に犯人を追い詰めたリーですが、その正体は、ジャッキーが孤児院で兄弟のように仲の良かったケンジ(真田広之)で、動揺したリーは彼を取り逃がしてしまうんですね。

幸いハン大使は一命を取り留めたものの、リーとカーターは病院でハンの娘スー・ヤン(チャン・ジンチュー)の命が狙われることを知ります。

それを阻止&犯行壊滅のため、二人は手がかりを元に一路パリへ飛ぶのだが……という物語。

前作では敵のラスボスが殺された父親の仇だったリーですが、今回はなんと、実はリーが孤児で死んだ父は彼を孤児院から引き取った養父だったことが明らかになるんです。が、正直……
また、なんの前振りもなく後付け設定かよ! って思いましたねー

リーよ、お前どれだけ秘密の過去があるのかとw

真田広之工藤夕貴、そして…。

で、本作には真田広之工藤夕貴の二人が登場。
真田広之はジャッキー演じるリー最強の敵として、クライマックスではエッフェル塔の上でアクションを繰り広げます。工藤夕貴も組織の女アサシンとして、ジャッキーやクリス・タッカー相手にアクションを繰り広げてましたよ。

ハリウッド映画で、日本人キャストがメイン級の扱いで登場するのは、日本人的には嬉しいところ。

まぁ、ケンジとリーの会話シーンでジャッキーが日本語を話すところは、超シリアスなのにちょっと笑っちゃうんですけどね。(いや、ジャッキーは頑張ってましたよ!)
あれ、会話は全部英語の方が良かったんじゃないかなー

あと、リーとカーターのお尻に指を突っ込んでラストでぶん殴られるレヴィ警視役で、色々あってアメリカには入国できないでお馴染みの巨匠、ロマン・ポランスキー監督も出演してます。
ホント、なんで、この役を受けたのかと

物足りなさが残るストーリー

ただ、前作・前々作では、リーとカーターの凸凹コンビが、対立したりすれ違いながらも最後にはコンビネーションで事件を解決する展開だったのに、本作ではリーとケンジの対決が主軸になる分、相棒のカーターが蚊帳の外に置かれてる感じがしましたねー。

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画像出典元URL:https://movies.yahoo.co.jp

もちろんふたりの絡みはあるものの、コンビネーションプレイはあまりないし、コメディーシーンでの絡みも前作に比べるとアッサリめというか。

ストーリーの方も(前作・前々作でもあった)投げっぱなしな部分が目立ってしまってスッキリしないし、特にラストのエッフェル塔の対決では、人質に取られた大使の娘スー・ヤンを救いつつ敵と対決する流れなんですが、作戦的にも映画的にも今時それはないだろうという展開や、(何とか救ったスー・ヤンをエレベーターに乗せて逃がすというシーンは一応あるものの)敵を全員倒してケンジや工藤夕貴との戦いに臨むのではなく、二人を倒したあとも敵の構成員が残ってる状態で、リーとカーターはエッフェル塔の上から、フランス国旗でパラグライダー的に脱出するわけですよ。

いや、エッフェル塔の下にまだ敵がいるかもしれないのに、スー・ヤン放置はいかがなものかと。
まぁ、直後にフランス警察がやってきてるので、一応、彼女の無事は分かるんですが、何かこう腑に落ちない感じなんですよねー。

あと、せめてハン大使が意識を取り戻したシーンを一瞬でいいから入れて欲しかったし、ケンジが何を考えてるのかもちょっと分かりづらい感じだったかも。

バージョン違い

2010年6月25日放送の金曜ロードショーでは劇場公開時にカットされた未公開シーン2011年11月20日放送の日曜洋画劇場では、さらに事件の解決後、休暇をもらったリーがカーターを旅行に誘ってイザベラとジャンビエーブが乗ったチャーター機でフィジーに旅立つシーンで終わるエンディングを追加した日本未公開バージョンを放送したらしいですね。(僕は未見)

ただ、そのシーンを入れたからと言っても、全体的な物足りなさは変わらないとは思いますが。

 

やっぱ、前作から6年も空いてしまったことで、キャスト&スタッフの作品に対する熱量が冷めてしまったんですかねー?
あ、ちなみにスー・ヤン役の チャン・ジンチューは若い頃の宮崎あおい似で可愛かったです。

興味のある方は是非!

 

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ハリウッドにジャッキー・チェンの名を知らしめた大ヒット作第2弾「ラッシュアワー2」(2001)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ジャッキー・チェンクリス・タッカーがコンビを組んだハリウッドアクション映画「ラッシュアワー」の続編『ラッシュアワー』ですよー!

先日「酔拳2」を観て以来、カンフー映画&ジャッキー熱が高まってるわけですが、ふと「ラッシュアワー3」って観た覚えがないことに気づき、さらに「そういえばパート2は観たんだっけ?」と思い始めたので両作をレンタルしてきましたよ。

結果的に本作は観てたんですが、ほとんど内容を忘れてたのでパート3への復習に丁度良かったし、前に観た時は気づかなかった部分も気づけましたよ。

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あらすじと概要

クリス・タッカージャッキー・チェン主演のアクション・コメディの続編。今回は「グリーン・デスティニー」のチャン・ツィイーが悪役で出演している点も注目。のんきにバケーションを楽しもうと香港に乗り込んだリーとカーター。そんな矢先、アメリカ大使館で爆破事件が起きる。香港マフィアの仕業と睨んだ香港警察はリー警部に極秘捜査を命じる。結果、一緒にいたカーターも事件に首をつっこむハメになり、楽しみにしていたバカンスは泡と消えてしまい……。(allcinema ONLINEより引用)

感想

ハリウッドがジャッキーを認めた記念碑的シリーズ第二弾

今まで「バトルクリーク・ブロー」(1980年)、「キャノンボール」(1981年)、「プロテクター」(1985年)と3度のハリウッド挑戦に敗れてきたジャッキー・チェンでしたが、、1995年公開の香港作品「レッド・ブロンクス」が全米興行収入初登場1位というアジア映画初の快挙を成し遂げ、ハリウッド4作目となる「ラッシュアワー」(98)が大ヒット。

ついにジャッキーはハリウッドにその実力を認めさせたんですねー。

本作は、そんなジャッキーの記念碑的作品とも言える「ラッシュアワー」のシリーズ第2弾で、監督は前作に引き続き ブレット・ラトナー
上記の前3作とは違い、子供の頃からジャッキーやカンフー映画のファンである監督だけに、ジャッキー本来のアクションとコミカルさのポテンシャルを引き出す演出で、前作と本作を大ヒットに導いたんですよね。

前作ラストの続きから物語はスタート

前作は、誘拐された在ロサンゼルス中国総領事となっていたハンの娘を救うため、香港警察のリー警部(ジャッキー・チェン)がロスアンゼルスに乗り込み、はみだし刑事のカーター(クリス・タッカー)と共にハン領事の娘を救うジャッキーがアウェイで活躍する物語。

続く本作は、前作のラストで休暇を過ごすためにリーと共に香港に行ったカーターが、リーの捜査に巻き込まれるという物語で、前作とは逆の立場になります。

後半はロス→ラスベガスが舞台になるものの、前半はホームである香港が舞台だからか、ジャッキーは芝居もアクションものびのびと演じてる印象でしたねー。

また、2作目ということもあり、クリス・タッカーのアクションは、前作よりずっとスムーズで、ジャッキーとのコンビネーションもバッチリ。
ちなみに本作ではアクションシーンの殺陣は、ジャッキー自らつけているらしいです。

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ジャッキー&クリス・タッカーの相性の良さ

このシリーズのヒットの要因は、何と言ってもジャッキーとクリス・タッカーの相性の良さがあると思います。
高い声で早口の英語をまくし立てるお気楽で軽い性格のカーターと、真面目で融通のきかない極めてアジア的な性格のリーとのコンビは、これまで何百本と作られてきたバディ・ムービーのテンプレに沿った作りながら、キャストに元スタンダップ・コメディアンで軽快なおしゃべりが得意なクリス・タッカーと、アジアナンバー1のアクションスターと動きを使ったコメディーが得意なジャッキーを据えたことで、また二人の活躍が見たいと観客に思わせる激しさと楽しさの化学反応が起きているんですよね。

全世界興行成績3億4732万ドルという数字がそれを証明してると思います。

あの作品のオマージュも!?

そんな本作には、監督が一番好きなカンフー映画とインタビューで答えているブルース・リーの「燃えよドラゴン」オマージュが随所に散りばめられていて、ファンとしては思わずニヤニヤしてしまいます。

分かるシーンだけを上げると

香港の街をクリス・タッカーが歩くシーン→「燃えよドラゴン」で黒人空手家を演じたジム・ケリーが街を歩くシーン。

クリス・タッカーがマッサージ・パーラーで女の子を選ぶシーン→ハン島でジム・ケリーが女の子を選ぶシーン。

フー・リ(チャン・ツィイー)がイザベラ・モリーナ(ロセリン・サンチェス)の食べようとしたリンゴめがけて小型ナイフを投げ、突き刺すシーン→ハンが空中にリンゴを投げると、脇にいる娼婦たちが小型ナイフを投げつけ、リンゴに突き刺すシーン。

などなど。

っていうか、 Edwin Starrの「War」のインパクトが強くて気付かなかったんですが、このシリーズで音楽を担当してるラロ・シフリンって「燃えよドラゴン」の音楽を担当してた人だったんですねー!

www.youtube.com / 燃えよドラゴンのテーマ曲

www.youtube.com / ラッシュアワーのテーマ曲

もちろんジャッキー映画のファンでもある監督なので、香港の竹で組んだ足場でのアクションシーンは、「プロジェクトA 2」のオマージュだったりします。

ジャッキーとハリウッド

前作「ラッシュアワー」で全米に名を知られたジャッキーはその後、本作を含め立て続けにハリウッド映画作品に出演し、高額俳優ランキングでは「アイアンマン」のロバート・ダウニーJr.に次ぐ世界2位になり、2016年アカデミー名誉賞を受賞。
さらに日本でも人気の劇場アニメ「カンフーパンダ」シリーズでは声優も努め、アジアのジャッキーから名実ともに世界のジャッキーとして60歳を超えた今も、ますます精力的に俳優活動を行ってます。

また、噂では「ラッシュアワー4」の企画も進んでいるらしく、もし実現したら再びリー&カーターのコンビの活躍が観られると思うとワクワクします。

というわけで、次は「ラッシュアワー3」ですよー! ε三三ヾ(ΦωΦ)ノ

興味のある方は是非!!!

 

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香港映画界のレジェンド、サモ・ハン監督主演作品「おじいちゃんはデブゴン」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、香港映画界のレジェンド、サモ・ハンが20年ぶりに監督・主演を務めたアクション映画『おじいちゃんはデブゴン』ですよー!

おそらくそんなに大規模な作品ではないと思うけど、盟友のアンディ・ラウ、ユン・ピョウを始め、香港映画の有名スターが集結した豪華な作品だったし、俳優としても年輪を重ねてきたサモ・ハンの演技が光る作品でしたよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ジャッキー・チェン、ユン・ピョウらと共に香港映画界のレジェンドとして名高いサモ・ハンが監督と主演を務めたアクション。元軍人で認知症の疑いのある老人が、マフィアの抗争に巻き込まれた隣家の父娘を守る姿を活写する。アンディ・ラウ、ユン・ピョウをはじめ、『カンフーハッスル』などのユン・ワー、サモ・ハンがアクション監督を務めた『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』などのエディ・ポンらが共演する。サモ・ハンが繰り出す電光石火の肉弾戦に圧倒される。

ストーリー人民解放軍中央警衛局を退役し、故郷の村でひっそりと生活している66歳のディン(サモ・ハン)。要人警護で活躍していた彼も認知症と診断され、物忘れがひどくなる中で隣家の少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)との触れ合いを心のよりどころにしていた。ある日、彼女の父親が中国マフィアにロシアンマフィアからの宝石強奪を任されるも、宝石を持って逃げてしまう。両マフィアの魔の手がチュンファに迫るのを察知したディンは、彼らとの闘いを決意するが……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

まず、最初にお断りしておかなきゃいけないのは、僕はジャッキー・チェンサモ・ハン、ユン・ピョウ直撃世代なので、この三人or三人の誰かが出てくる映画は、それだけで点数が劇甘になちゃうんですよね(〃ω〃)>

で、本作にはサモ・ハンと(チョイ役)でユン・ピョウが出演してるので、当然高評価なわけですが、これは僕の「偏愛」がかなり混じってるので、話半分だと思いながら読んでくださいね。

邦題問題

やっぱ、まず最初に触れておかないといけないのは、本作の邦題「おじいちゃんはデブゴン」ですが、多分若いファンの人たちは「デブゴンってなに? 本編にそんなの出てこないよ?」って思われてるのではないかと。

このタイトルはサモ・ハン2作目の主演・監督・武術指導作品「燃えよデブゴン」が元ネタで、劇場公開時(日本では)そんなに当たらなかったんですが、83年にテレビ放映されると「元祖動けるデブ」として話題になり、以降しばらく、サモ・ハン主演の作品の邦題には(勝手に)「デブゴン」が入ることになったんですねー。

本作も、「デブゴン」はまっっったく関係ないんですが、今のサモ・ハン主演映画を観に来る観客はほぼみんな僕と同世代だろうし、サモ・ハンより「デブゴン」の方が通りがいいだろうという日本の宣伝担当の判断なんでしょうね。(ちなみに原題は「特工爺爺」(Google翻訳したら「マスター祖父」って出ましたw)英題は「THE BODYGUARD」)

個人的には、そんなに悪い邦題ではないなーって思いました。
一発でサモ・ハン主演って分かる、セガールの「沈黙」シリーズみたいな感じで、意外といいんじゃないかなと。

豪華キャスト出演

本作はおそらく大予算の映画ではないと思うんですが、盟友アンディ・ラウ、ユン・ピョウをはじめ、ユン・ワー、エディ・ポン、ツイ・ハークなどなど、香港映画界の重鎮や有名スターが大結集した、ファンにとっては非常に豪華な映画になっています。

これは俳優・監督・アクション監督として、長きに渡って活躍し続け交友関係も広いサモ・ハンの作品だからこそこれだけのキャスティングが実現するんでしょうし、きっと「大大哥」(タイタイコー:大大兄貴)と呼ばれるサモ・ハン自身の人柄もあるんでしょうね。

ストーリー

サモ・ハン演じる本作の主人公ディンは、66歳の退役軍人(要人警護)で、「ある事件」をきっかけにロシア国境の故郷の村でひとり暮らし。
健康診断では初期の認知症と診断され、物忘れが激しく孤独に暮らす彼が、唯一心を許していたのが隣に住む少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)なんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 本当の祖父と孫のような二人

まるで本当の祖父と孫のような関係の二人ですが、彼女の父親レイ(アンディ・ラウ)はギャンブル狂いのクズオヤジで、マフィアのボスであるチョイ(フォン・ジャーイー)から嵩んだ借金の返済を待つ代わりに、ロシアのマフィアから宝石を奪うという危険な任務を与えられるんですが、その宝石を持ち逃げ。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 盟友アンディー・ラウとサモ・ハン

怒ったチョイはチュンファを誘拐しようとするのだが……。というストーリー。

ディンは普段は認知症でボーっとしてますが、襲いかかってくる敵には昔取った杵柄で、反射的にカンフーでやっつけちゃう超強いじいさんという設定なんですねー。
いわゆる「舐めてたジジイは戦闘マシーンだった」っていうヤツです。

新鮮なアクション

で、ディンは元要人警護の任務だったことから闘い方が独特で、反撃防止の制圧術としてあらゆるテクニックを駆使して相手の腕や足をポキポキ折っちゃうんですね。
で、敵の骨を折る瞬間は、CGで映像に骨の折れる様子がレントゲンみたいに映し出される「X-rayバイオレンス」という映像手法を使ってて、効果音も相まって超痛そうなんですよ。

序盤のアンディ・ラウ演じるレイがロシアンマフィアのボスから宝石の入ったカバンを盗むシーンでは、愛人のオナラがキッカケでボスに気づかれ、ホテルの中を逃げ回る事になるんですが、その時、階段の高低差を使ったアクションが繰り広げられるんですが、このアクションも超かっこいいんですよねー!

それと、ロシアンマフィアとユン・ピョウ演じる警察の偉い人の、狭い路地を使ったカーチェイスも迫力満点でした!(;゚∀゚)=3ハァハァ

主演のサモ・ハンも66歳ですから、動きの速さやキレはさすがに全盛期には及ばないですけど、長年アクション監督として様々な格闘シーンを作り続けてきているだけあって、自身の体格を利用した動きや技の一つ一つが非常に新鮮だし、混戦状態でも状況が分かりやすいんですよね。

http://eiga.k-img.com/images/movie/86461/photo/a6e74dfa4c5861dd/640.jpg?1488855245

画像出典元URL:http://eiga.com / 66歳にしてこのアクション!

ナイフを持っって斬りかかってくる敵の手首を突き出たお腹で折っちゃうとか、想像もしなかったですよ。

一方で逃げるチョイをディンが追うシーンでは、足を怪我して走れないチョイとスタミナ切れのディーンが二人ともえっちらおっちら歩きながらのチェイスっていうこれまた斬新な展開。
そういう緩急のつけ方も良かったですねー。

疑問点・問題点

もちろん、全部がいいってわけではなく、色々無駄なシーンの挿入や物語上のテンポの悪さもあるし、いくらなんでも強引すぎる展開もありまして。

特にオチのシーンは、
流した涙を返せぇぇぇ!(>ω<〟)〇))°3°;)☆

って思いましたよw
っていうか、年単位で時間経過してるのかと思ったら、数日感の話だったの!? っていう。(それにしても展開にムリがありすぎる)

さらにエンドロールで本編前後のちょっとしたエピソードが挟まれるわけですが、なんで最後の最後にそのシーンを入れる? って思ったりもしましたねー。

俳優 サモ・ハン

若い頃はその風貌も相まって、コメディーリリーフの役が多かったサモ・ハンも今や俳優歴50年以上の大ベテラン。

本作でも老人の哀愁や渋みを見事に演じきってましたねー。
もちろん演技も上手いんでしょうけど、長年俳優として重ねてきた年輪が、そのまま映像に映し出されたような演技を超えた存在感が画面から伝わってくるんですよね。
それでいて66歳にして(しかもあの体で)アクションも超一流なんだから、ホント驚異的ですよ。

本作では、無口な役柄のサモ・ハンをフォローして物語を進める狂言回しとして、向かいの大家でディンに好意を寄せているポクさん役をベテラン女優のリー・チンチンが演じてるんですが、おせっかいでおしゃべりで人のいいポクさんと、ディンの絡みはとてもいい感じでしたねー。
誘拐されたチュンファを救うべくチョイのアジトに乗り込む前に、ディンがポクさんに自分の過去を語るシーンには、思わずグッときてしまいましたよ。(それだけにあのオチにはずっこけたんですけどもw)

今年のジャッキーは色んな映画に出演しまくりだし、オールドファンとしては3人が元気なうちにジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンが同じスクリーンで共演する姿が観たいって思っちゃいましたねー。

興味のある方は是非!!

 

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看板に偽りあり?「リディック:ギャラクシー・バトル」(2014)*ちょいネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、みんな大好きヴィン様ことヴィン・ディーゼルの「リディック」シリーズ第3弾、『リディック:ギャラクシー・バトル』ですよー!

このブログでは第1作「ピッチブラック」と続編「リディック」を後追いで観て感想を書きましたが、やっと最新作に追いつきましたねー。

あと、今回はちょいネタバレありで書いていきますよー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ヴィン・ディーゼル主演によるSFアクションの第3弾。圧倒的戦闘能力を誇る極悪人リディックが、凶暴なモンスターがひしめく惑星から脱出を図る姿を賞金稼ぎたちとの戦いを交えて活写する。監督と脚本は前2作も手掛けた、『パーフェクト・ゲッタウェイ』などのデヴィッド・トゥーヒー。『スター・トレック』シリーズなどカール・アーバン、『コロンビアーナ』などのジョルディ・モリャら、実力派が共演する。モンスターや賞金稼ぎが入り乱れるバトル描写に加え、リディックの過去が絡む物語も見ものだ。

ストーリー:ネクロモンガー族の最高位に就くも、司令官ヴァーコ(カール・アーバン)の策略によって見知らぬ惑星に置き去りにされたリディックヴィン・ディーゼル)。灼熱(しゃくねつ)の大地がどこまでも広がり、凶暴な水棲(すいせい)エイリアンが牙をむく、この星からの脱出を決意した彼は無人のシェルターで発見した非常用無線を発信。それに釣られてお尋ね者である自分を捕らえようと惑星に降り立った賞金稼ぎたちの宇宙船を奪おうとする。激しい攻防を繰り広げる賞金稼ぎ軍団とリディックだが……。(シネマトゥディより引用)

感想

ピッチブラック」の続編

このシリーズ、第1作「ピッチブラック」では、宇宙船の事故によって不時着した惑星で生き残ったメンバーが、凶悪生物相手にサバイブするっていう、「エイリアン」的なSFホラーサスペンスでした。

続く第2作「リディック」では、リディックの過去と出自を明らかにする物語で、全宇宙征服を企む狂信的集団ネクロモンガーとリディックの闘いを描いた壮大なスペースオペラ? で、前作とはまったくテイストの違う英雄譚になっていたんですね。

多分、1作目が当たって予算もついたのでやりたかった事をやろうとしたんだと思うんですが、正直「おいおい風呂敷広げすぎじゃね?」と思ったし、ネタバレになりますが敵の大将を倒して自分がネクロモンガーの大将になっちゃうオチには、この後いったいどうやって続きを作るつもりなのかとビックリしましたよ。

そして「リディック」から10年ぶりとなる第三弾の本作は、あっさりネクロモンガーの罠にハマり、知らない惑星で死にかけてるところから物語がスタートします。

なので、ネクロモンガーの出番はリディックの回想(数分)で終了。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ネクロモンガーは回想でちょこっと登場するだけ

その後リディック無人惑星0円生活」が始まります。

傷を治しつつ、襲い来る凶悪生物と闘い、釣りをして、拾った子犬を育ててと、スローライフを満喫するリディック

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画像出典元URL:http://eiga.com / ワンコ一緒にと無人惑星でスローライフを満喫するリディック

しかし、嵐が来ると、地下に眠る大量の凶悪生物が活動し始める事を察したリディックは、惑星内にあった無人のシェルターを発見し、惑星脱出のために非常用ビーコンで、賞金稼ぎを呼び寄せて宇宙船を奪う計画を立てるのだが……って、
これピッチブラックじゃね?

そう、ここから先は、第一作「ピッチブラック」とほぼ同じストーリーが展開するんですねー。

つまり、第2作のネクロモンガーとのアレコレは一旦脇に置いておいて、第1作の続編にしたわけです。
っていうか、ほぼ「焼き直し」と言ってもいいくらい既視感のある内容が続くんですけどね。(´ε`;)ウーン…

まぁ、そうは言っても第〇作を無かったことにするシリーズものは珍しくないし、そういう事もあるだろうとは思うんですが、ここで問題になるのがタイトル「~ギャラクシー:バトル」です。

看板に偽りあり

もし、前作を観た人がタイトルを見たら、絶対「ネクロモンガー相手に、リディックが大立ち回りを演じるんだな」って思いますよね。

なのに、実際はただの無人惑星(の小屋の中で)でまんまと釣られてやってきた賞金稼ぎ相手にリディックがすったもんだするだけの映画かよ! と。

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画像出典元URL:http://eiga.com / まんまと釣られた賞金稼ぎのみなさん

ただ、これは別に本作のスタッフが悪いんじゃなくて、多分、日本の宣伝部の人が勝手につけた放題なんですよね。(原題は Riddick)

まぁ、宣伝部の人も映画を売るのが大変だと思うし、あまりイチャモンはつけたくないですが、この邦題はさすがに「いかがなものか」と思いましたねー。

1作目の焼き直し

じゃぁ、肝心の映画は面白かったかと言えば、正直(´ε`;)ウーン…って感じで。
リディックが賞金稼ぎを呼び寄せる部分以外は前述したようにほぼ前作の焼き直しみたいな内容だし、リディックの最大の特徴である「瞳」もまったく機能してないですしね。(っていうか明るいところで普通に裸眼でいるし)

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画像出典元URL:http://eiga.com / 既視感のある展開

「ピッチ~」で死んだアイツのオヤジを登場させ、ラストの展開を変えて1作目との対比にする展開は一応納得はするけど、それほど上手いっていうわけでもなく。

唯一、ワンコを殺したゲスい賞金稼ぎにリディックが復讐するくだりは、スッキリしましたけどね。

(ちなみに本作公開の一年後、同じくワンコを殺したギャングに復讐する「ジョン・ウィック」が公開されます)

おそらく巨額の予算をかけた前作が大コケした(らしい)ので、もう一度低予算作品で仕切り直しみたいな感じなのかと思うんですが、正直、評価の高かった1作目の劣化版みたいな印象は否めないなーと。

その割に、続編やスピンオフのドラマ化の噂もあるっぽいので、一定数のコアなファンはいるのかもですが、個人的にはストーリーや設定が行き当たりばったりな感じで、どうも乗れないんですよねー。

特にリディックの瞳は確か、暗闇でも見えるけど、その分光に弱いっていう設定のはずなんですが、2作目以降はその設定は、ほぼ有名無実化してますしねー。

そもそもヴィン様はリディックに向いてない問題

あと、前作の感想でも書きましたが、個人的には孤高で陰性のアンチヒーローであるリディックというキャラクター自体が、ヴィン様に向いてない気がするんですね。

彼の当たり役って、「ワイルドスピード」のドミニクにしても、「トリプルXのザンダー」にしても、敵も仲間に取り込んでファミリーにしちゃうリーダー的資質の部分で、それって多分、ヴィン様自身の陽性なキャラクターが投影されてるから、荒唐無稽なキャラ設定にも実在感があるんだと思うんですよね。

つまり「地元密着型のマイルドヤンキー」感こそがヴィン様の魅力なわけで、リディックの「ぼっちの流れ者」みたいな陰性のキャラはあまり馴染まないっていうか。

なので、今後本当に続編が作られるなら、宇宙のワルを束ねたリディックが自慢の宇宙船を駆って、全宇宙を支配するネクロモンガーを相手に戦うみたいなストーリーにしていくのがいいかもですね。それこそタイトルは「リディック:ギャラクシー・バトル2」にして監督はジャスティン・リンで……って、
それワイルドスピードや!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ (セルフツッコミ)

興味のある方は是非!

 

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オリジナルに敬意を払いつつも世界観を一歩押し進めた作品「ブレードランナー 2049」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、1982年に公開された近未来SF映画の金字塔「ブレードランナー」から35年ぶりの続編、『ブレードランナー2049』ですよー!
公開初日に昨日、早速劇場で観てきました。

本作の感想を一言で言うなら「すげぇ! そして尻が痛い!」なんですが、ただ、いざ感想を書こうと思うと非常に困ってしまうっていうww
なんせ公開したばかりだし注目度も高い作品なので、迂闊なことを書くとネタバレしそうで怖いんですよねー。

というわけで、今回出来る限りネタバレしないように気をつけて書きますが、これから本作を観に行く予定の方は、必ず先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

SF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編。前作から30年後の2049年を舞台に、違法レプリカント(人造人間)処分の任務に就く主人公が巨大な陰謀に巻き込まれる様子を活写する。新旧のブレードランナーを『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリングと、前作から続投のハリソン・フォードが熱演。『メッセージ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンを取り、前作の監督を務めたリドリー・スコットが製作総指揮に名を連ねている。

ストーリー:2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカードハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカント(人造人間)の寿命に制限がなくなっていた。(シネマトゥデイより引用)

感想

基本情報

まず、知らない方のために「ブレードランナー」がどういう物語で何故「金字塔」とまで言われているのかについて、ざっくり説明しますね。

ブレードランナー」はフィリップ・K・ディックSF小説アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、エイリアンなどで有名な巨匠リドリー・スコットが監督したSF映画です。

環境破壊により人類の大半は宇宙に移住し、地球に残った人々は人口過密の高層ビル群が立ち並ぶ大都市での生活を強いられている2019年のロスアンゼルスが舞台。

宇宙開拓の最前線では遺伝子工学により開発された“レプリカント”と呼ばれる人造人間が、過酷な奴隷労働に従事してるんですが、自我を持った彼らは反乱を起こしたり脱走して人間社会に紛れ込んだりしています。

そんなレプリカントを「解任」する“レプリカントハンター”が警察の専任捜査官「ブレードランナー」なんですね。

映画「ブレードランナー」は、そんな“ブレードランナー”のリック・デッカードハリソン・フォード)と、レプリカントの闘いを描いた作品です。

こんなふうに書くと「よくある物語」と思うかもですが、それまでは「スタートレック」などのユートピア的未来が主流だった映画界で、西洋と東洋がごった煮になったような近未来のディストピア的ビジュアルを含めた「よくある物語」の元祖が「ブレードランナー」と言えば、「SF映画の金字塔」と呼ばれる所以も分かってもらえるんじゃないでしょうか。

攻殻機動隊」も「サイコパス」も「AKIRA」も、サイバーパンクと呼ばれるSF映画で、「ブレードランナー」の影響を受けていない作品はないと言っても過言じゃないんですねー。

圧倒的な映像美

それから35年の年月を経て制作されたのが本作「ブレードランナー 2049」で、前作から30年後のロスアンゼルスがメインの舞台になっています。

監督は宇宙人と地球人の交流を描いた「メッセージ」でアカデミー7部門にノミネートされ音響編集賞を受賞したカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブ。「ラ・ラ・ランド」などの ライアン・ゴズリングが主人公「K」を演じています。

前作では東西文化の入り混じった雑多な街並みが印象的でしたが、本作は前作とまったく同じカットで始まっているものの、地面を覆い尽くす太陽パネルや、空から見ると幾何学模様のような街並みなど、前作を観た人なら、時代が進んでいる事が画面一発で伝わるスマートな作りになっていたし、その他の映像も全部美しくて、どこを切り取ってもポスターに出来るくらいビシッと決まってるんですよねー。

これは、ビルヌーブ監督の過去作でもタッグを組んだ撮影監督の ロジャー・ディーキンスの力も大きいんだと思います。

また特撮シーンでも、ホログラムとして登場する人工知能ジョイ(アナ・デ・アルマス)のビジュアルはどれも「おお!」と感動しましたねー。

また、重低音が重く響く劇判を含めた“音”の使い方も素晴らしかったですよー!

そもそも方向性は違いますが、前作の監督リドリー・スコットも本作のドゥニ・ビルヌーブも基本ストーリー・テラーじゃなくてビジュアリストなので、映像や音のリッチさで作品の世界観に没入させるタイプの監督があるんですよね。

前作の世界観をさらに掘り下げる

さらにビルヌーブは「ブレードランナー」直撃世代でもあるので、前作のビジュアルイメージはしっかり踏襲しつつ、前作の世界観をさらに掘り下げながらも、しっかりビルヌーブ版「ブレードランナー」にしていると思ったし、ストーリー的にも前作の「人間を人間たらしめているものは何か」というテーマにより深く切り込んでいる感じでしたねー。前作を「思想」とするなら、ビルヌーブの本作は前作を引用しつつ批評的視点で描く「哲学」って感じでしょうか。

それは本作のメインキャラの関係性に現れていて、

主人公のライアン・ゴズリング

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リック・デッカードハリソン・フォード

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人工知能ジョイ(写真左)

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倒産したタイレル社に変わりレプリカントを製造するニアンダー・ウォレスジャレッド・レト

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ウォレスの右腕でレプリカントラヴ(シルヴィア・フークス 写真右)

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は、(前作との繋がりも含めて)それぞれが非常に重層的な関係になっているのが分かると思います。

本作を見る前に

そんな感じで、本作では前作のストーリーや設定を引き継いでいるので、本作だけ観るより前作を観てから本作を観る方がより深く楽しめるのは間違いないです。
そして出来れば、オフィシャルページで見る事のできる年表と3本の短編も観ておくと、さらに楽しめるんじゃないかと思いますねー。

www.bladerunner2049.jp

あと、本作は2時間43分の超大作なので、映画を観る前に必ずトイレには行っておいたほうがいいですよ!w

本作はもちろんSF映画ですが、前作を踏襲したハードボイルドなフィルムノワール(犯罪映画)テイストもあるし、主人公Kがある謎を追って真実へと向かっていくミステリーでもあり、何より切ないラブストーリーでもあります。

なので前作よりも色んな角度から楽しめると思うし、普段「SFはちょっと…」と敬遠している女性の方も楽しめる作品なのではないかと思いますよ。

興味のある方は是非!!!

 

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ドニー兄貴の“葉問”最終章!? 「イップ・マン 継承」(2017)

ぷらすです。

前回の「酔拳2」では、実在の武術家ウォン・フェイフォンをジャッキーが演じていましたが、今回はブルース・リーの師匠として知られる詠春拳の達人、葉問(イップ・マン)をドニー・イェンが演じる「イップ・マン」シリーズの最新作『イップ・マン 継承』ですよー!

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あらすじと概要

ブルース・リーの師匠でもある武術家イップ・マンを主人公に据えた人気アクションの第3弾。1950年代末の香港を舞台に、悪徳不動産業者に挑む彼の姿を、家族との絆を絡めて描く。監督にこれまでのシリーズ同様ウィルソン・イップ、キャストに『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などのドニー・イェンや、リン・ホンら前2作のメンバーが結集。ドニー・イェンが見せる立ち回りに加え、ボクシングの王者としてその名をとどろかせてきたマイク・タイソンの出演も見どころ。

ストーリー:武術家イップ・マン(ドニー・イェン)が、イギリス人ボクサーと死闘を繰り広げてから9年。妻や息子と静かな毎日を送ってきた彼は、都市開発を進める悪徳不動産業者が息子の通う小学校の土地を狙っているのを知る。強引に土地買収を行う不動産王とその手下から、小学校を守ろうとするイップ・マン。暴力も辞さない手下たちをけ散らしていく彼だったが、妻が病に倒れてしまう。愛する家族を守るべきか、自分たちが暮らす町のために戦うべきか、そのはざまで思い悩む彼は……。(シネマトゥディより引用)

感想

ドニー兄貴の「イップ・マン」が帰ってきた!(*゚∀゚)=3

本作は、実在の武術家でブルース・リーの師匠としても知られる葉問(イップ・マン)を描いた「イップ・マン 序章」(11)「「イップ・マン 葉問」(11)に続くシリーズ第三弾で、主演は「スター・ウォーズ/ローグワン」や「トリプルX 再起動」にも出演し、今や国際的アクションスターとなったドニー・イェンが務めています。

「~葉問」の後に「イップ・マン誕生」「イップ・マン 最終章」の2作が公開されてますが、こちらはドニー版とはなったく別のシリーズらしいです……って、
紛らわしいわ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

「~序章」では詠春拳の達人イップ・マンの故郷、広東省仏山市を占領した日本軍とイップ・マンの闘いを、続く「~葉問」では終戦後に移り住んだ香港での武術会に認められるまでとイギリス人ボクサーとの闘いを描いています。

そして本作「~継承」では、マイク・タイソン演じる屋集団や詠春拳の使い手と戦ったり、奥さんとのラブストーリーを描いているんですねー。

「~葉問」の大ヒットで続編の製作が期待されていたものの、ドニー兄貴は「パート2で最高点を極めた感があるので、続きを作って観客をがっかりさせたくない」と乗り気ではなかったようなんですが、紆余曲折あって2014年3月に本作の製作が正式に発表され、日本では今年4月に公開されたんですねー。
やっぱりイップ・マンはドニー兄貴じゃないとね!

ストーリー

前2作を引き継ぐ形の本作では、道場経営も安定し香港武術会でも顔役となったイップ・マンの晩年期を描く物語。
自宅に、若き日のブルース・リーが弟子志願にやってくるところから物語はスタート。
ちなみに本作でリー役を演じるのは、中国中央電視台CCTV)の連続ドラマ『ブルース・リー伝説』でも同役を演じたチャン・クォックワンという人らしいです。
まぁ、ファンへのちょっとしたサービスですが、このシーンでの二人の軽いアクションで、老成したイップ・マンの実力をサラッと観せてるのは上手いなーって思いました。

そして本編。
ある日、次男が同級生とケンカをするんですが、その同級生の父親の張天志(マックス・チャン)は詠春拳の同門で、男手ひとつで息子を育て車夫をしながらも武術で身を立てる夢のため、賭け闇試合に出て金を稼ぐ日々を送っているんですね。

一方、アメリカからきた地上げ屋のフランク(マイク・タイソン)は、イップ・マンの息子が通う小学校の土地を狙っていて、手下を使いあの手この手で土地を手に入れようと放火や誘拐、さらに邪魔者のイップ・マンを狙い刺客を差し向けます。

フランクから地元の小学校を守ろうと昼夜を問わず警備に励むイップ・マンでしたが、妻の張永成(リン・ホン)が重大な病に犯されていることが分かり……。という物語。

正直、敵のボスは別にマイク・タイソンでなくても何の問題もないと分かってはいても、やっぱりブルース・リーの登場やマイク・タイソンvsドニー兄貴の闘いは格闘映画ファンとしては燃えますよね!

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画像出典元URL:http://eiga.com / タイソンvsイップ・マン

アクション

本作を観ていて、気になったのがカンフーアクションのシーン。
前2作と何かアクションの演出や見せ方が違うなーと思ったら、アクション監督がサモ・ハンから数々のカンフー映画でアクション指導を務めるユエン・ウーピンに交代してました。

だからなのか、前2作では、激しいながら(特に集団戦などは)華のあるアクションだったわけですが、本作では良く言えばリアル。悪く言えば若干バタついた感じがしましたねー。

とは言え、前2作(特に「~葉問」で顕著だった)“いかにも”なワイヤーアクションはほとんどなくて、詠春拳の動きや強さを見せる感じのアクションだったので、どちらが良い悪いではなく、観る人の好みかも。

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画像出典元URL:http://eiga.com  / 詠春拳vs詠春拳

個人的には前2作でのイップ・マンの必殺技、高速連打パンチを見せるシーンが少ないのがちょっと寂しいなーと思いながら観ていたんですが、クライマックスの闘いでイップ・マンが「1インチパンチ(寸勁)」を炸裂させるシーンは超燃えましたよ!(;゚∀゚)=3ハァハァ

www.youtube.com / ブルース・リー寸勁

ただ、本作での本当の白眉はそれらのアクションシーンではなく、奥さんとイップ・マンが二人でダンスを踊るシーンなんですよね。

セリフのないこのダンスシーンに、前2作に渡って描かれてきた奥さんとの愛情が凝縮されてると言っても過言ではなくて、思わずグッときてしまいましたよ!(そして何気なく前半の伏線の回収にもなってるんですよね)

ドニー兄貴の「イップ・マン」最終章!?

つまり本作の主軸はあくまで、朴念仁のイップ・マンと奥さんの愛の物語なんですね。
なので後半は二人が愛情を交わす様子を静かに、しかしエモーショナルに描いています。それでいて、アクションシーンもしっかり見せてくれたので個人的には大満足でしたよー!

恐らく、本作がドニー兄貴の「イップ・マン」としては最終章になるかと思いますが、三部作の締めくくりにふさわしい作品になってるんじゃないかと思いました。

興味のある方は是非!!

 

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スーパースターとなったジャッキーの原点回帰「酔拳2」(1994)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ジャッキー・チェンの代名詞とも言える「酔拳」から16年後の続編となる『酔拳』ですよー!
ネットで仲良くさせてもらってる人たちとジャッキーの話をしているうちに盛り上がってしまい、早速TSUTAYAでレンタルしてきましたー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

中国近代史の英雄ウォン・フェイフォンの大活躍を息もつかせぬアクションでつづる16年ぶりの続編。ご存知、酔えば酔うほど強くなる酔拳の使い手ウォン。軍人武闘家フクと出会った彼は、中国皇帝の証である翡翠の印章略奪事件に巻き込まれる。裏にはイギリス領事館の一味が暗躍していた。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

まず先にお伝えしたいのは、僕がジャッキー直撃世代で日本初公開作「ドランクモンキー/酔拳」(78)を映画館で初めて観てすっかりやられちゃった、いわば「ジャッキー原理主義」だということ。

なので、ジャッキー自ら監督や武術指導もしている「プロジェクトA」(83)や「ポリスストーリー」(85)あたりの作品が僕の中でのベストジャッキーで、後にジャッキーが他の監督と組んだ作品やハリウッド版はあまり観てなかったりするんですよね。(最近後追いで何作か観ましたけど)

で、本作もそんな一本で、全編通してちゃんと観たのは超久しぶりだったりします。

進化した酔拳

本作でジャッキーが演じるウォン・フェイフォンは実在の武術家で、中国近代史の英雄として彼を主人公や登場人物として描いた映画は84本にも上るそうです。
ジャッキーは78年の「酔拳」でも若き日のウォン・フェイフォンを演じていますが、こちらは史実に基づいたものは名前と人物設定だけで、あとは完全オリジナルでした。

そして、続編となる本作でもジャッキーは同じくウォン・フェイフォンを演じてるんですが、設定や登場人物については前作を継承してなくて、酔拳父親と「歴代の先祖達が眠っている土地が鍵」といった設定以外は前作とは繋がっていない単独の作品になっています。

78年の「酔拳」は当時としては衝撃的な内容でしたが、それから16年後、ジャッキー40歳となった本作では、それまで数々の映画で培われた経験とアクションのアイデアを投入し、一本の映画として進化した「酔拳」になってましたねー。

また、本作の監督はラウ・カーリョンとなってますが実際には途中降板し、アクションシーンの半分弱をジャッキー自ら監督し、撮り直しているんだそうですね。

というのも、カーリョンが撮影したアクションは相当に古風で、のジャッキー映画として公開するにはあまりに古臭かった事が原因らしいです。
ちなみに、本作ではカーリョン監督自ら役者として武術家のフク・マンケイ役を演じています。

ストーリー

本作は、列強進出が著しい清朝末期の広東が舞台。
酔拳を会得したものの、酒の勢いで暴走してしまうフェイフォンは父親から酔拳の使用を禁じられています。
一方、イギリスが領事館を通じて中国の国宝を国外へ密輸を察知し、阻止せんとする武術家フク・マンケイと偶然知り合ったフェイフォンに、英国領事館から取り戻した国宝をめぐって敵の魔手が彼らとその仲間に及ぶ……という物語。

久しぶりに観ましたが、ゴールデンハーベスト社の旧ロゴマークと音楽が出てくると上がりますねーw(新しいやつはイマイチ)

冒頭のシーン、荷物の取り違えからフク・マンケイとジャッキーが停車中の汽車の下で戦うシークエンスはイキナリ素晴らしいし、その後領事館の手先との戦いで追い詰められ、ついに酔拳を解禁するジャッキーの動きは、往年のファンにとしては感涙ものでしたよ。

あと、真面目な父親役のティ・ロンは、名前は知らなくても顔を見れば「あ、この人!」って分かるし、奔放な継母役のアニタ・ムイは見事なコメディーリリーフとして、本作を引っ張ってましたねー。

事実、本作はアニタ・ムイの演技に助けられている部分も、かなりあったように思います。

クライマックスの鉄工所での決闘シーンは、さすがの迫力で、ザ・ジャッキー映画って感じでした。

一方で、劇中の時代背景が本作に若干の影を落としているのは否めないところで、一連のジャッキー映画としては珍しく、暴力的というか他の映画と比べると痛々しさを感じるアクションシーンが目立った気がします。

これは、実際のウォン・フェイフォンの弟子の孫で「力なき市民を虐待する権力の横暴に立ち向かうヒーロー」を描いた正統派カンフー映画を志向するラウ・カーリョンが監督になったことで、列強進出が激しくなった時代背景を反映した「レジスタンス活劇映画」として、英国人とその配下の粗暴な武芸者たちによる市民虐待描写などが描かれ、コメディ要素が薄まったのが原因なんですね。

ラストシーンについて

あと、本作を観た人なら、本作がやけに尻切れトンボな終わり方しているように感じたんじゃないでしょうか?
実はこれ、日本公開版ではエンディングシーンがカットされてるからなんですね。

オリジナル版では、鉄工所の戦いで勝利したジャッキーのその後が描かれていて、何とか闘いに勝ち、国宝の海外密輸を阻止したジャッキーの功績を称えるため警察署長が家を訪れ両親と記念撮影。しかし、そこにジャッキーはおらず、警察署長が彼の所在を尋ねます。

両親によると、強敵を倒すため酔拳を解禁したジャッキーでしたが、その時飲んだ工業用アルコールのせいで盲目になり、今は中庭で盲人拳の稽古中だと。
で、三人が、ジャッキーのもとに行くと使用人が「若先生(ジャッキー)は盲目になっただけじゃなく頭もおかしくなった」と言い、顔を歪めて舌をペロペロと出し、手足をひきつらせて笑いながら近寄ってくるジャッキーに一同が悲鳴を上げるっていうエンディングなのです。

このエンディングについては後に出版された書籍で「酒を飲むと罰が下るという宗教上の理由」と書かれているらしく、ジャッキーのおどけ具合から見るにちょっとしたブラックジョーク的なオチなんでしょうけど……

そんなん、笑えるかぁっ!!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

流石にジャッキーは、件のシーンを国際公開版からはカットしていて日本を含むアジア圏では、工場戦のラストで仇敵ジョンを倒した後に泡を吹くシーンから直接エンドロールに繋ぎ、アメリカ公開版では警察署長が額を持参してウォン家を訪れ、フェイフォンの両親と記念撮影をする場面でエンドロールに繋いでるそうですよ。(そりゃそうだ)

とまぁ、そんな問題のシーンがあったりなかったりする本作ではありますが、「酔拳」一発で日本で大ブレークしたジャッキーが、16年の経験を経て再び「ジャッキーの『酔拳」を観せてくれただけで、ファンとしてはやっぱり嬉しいんですよね。

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