今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

松岡茉優の“実在感”に脱帽「勝手にふるえてろ」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、綿矢りさの同名小説を若手人気女優の松岡茉優主演で映画化した『勝手にふるえてろ』ですよー!

観ながらずっと、松岡茉優の演技力と実在感にふるえてしまいましたねー!

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概要

19歳で芥川賞作家となった綿矢りさの恋愛小説を実写映画化。突然告白してきた職場の同期と、中学時代から片思いしていた同級生との間で揺れ動く女性の暴走する恋の行く末を描く。初恋相手を思い出しては胸をときめかせ、毒のある本音を吐き出す不器用なヒロインを、『ちはやふる』シリーズなどの松岡茉優が好演。松岡とは『放課後ロスト』でも組んだ大九明子がメガホンを取る。(シネマトゥディより引用)

感想

女子の女子による女子のための映画

本作の主人公ヨシカは、絶滅した生物が好きすぎて徹夜でウィキペディアを見ていたり、アンモナイトの化石を買ったり、学生時代の初恋の相手イチ(北村匠海)相手に10年も脳内恋愛を繰り返していたり、人の名前を覚えずに変なあだ名をつけている、自意識過剰なクセに自己肯定が出来ない、面倒くさいけどごく普通の「こじらせ系女子」です。

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綿矢りさの原作では、そんな彼女の独白形式(一人称)で物語が進んでいくらしいんですが、映画ではヨシカと他のキャラの会話や妄想と現実を織り交ぜた映像でポップに描いているんですね。

そんな主人公ヨシカを演じるのは、映画好きや評論家筋から絶大な人気と評価を得ている松岡茉優

僕は彼女の芝居は「霧島部活辞めるってよ」「ちはやふる(下の句)」くらいしか観たことがないんですが、脇役ながら主役を食ってしまうくらいの実在感を出せる実力派女優という印象でした。
そんな彼女が主演ということで結構期待値を上げた状態で観たんですが、こっちが(勝手に)上げたハードルを軽々と超えていく演技に「やっぱこの人上手いなー!」って思いました。

正直、もしも他の女優さんが演じていたら、ここまで“普通の女の子”にはならなくて、もっとあざとくてエキセントリックなキャラクターになっていたか、もしくは嫌な女感が前面に出ていたのではないかと。

しかし本作のヨシカは、ずれてる部分と常識的な部分、可愛らしさと女性持つ嫌な感じの配分が絶妙で、「あー、こういう子いるいるー!」って思わせる圧倒的実在感があるのです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヨシカの初恋の人イチ(北村匠海

もちろんそこは、綿矢りさの原作や、監督・脚本の 大九明子のディテールにこだわった演出があればこそなんでしょうけど、基本的に「主人公がこじらせている」という設定を除けば、結構王道のラブストーリーで、そんな本作をここまで引き上げたのは松岡茉優の演技と独特な存在感が大きいんじゃないかと思うし、ヨシカというキャラクターには、(多分)男性監督では出せない女性だからこそのリアリティーがあって、まさに「女子の女子による女子のための映画」という感じ。
だからこそヨシカに共感する女性も多いんじゃないかと思いました。

ブーメラン映画

前半部分でヨシカは、昼夜問わず釣りをしてるおじさんや、駅員、バスで隣りに座るおばさん、コンビニの店員、カフェのウェイトレスを相手に、自分の初恋の相手イチとの脳内恋愛や超うざいと軽蔑し見下してていた 二(渡辺大知)に告白された話を嬉しそうに語ります。

中盤の“ある出来事”をキッカケに、そんな彼女の真実が明かされるわけですが、勘のいい人なら前半部分ですぐ「あ、そういうことね」って分かると思うんですよ。

なので、(ネタバレでもないと思うので)サクッと書いてしまいますが、彼女が楽しそうにお喋りしているのは全て「脳内会話」で、実際には釣りおじさんも、駅員もおばさんもコンビニ店員もウエイトレスも、ヨシカはただ見ているだけで話しかけたりはしていないんですね。

彼女が話せる友達は同僚の来留美石橋杏奈)だけで、二人はとても仲のいい親友に見えるけど、そんな来留美や自分に告白してきた二の事もヨシカはどこかで見下しています。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヨシカに思いを寄せる二を演じるのは「黒猫チェルシー」のボーカル渡辺大

まぁ、確かに中盤までの二は男の僕から見ても超ウザいんですけどねw

しかし、中盤での出来事をキッカケに会社で盛大にやらかしてしまった彼女は、そんな自分の投げたブーメランの数々が全部自分に突き刺さってしまうんですねー。

客観的に観れば完全にヨシカの自業自得なんですが、そこまで彼女の一人称視点で語られていて感情移入しているだけに、観ているこっちも「痛ぁぁぁい!!」となってしまうのです。

こじらせ女子だけど…

そんな感じで本作はヨシカのこじらせっぷりが痛々しい恋愛青春映画ではあるんですが、そうはいっても(男女問わず)彼女程度のこじらせは誰だって心当たりがあるハズで、だから余計にヨシカが憎めないというか、「分かる、分かるぞヨシカ!」と感情移入してしまうんじゃないかと。

そりゃ僕だって(人に聞こえないように)「〇ァック!ファーッ〇!!」って毒づいたことだって何度もあるしねw

なので、一見エキセントリックに見えるヨシカは実はどこにでもいる(ちょっぴりウザい)普通の女の子を松岡茉優はリアルだけど魅力たっぷりに演じているんですよね。

そんな松岡茉優の魅力が詰まった本作は、歴史に残る大傑作とまでは言わないけど、たまに観返したい愛おしい映画なのではないかと思いましたねー。

興味のある方は是非!!

 

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超エリートたちのハイテンション青春劇「帝一の國」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは古谷兎丸原作の人気コミックを実写化して話題を呼んだ、『帝一の國』ですよー!

原作の方は未読だし、ポスターや予告編を見ても若い人向けなルックの作品だったので楽しめるか不安だったんですが、僕みたいなオッサンでも十分に楽しめるエンターテイメント作品でしたねー!

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概要

『共喰い』『溺れるナイフ』などの菅田将暉を主演に迎え、古屋兎丸の人気漫画を映画化した学園コメディー。日本で一番有名な高校で、生徒会長の座をめぐって勃発する激しいバトルを衝撃のギャグ満載で活写する。共演は野村周平竹内涼真間宮祥太朗志尊淳千葉雄大ら。彼らが演じる個性的なキャラクターによる演技合戦、型破りな物語が熱い。(シネマトゥディより引用)

感想

ざっくりストーリー説明

生徒会長の座に就いた人物には将来の入閣が約束される、国内でも屈指の名門である海帝高校。

主人公の赤場帝一(菅田将暉)は、元々ピアノを愛し争いごとが嫌いないじめられっ子だったんですが、息子をエリートに育てたい父親(吉田鋼太郎)とのある出来ごとがキッカケで総理大臣になり自分の国を作るため、中学からエスカレーター式に海帝高校に入学します。

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そして彼は2年後に控えた生徒会長選を見据え、今年行われる生徒会長選の有力候補の中から自分が仕えるべき2年生を選び敵候補との戦いに臨む。

という物語。

多分、原作ではもっと色んなエピソードがあると思うんですが、本作ではあえて2年生の選挙戦にエピソードを絞って、原作未読の僕にもとても分かりやすい内容になってましたねー。

超ハイテンションで繰り広げられるエリートたちの青春劇

元々ピアノが好きで争いごとが嫌いだった帝一は、自分が叶えられなかった野望を託す父親とのある出来事(というか事故)をキッカケに、総理大臣になって「自分の国を作る」という野望に燃えるようになります。

その為の足がかりとして海帝高校生徒会長になるため、策略を巡らせながらのし上がっていくんですね。

それを阻止しようとするのは、父親のライバルで通産大臣の息子、野村周平演じる東郷 菊馬で、非常に分かりやすい三枚目の悪役として父親共々、帝一親子に対し卑劣な謀略を仕掛けていくのです。

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そしてもう一人、政治に興味はないけど人望が厚い大鷹 弾(竹内涼真)は、高校から海帝高校に推薦入学した学園唯一の庶民。一番観客に近い人物で、海帝高校のシステムにツッコミを入れる役どころです。

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それに生徒会長戦を戦う2年生も加わって進むハイテンション・ハイスピードの物語に最初は中々乗れずにいたんですが、中盤、帝一がなぜ「総理大臣を目指すのか」の理由が分かった瞬間にそれまで彼に抱いていた印象がひっくり返り、一気に帝一に感情移入してしまう構成になっているが非常に上手いなーと思いましたねー。

また、この作品は映画冒頭とラストが同じ構図になる、いわゆるブックエンド方式に近い構成になっているんですが、この中盤が効いているので爽やかな感じで終わるのかと思いきや、そこからもうひと捻り加えている構成も良かったです。

キャラクターの再現度

そうしたストーリー構成に加えて、本作では役者陣によるキャラクターの再現度の高さも素晴らしいと思いました。

いや、原作を読んでないのでどのくらい再現しているのかは分からないんですが、そんな僕でも古谷兎丸さんの描いた原作の世界観は多分こんな感じなんだろうと思わせる役者陣の“なりきりっぷり”は素晴らしくて、コメディー漫画原作ゆえのオーバーな演技にも全く違和感がなく、むしろ荒唐無稽な物語に説得力を与えているんですよね。

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なにより、日本のコメディー映画でやりがちな、役者が過剰におどけた演技をしたりボケ・ツッコミ的なセリフを入れずに、あくまで芝居として、熱量たっぷりに全力で演じていたのがこの映画の勝因だったんじゃないかと思いました。

イメージとしては、「テニプリ」や「弱ペダ」のミュージカルのような、いわゆる2.5次元に限りなく近いんじゃないでしょうか。

その上で、政治や権力争いの滑稽さを高校という閉じられた世界の中でデフォルメ化して皮肉りながら、青春劇としてエンターテイメントに昇華している本作は、漫画原作の実写映画としても成功していると思いましたよー!

興味のある方は是非!!

 

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ミシェルvsシガニー! ハリウッド最強女優対決…のハズが…「レディ・ガイ」(2018)*R-15

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ワイルド・スピード」シリーズで主人公ドクの恋人レティなどを演じている、ハリウッド最強の漢ことミシェル・ロドリゲス姐さんが、凄腕のヒットマン(男)を演じて話題になった『レディ・ガイ』ですよー!

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概要

組織に裏切られ、知らぬ間に女性に改造されてしまったヒットマンの復讐(ふくしゅう)を描くアクション。主人公には『ワイルド・スピード』シリーズなどのミシェル・ロドリゲスがふんし、男性だった時代も特殊メイクを施して体当たりで演じ切った。狂気の外科医を『エイリアン』シリーズなどのシガーニー・ウィーヴァーが怪演するほか、『シェフとギャルソン、リストランテの夜』などのトニー・シャルーブらが共演。『48時間』シリーズなどのウォルター・ヒルがメガホンを取る。(シネマトゥディより引用)

感想

面白くなる要素はてんこ盛り! だけど「…あれー?」

僕はYouTubeで偶然予告編を見て本作を知ったんですが、“あの”ミシェル・ロドリゲスが、性転換されたヒットマンを演じるという時点で、もう面白そうじゃないですか。

しかも、ミシェル姐さんに性転換手術を行う狂気の外科医役は「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバーで、監督・脚本は80年代のアクション映画を牽引してた一人ウォルター・ヒルと、どう考えても絶対面白くなる要素がてんこ盛りで、ビンゴだったら全面リーチ状態。

なのでワクワクしながらTSUTAYAでレンタルしてきたんですけど、実際観てみたら「……あれー?」っていうねw

ストーリーをざっくり説明すると、凄腕のヒットマンのフランク・キッチン(偽名/男)が組織の人間にハメられ、意識を取り戻したら女になってまして。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 性転換で女にされた復讐に燃えるミシェル姐さん

「息子(隠語)の仇を取るぜ!」と、自分をハメた組織と性転換手術をした外科医に復讐するという物語。

もうね、あらすじだけで100%面白いわけですが、どっこい期待に胸を膨らませながら観ているうちにどんどん真顔になっていくんですよねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / フェミニスト? 外科医のシガニー御大

いったい何が悪かったのか

その原因はいくつかあって、

1・ストーリーがシガニー・ウィーバーの回想として語られる。

2・シガニー・ウィーバーのパートが多すぎる。

3・ジェンダー問題とか色々盛り込み過ぎ。

4・全体のトーンが真面目すぎる。

と、ざっくりこの4点が大きな問題だと思うんですが、もう一つ最大の問題点は、

5・男の時のフランク・キッチンもミシェル姐さんが演じている。

に尽きるんじゃないかと。

初登場の段階で目を疑うんですけど、男状態のフランク・キッチンを演じるのは付け髭したミシェル姐さん。しかも体も特殊メイクで男の状態にしてます。

でも、声はミシェル姐さんの声そのままだし、体格や腕の太さなんかはやっぱり女性のソレで、どこからどう見ても“男装したミシェル姐さん”なんですよね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / フランクの“協力者”ジョニー (ケイトリン・ジェラード

いや、もしかしたらウォルター・ヒル渾身のギャグで「それ男装のミシェル姐さんやないかーい!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ」という観客のツッコミ狙いなのかもですが、その代償は大きく、性転換した後のミシェル姐さんとのギャップがゼロで、結果“女装した男装のミシェル姐さん”にしか見えないわけです。

いや、つまりいつも通りのミシェル姐さんなわけですけどもw

もしかしたら、そこまで全部込みでウォルター・ヒルの狙いだったのかもですが、個人的な感想としては、男のフランクキッチンは別の俳優で良くね!? と。

あと、性転換後のフランク・キッチン、男に戻りたいというわりにはテープレコーダーに吹き込まれた外科医に言われるがまま女性ホルモンの錠剤を律儀に飲み続けるのも、なんだかなーって思ってしまいました。(筋肉が落ちるので飲まない方が強いハズ)

その他の問題でも、例えば1はシガニーの回想から始めるんじゃなく、時系列通りに現在進行形で進めたほうが絶対シックリ来ると思うし、外科医のシガニーだけでなく組織のボスにまでフランクキッチンを性転換する理由をつける必要もなくて、普通に「金のため」で十分だったんじゃないかと思ったし、シガニーの「フランクの体を女性にすることで真人間になる(女性上位的考え)」的な理論も何だか飲み込みづらい。

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画像出典元URL:http://eiga.com / フランクをシガニーに売った組織のボス、オネスト・ジョン (アンソニー・ラパーリア)

何より、悪役のシガニーに弟の復讐という理由を持たせ、語り手として自分の思想的な事までベラベラ語らせることで、物語がとっ散らかっちゃってるように感じるんですよね。
どう見ても非力な普通のおばあちゃんなシガニーが逮捕されてる理由も、拘束服を着せる理由もイマイチ分からなかったし。(「羊たちの沈黙」のレクター博士オマージュ?)

映画全体のトーンも真面目で暗い感じになってるので、コメディーとして観ればいいのかガチの復讐劇として観ればいいのか迷うし、アクションもミシェル姐さんが普通に二丁拳銃で撃ちまくるだけなので単調に見えちゃう。

なんていうかこう、

最高の材料が揃ってるのに、調理の仕方を間違えてる感じで、実にもったいないなーと。

これじゃぁ折角おっぱい丸見せで揉みしだき、股間も丸出しで
「NOぉぉぉぉぉ!」
と絶叫してみせたミシェル姐さんの気合も報われてないなーって思いましたねー。

ウォルター・ヒルが本作で時代を踏まえてジェンダー問題を入れ込もうと思ったのか、それともミートゥー問題に対してのカウンターのつもりだったのかもしれませんが、それらが作品にとってのノイズになってる感は否めないし、もっとシンプルにコメディーアクションに仕上げればボンクラ映画の名作になったんじゃないかなーと思いました。

まぁ、ミシェル姐さんのおっぱいを堪能できるので、おっぱい好きには良い映画化もですねー。

興味のある方は是非!

 

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ブルース・ウィリス主演のゆる~~~い私立探偵もの「バッド・ウェイヴ」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ハリウッドスターのブルース・ウィリス4年ぶりの単独主演作品『バッド・ウェイヴ』ですよー!

予告編を観て「お、これはもしや『RED』的なヤツなのかな?」と期待しつつレンタルしたんですが……(´ε`;)ウーン…

何ていうか…一言で言うと、全体的にゆる~~~い映画でしたねー。

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概要

ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリスが主演するアクション。友人の頼みを引き受けたことで、ギャングや麻薬が絡んだトラブルに巻き込まれる探偵の姿を描く。メガホンを取るのは、脚本家やプロデューサーとして活躍してきたマーク・カレン。共演に『バートン・フィンク』などのジョン・グッドマン、ドラマシリーズ「スターゲイトアトランティス」などのジェイソン・モモア『96時間』シリーズなどのファムケ・ヤンセンらが顔をそろえる。(シネマトゥデイより引用)

感想

62歳のブルース・ウィリス4年ぶりの単独主演作…だけど

本作でブルース・ウィリスが演じるのは、ロサンゼルス近郊の町ヴェニスで探偵業を営むスティーブ。
彼はヴェニスで唯一探偵許可証を持ち、「自分探し」に行ってしまった弟の代わりに義妹と姪っ子の面倒をみているんですね。

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そんなスティーブ、さほど仕事がないのかスケートボード場で子供達に大麻や麻薬の恐ろしさを教える日々。

そんな彼の様子を、探偵助手のジョン(トーマス・ミドルディッチ)のナレーションで本作はスタートします。

その後、色々あって彼は誘拐された愛犬のバディを取り戻すため行動するうちに、厳ついサモア人やメキシカンギャング、ケチの不動産屋や黒人ギャング、いたずら書きアーティスト、高利貸しなどから様々なトラブルを持ち込まれる。というストーリー。

ジャンル分けするなら、ハードボイルドコメディーアクションといったところですが、なんかもう、ストーリーもアクションも、何もかもがとにかくユルい

なのでブルース・ウィリス主演の「アクション映画」だと思って観たら、あまりのユルさにガッカリしてしまうんじゃないかと思いますねー。
どちらかといえば、ストーリー的にはコメディーに振っていて、ブルース・ウィリスは全裸でスケボーに乗ったり、女装したり(正確には、させられてる)と頑張ってはいるものの、全体的に笑いのテンポもゆるいので、掛け合いや間で笑わせる感じでもない。

一応、ドタバタコメディーとしてやることはやってるし、物語自体はまとまっているんだけど、編集が悪いのか演出の問題なのか、それともブルース・ウィリスのやる気がないのか、テンポにメリハリがないので全体的にのっぺりした感じになってるんですよねー。

調べてみると、監督のマーク・カレンは脚本や製作をしてる人らしいんですが、監督は今回が初めてで、作品もアメリカでは劇場では機械限定限定公開で、メインはビデオ・オン・デマンド配信らしいので、本作のユルい感じもその辺に原因があるのかもしれません。

何気に豪華キャスト

そんな本作ですが、キャスト陣は

スティーブの親友で伝説のサーファーディヴ役にジョン・グッドマン

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メキシカンマフィアのスパイダー役に、「ジャスティス・リーグ」でアクアマンを演じたジェイソン・モモア

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『X-メン』でジーン・グレイを演じたファムケ・ヤンセンなど、何気に豪華。

ただまぁ、本作ではジョン・グッドマンもユルくて、ブルース・ウィリスと二人、すっかりお爺ちゃんになってるなーと、ちょっぴり切ない気持ちになってしまいました。

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そんな二人がヨボヨボしながらアクションしたり掛け合いしてる感じは、日本で言うと堺正章と井上順の番組を見てるような感覚って言えば伝わりますかねw

94分しかない映画なので、他の映画と一緒に借りて、息抜きに観るにはいいのかもしれませんが、個人的にはちょっと物足りなかったですねー。

興味のある方は是非!

 

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確かに“ファミリームービー”だった「デッドプール2」(2018)*R-15+

ぷらすです。

デッドプール』を観ましたよー!!
いやね、感想を一言で言うならもう…サイコーヽ( ・∀・)ノ フォー!!
でした!

前作同様、アメコミヒーローから007までいじり倒す、僕らのデップーがパワーアップして帰ってきたー! って感じでしたねー!(;゚∀゚)=3ハァハァ

というわけで、今回はまだ公開したばかりの映画なので、できるだけネタバレしないように書きますが、これから映画を観に行く予定の人は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。
いいですね? 注意しましたよ?

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概要

マーベルコミックスのヒーローの中でもユーモラスなキャラクター・デッドプールに、ライアン・レイノルズがふんしたアクションの第2弾。“マシーン人間”からある少年を守るために立ち上がったデッドプールがチームを結成し、ド派手なバトルを展開する。監督は『アトミック・ブロンド』などのデヴィッド・リーチ。敵を『アベンジャーズ』シリーズにも出演しているジョシュ・ブローリンが演じるほか、モリーナ・バッカリンT・J・ミラー忽那汐里らが出演する。(シネマトゥデイ より引用)

感想

我らがデップー、今回もイジり倒す

冒頭からいきなり昨年公開の「ローガン」をイジり倒すところから物語はスタート。
その後も、X-MENや他のマーベルヒーロー、DCコミックスまでイジり倒した挙句、アメコミ映画のみならずあらゆる映画や、ついにはディズニーの「アナ雪」までイジる始末。

もちろん本作の敵役ケーブルを演じるジョシュ・ブローリンイジりだって忘れませんよ!

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ケーブルを「片目のウイリー」と読んだり、中盤ではチャンク風なシャツを着たりと、ジョシュ・ブローリンのデビュー作「グーニーズ」ネタをぶち込み、ケーブルをサノス(ジョシュ・ブローリンが演じている)と呼んで口を塞がれたりと、喜々としてイジり倒してますw

オープニングは007風にしつつも、フラッシュダンスや色んな映画のパロディーをしまくり、80年代カルチャーも当然のようにネタにしまくりと、前作以上にやりたい放題でしたねー。

これらの小ネタを全部理解するには、かなりのボンクラ偏差値が要求されますが、もちろん分からなくても十分に楽しめるのでご安心を。(僕もほとんど分からなかったしw)

X-フォースとは

予告編でも出ていましたが、今回デップーは対ケーブルのためミュータントを求人して最強鬼ヤバなチームを作ります。
そのチーム名が「X-フォース」(今年の初めにそっくりな決めポーズをする映画があったけどいちいち言及しませんよw)で、実は彼らマーベルのコミックに登場するヒーローチームなんですね。

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サクッとメンバーを紹介すると、

電磁波を操る能力を持つベドラムテリー・クルーズ)。

“自称宇宙人”のシャッタースター(ルイス・タン)。

なんでも溶かす強酸性のゲロを吐くツァイトガイスト(ビル・スカルスガルド)。

透明人間のバニッシャー(???)。

仕事欲しさにやってきた普通のおじさんピーター( ロブ・ディレイニー)。

そして運を操るドミノ(ザジー・ビーツ)。

原作に沿ったキャラもいるし、映画オリジナルのキャラもいるけど、アメコミファンなら彼らの登場にニヤリとしてしまうかもしれません。

さらに前作から引き続き、X-MENメンバーのコロッサスやネガソニックたん(髪が伸びて心なしか顔もシュッとしちゃった)。
デップー行きつけのバーのマスター ウィーゼルや、盲目の老女ブラインド・アル、タクシー運転手のドーピンダーも登場します。

「ポッキンナベイベー」のCMでお馴染み忽那汐里が、メガソニックたんの“彼女”ユキオ役で活躍しますよー!
ヒーロー映画としては初? の同性愛者キャラです。(何か色々うるさい人がいるらしい)

監督

そんな本作でメガホンをとったのは、キアヌ・リーブスの「ジョン・ウィック」をチャド・スタエルスキと共同監督し、シャーリーズ姐さんの「アトミック・ブロンド」も監督したデヴィッド・リーチだけに、アクションシーンはどれも素晴らしいの一言。

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もちろん前回に引き続き本作もR-15+指定なので、グロシーンもキッチリ描かれてますが、ただのグロにならないように、笑いを入れているのでそんなにキツくは感じないと思います。

デップーのキャラクターを掘り下げた続編

一見下品なジョークやオタクネタ、ゴア描写のお多い悪乗りアクションコメディーに見えるデップーシリーズですが、ジョークの中に彼の過酷すぎる過去を忍ばせ、キャラや行動や設定にもしっかり説得力を持たせています。

そんな彼が愛するヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)もまた、デップーに負けず劣らずの壮絶な過去があり、前作はそんな二人の愛を描いたラブロマンスなんですね。

そんな幸せ絶頂のデップーが、イキナリ不幸のどん底に落ちる衝撃の展開から本作はスタートします。

個人的に関心したのは、デップーが前作から一貫して1mmのブレもなく、続編となる本作でさらにキャラクターが掘り下げられているということ。

「ギャグシーンをつなぎ合わせただけ」なんて意見もあるけど、僕に言わせればいやいやそんな事はないですよと。

この2作は確かに表面上はコメディーだし、そこが楽しい映画ではあるけど、ベースにデップーことウェイドの物語がしっかり描かれているからこそ前作はあれだけヒットしたし、本作ではそんなウェイドの物語をさらに深く掘り下げ成長させることで、デップーが真のヒーローになる物語に昇華させた傑作だと僕は思います!

それに、茶化してはいるけど、DCやMCUでは出来ない事にも果敢にチャレンジしてるし、実は結構深くて社会派な作品でもあるわけですよ。
まぁ、そうは見えないかもですがw

そして本作は、(意図したかは分かりませんが)「ローガン」とコインの裏表になってるんですよね。

それだけに、EDクレジット後のオマケ映像には爆笑してしまいましたよww

興味のある方は是非!!!

 

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宮崎駿作品を語ってみる-9「ハウルの動く城」(2004)

ぷらすです。

僕が火曜日を担当しているブログマガジン「Res-C」に記事をアップしましたー!

res-c.blog.jp

宮崎駿監督の、劇場アニメを1作づつ語っています。
興味のある方は是非ご一読くださーい!(´∀`)ノ

 

予想の斜め上をいく怪作!「ゲット・アウト」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、昨年公開された異色のホラー映画『ゲット・アウト』ですよー!
事前情報で「大体こんな感じの映画」というのは分かっていたものの、実際に観たら予想の斜め上をいく怪作でしたねー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

パラノーマル・アクティビティ』シリーズなどを手掛けてきたプロデューサー、ジェイソン・ブラムが製作に名を連ねたスリラー。恋人の実家を訪ねた黒人の青年が、そこで想像を絶する恐怖を体験する。メガホンを取るのはコメディアンのジョーダン・ピール。『Chatroom/チャットルーム』などのダニエル・カルーヤ、ドラマシリーズ「GIRLS/ガールズ」などのアリソン・ウィリアムズらが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

さて。

とは言ったものの、この映画「シックスセンス」的というか、うっかり内容を書くとネタバレに繋がっちゃう系映画なので、非常に感想の書きにくいんですよねーww

なので、出来るだけネタバレにならないようにしますけど、もし、これから本作を観る予定の人は、出来るだけ前情報は入れずに観るほうが楽しめるのは間違いないので、先に映画を観てから、この感想を読んでくださいねー!

 

ストーリー

ニューヨークで活躍する黒人フォトグラファーのクリス・ワシントン (ダニエル・カルーヤ)は、週末に白人の恋人ローズ・アーミテージ (アリソン・ウィリアムズ)の実家に挨拶に行くことに。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 彼女の実家に行くだけでも気が重いのに…

人種の違いを嫌がられるのではと、不安がるクリスに対し「うちの父はオバマの支持者よ」とローズに説得され二人が実家につくと両親は快くクリスを受け入れ、クリスはご近所さんとの親睦会にも出席することになります。

一見、黒人の彼にフレンドリーに接してくるローズの両親やご近所の人たちですが、クリスは会話を交わすうち、彼らの言葉や態度に「何かおかしい」と違和感を抱き…。

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画像出典元URL:http://eiga.com / フレンドリーだけど何かがおかしいみなさん

というストーリーです。

いわゆる黒人差別を題材にした異色のホラー映画なんですが、劇中のアチコチに伏線が張られていて、クリスの感じていた違和感の謎が解けた瞬間に、全ての伏線が一気に回収されるミステリー要素の強い作品でもあるんですね。

映画を沢山観ている人の悪癖として、ついついその後の展開を先読みしながら観てしまうというのがあるんですけど、そんな人ほど、全ての真実が明らかになった瞬間に「やられた!」って思うこと請け合いの、まさに予想の斜め上をいく作品でしたねー。

監督

そんな本作の脚本と監督は、黒人コメディアンのキーガン=マイケル・キーと一緒に「キー アンド ピール」というコメディショーで人気を博し、2016年には二人で「キアヌ」というコメディアクション映画にも主演したジョーダン・ピールで、なんと、この映画が初監督作。

黒人差別をネタにしたコントが得意で、本作も、彼自身の体験や普段の生活の中で感じている黒人差別を元に、脚本を練り上げたそうですよ。

カリカチュアされた人種差別ではなく、「アメリカの日常に潜むリアルな人種差別」を作品に取り込んだ本作は、第90回アカデミー賞脚本賞も受賞しています。

コメディーホラー

さらに、本作はコメディーホラーでもあります。
この辺はコメディアンであるジョーダン・ピール監督の得意分野で、両親や親睦会に集まった白人富裕層のメンバーたちが、口々に言う言葉が、いわゆるリベラル層の白人が言いそうな言葉あるあるだったり、主人公クリスと親友ロッド( リル・レル・ハウリー)の調子っぱずれな会話など随所に笑いを入れ込んでいるわけですね。

ただ、日本人的に「あるある部分」には、(コメディーだと分かって観れば)「多分ここが笑いどころなんだろう」と頭では理解出来るものの、感覚的には笑いに繋がらないかもと思いましたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ローズの両親。パパは脳外科医で、ママは精神科医

もちろん他にも動きや表情なんかのギャグもあって、そこは面白かったですけども。

まぁ、笑いのツボは違っても、ストーリーだけで十分に楽しめる映画になってます。

脚本を書き始めたのはオバマの第一期政権のとき

本作を観ると、近年ハリウッド映画で主流の反トランプ政権的映画の印象があるかもですが、ジョーダン・ピールが本作の脚本を書き始めたのはオバマ大統領第一期政権の時だそうです。

しかしその後、黒人に対する暴力、とくに白人警察による行き過ぎた黒人への射殺事件が多発。それに対する抗議運動「ブラック ライブ マター」が活発になり、そしてトランプ政権が誕生。と、結果的に意図せず描いた脚本がまさに今の時流に乗る形になってしまったようですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / あーーーーーっ!

まぁ、「人種差別もの」と聞いて「またか」と食傷気味な人も多いかもだし、僕自身も多少そういう気持ちがあったんですが、実際に観るとエンターテイメント映画としてとても面白いし、「シックスセンス」なみの驚きもあるので、「気にはなってるけど」と観ようか迷っている人には、観ることをオススメしますよー。

あと、グロシーンやお化け屋敷的びっくりシーンもそれほどないので、(僕みたいに)怖がりな人でも楽しめるのではないかと思います。

興味のある方は是非!!!

 

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