ぷらすです、今回ご紹介するのは2013年公開の、マーベルヒーロー映画『ゴーストライダー』です。
正直、2007年の前作がイマイチだったんで本作を観る気はなかったんですが、ラジオ番組でゴーストライダーのデザインが変わったと聞いて、レンタルしてしまいました。
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概要
2007年の『ゴーストライダー』の続編。
末期ガンの父の命を救うため、悪魔ロアーク(メフィスト)と契約し、地獄の処刑人ゴーストライダーになった男、ジョニー・ブレイズが主人公。
監督はマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラー。主演は前作に引き続きニコラス・ケイジ。
あらすじ
スリで生計を立てる逃亡生活を送っていた少年ダニー(ファーガス・リオーダン)とナディア(ヴィオランテ・プラシド)親子。
ダニーは、事故で瀕死のナディアがその命を助けるのと引き換えに、悪魔ロアーク(キーラン・ハインズ)が自分の『器』としてナディアに受胎させたロアークの息子だった。
それから13年後の冬至の日に、ロアークは古くなった人間の体からダニーの体に乗り移るため、ナディアの元カレでギャングのレイ・キャリガン(ブラックアウト/ジョニー・ホイットワース)を使い、ダニーを誘拐しようと企む。
そんなロアークの企みを阻止しダニーを救うため、黒人神父のモロー(イドリス・エルバ)は、内なる悪魔の力を恐れ隠遁していたジョニー・ブレイズに、呪いを解き人間に戻すことと引き換えに、ロアークの儀式が行われる冬至の日までダニーを守ることを依頼する。
感想
前作に引き続き、ニコラス・ケイジが主演なので分かりにくいけど、ゴーストライダーのキャラクター設定や、前作の大まかなあらすじは作中で説明されるので、本作は続編というよりリブートに近い感じなのかもしれないですね。
ゴーストライダーの顔が煤で黒ずんでたり、持っている鎖にも炎が宿り、悪人を次々になぎ払い焼いてしまう派手なアクションが追加されて、ヘルバイクと『贖罪の目』(ゴーストライダーの目を見た悪人は、自分の犯した全ての罪と他人に与えた苦痛が全部自分に返ってくるという必殺技)くらいしか目立った技がなかった前作よりも、グッとヒーロー感が増してます。(ゴーストライダーが乗った乗り物は全部ヘルバイク状態になる能力も追加)
ただ、いかんせんストーリーと状況説明、キャラクター設定が雑で、途上人物の誰にも感情移入が出来ないし、なにより主演のニコラス・ケイジのひょうきんおじさんぶりが勝っちゃって、ゴーストライダーのカッコ良さが引っ込んじゃうっていう。
一つだけハッキリ言えるのは
ゴーストライダーの立ちションはいらないだろ。
悪魔ロアークが前作のピーター・フォンダからキーラン・ハインズに変わって、ダメなヤクザの親分みたいになってるし、ヴィランのブラックアウトもせっかくの能力(触るもの全てを腐食させる)にも、あまり意味がない感じだったりします。
サイドキック(主人公を助けるパートナー的存在)の黒人神父のモローは、結局何者だったのかそれらしい説明もなく、ダニーの母親ナディアも存在感がない。
ジョニーやナディアが、自分のエゴで悪魔と契約したことを悔いているようなセリフは口にするけど、いかにも取ってつけたような感じで、彼らが背負っている影みたいなものも感じられないんですよね。
あと、アクションシーンでも、ネガ反転みたいなヘンテコな視覚効果が入ってるんですが、(多分ゴーストライダーやブラックアウトの『闇の力』を表現しようとしてるんだと思う)見づらいだけで逆効果。
ブラックアウトとの戦いも、ロジックが分からないので、よく分からないけどピンチになって、よく分からないけど盛り返して、よく分からないけど倒したーみたいになってて、特にカタルシスもなく。
とにかく万事がそんな感じで、結局全体的に、前フリが足りなかったり、キャラがぶれてたり、説明が足りなかったり、大事なシーンが描かれてなかったり、描いていても取って付けたような「説明のための説明」だったりするので、キャラクターの誰にも、思い入れも感情移入も出来ないんですよね。
うなぎの風味はするけど肝心のうなぎが入ってない うな丼みたいな。
なにより主演のニコラス・ケイジがね。
個人的に明るいおじさんのイメージが強いので、ダークヒーローのゴーストライダーとは相性が悪い感じがするんですよね。
ただ、中盤、採石場でのアクションシーンで、ゴーストライダーが乗り込んだ重機が、ヘルバイク化して悪人を焼き払うシーンは見ごたえあったし、ストーリーの流れや設定上、仕方ない部分もあるのは分かるんですけど、全体的にもうちょっとやりようがあったんじゃないかなー? っていうのが正直なところです。
ゴーストライダーのデザインや設定自体はカッコイイんだし、上手く作れば超格好良いダークヒーローになると思うんですよねー。