今日観た映画の感想

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中国ノワール感のあるエモい作品「リミット・オブ・アサシン」(2018)

inotiぷらすです。

今回ご紹介するのは、イーサン・ホーク主演のアクション映画『リミット・オブ・アサシン』ですよー!

この作品、僕はほとんど前情報もなく「お、イーサン・ホーク主演か」と思ってレンタルしてきたんですが、正直「何故こうなった」って感じの作品でしたねー。(´ε`;)ウーン…

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

『ビフォア』シリーズや『6才のボクが、大人になるまで。』などのイーサン・ホーク主演のアクション。組織に殺され復活した殺し屋が、壮絶なリベンジを仕掛ける。メガホンを取るのは、スタントとして数々の作品に携ってきたブライアン・スムルツ。『ブレードランナー』などのルトガー・ハウアー、『LOOPER/ルーパー』などのシュイ・チン、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズなどのリーアム・カニンガムらが共演する。(シネマトゥデイ より引用)

感想

ざっくりストーリー紹介

本作のストーリーをざっくり説明すると、妻子を失い、任務中に命を落とした暗殺者のトラヴィスは、組織の蘇生技術で命を吹き返す。
しかし、それはあくまで応急処置で24時間後には再び死ぬ事を知ったトラヴィスイーサン・ホーク)は、残り時間を大義のために使う事を決意する。
という物語。

「 命のタイムリミットが決まっている系」の物語で、殺し屋が主人公のアクション映画としては、我らがジェイソン・ステイサム初期の傑作「アドレナリン」1・2を思い出したりしましたが、一見悪ふざけのバカ映画のようで実はしっかりとタイムリミット設定を活かしてストーリーテリングしていた「アドレナリン」に比べると、本作はその辺がどうにも雑すぎて、正直ガッカリしてしまったんですよね。

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主人公のトラヴィスはある任務中、インターポールの中国系女刑事シュイ・チン(シュイ・チン)に撃たれて死亡。
しかし、情報を聞き出すため、数百人もの命を犠牲にして開発した組織が開発した技術によって蘇生させられるんですね。

しかし、それはあくまで一時的な処置に過ぎず、命のリミットは24時間。
必要な情報を聞き出されたあと、トラヴィスは再び殺されそうになるも辛くも脱出。残された時間を使って、組織への復讐のため自分を撃ったシュイ・チンを組織の手から守ろうと決めるのです。

まぁ、こうしてあらすじだけ書き出すと面白そうですが、タイムリミットのスリルやサスペンスは特に描かれないので「黄泉がえりやタイムリミット設定いらなくね?」って思っちゃうんですよ。実際、別になくても成立しますしね。

あと、トラヴィスの腕には、ご丁寧に残り時間が分かるデジタル時計的なものが皮膚の下に埋め込まれているわけですが、情報を聞きだしたらすぐに殺そうと思ってた男に、わざわざそんな手間のかかる真似をするかね? という疑問も。

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画像出典元URL:http://eiga.com

そんなん別に腕時計のタイマーで事足りるわけで、作り手の事情なのが素人目にも丸分かりなんですよね。

で、タイムリミットサスペンスがごっそりなくなった分、代わりに入れ込まれるのはトラヴィスが失った妻子を思い返してはクヨクヨする、エモーショナルな展開の数々。

なんだか全体的に中国ノワールっぽいストーリーてリングだなって思ったりしましたねー。

前半部分でのトラヴィスと義父の「魂」がどうこうっていうやり取りも、若干、東洋思想ぽいし。(しかも別に上手くもないっていう)

よかったところ

そんな本作ですが、アクションシーンはわりと良かったと思います。
スタントマン出身で、「X-MEN」シリーズなどの第2班監督を努めていたブライアン・スムルツの初監督作品ということもあり、アクション設計は力が入ってたし見ごたえがありました。あと、義父役のルトガー・ハウアーが敵をやっつけるシーンは、ブレードランナー直撃世代としてはちょっとアガりましたねーw

まぁ、クライマックスのジョン・ウー風味のガンアクションはには思わず笑ってしまいましたがw

ただまぁ、(中国の女優さんを使っているとかは関係なく)中国資本が入っていて、なので中国でのヒットを狙ったストーリー作りをしてるのかな? とか邪推してしまいましたねー。(´ε`;)ウーン…
あと、ラストシーンは続編を狙ってる感じでしたけど、どうですかねー?
ほかの人のレビューを読むと、評価は二分してるっぽいですが、個人的には続編があっても観ないかなーって思いました。

興味のある方は是非!

 

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カメ止め!上田慎一郎監督の長編デビュー作「お米とおっぱい。」(2011)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、インディペンデント作品としては空前の大ヒット作品となった「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督の長編デビュー作『お米とおっぱい。』ですよー!

上田監督作品なのと、タイトルに惹かれてレンタルしてきました!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督が2011年に自主制作で手がけた長編作品。互いに名前も知らない5人の男たちが、ある会議室に集められる。彼らには「おっぱいとお米のどちらかがこの世からなくなるとしたら、どちらを残すか?」という議題が与えられ、全員一致の結論が出るまで議論をしなければならない。わけもわからないまま、とりあえず議論を始める5人だったが……。2018年6月に「カメラを止めるな!」が劇場公開された際に、特別上映作品としてイベント上映された。18年12月15日に「カメラを止めるな!」ソフト化にあわせて、本作のDVDも発売される。(映画.comより引用)

感想

舞台劇的なワンアイデア・ワンシチュエーションコメディ

本作は上田監督が2011年に自主制作した初長編作品です。

公民館?の会議室に集められたお互い名前も素性も分からない5人の男たちが、主催者の出した「おっぱいとお米のどちらかがこの世からなくなるとしたら、どちらを残すか?」という議題を、答えが全員一致になるまで議論し合う。
全員の答えが一致、結論が出た時点で参加者には10万円の謝礼金が支払われるんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com /舞台はほぼ、この会議室

参加者の殆どは「議論するまでもなく、答えは当然お米だろう」と思っているんですが、ただ一人「おっぱい」を譲らない絵描きの若者のせいで議論は長引き、参加者たちは次第に追い詰められていく……。という物語。

 

声だけの出演を除けば、出演者は6人。

主催者に雇われて議長を務める中年男。(大塩武)
自称「社長」で声の大きな中年男。(鐘築健二)
全員がお米を選ぶ中、一人だけおっぱいを譲らない絵かきの若者。(高木公佑)
色々理屈っぽいメガネの男。(山口友和)
チャラくて自分の意見がない通訳の男。(中村だいぞう)
参加者にコーヒーなどを振舞う老人。(リーマン・F・近藤)

という、年齢も職業も違う男たち(給仕の老人を除く)が「お米かおっぱいか」という、世界一どうでもいい議題を喧々諤々議論するうち、徐々に彼ら個々人の抱える内情が見えてくるという趣向なんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com /10万円欲しさに集まった4人の男たち

舞台はほぼ会議室の中だけ、出演者はほぼ議論に望む5人だけというワンアイデア・ワンシチュエーションコメディで、全体的に小劇団の舞台劇っぽい内容。キャストも全員が舞台役者っぽい、映画としては少々過剰な演技なので、まるで舞台演劇に手持ちカメラを持ち込んで撮影しているような雰囲気でしたねー。

上田慎一郎流「レザボア・ドッグス」?

で、上田監督は本作で、タランティーノの「レザボア・ドックス」がやりたかったんじゃないかなって思いました。

名前も素性も分からない男たちがある目的のために集められ、物語が進むうちに男たちの素性が明らかになっていくという展開は「レザボア・ドックス」に重なる部分が多いし、無意味な会話の中でそれぞれのキャラクターを提示していくという手法や、長回しで舞台演劇っぽい感じも少し似てるんじゃないかなと。

恐らく、上田監督は「『レザボア・ドッグス』を日本(しかも低予算で)で作るとしたら…」という発想を出発点に、本作の脚本を書き上げていったのではないかって思うんですよね。いや、全然違うかもですがw

荒削りでいかにも自主制作っぽいけれど

そんな本作、正直に言えばストーリーも映像も荒削りだし、いかにも自主制作映画っぽいチープさは否めないんですが、後の「カメラを止めるな!」に続く上田監督のセンスの一端が見える作品になっています。

だって、この映画102分ありますからね。
名前も知らない俳優たちが、会議室でウダウダガタガタ言い合いしているだけというシチュエーションの自主制作映画を102分観続けるのって、普通なら相当シンドイじゃないですか。

でも、本作では最初に提示された「お米かおっぱい、残すならどっち?」というアホみたいなお題に対して、最終的に5人がどんな決着がつけるのかという観客の興味を牽引力に、それぞれのキャラクターの個性や背景を少しづつ明かしていき、さらに画が単調にならないように、要所要所でハッとするような展開を入れたり、会議室の外に舞台を移して観客を飽きさせないように気を配っているのです。

何より「これは一体どういう映画なの??」と興味を惹かせるタイトルがいいですよね。(そしてまんまと引っかかった)

まぁ、「誰が何故、こんな議論をさせたのか」という最大の謎が明らかになった時のガッカリ感はありましたけどもw

とはいえ、何より上田監督は個性的なキャラ作りが上手いし、キャラを演じる役者選びも絶妙(本作も当て書きなのかな?)で、それぞれのキャラクターのどこかに共感出来る部分があるんじゃないかと思います。

あと、絵かき青年を演じた高木公佑さんは、ネットで調べるとそうでもないんですが、本作では森三中の大島さんに似てるなー」って思いましたねー。(←マジでどうでもいい感想)

興味のある方は是非!!

 

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酷評するほど悪くはないんじゃない?「未来のミライ」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、新作を公開する度にネットをざわつかせるでお馴染みの細田守監督の新作劇場アニメ『未来のミライ』ですよー!

公開時、わりとネットレビューが酷評だらけだったので、覚悟を決めて観たんですが……「あれ? そこまで悪くはなくね?」って思いました。

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

サマーウォーズ』『バケモノの子』などの細田守が監督を務めたアニメーション。小さな妹への両親の愛情に戸惑う男の子と、未来からやってきた妹との不思議な体験をつづる。企画・制作は、細田監督らが設立したアニメーションスタジオ「スタジオ地図」が担当し、細田監督作に携わってきたスタッフが集結している。声の出演は、上白石萌歌黒木華星野源役所広司ら。(シネマトゥディより引用)

感想

細田作品のとの出会いと思い出

アニメ監督 細田守を、僕が最初に認識したのは2006年公開「時をかける少女」からでした。

発表当初は全国で21館のみの公開からスタートした「時かけ」は、ネットなどの口コミ効果で連日立ち見がでるほどの大ヒット。
配給の角川ヘラルド映画が慌てて上映館を増やすなど異例の対策を取る事になった名作アニメだし、あの作品で僕は細田作品にハマって、以降のアニメは全作観てるんですね。

続く「サマーウォーズ」(09)は、田舎の大家族とネット世界の融合が個人的には新鮮で面白かった(後に「劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」の焼き直し的内容だった事を知る)んですが、サマーウォーズ的な感じを期待して観た2012年公開の「おおかみこどもの雨と雪」は個人的にどうも合わず、前作「バケモノの子」(15)では「いや…駄作とまでは言わないけど(´ε`;)ウーン…」となり。

その後、遡って「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」(05)も観たりしました。

そして昨年夏に公開された本作「未来のミライ」は、公開とほぼ同時にネットがざわつき酷評も多かったので、今回、個人的にかなりハードルが下がった状態で鑑賞したんですが……。

「ん?? そこまで悪くはないんじゃない??」ってなったんですよね。

いや、「超面白かったー!(*゚∀゚)=3」っていうほどのテンションではないし、確かに言いたいことも色々ある。けど、あるシーンを除けば全体的にはまぁまぁ面白いんじゃない?と。
少なくとも監督の人格が否定されるほど酷い内容ではないって思いましたねー。

くんちゃんの空想の物語

本作は、4歳の男の子くんちゃん(上白石萌歌)が赤ちゃん期から幼児期へと成長する過程で、彼の頭の中で起こっている事を描いた物語だと思います。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 4歳児にして鉄道マニアなくんちゃん

それまで、両親の愛を独り占めしていたくんちゃんの元に、妹のミライちゃんが生まれ、自分をかまって貰えないくんちゃんはヤキモチを焼いて赤ちゃん返りしたり、拗ねたり、ダダをこねたり。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 擬人化した飼い犬のゆっこ(♂)

そんなくんちゃんの前に現れるのは、擬人化した飼い犬ゆっこ(吉原光夫)であり、中学生になった未来のミライちゃん(黒木華)であり、幼き日のくんちゃんのお母さんや、亡くなったくんちゃんの曾祖父さん(福山雅治)であり、未来の自分(畠中祐)なのです。

そんな彼ら・彼女らは、恐らく全てくんちゃんの空想の産物で、何気なく見聞きしていた両親・祖父母の話や過去の写真などを題材に、また、「もし、ゆっこやお母さんが人間、もしくは子供だったら」という、くんちゃん自身の想像や願望から生まれた、イマジナリーフレンド的なキャラクターなのでしょう。

そんな彼ら・彼女らとの冒険を通して、くんちゃんは少しずつ成長し、“お兄ちゃん”というアイデンティティを受け入れていくという物語なんですね。多分。

「突如現れた弟や妹に両親を奪われるのでは…」という不安や寂しさは、年の近い弟・妹を持つ人なら多かれ少なかれ経験があると思うし、逆に親の目から見れば、4歳くらいの子供って、今まで出来なかった事が突然出来るようになったり、突然お兄ちゃん、お姉ちゃんらしくなったりしてビックリ! なんて経験があるんじゃないでしょうか。

本作は、そんなどこの家庭にもあることを、5つの小さなエピソードをくんちゃん視点で描いているんです。

ホームドラマ

本作の批判を読むと、その枕詞として「一見、理想の家庭だが――」と書かれている事が多いんですが、いやいやいや、全然理想の家庭ではないですよね?

恐らく、どちらかの両親から受け継いだであろう、ごく普通の一軒家だった家を、設計氏のお父さんは増築・リフォームします。

出来上がったのは、これから赤ちゃんが生まれるってのに、ステップフロア式で無駄に段差の多く、階段には手すりもついてないようなお洒落ハウス。

多分、家をリフォームしたのは、くんちゃんをお腹に授かる前のタイミングだと思うんですが、その時点で二人は「赤ちゃんができる事」を想像出来てないんじゃないかと思うんですよ。(まぁ、あの家の構造が、物語上の仕掛けでもあるわけですが)

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画像出典元URL:http://eiga.com / ミライちゃんの世話でてんてこ舞いの両親と、段差だらけの家

いや、“頭では”理解していて、子供部屋とか中庭とかも作ってるんですが、まだ赤ちゃんや幼児がいる「家」を実感として分かってないっていうかね。

さらにお父さんは、くうちゃんが赤ちゃんの時はまだ設計事務所に所属していて、くうちゃんの面倒は実質お母さん(麻生久美子)一人でみていたし、ミライちゃんが出来たタイミングでフリーになったので、働くお母さんの代わりに家で仕事をしながら子供ふたりの面倒をみようなんて、気楽に考えていて、実感として子どもを育てる大変さなんかまるで分かってないのです。

劇中でも、そんなお父さんにお母さんが釘を刺すシーンがありますよね。
で、実際やってみると、お父さんも想像以上に大変な子育てにてんてこ舞いで失敗ばかり。

一方のお母さんは、そんなお父さんに子育てや家事指南をしながら仕事もしていて、自身の理想の母親像とは裏腹に、言うことを聞かないくんちゃんについ怒ってしまう日々。

全然理想の家庭じゃないし、お父さんもお母さんも親としてはまだまだ半人前で、失敗を繰り返しながら親になっていく途中なのです。
本作ではそんな「家族」が成長する様子を描いているホームドラマなんですね。

あと、多かったのは「婚期が遅れるからと雛人形を仕舞いにくる」未来のミライちゃんに対して、「今時(っていうか未来だけど)の女子中学生がそんなの気にしない」的な批判。

それは確かにその通りですけど、でもあれは、前日のお母さんとお祖母ちゃんの話を聞いていた くんちゃんの想像だと思えば不思議でも不自然でもないし、雛人形は、仕事の事を考えながらお父さんが仕舞ったのを忘れていたで説明がつんじゃないでしょうか。
っていうか、ファンタジー(空想)と現実の境目をシームレスに描くというのは昔からある手法だし、僕は雛人形を巡るドタバタは普通に楽しいシーンだと思いましたけどねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 兄の性癖を開発してしまう未来のミライちゃん

まぁ、未来のミライちゃんがくんちゃんの性癖を開発してしまう件は、細田監督の業のような物を感じたりしましたけどw

問題は最後のクライマックス

そんな感じで、全体的には楽しく見られたわけですが、あの、ラストのエピソードのクライマックスは流石に蛇足じゃないかと思いました。

いや、途中まではいいんですよ。ミライちゃんの為にくんちゃんが遂に自分の口から、例の言葉を叫ぶシーン。サイコーじゃないですか。

でも、その後未来のミライちゃんが再度登場するシーンから後の、あの取って付けたようなクライマックスはまるっと全部いらないと思いましたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ここから先のシーンは蛇足だと思うなー

細田監督(なのか、もしくはその上の誰か)は、オチの前に最後にもう一山作って盛り上げたいと考えたんでしょうね。多分。
でも、あのシーンをいれたことで、それまでの積み上げてきた5つのエピソードが全部台無しになってしまったと思うし、本作が酷評され、細田監督の人格否定にまで繋がった最大の原因が、最後に未来のミライちゃんを登場させた、あのラストへと繋がるクライマックスのシーンだと、僕は思うんですよね。

くんちゃんが叫んで、戻って、終わり。で十分物語は成立してたし、そこで終ってくれれば「あー面白かった」って思ったのに、なんで余計なことをしちゃったかなーと。

そもそも、あのクライマックスで未来のミライちゃんが口で説明してることは、その前のエピソードで十分語られてたしね。(´ε`;)ウーン…

とはいえ、そこはさすがの細田アニメクオリティーで、くんちゃんやミライちゃんほか、キャラの動きは全部素晴らしかったし、個人的には酷評するほど酷い作品だとは思いませんでしたよ。

まぁ、くんちゃんに感情移入できるかどうかで、評価は分かれそうだとは思いましたけども。

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こんな映画が観たかった!!「アクアマン」(2019)

ぷらすです。

早速観てきましたよアクアマンを!!

いやー、良かった!! 劇中何度も「そうそう、こういうのが観たかったんだよ!」って思いましたよ。

ジェームズ・ワンよ、ありがとー!!

というわけで、今回はまだ公開したばかりの作品なので、出来るだけネタバレしないように気をつけて書きますが、これから観に行く予定の人や、ネタバレは嫌! って人は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

海洋生物と意思の疎通ができるヒーロー・アクアマンが主人公のアクション。人類存亡の危機に立ち向かうアクアマンの活躍が描かれる。監督は『ソウ』『インシディアス』『死霊館』シリーズなどに携ってきたジェームズ・ワン。『ジャスティス・リーグ』でアクアマンを演じたジェイソン・モモアが続投し、『ラム・ダイアリー』などのアンバー・ハード、『めぐりあう時間たち』などのニコール・キッドマンらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

DCEUシリーズ第6弾

本作はDCEU(DCクステンデッド・ユニバース)の6作目。
DCEUは、DCコミックヒーローたちの映画を作り、そのヒーローたちが集合してチームを組み、強敵と戦う一連の作品群の事で、一昨年公開のジャスティス・リーグがそれです。

ざっくり言えば、「アベンジャーズ」と一緒なんですが、コミック版では「ジャスティス・リーグ」の方が先だったんですよね。

で、万を持して始まったこのDCEU作品は、これまで非常に評判が悪かった。
第1弾となる「マン・オブ・スティール」(2013)は、スーパーマン誕生を描いた作品ですが、もう、スーパーマンが143分もの間ウダウダウダウダウダウダ……悩み続け、しかも、いざ敵と戦ったら大惨事になっちゃうっていう、暗ぁぁぁぁぁぁぁぁぁい映画。

(僕を含めた)ファンの多くは「いや、俺たちが観たかったスーパーマンはそういうんじゃないから!」とツッコんだハズ。

続く第2弾バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)は、文字通りスーパーマンバットマンが対決をするという映画ですが、これまた暗い画面やガタガタのストーリー展開で「今度こそ!」と期待していたファンに膝カックンする出来に。

劇中、ワンダーウーマンの爆アガりな登場シーンという光明はあったものの、全作を超える152分という長尺な作品の割に、内容は到底満足いくものではありませんでした。

第3弾のスーサイド・スクワッド(2016)は、予告編は100点なのに本編10点という惨憺たる出来。

しかし、第4弾のワンダーウーマン(2017)は、(個人的には多少不満が残るものの)世界的大ヒットとなり、前作ジャスティス・リーグ(2017)で、上記の三人+新顔のフラッシュ、サイボーグ、アクアマンの三人も加わったことと、制作途中で「アベンジャーズ」も監督したジョス・ウィドンが加入した事もあって、これまでとは違う、ユーモアたっぷりのアッパーな物語となったんですね。

そして、本作「アクアマン」は「ワイルドスピードSKY MISSION 」も手がけたジェームズ・ワンが監督を務めるということで、個人的にはかなり期待が膨らんでいたんですが、実際観たら期待以上の面白さでしたねー!!(*゚∀゚)=3

アクアマンとは

知らない人のためにザックリと「アクアマン」を説明すると、アクアマンことアーサー・カーリージェイソン・モモア)は政略結婚から逃げてきたアトランティス帝国の王女アトランナ(ニコール・キッドマン)と灯台守の人間トーマス・カリー(テムエラ・モリソン)の間に生まれたハーフです。

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画像出典元URL:http://eiga.com /ニコール・キッドマンがママ役で出演

しかし、彼が幼少の頃に母はアトランティスに連れ戻され、以来アーサーは父に育てられながら、アトランティス帝国参謀で母に忠誠を尽くすバルコウィレム・デフォー)に、アトランティス人の泳ぎ方や戦い方を学んで成長するんですね。

いわばアクアマンは、水陸両性ヒーローであり、アトランティス帝国の王位継承者なのです。

そんな彼には、弾丸も跳ね返す超頑丈な身体と超パワー、水中でも息ができ、超高速で泳ぐ、海洋生物を意のままに操れる(心を通じさせる)などの能力がありますが、地上の人間と海底人とのハーフであることから、自分のアイデンティティに悩んでいるんですね。

貴種流離譚でありアドベンチャー映画

本作は、そんなアーサーの弟でアトランティス帝国の王オームパトリック・ウィルソン)が企む地上侵攻を止めるため、海底国ゼベルの王女メラアンバー・ハード)とアーサーが、伝説の槍トライデントを求めて七つの海を巡るという、神話をベースにした貴種流離譚でありアドベンチャー映画です。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヒロインのメラ

両親の出会いとロマンスからスタートして、アーサーが誕生する冒頭を観た時は「え、ここから始めるの?」と若干不安になったりしましたが、成長しヒーローとしてのアクアマンの活躍、オームの野望、最初の対決、伝説の槍を求めて世界を巡るアドベンチャーへと目まぐるしくジャンルを変えながら紡がれていく物語を、ユーモアをたっぷり交えながら最終的にアクアマン=アーサーの成長とアイデンティティの確立へと集結していくので、143分という長尺な物語にも関わらず、途中で飽きることなく最後まで楽しめましたよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com / アーサーが戦うのは自称「オーシャンマスター」で異父兄弟のオーム

さらにもう一人、原作版アクアマンの人気ヴィランである「ブラックマンタ」の誕生譚まで盛り込むというジェームズ・ワンのサービス精神には、もう「ありがとう」以外の言葉がありません。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を思わせる海底世界

本作のもう一つの見所は、なんと言ってもカラフルな色彩で描かれた海底世界

日光が届かない暗い海底も海底人の目には鮮明に見えるという設定で、アトランティス帝国以外の海底国の様子と、タツノオトシゴに似た生物や、獰猛なサメ(しかも武器が搭載されてる)を乗りこなす兵士たち、海底の中で進化した国々の風景などが、カラフルな色彩で描かれる映像は、ジェームズ・ガン監督のガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を思い出しました

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画像出典元URL:http://eiga.com / サメに乗って戦う兵士のみなさん

もちろん、海中ならではの戦闘シーン大迫力で描かれていて、もう大興奮でしたよ!

まぁ、戦闘シーンがガチャついて状況が掴めないシーンがあるとか、まったく文句がないわけではないですが、登場キャラクターも魅力的に描かれているし、ヴィランも(これまでみたいに取って付けたような悪者ではなく)主人公との関係性や背景も描かれていたので、最後の対決シーンも盛り上がりましたねー!

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伝説のサメ映画完結!「シャークネード ラスト・チェーンソー4DX」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのはシリーズ6作目にして完結編『シャークネード・ラストチェーンソー』ですよー!

アメリカではテレビ映画として、日本ではずっと劇場未公開のビデオスルー作品として好事家たちに愛され続けた“サメ映画”。
しかし本シリーズは、あまりの人気に完結編となる本作「~ラストチェーンソー」が4DX版で劇場公開(日本のみ)されるという奇跡を起こした「伝説のサメ映画」なのです。

というわけで、今回は過去シリーズを振り返りつつ本作について語りたいと思いますよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

サメの大群を巻き込んだ竜巻と人間の戦いを描いた『シャークネード』シリーズの第6弾。数々のシャークネードに立ち向かってきた主人公が、さまざまな時代を駆け巡りながら新たな戦いに挑む。監督は『シャークネード』シリーズのメガホンを取ってきたアンソニー・C・フェランテ。ドラマシリーズ「ビバリーヒルズ青春白書」などのアイアン・ジーリング、『アローン・イン・ザ・ダーク』などのタラ・リードら、おなじみの出演者が集結する。(シネマトゥディより引用)

感想

「サメ映画」とは

劇場公開されたという話は全く聞かないのに、なぜかレンタルビデオ店の棚の一角を占拠しているシリーズってありますよね。
例えば、よく分からないゾンビ映画の新作とか、大ヒットしたホラー映画によく似たタイトルとパッケージの作品とか。

それらの劇場未公開、DVDだけが販売・レンタルされる作品をビデオスルーと言って、そんな中で幅を利かせているのが、サメに人間が襲われる通称「サメ映画」です。

その起源をたどれば、スティーブン・スピルバーク監督の名作「ジョーズ」(75)に行き着きます。(「ジョーズ」より先に作られたサメ映画もあるけど)
ジョーズ」は世界的に大ヒットしたことでその後「ジョーズ2」(78)「ジョーズ3」(83)「ジョーズ'87 復讐篇」(87)と続編が作られるんですね。

一方、低予算・低コストで制作、ドライブインシアターや深夜のオールナイトのみで上映されるような、ゲテモノB級映画の制作会社は「ジョーズ」の大ヒットを受け、「人間がサメに襲われる映画を作れば儲かるのか!」となり、「ジュラシック・ジョーズ」(79)や、「ジョーズ・リターンズ/邦題:最後のジョーズ」(80)などのフォロワー映画が作られ、また、同時期の70年代には「ジョーズ」やヒッチコックの「鳥」に端を発した動物パニック映画のムーブメントも重なり、クマ・タコ・犬・ミミズ(実際にはゴカイ)・シャチ・ピラニア・クモ・ネズミ・ネコなどなど、次々に動物が人間を襲う映画が作られて行くんですね。

以降、サメ映画や動物パニック映画の人気は下火になっていきつつも、その血脈は細々と引き継がれていき、CGが安く使えるようになったこと、子供の頃に「ジョーズ」を観た世代が大人になったこともあり、テレビ映画に舞台を移して「サメ映画」が復活。
超巨大化したり、他の動物やジャンルと合体しながら、謎の進化を遂げたのが現在の「サメ映画」です。

その多くはアイデア一発の出オチ映画で、レンタル店でタイトルを見たときが一番面白く、実際に観るとあまりのバカバカしさに呆れてしまうようなチャチな映画ばかり。
本シリーズもそんな「サメ映画」の一本としてスタートしたのです。

シャークネードとは

ざっくり言うと、大型台風に伴う巨大竜巻に巻き上げられたサメが、空から降ってきて人間を襲うという内容です。

そんなアホなって思うかもですが、この程度はサメ映画業界ではむしろ普通すぎるくらいです。

ほかの映画ではアメリカの原子力空母よりでかいサメや、タコと合体したサメや、ゾンビや幽霊になったサメや、続編の度に頭が増えるサメなどが大暴れしてますからね。

シリーズ全作のざっくりあらすじ紹介

2013年に放映された第一作では、メキシコ湾で発生した3つの台風が海を渡り、サメを巻き上げながらロスに上陸。
ロサンゼルス市民は暴風と豪雨に加え、"台風によって飛来したサメたち"の襲撃を受ける事にます。

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サンフランシスコの海岸でバーを営む主人公のフィンは、未曾有の大惨事の中、離婚してロスに住む家族を守るべく、拳銃やチェーンソーを手に空を舞うサメとの死闘に臨み、最終的にはダイナマイトの爆風で竜巻を吹っ飛ばして、シャークネードに打ち勝ちます。

 この1作目で、フィンがチェーンソーごとサメに飲み込まれ、中からサメを切り裂くというアイデアインパクトは絶大で、その後のシリーズで繰り返し使われるんですね。(そして大喜利のようになっていくw)

続く「シャークネード カテゴリー2」では、家族とよりを戻し妻エイプリルと故郷ニューヨークへ向かうフィンを追いかけるように発生する、シャークネードとフィン一家の死闘を描き、第3作「シャークネード エクストリーム・ミッション」では、過去2度に渡ってシャークネードからアメリカを守ったフィンが、ホワイトハウスで大統領に表彰される式典の最中、三度シャークネードが発生。

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過去2度とは比べ物にならないほど巨大な竜巻を止めるため、フィンは元NASAに努めていた父ギルバート(なんと演じるのはデヴィッド・ハッセルホフ!)の力を借りて、人工衛星からビーム砲でシャークネードを攻撃、見事撃破します。

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第4作「シャークネード4」は前作から5年後、ハイテク企業のアストロX社が開発した天候安定システムにより、竜巻の発生を未然に防ぐことができるようになって世界は平穏な日々を取り戻します。

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前作ラストで、妻エイプリルを失ったフィン・シェパードは、失意の中カンザスの農場で幼い息子ギルと母親と三人で静かな生活を送っていました。
そんなある日、長男マットと再会するためアストロX社がラスベガスにオープンさせたサメをテーマにしたホテルで、砂漠で発生した巨大竜巻に見舞われるフィンたち。
砂塵とともに、ホテルで飼われていた大量のサメを巻き上げた竜巻はシャークネードとなり、さらに岩や油田の油を巻き上げ、炎や電気を纏い、ついには原子力発電所の核燃料を飲み込んで“ヌークリアネード”に成長。
そこに、死んだと思っていたエイプリルがサイボーグとなって現れ、フィンたちと合流。最凶のヌークリアネードを阻止するため、チェーンソーとハイテク装備に身を包み、命がけの特攻を開始するのです。

そして前作「シャークネード5 ワールド・タイフーン」では、シャークネードの脅威から何度もアメリカを救ったフィンが、ついにその功績が認められNATOによる「シャークネード戦略会議」に召集されます。

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会議が開かれるロンドンを妻エイプリルと息子ギルと共に訪れたフィンのもとに、かつて共にシャークネードと戦ったノヴァから連絡が入るんですね。

ノヴァ曰く、シャークネードと人間との戦いは太古の昔にも行われていて、そこで古代の人々は「デュークワカのハーネス」という秘宝の力を使いシャークネードに勝利。そしてその秘宝はストーンヘンジの地下に眠っていると。

フィンがノヴァと共に遺跡からハーネスを持ち出すと、巨大なシャークネードがロンドンに突如発生。ロンドンの街を壊滅状態に追い込んだシャークネードはハーネスを持っていた息子ギルを巻き込んで、どこかへと去り、フィンとエイプリル、ノヴァはギルを取り戻すためシャークネードを追って世界を駆け巡るも……。

そして、完結編となる本作「シャークネード ラストチェーンソー4DX」

前作ラストで、ついにシャークネードに完敗し荒野とかした世界にタイムマシンで現れた息子ギル。なんと成長したギルはドルフラングレンになってました

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で本作、ギルに導かれ辛うじて残った妻・エイプリルの頭部(サイボーグだから頭だけでも会話できる)と共に恐竜時代にタイムスリップしたフィン。
ギル曰く「タイムトラベルはエネルギーが不安定で危険なので、過去に戻れるのは1回だけ」らしい。

そこで、死んだはずのノヴァ、生身のエイプリル、ブライアン(1作目に登場)の姿が。それぞれ死の直前、未来からやってきたギルに助けられたらしいんですね。(過去へ戻れるのは1回という設定はどこへ??)

彼らのミッションは、全ての元凶である最初のシャークネードを破壊すること。
そして現れたシャークネード1号を、フィンは恐竜を絶滅させた隕石の爆発で破壊することに――。

そしてすったもんだあって、現れたタイムネード?と、ギルから渡されたタイムスリップ用のバッチ型の機械で、未来に飛ぶとそこはアーサー王の時代で……。

という感じで、アメリカ独立戦争の時代や、西部開拓時代、若き両親がいる1960年代、1997年?、20013年と時代を超えては現れたシャークネードを退治したり、自分や家族のコピーサイボーグを作って王国を建設する(サイボーグ)エイプリルと戦ったりするわけですよ。

……何言ってるか分からないと思いますが、僕もまったく分からないので大丈夫

この本作、完結編にしてシリーズ史上最も意味不明で、何回見直してもストーリーがまったく理解出来ないんですよねー。ほんと、劇場で観なくて良かったw

いや、そもそもシリーズ通して内容はメチャクチャだし、フィンとシャークネードはどんどん強さがインフレするし、っていうか途中からサメあんまり関係なくなっちゃってるしね。

そもそも、近年のサメ映画はストーリーなんてあってないようなもので、物語の辻褄が合わないなんてのは普通。とにかく映像のインパクトが一番なのです。

むしろ本シリーズは、そんなサメ映画群のなかでもストーリーがちゃんとしてる方ですからね。

シャークネードの魅力

そんな数あるサメ映画の中で抜群の人気を誇る本シリーズ。

その魅力を一言で言うと、主役が人間ということです。

他の作品ではいかに奇抜なサメを出すかに腐心していて、登場キャラクターは基本サメのエサか解説役です。

しかし本シリーズではサメはあくまでサメでしかなくて、主役のフィンやその家族と友人たちなど、人間のキャラや関係性の方を魅力的に描いているんですね。

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特にフィンは、最初は家族とうまくいかないボンクラ親父ですが、サメとの決死の戦いを通して家族との関係を修復・自己実現をするという、ロッキーにも通じる負け犬が再び立ち上がる系の王道キャラクターで、チェーンソーでサメと戦うという分かりやすいヒーロー像とも相まって、多くのボンクラ男子が感情移入しやすいキャラクターなのです。

また、本シリーズの監督 アンソニー・C・フェランテは、かなりのシネフィルでもあり、作中にそれと分かるように色んな映画のオマージュを散りばめていたり、デヴィッド・ハッセルホフやドルフ・ラングレンなどのビックゲストを登場させるなど、正真正銘のボンクラ仲間であり、ファン心理を分かってる感も本シリーズの人気を支えているのだと思いますねー。

とは言っても、「サメ映画の中では」という注釈付きですがw

本シリーズはあくまで、バカみたいなB級映画が好きな好事家が喜ぶ映画なので、積極的にはオススメ出来ないですが、個人的には(ストーリーの支離滅裂さやバカっぽさも含め)かなり楽しめましたよ。

興味のある方は是非!!

 

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信仰との距離感とコミュニケーション「特捜部Q Pからのメッセージ」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「特捜部Q」シリーズ第3弾『特捜部Q Pからのメッセージ』ですよー!
最新作「~カルテ番号64」が今年1月に公開されたみたいですが、今のところレンタルで観られる最新作です。

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

ユッシ・エーズラ・オールスンのミステリー小説「特捜部Q」シリーズの映画化第3弾。原作「特捜部Q-Pからのメッセージ-」を基に、未解決事件を担当する特捜部Qの刑事たちが助けを求める手紙の謎を追うさまを描く。前作に続き『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』などのニコライ・アーセルが脚本を担当。特捜部Qのメンバーも、ニコライ・リー・コスとファレス・ファレスが続投する。(シネマトゥディより引用)

感想

シリーズ三作目となる本作で扱う題材は、ズバリ宗教で、「エホバの証人」が事件に絡んでくるんですが、僕はエホバの証人って「輸血拒否」くらいの知識しかないんですよね。

なので、本作で描かれた内容がどのくらい事実に沿っているのかはまったく分かりませんし、一応ネットで調べてみたんですが、本作に登場する「神の弟子教」なる団体が実在するか、(実在するとして)エホバの証人との関係も分かりませんでした。

ざっくりストーリー紹介

(恐らく前作の事件で)心身共に消耗し、課長から休職を命じられているカール(ニコライ・リー・コス)。その最中、コペンハーゲン警察で未解決事件を捜査する「特捜部Q」に、血に染まったボトルメールが届きます。

欝状態のカールを連れ出し復職させたアサド(ファレス・ファレス)は、秘書のローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)と共に海水で文字の滲みほとんど読めないメールを解読。

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画像出典元URL:http://eiga.com /ボトルメールをサクサク解読していくアサドとローセ

灯台の絵、Pから始まる名前の差出人の子供が誘拐されて助けを求めている事、その子は(恐らく)エホバの証人の信者であることを確認。アサドは過去10年で行方不明になった子供を調べようとするも、カールが「ここ10年で行方不明になった子供は2人。どちらもエホバの証人ではない」と指摘するんですね。

一方、スカルスの「神の弟子」教区内の農場に暮らす農夫イリーアスの家に、教団の伝道師の神父ヨハネが教区を離れる挨拶に訪れ、イリーアスの妻子と共に食事を共にした翌日、イリーアスの娘マウダリーナとその弟セームエルは下校途中に、面識のあるヨハネスに車で家まで送っていくと欺かれ、誘拐されてしまいます。

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画像出典元URL:http://eiga.com 

その頃、アサドが依頼した研究所による分析の結果、タールで文字が書かれた手紙に記された地名はバレルプにあるラウトロプヴァングだと判明。
また、過去に子供が拐われた同様の事件が起こっていた事が判明し、カールとアサドはバレルプの学校を訪ね、教師に聞き込み。
教師はかつて自らが担当していた生徒トレクヴェとその兄ポウルエホバの証人の信者であり、両親の意向で宗教活動の為に中退した事を明かします。

学校での聞き込みを元に調べると、バレルプ在住のトレクヴェの父親が、妻と一緒に睡眠薬で自殺していた事が判明。
ヤク中の不良仲間と団地の一室に屯する15歳のトレクヴェを発見し、一緒に誘拐されたポウルを目の前で殺されたこと、両親は事件について明かすとエホバに罰せられると信じ黙秘していた事を告白するんですね。

そこへビヴォー署から誘拐の連絡が入り、カールとアサドはスカルスの「神の弟子」教区内へ捜査に向かうのだが、――という内容。

誘拐された子供たちの両親がすぐに通報していれば解決が難しい事件ではなく、今回の誘拐事件も起こっていないわけですが、そこに宗教が絡むことで事がややこしくなってしまっているわけです。

信仰と戒律

無宗教のカールは、そんな被害者の両親の気持ちが分からず、宗教そのものを否定するような事を言い、アサドが信仰するイスラム教も同じだと口を滑らせることで、二人は初めての喧嘩をするわけですね。(まぁ、痴話ゲンカ程度なんですけども)

この喧嘩のシーンは、いわば信仰=悪というイメージにならないようバランスを取るためのシーン。
エホバの証人についてはカルト教的な扱いになっていますが、これはキリスト教圏だからなのかな? (エホバの証人キリスト教の分派ではなく、似て非なるものらしい)

犯人のヨハネスもまた、エホバの証人信者だった母親との過去がキッカケとなって数々の誘拐事件を起こすようになってますしね。

ただ、本作ではエホバの証人神の弟子教自体の善悪を問うているわけではなく、人は信仰とどう向き合うのかが本質的なテーマになのだと思います。

カールとアサドの口論で、アサドは「宗教とは人生に安らぎを与える大きな柱のようなもの」(意訳)的な事を言っていて、そんなアサドの対比として戒律が厳しいエホバの証人を物語に登場させることで、信仰との距離感みたいな事を描いているのかなーと。

同時に本作では「宗教は人を分けるものではない」という事も描かれていて、最初はアラブ系のアサドを敵視するイリーアスが、最後にアサドを“一人の人間として”認めるというシーンは、思わずグッときてしまいましたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com /今回はアサドが大活躍!

クライマックスでは、明らかにキリスト教エホバの証人?)の洗礼の儀式を連想させるシーンがあって、起こっていることは凄惨なのに、映像的には美しいシーンになっているのが印象的でした。

他にも見る人が観れば分かるアイコン的なシーンがあったのかもですが、宗教全体に疎い僕には、それ以上はちょっと読み取れませんでしたねー。

本作では、扱いの難しい信仰という題材を、本作では最後まで上手くバランスをとって描いていたと思うし、最後も上手く着地させたように感じました。

カールとアサドの相棒感もすっかり安定し、紅一点のローセもレギュラーとして定着した「特捜部Q」の次回作「~カルテ番号64」が今から楽しみです!

興味のある方は是非!!

 

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苦く歪んだラブストーリー「特捜部Q キジ殺し」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、先日ご紹介した北欧ミステリー「特捜部Q 」シリーズ第二弾『特捜部Q キジ殺し』ですよー!

前作「~檻の中の女」で主人公カールとアサドのコンビがすっかり気に入ったので、早速続編もレンタルしてきました!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

デンマークの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンによる世界的ベストセラー「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。コペンハーゲン警察署の未解決事件捜査班「特捜部Q」に配属された個性的な刑事たちの活躍を描く。
特捜部Qの刑事カールのデスクに、なぜか20年前に捜査終了したはずの双子惨殺事件のファイルが置かれていた。何者かの意図を感じたメンバーたちは再捜査に乗り出し、事件当時に重要情報を知る少女キミーが失踪していた事実にたどり着く。すぐにキミーの行方を追いはじめる一同だったが、キミーを探し続けている人物は他にもいた……。
ミケル・ノルガード監督をはじめ前作のスタッフ・キャストが再結集し、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル&ラスムス・ハイスタバーグが脚本に参加。「天使と悪魔」のニコライ・リー・カースが主人公カール役を、「ゼロ・ダーク・サーティ」のファレス・ファレスが相棒アサド役を引き続き演じた。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。(映画.comより引用)

感想

設定の強度

2007年に第一作を発表後、またたく間に世界的ベストセラーとなったユッシ・エーズラ・オールスン作「特捜部Q」

警察の未解決事件を追う特別捜査チームの活躍を描くという内容や、暴走しがちなカール(ニコライ・リー・カース)と、そんなカールに振り回されながらも彼をサポートするアラブ系移民の相棒アサド(ファレス・ファレス)というキャラクター。

どちらも、既に嫌というくらい描かれてきたありがちな設定ですが、それは逆に言えばシッカリ作れば面白が担保されているとも言えると思います。

つまり、作品としての設定の強度があるんですよね。

さらにシリーズ2作目となる本作では、チームに秘書のローセも加わり3人体制になるんですねー。

ざっくりストーリー紹介

ある晩カールの前にやつれた初老の男が現れ、20年前に結審済みの双子レイプ殺人事件の再捜査を依頼するんですが、カールは男を訝しみ「今は未解決事件が溜まってるから」と依頼をスルー。
その翌日、男は自殺を遂げカールはショックを受けます。
彼は被害者の父親で元警部。特捜部に独自の調査資料を託したことから、カールはこの事件の捜査に着手するんですね。

事件は犯人の自首という形で解決済でしたが、自首した犯人を調べると腕利きで高額な料金を取る弁護士の活躍で、たった5年の刑、しかも3年で出所していたことが分かり、しかも犯人は高級な家に住み、高級車を所有しているのです。

これを不審に思ったカールとアサドが更に調査を進めると、当時、現場近くの名門寄宿学校周辺では、暴行・レイプ事件が頻発していることが判明。

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そして、過去のテープから行方知れずの資産家令嬢キアステン(キミー)が浮上する――という物語。

前作で既に主人公2人の紹介は済んでいるので、本作ではより事件捜査や犯人側の動きなどを詳細に描いている印象でした。

また、事件の全貌が見えたときの衝撃度は、前作以上でしたねー。

もう一つの「ドラゴンタトゥーの女

本作の犯人グループは、過去に数多くの暴行・レイプを繰り返していました。
その辺は「ドラゴンタトゥーの女」に共通する部分でもあるんですが、本作で大きな鍵を握る女性は、ある意味リスベットとは真逆なキャラクターといえます。

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最初、はみ出し者の一匹狼な彼女が恋に落ち、その恋心が歪んだ形で成就されるラストは美しくも残酷で、そして切ない……といって良いのかな?

いや、(´ε`;)ウーン…個人的には彼女に感情移入しずらいというか、頭では彼女の気持ちは分かるけど、心情的には彼女がした事を考えるとどうしても乗れないっていう気持ちもあり、何かこう、観ていて色んなモヤモヤが渦巻いちゃうんですよねー。

タイトルの意味

ところでこの「キジ殺し」というタイトル。
なぜこんなタイトルがついたのかは正直最後まで観てもよく分からなかったんですが、ネットで調べたところ、「キジ撃ち」=狩りは、貴族や富裕層の娯楽としてヨーロッパでは定着していて、それが転じて“弱いものを追い回す”という意味があるらしく、そこに殺人事件を掛けて「キジ殺し」にしたらしいです。

意味が分かれば納得で、このタイトルが本作の内容を全て表してるんですよね。
最初「キジも鳴かずば撃たれまいに」的な事かなー? なんて思っちゃいましたよw

ラストの切れ味

前作で、別れた奥さんに反抗して、カールの家に転がり込んできた反抗期真っ盛りの息子がいましたが、彼は本作でもまだカールの家にいました。
本作では、事件の捜査と、鍵となる女性のストーリーの合間に、カールと彼のエピソードが挟み込まれていて、前作より幾分落ち着いた彼にカールが「一緒に飯を食おう」なんて約束するも、捜査に没頭してすっかり忘れてたことで、再び心の距離が開いてしまうんですよね。すぐに謝ればいいようなものですが、息子の部屋のドアをノックするのを躊躇ってしまうヘタレ親父のカール。

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そして事件を経験したカールが、ビール?を二本持って息子の部屋のドアをノックする――寸前で映画はスパっと終わります。

この切れ味の良いラストは個人的にとても良かったですねー!

カールとアサドのイチャイチャ

そして、本作ではカールとアサドのイチャイチャ度も大幅アップ!
事件の鍵となる女性にボコられて入院してしまうカール。
そんなカールに心底呆れた秘書のローゼは、アサドに「よくついていけるわね」という言うんですが、それにアサドは「彼には僕しかいないから」と返すんですよねー!

もうお前ら結婚しろ!って思いましたねーww

続編「Pからのメッセージ」でこの二人の関係がどうなっていくのかも、ますます気になってしまいます!

興味のある方は是非!!

 

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