今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

トム=イーサン「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」 (2018)

ぷらすです。

トム・クルーズが凄腕スパイのイーサン・ハントを演じる人気シリーズ「ミッション:インポッシブル」シリーズ第6弾『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を今日の朝一の回で観てきましたー!(*゚∀゚)=3

147分とシリーズ最長の作品なので、事前に「僕の膀胱がインポッシブル」というネタを考えてたんですが、ずっと超絶アクションてんこ盛り。手に汗握っている間に気がついたら終わってましたよー!

というわけで、公開されたばかりの映画なので、出来るだけネタバレしないように注意はしますが、これから本作を観る予定の人は、先に映画を観てからこの感想を読んでください!

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

イーサン・ハント率いるスパイチームの活躍を描いた人気シリーズの第6弾。複数のプルトニウムを盗んだ犯人をイーサンたちが追う。前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に続いてクリストファー・マッカリーがメガホンを取り、トム・クルーズサイモン・ペッグらおなじみの面々が結集。飛行するヘリコプターにしがみついたり、ビルからビルへ跳躍したりするなど、トム渾身のスタントが今作でも見られる。(シネマトゥディより引用)

感想

前作「~ローグ・ネイション」からの続編? にしてシリーズ総決算的作品

M:Iシリーズといえば、みんな大好きトム:クルーズがIMF(不可能作戦部隊)のエージェントであるイーサン・ハントを演じる人気シリーズで、1966年から1973年まで放送されたアメリカのTVドラマ「スパイ大作戦」のリブートシリーズです。

同時に、主演のトムが、挑むスタントなしのアクションがシリーズを重ねるごとにど派手かつ危険になっていく事でも話題になっています。

本作でも、アクション中の事故でトムが骨折したことが話題になりましたよね。

そんなシリーズ最新作となる本作「~フォールアウト」は、前作「~ローグ・ネイション」の続編? で、キャスト陣も引き続き出演、前作に引き続きクリストファー・マッカリーが監督を務めています。

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また、要所要所で(テレビ版も含む)過去作のオマージュや引用シーンもあり、シリーズ総決算的な作品になっていましたねー。

ざっくりストーリー紹介

IMFのエージェント イーサン・ハント、ベンジーサイモン・ペッグ)、ルーサー(ヴィング・レイムス)は、盗まれた3つのプルトニウムの回収を⽬前にしながらも突如現れた何者かの策略のせいで作戦は失敗。

この事件には、テロ組織「シンジケート」の⽣き残り勢⼒が結成した「アポストル」が関連しており、⼿がかりはジョン・ラークという正体不明の男の名前と彼が接触する武器商人のホワイト・ウィドウと呼ばれる謎めいた⼥のみ。

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イーサンたちプルトニウムを再び奪い返し、複数の都市の“同時核爆発を未然に防ぐ新たなミッション”を受けるが、今回のミッションに対しイーサンの動きを怪しんだCIAは、敏腕エージェントのオーガスト・ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)を監視役に同⾏させる……。という内容

今回の敵は前作でも登場した「シンジケート」の残党「アポストル」で、彼らはプロトニウムで核爆弾を作って世界三カ国で同時爆破させるテロ&前作で逮捕された「シンジケート」ボス、ソロモン・レーン( ショーン・ハリス)の奪還を画策してるわけです。

冒頭、武器商人ホワイト・ウィドウの組織とIMFとの“取引”に介入してプロトニウムを奪ったのも「アポストル」なんですね。

そこに、CIAや前作でも登場したMI6のイルサ(レベッカ・ファーガソン)もそれぞれの思惑で物語に絡んでくるわけです。

アクション! アクション! アクション!

しかし、ぶっちゃけ本作を観ている間、ストーリーはほぼ頭に入ってきませんでしたw

もうね、序盤から「これでもか!」と、ちょっとどうかしてるアクションが展開されていくわけですよ。

例えば序盤の、高度7,620メートルから超高高度からダイブし、超低高度でパラシュートを開傘させる「ヘイロージャンプ」を、トム本人が行うシーン。
トムは、この撮影のために100回以上も「ヘイロージャンプ」を飛んだそうですよ……。

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しかもこれ、パリの街中にあるクラブで行われる、ホワイト・ウィドウが主催する慈善事業団体に潜入するためですからね……。

他にいくらでも安全な潜入方法あるだろー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ っていうw

他にも、パリ凱旋門の放射状道路を逆走するバイクチェイスや、ビルからビルに飛び移るシーン(このシーンでトムは足を骨折した)。飛んでるヘリに乗り込もうとして落ちそうになったり、自ら操縦してのヘリでのアクロバットシーンなどなど。

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もちろん命綱など最低限の安全は確保した状態でやってるんでしょうが、そうは言ってもトムはもう56歳ですからね。
アホかーーー! っていう話ですよ。

映画評論家の町山さんによれば、本作はアクションありきで、物語のアウトラインをざっくり決めた状態で必要そうなアクション(っていうかトムがやりたい)シーンを先に撮って、アクションとアクションを繋ぐためにストーリーを決めていくというやり方だったんだとか。(トムが骨折して撮影が中断してる間にストーリーを練り直したらしい)

それ、ジャッキーと同じやり方だよ!w

いやね、確か前作の感想でも「トムのジャッキー化が止まらない」的な事を書いたと思うんですが、とうとう撮影方法までジャッキー化しちゃってるっていうね。

だからなのかもですけど、本作の(アクション以外の)ストーリー部分は正直あまり上手くはないっていうか、破綻ギリギリなんですよ。

なので、「映画」として評価すると、お世辞にも素晴らしいとは言えないわけですが、もうね、このシリーズを他の「映画」と並べて評価すること自体がナンセンスなんじゃないかと思うんですよね。

イーサン=トム

例えば、「ジャッキー映画」は、毎回役柄は違っても全部ジャッキー・チェンの映画だし、「ロッキー」とスタローンはほぼイコールですよね。

観客はジャッキーがどんな役でもジャッキーとして応援するし、ロッキーとスタローンを同一視して応援していると思うんです。

本シリーズも同じで、イーサンとトムはほぼイコールだし、ファンもエージェント イーサン・ハントの物語であると同時に、自殺ギリギリのアホみたいなアクションを自分でやっちゃうトム・クルーズの生き様のドキュメントとして本シリーズ応援している部分もあると思うんですね。

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だから、「映画」としては色々足りてないとしても、「M:I」シリーズとしては100点満点だと思うし、本シリーズはそういう在り方の「映画」なのです!

なので、トムがこのシリーズを作り続ける限り、僕も最後まで付き合っていく所存ですよー!(。`・ω・)9"

興味のある方は是非!!!

 

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多分、世界一ネタバレしている推理映画をリメイク「オリエント急行殺人事件」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ミステリー小説の女王アガサ・クリスティーの原作小説『オリエント急行の殺人』2度目の映画化『オリエント急行殺人事件』ですよー!

多分、世界で一番ネタバレしているミステリー小説を、 ケネス・ブラナー監督・主演で映画化した作品です!

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概要

これまで幾度も映像化されてきたアガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化。ヨーロッパ各地を巡る豪華列車を舞台に、世界的な名探偵エルキュール・ポアロが客室で起きた刺殺事件の解明に挑む。『ヘンリー五世』『世にも憂鬱なハムレットたち』などのケネス・ブラナーが監督と主演を兼任。さらにジョニー・デップミシェル・ファイファーデイジー・リドリージュディ・デンチペネロペ・クルスら豪華キャストが集結する。(シネマトゥディより引用)

感想

ミステリーの女王アガサ・クリスティー原作の本作は、1974年にシドニー・ルメット監督で映画化、2001年にアメリカ製作の長編ドラマ『オリエント急行殺人事件〜死の片道切符〜』、2010年にはイギリスのドラマ『名探偵ポワロ』第12シリーズ最終話として映像化されていて、2015年には舞台やキャストを日本に置き換えた『オリエント急行殺人事件 』(テレビドラマ)が放映されるなど、過去何度も映像化されている作品です。(Wikipediaより)

僕も、子供の頃にテレビで74年版の映画やドラマで何度も見てますし、ある年齢以上の人なら、オチを知らない人はいないんじゃないかと思いますねー。

本作は、そんな(多分)世界で一番ネタバレしているミステリー小説の再映画化ということで一体どんな映画にするのか、ファンのみならず多くの人が気になっていたのではないかと思います。

ポアロがカッコイイ!

本作のストーリーをザックリ説明すると、トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行の中でアメリカ人富豪のエドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)が刺殺体で発見され、偶然乗り合わせた探偵エルキュール・ポアロケネス・ブラナー)が事件の謎を解くというミステリー映画です。

エルキュール・ポアロアガサ・クリスティー小説に登場する名探偵で、その名前は知らなくても「灰色の脳細胞」という彼の名セリフを知っている人は多いはず。

ただ僕は、色んな名探偵の中で一番嫌いなのがポアロだったんですよねー。

理由は単純にカッコ悪かったから。

口ひげにぺったり撫で付けた7:3分けの黒髪の太った蝶ネクタイのおじさんというのが、僕のぼんやり覚えているポアロ像。

同じく子供の頃に観ていた、ホームズや明智小五郎金田一耕助はみんなシュッとしててカッコイイのに、ポアロって子供的にはただの嫌味でおどけたオッサンって感じだったんですよね。

しかし、本作でケネス・ブラナー演じるポアロは、トレードマークのヒゲは以前に比べてとんでもない事になってますが、白髪まじりながらシュッとした姿になっていてアクションもこなす(ステッキを使った合気道の達人という設定)イケメンになってるじゃないですか。(蝶ネクタイじゃないし)

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正直、このポアロだけで個人的に本作はアリだなって思いましたねー。

豪華キャスト

さらに本作は、ペネロペ・クルスウィレム・デフォージュディ・デンチジョシュ・ギャッドミシェル・ファイファージョニー・デップなどなど超豪華キャストが揃っています。

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普通、ミステリードラマだと探偵以外に有名俳優が登場すると「あ、コイツが犯人だな」と登場した瞬間に分かってしまって興ざめすることも多いですが、本作はいわゆる「群像ミステリー」なので、逆に豪華キャストの共演が一つの見せ場になってるんですよね。

そんな人気も実力も兼ね揃えた彼らが、豪華列車の煌びやかなセットの中で共演するだけでも、この映画を見る価値はあるんじゃないかと思いました。

謎解きは捨ててエモーションに振り切る

では、肝心の内容はどうかというと、謎解きの鍵になるトリックやロジックよりも登場人物の心情や背景に重きを置いたエモーショナルなストーリー構成になってました。

っていうか、原作で一番重要な鍵となる「時間トリック」を完全にオミットしてしまってるし、「この瞬間にポアロが真実に気づいた」という推理プロセスを、観客と共有出来てないんですよ。

なのでクライマックス。乗客を集めてポアロが熱く謎解きをするシーンでも、観ているこっちはポアロの謎解きを聞きながら「お、おう…」と、置いてきぼり状態なっちゃう。

まぁ、原作や過去の映像化作品を観た人は最初から“犯人”は分かってるのでまだいいですけど、本作がアガサ・クリスティー初体験の人はどうかなー? って思いましたねー。

ではどこに力を入れているかというと、乗客たち(とポアロ)の背後に共通する「ある事件」と、その事件に乗客たちがどのように関わり、どんな心の傷を負ったのかに焦点が当てられ、それを名俳優たちが朗々と演じるという。
シェイクスピア俳優のケネス・ブラナーらしい? 演出になっていました。

オリエント号が雪で止まるという設定は同じですが、74年版が列車内だけで物語が進むのに対して、本作では相手によって話を聞く場所を変える(外に出たりもする)など、観客を飽きさせないように画面を変える工夫はしてて、そこは良かったと思ったし、クライマックスの謎解きシーンもトンネルを使って「最後の晩餐」を思わせる構図にしたりするのも個人的には嫌いじゃないですが、全体的に役者の演技に頼った作りだなーと。

なので、この映画をどう見るかで評価も変わるんじゃないかと思うんですよね。

前述したように、(本格)ミステリー映画としてはちょっとアレですが、実力派俳優による列車を舞台にした群像劇として観れば、それなりに見ごたえはあるかもしれません。

興味のある方は是非!!

 

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「DESTINY 鎌倉ものがたり」 (2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは「ALWAYS 三丁目の夕日」や「STAND BY ME ドラえもん」などの大ヒットで“国民的”映画監督となった、山崎貴監督最新作『DESTINY 鎌倉ものがたり』ですよー!

「~三丁目の夕日」の原作者、西岸良平による人気漫画「鎌倉ものがたり」を実写化したファンタジー作品です。

ちなみに、今回はほぼ悪口しか書いてないので、この作品が好きな人はスルーの方向でお願いします。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

西岸良平による人気漫画「鎌倉ものがたり」を、西岸が原作者である『ALWAYS』シリーズなどの山崎貴監督が実写映画化。人間だけでなく幽霊や魔物も住むという設定の鎌倉を舞台に、心霊捜査にも詳しいミステリー作家が新婚の愛妻と一緒に、怪事件を解決していくさまを描く。和装に身を包み多趣味なミステリー作家を堺雅人、年の離れた妻を高畑充希が演じる。そのほか堤真一安藤サクラ田中泯國村隼薬師丸ひろ子三浦友和中村玉緒らが出演。(シネマトゥディより引用)

感想

実は僕は、西岸良平さんのマンガってほとんど読んだことがなくて、さらに山崎貴監督の映画を最初から最後までちゃんと観たのって、本作が初めてだったりします。(「ALWAYS~」をテレビ放送の時にちょこっと観た程度)

なので、本作がどのくらい原作の世界観に沿って作られているのかはよく分かってないんですが、本作の「人間と魔物が共存している古都 鎌倉」という基本設定は原作に準じているみたいですね。

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その上で、「STAND BY ME ドラえもん」と同じく、1話完結型の原作から幾つかのエピソードをパッチワーク的に繋ぎ合わせて一本の映画にしたらしいです。

タイトル問題

山崎監督といえば「ALWAYS(三丁目の夕日)」「STAND BY ME(ドラえもん)」「BALLAD(名もなき恋のうた)」そして本作と、原作タイトルの前に横文字のメイン?(サブ?)タイトル を組み合わせることで、ライムスター宇多丸師匠言うところの「田舎の喫茶店のような、絶妙にダサいタイトルをつける事でお馴染み。

本作の「DESTINY」は一応、内容には関係してるんですけど作品自体は日本の民話や宗教観(神道・仏教)的な価値観がベースになっているわけで、むしろ原作の「鎌倉ものがたり」だけの方が良いのでは? って思いましたねー。

まぁ、横文字メインタイトル+日本語サブタイトルの組み合わせは、洋画の放題でもよく見られるパターンなので、それに倣っているのかもですが。

日本版「ハリーポッター」?

一方、山崎貴監督といえば、作品内にCG技術をいち早く取り入れた監督の一人です。
ある意味で、邦画のCG技術の進歩は何だかんだ言っても山崎監督の功績が大きいのではないかと思うんですよね。

おそらく山崎監督は、邦画ではなく洋画的なエンターテイメントを目指してるんだと思います。

本作もおそらく「ハリーポッター」や「ファンタスティック・ビースト」の日本版みたいな作品にしたかったのかなーなんて思うんですが、それが上手くいっているかと言われれば、(´ε`;)ウーン…って感じでしたねー。

ネジが緩んでる

原作の方は、鎌倉を舞台にした一話完結型のミステリー+人情モノや怪談+ほのぼの日常系といった感じらしく、舞台設定も現代の鎌倉と解釈することも出来るけど、登場する建物や乗り物(パトカーや江ノ島電鉄横須賀線)などは1960~70年代の感じにしているらしく、主人公でミステリー作家の一色正和の和装なども相まって、昭和っぽい感じに統一して時代をぼやかすことで「架空の鎌倉」を作っているんですね。

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そこは本作も一応踏襲してはいるし、ロケ地や家のセット、堺雅人が運転する車などは旧車を使ったりと気は使っているものの、随所に現代感が見え隠れするなど、画的な世界観がちゃんと統一されてない感じがしました。

また、中盤以降一色と愛妻の亜紀子が行くことになる「黄泉の国」のビジュアルも、ジブリ感が強いというか、もっとハッキリ言えば「千と千尋の神隠し」っぽいなーと。

この「黄泉の国」のシーンは「ズートピア」で言えば動物が集まる大都市ズートピア、「ベイマックス」で言えばサンフランソウキョウみたいな、映像一発で観客に作品の世界観を見せつける重要なシークエンスなので、本作ならではのビジュアルであっと言わせて欲しかったですねー。(あと、画で見せないなら、人によって風景が変わるという黄泉の国の設定はいらなくね? とも思いました)

あと、すごく気になったのは、キャスト陣の演技のトーンがバラバラなこと。
一色を演じる堺雅人の作りこんだ舞台っぽい時代掛かった演技と、亜紀子を演じる高畑充希のいかにも現代風な女の子っぽい演技とのバランスが取れていないというか、二人の“生きている時代”がズレているような違和感を感じてしまうんですね。

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ほかの役者さんたちも悪く言えば野放しっていうか、それぞれの解釈で自由に演技しているというか。

それは多分キャスト陣の問題ではなくて、監督が演出に対して無関心なんじゃないかと思うんですよねー。

それは映像やストーリーでも同じで、全体のざっくりしたビジョンはあるけど細部に無頓着なのが素人目にも分かるっていうか。

例えば、一色の担当編集者本田(堤真一)が末期ガンで、残された家族が心配過ぎて死後、魔物に転生するという展開があるんですけど、舞台が黄泉の国に移る中盤以降で、「黄泉の国」でピンチに陥った一色を、魔物になった本田が助ける展開があるのかと思ったら何もないし、結局、本田のその後に関しては放ったらかしでしたよ。

他にも、あるシーンでのこれ見よがしな伏線が、思った通りの回収をされるので、クライマックスの劇的なシーンのハズなのに「でしょうねー」としか思わないとか、そもそも作品内での死生観がボンヤリしてるので物語にメリハリがないとか。

事ほど左様に、ファンタジー映画としてシッカリ締めるべき細部のネジが全部緩んでる感じで、僕には合わなかったなーと。

もしかして原作を読んでいたら「お、このエピソードをこう活かしてるのか」と感心したかもですけども。

ただ、キャストは豪華だし、これまでの山崎監督作品を楽しめた人なら面白く観られると思いますよー。

興味のある方は是非!

 

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「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018)

ぷらすです。

現在絶賛公開中『ジュラシックワールド/炎の王国』を観てきましたー!
実は、細田守監督の「未来のミライ」と上映時間が同じでどっちを観るかギリギリまで迷いましたが、3D上映回だったのでこっちを観ることにしましたよ。

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概要

恐竜が放たれたテーマパークが舞台のアドベンチャージュラシック・ワールド』の続編。火山噴火が迫る島から恐竜を救い出そうとする者たちの冒険を活写する。監督は『インポッシブル』などのJ・A・バヨナ。前作にも出演した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのクリス・プラット、『レディ・イン・ザ・ウォーター』などのブライス・ダラス・ハワードをはじめ、『インデペンデンス・デイ』などのジェフ・ゴールドブラムらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

いつも通りの…

前にも書いたかもですが、僕がスピルバーグの「ジュラシック・パーク」を初めて観たのは、5年前くらいでして。
もちろん、DVDも出てたしテレビの洋画劇場でも何度も放送してたんですが、イマイチ観る気分にならなかったんですよね。

で、TSUTAYAに行った時に、ふと気になってDVDをレンタルしたら、これがびっくりするくらい面白くてですね。
公開から10年以上経っているのに映像が全然古く感じなかったし、冒頭で主人公たちが初めてブラキオサウルスを見るシーンには、自分も初めて生きた恐竜を見たような気持ちになって、本当に感動したんですよね。

で、それをキッカケに、それまで遠ざかっていたハリウッドの超大作をどんどん観るようになり、映画の感想を書くようになりっていう。

いわば、このブログを書くキッカケになったのが「ジュラシック・パーク」(と「アベンジャーズ」)だったわけです。

前作「ジュラシック・ワールド」は細々した部分は変えているものの、物語の大枠は実質「ジュラシック・パーク」のリブート作品だったし、本作は「ロスト・ワールド」のリブートで、まぁ「いつもの通りだなー」という感じでした。
ただ、あのラストシーンは「ジュラシック」シリーズの結末として正しいオチだと思ったし、(恐らくは)今後も続くであろうシリーズの物語の幅を広げたと思いましたねー。

ツッコミどころは満載

ちなみに本作のストーリーをザックリ説明すると、

1・ジュラシックワールドの島が噴火する。
2・恐竜を救うためにクリス・プラットブライス・ダラス・ハワードが島に乗り込む。

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3・だが、実はその計画は、オークションのため恐竜たちを島から連れ出す計画だった。

という物語です。

ただ、ストーリーのツッコミどころは満載。

特に気になるところをネタバレしないようにボヤかして書くと、

オークションをわざわざ“あそこ”でやるとかバカなの? とか。
恐竜を生物兵器として使う方法がおかしい(銃で撃った方が早くて安くて確実)とか。
あの子のあの設定はいる? とか。
お前、何してくれとんねん! とかね。

もう、言いだしたらキリがないんですよ。

多分、あのオチありきで、ストーリーを逆算して作ったんじゃないかと思うんですが、全体的にご都合主義で説得力のない展開が満載だったし、キャラクターの行動も全員考えなしの行き当たりばったりなので、基本、誰にも感情移入出来ないんですよね。

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今やCG技術は行くところまで行ってるし、本作ではアニマトロニクスも多用してるそうで、映像は確かに迫力があるけど、一作目のようなドキドキハラハラ感はなく、決められた通りに、ただ、詰め込まれたノルマをこなすのに精一杯というか。
全体的にガチャガチャしていて、どこにもピントが合っていない印象でしたねー。

主役はブルー

本作は、ある意味クリプラとブルーのバディもの(というか親子もの?)という感じになっています。
クリプラは島から恐竜を救うことには消極的で、しかし自分が手塩にかけて育てたブルーを救いたいという思いから、救出作戦に参加するわけですね。

ブルー自身もクリプラや仲間のピンチに駆けつけて救ったりと、前作以上に擬人化されたキャラクターとして描かれています。

本作のブルーは「猿の惑星」で言えばシーザー的な役どころで、なので観客は(特に後半では)ブルーに感情移入していく作りなんですよね。

ただ、その分肝心の「恐竜感」が薄くなってるので、その辺が賛否分かれるところなのかもしれません。

すでに続編が決定しているらしいので、本作のラストをどう次回作に活かすのかが気になるところですねー。

興味のある方は是非!

 

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地球を破壊しまくる奇祭「ジオストーム」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、今年1月に日本公開されたスーパーディザスタームービー『ジオストーム』ですよー!

“あの”ローランド・エメリッヒの盟友が、初監督を務めた超大作です!

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概要

天候をコントロールする気象宇宙ステーションが暴走するさまを描いたディザスターアクション。未曾有の災害が同時多発的に起きる地球壊滅災害“ジオストーム”の発生を防ぐために奔走する主人公を、『300 <スリーハンドレッド>』などのジェラルド・バトラーが熱演する。その弟に『ハイネケン誘拐の代償』などのジム・スタージェスがふんするほか、エド・ハリスアンディ・ガルシアらが共演。『インデペンデンス・デイ』シリーズなど携わったディーン・デヴリンが監督を務めた。(シネマトゥディより引用)

感想

ストーリー

温暖化が引き起こす異常気象によって壊滅寸前の地球を救ったのは、天才科学者ジェイク(ジェラルド・バトラー)が開発した、天候を意のままにできる宇宙ステーション“ダッチボーイ”。

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しかし、気に入らない上司を罵倒したり殴ったりと問題行動の多いジェイクは、査問会で国際気象宇宙ステーション(ICSS)責任者を解任され、後任に弟のマックス(ジム・スタージェス)が就任したことで兄弟仲が悪くなってしまいます。

それから数年後、アフガニスタンで一つの村が村人ごと凍り付いてしまうという事件が発生。さらに香港では異常な気温上昇、日本では巨大な雹が降り注ぐ大惨事に。

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これらは気象衛星の不具合が原因とされ、開発者のジェイクはマックスに言われて再び国際気象宇宙ステーション(ICSS)行きを決めるのだが、そこには巨大な陰謀が隠されていたのだったー!

という、要するに、ジェイク&マックス(+仲間たち)が、天候を操れる宇宙ステーションにウィルスを仕込み世界中に天変地異を引き起こす「何者か」の陰謀を食い止めて地球を救う物語です。(ネタバレ)

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兄ジェイクを演じるのは「300<スリーハンドレッド>」スパルタ人の英雄を演じたジェラルド・バトラー、弟マックスを演じるのは「ハイネケン誘拐の代償」のジム・スタージェス

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そして、「インディペンデンス・デイ」シリーズや「GODZILLA」の製作・脚本を務めたローランド・エメリッヒの盟友、ディーン・デヴリンの初監督作品とくれば、勘のいい人なら本作がどんな映画か大体察しがつくと思うし、まさにそういう映画なんですね。

奇祭、「地球破壊祭り」

本作で繰り広げられる災害の数々は凄まじく、前述したようにアフガニスタンの村が村人ごと凍りつき、香港では気温上昇によって地面が裂けビルがドミノ倒しになり、インドでは巨大な竜巻が複数発生、ブラジルでは海からの寒波によって海水浴客たちが瞬間冷凍され、日本では巨大な雹が降り注ぎ、アメリカでは大統領が演説している建物を雷が直撃し大爆発するという(「インディペンデンス・デイ」まんまの映像)トンデモ大災害が次々と地球を襲います。

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というのも、ウィルスによって制御不能になった「ダッジボーイ」が何者かに操られて暴走を始めたからなんですが、兄ジェイクはダッジボーイを止めるため宇宙で奮闘し、弟マックスはダッジボーイにウィルスを仕込み地球規模の災害を起こしている犯人を探すというミステリー風味、さらに時間内にダッジボーイを正常に戻さないと地球規模の大嵐「ジオストーム」によって人類滅亡というサスペンスもあり……。そうこうしている間にもトンデモ災害はどんどん拡大っていう……

もはや色々盛りすぎで笑うしかない「地球破壊祭り」という名の奇祭ですよ!

さらに、ジェイクと娘の涙の別れや、兄弟が絆を取り戻すエモーションたっぷりなシーンも挿入され、クライマックスではマックスの恋人vs犯人グループのカーチェイスありと、とにかく、盛って盛って盛りまくる怒涛の展開。

さすが「インディペンデンス・デイ」の脚本を書いた男ディーン・デヴリン、物語も映像もいつかどこかで観たような、全編まさにエメリッヒイズム全開なヒャッハー作品なのです。

ツッコんだら負け

っていうかですね。

そもそも天候を自在に操れる宇宙ステーションの仕組みとか気候を操る理屈はビタイチ分からないし、ウィルスに犯され暴走するダッジボーイを止めるためには一回停止して再起動すればいいとかエロサイトの無限ポップアップ広告対策みたいなこと言ってるし、真実に気づいたスタッフの口を塞ぐために香港を壊滅させるわ(しかも失敗して自力で暗殺)、人間を瞬間冷凍する寒波ってマイナス何度よ!? とか、ツッコミ始めたらキリがないんですがね……細けぇこたぁいいんだよ!

だって、エメリッヒの相棒が作った映画だからー。

あ、ちなみに宇宙センターの「ダッジボーイ」という名前は、ダムに空いた穴に指を突っ込んで崩壊を止めた少年の逸話から名付けられてるそうで、ダッジy…げふんげふんとは何の関係もありませんよw

こんな映画ばかりでは困るけど、たまに無性に観たくなるジャンクフード映画で、個人的には大満足でしたねー。フフ…(´∀`)マンゾク…

興味のある方は是非!!

 

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実写版とは別物と割り切れば…「GODZILLA 怪獣惑星」 (2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「まどかマギカ」の虚淵玄がストーリー原案と脚本を担当して話題になった劇場アニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』ですよー!

正直、本作の公開が発表されたとき「えー、アニメ?」と、あまり興味が沸かなかったわけですが、僕も一応ゴジラ世代の端くれなので、レンタルが始まった機会に「一応チェックしてみっか」と、今回観てみましたよー。

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概要

日本映画界が世界に誇るゴジラを劇場長編アニメ化。これまでのシリーズにはなかった世界観やビジュアルで、ゴジラをめぐるドラマが繰り広げられる。監督には『名探偵コナン』シリーズなどの静野孔文、『亜人』シリーズなどの瀬下寛之、ストーリー原案と脚本には『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズなどの虚淵玄と、日本アニメ界をけん引する実力派がスタッフとして名を連ねている。彼らが生み出す、新しいゴジラ像に目を奪われる。(シネマトゥディより引用)

感想

ゴジラとは何か

そんなわけで、本作の感想の前にこれまでのゴジラの流れをざっとおさらい。

第一作目の「ゴジラ」は1954年(昭和29年)に、世界初の怪獣映画として公開されました。

終戦からわずか9年、当時社会問題となっていたビキニ環礁の核実験に着想を得たスタッフによって生み出されたゴジラは「核の落とし子」であり、「戦争や災害のメタファー」であり、「戦没者たちの亡霊」でありと、「人間が生み出した恐怖の象徴」として描かれています。

そんなゴジラの根底には、荒ぶる神妖怪といった日本古来からの宗教観や独自の概念があって、つまりゴジラや怪獣は本来「モンスター」というより、祟り神、妖怪・お化けの文脈にあるキャラクターなんですね。

しかし、1作目の「ゴジラ」の大ヒットを受けてシリーズ化したゴジラは、子供たちに人気のキャラクターとして消費され「怖いゴジラ」として復活しを繰り返します。
その後、ローランド・エメリッヒギャレス・エドワーズ監督による2本のハリウッド版が作られたあと、「エヴァンゲリヲン」の庵野秀明監督による「シン・ゴジラ」が制作・公開されます。

庵野監督は、東北大震災と原発事故後の“今の日本”を舞台にゴジラを再構築することで、戦争・原爆の記憶も生々しい時代に作られた初代ゴジラを観た観客の恐怖を、現代の観客に追体験させる試みで「シン・ゴジラ」を大ヒットに導きましたが、残念ながら海外での評価はあまり芳しくなかったようです。

まぁ、それは当然で、庵野監督は最初から日本の観客に向けて「シン・ゴジラ」を作ったわけで、そもそも海外はアウト・オブ・眼中なんですよね。

対して本作は、ギャレス版を彷彿させるデザインのゴジラを見ても分かりように、最初から海外に売る事を視野に入れて作られている「輸出用ゴジラ」であることは明白です。

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画像出典元URL:http://eiga.com 

もちろんそれが悪いとは言わないし、大予算をかけて作られるハリウッド版ゴジラに日本が対抗するにはアニメはある意味正しい選択だと思うんですが……。

ただ、僕みたいに子供の頃に特撮版ゴジラを浴びるように観て育った人間からすると、どうしてもアニメ版ゴジラに違和感を感じてしまうんですよねー。

いや、それは製作者側の問題ではなく「アニメは別物」と割り切って本作を観られない僕の問題なんですけどね。

進撃の巨人」感

で、本作のストーリーをかいつまんで説明すると、

1・20世紀末、人類は環境変化が原因で地球上に出現した巨大生物「怪獣」の脅威に晒されるようになります。
中でも他の怪獣を駆逐する力をもつゴジラの暴威は凄まじく、人類は異星人の力を借りて宇宙船団で地球を脱出。11.9光年彼方の惑星「くじら座タウ星e」に移住する羽目に。

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画像出典元URL:http://eiga.com / さらばー地球よー

2・出発から約22年後。過酷な宇宙生活の末に人類はタウ星eに到着するも、そこは人類が生きられる環境ではなく移住計画は失敗。
ゴジラに両親を殺された主人公ハルオが立案した「対ゴジラ戦術」が“協力者”によってリークされたことで、船員たちの間では地球帰還を望む声が高まり、結局人類は地球に帰還することになります。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ハルオの計画をリークした異星人(左)

3・長距離亜空間航行でサクッと戻ると、地球では約2万年もの歳月が経過。(相対性理論的な例のアレ)
にも関わらずゴジラはまだ生きていて、計画取りハルオを含むゴジラ殲滅部隊が地球に降り立ち、ゴジラと対決するのだが。

という物語。っていうか、

もっとザックリ言うと「進撃のゴジラでした

もうね、主人公のハルオは両親をゴジラに殺された復讐に燃え「地球からゴジラを駆逐してやる!!(# ゚Д゚)ノ」的な奴でして。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 「ゴジラを駆逐してやる!」

観ていて「なんかエレンっぽいなー」って。
まぁ、エレンより頭がいいので、エレンとアルミンを足して2で割ったみたいな感じかな。(進撃の巨人を知らない人にはまったく通じない例え)

で、すったもんだあって殲滅部隊にゴジラが近づいてくると、ビビった隊長が「やっぱゴジラ倒すのはムリムリ! 月にコロニー作って住んで地球から必要な物資を調達するべ!」というど正論をかまして撤退命令、しかし運悪くゴジラと遭遇して、なし崩し的に戦闘にもつれ込み、ハルオは喜々としてゴジラに挑むっていう……。

何か色々飲み込みづらい!

SF設定とかキャラクターとか、ストーリー展開とか何かこう色々「んん??」ってなる部分が多いんですよねー。
22年もかけて遠くの惑星まで行ったのに、帰りは亜空間飛行で一瞬とかね。

色々言い訳はしてたけど、色々と人類(+異星人)たちの行動にご都合主義な感じが否めないんですよね。

ゴジラ殲滅作戦の内容も分かるような分からないような感じなので、なんか行き当たりばったりに感じちゃうし。

あと、ゴジラは3DCGでリアルなんだけど、人間のキャラがアニメ顔(しかもCGアニメのクセが強い)っていうのもやっぱり違和感を感じてしまうんですよねー。(2回目)

百歩譲ってそれらを全部飲み込むとしても、舞台が2万年後の地球って言われても何かピンと来ないというか。ぶっちゃけ他人事になんですよ。

前述したように、日本のゴジラや怪獣の怖さって現代に生きる人々が抱える、漠然とした恐怖や不安の具現化が本質で、でもこの映画は一度ゴジラに滅ぼされたあとの物語なんですよね。(それは狙いなのかもだけど)

だから、ハルオの「ゴジラから地球を取り返す!」っていう大義名分も「いや、お前が復讐したいだけだろ?」って感じちゃうし、生きるための資源が必要なら、むしろ隊長が言うように月にコロニーでも作って地球から運ぶ案の方が説得力があるように感じてしまう。

っていうか、生態系が変わりすぎて酸素マスクなしで息もできないんじゃ、たとえゴジラを倒しても地球には住めないだろって思っちゃうので、地球にこだわる必然性も感じられないんですよね。

まぁ、脚本はあの虚淵玄で、しかもまだ3部作の1作目、つまりは前フリですからね。
2作目以降でいい感じにストーリーが転がっていくのかもしれません。

ちなみに本作の前日譚は小説? になってるらしいです。

そんなわけで本作は、むしろゴジラに思い入れのない人の方が「SFアニメ」として純粋に楽しめるんじゃないかなー? なんて思いましたねー。

興味のある方は是非!

 

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