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「スリーデイズ」(2011) 感想

ぷらすです。
今回ご紹介するのは、ラッセル・クロー主演のケイパー(犯罪)サスペンス『スリーデイズ』ですよー!
まったく先が読めない展開に、134分間ずっと、ドキドキハラハラしっぱなしでした!

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画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

日本では2011年に公開されたケイパーサスペンス映画。
2008年に公開されたフランス映画『すべて彼女のために』(ヴァンサン・ランドン主演/フレッド・カヴァイエ監督)を、「007カジノ・ロワイヤル」の脚本や、以前ブログでも取り上げた「クラッシュ」で脚本・監督を務めた名匠ポール・ハギス脚本・監督でリメイクした作品。主演は、名優 ラッセル・クロウ

「クラッシュ」感想はこちら↓

aozprapurasu.hatenablog.com

 

あらすじ

大学教授のジョン(ラッセル・クロウ)は愛する妻のララ(エリザベス・バンクス)と一人息子のルーク(タイ・シンプキンス)と三人、平凡ながらも幸せに暮らしていた。

そんなある日、妻ララに突然、上司殺人容疑がかけられ、ジョンとルークの目の前で逮捕されてしまう。
ララは無罪を主張するが、結局裁判で負けてしまい上告も棄却されてしまう。
それでも妻の無実を晴らそうと奔走するが、弁護士にも匙を投げられ、いよいよ進退極まったジョンは、元脱獄犯のデイモン(リーアム・ニーソン)に教えを請い、ララの脱獄を計画する。

 

感想

僕は元ネタである「すべて彼女のために」を観ていないので、本作がどのくらい「すべて~」に忠実なストーリーなのかは分からないんですが、とにかく134分間ハラハラドキドキしっぱなしでした。

映画冒頭、弟夫婦と会食するジョンとララの会話で、ララが女上司と揉めたことが明かされます。
そして迎えたいつも通りの翌朝、いきなり踏み込んできた警察にララは逮捕されてしまうんですね。

この時点ではジョンも観客も何が起こったのかサッパリ分からないんですが、どうやら昨晩揉めた女上司が何者かに殺されたらしいこと、ララに殺人の疑いがかけられていることが明らかになり、そこから3年後、ララが裁判で有罪になったことと、上告が棄却されてしまったことが明かされます。

そして、ジョンが裁判で妻の無実を証明しようと奔走しているけれど、味方のハズの弁護士も完全に匙を投げたことも。(ララの言い分を証明する証拠が見つからなかったため)

そのことを知り絶望したララは自殺未遂を起こし、この時、ジョンはララを脱獄させることを決めるというわけです。

しかし、ジョンはただの平凡な大学教授。
コネも手段もなく、ネットで色々調べるうちに、全米の名だたる刑務所から計7回の脱獄に成功したリーアム・ニーソン演じるデイモンを知り、コンタクトを取ります。

本作のポイントは2つあって、
一つは、ジョンは、ちょっとお腹の出た極々普通の中年男であること。
もう一つは、ララが本当に無実なのか分からないことです。

ララは中盤、ジョンに対して自分が犯人かも知れないというような事を仄めかすんですが、3年の月日と絶望からヤケになって、ジョンへの八つ当たりのつもりで言ったんだろうと思わせながら、でも、もしかしたら……という疑念を観客が感じる作りになってるんですね。

対して、ジョンはデイモンのアドバイスに従い、ピッツバーグの裏社会の人間とコンタクトを取ったり、ネットで調べた万能鍵の作り方やテニスボールを使った車のキーの開け方を参考に計画を練るんですが、ことごとく上手く行かず、チンピラにボコられて金を取られ、せっかく作った万能鍵が役に立たず。
それも当たり前で、彼はそういう違法な裏社会とは無縁な、ただの一般市民なんですから、普通に考えて上手くいくハズがないと観客は思う。
それでも、静かに目的を成し遂げようと行動するジョンを観ていて、いや、もしかしたら……とも思うわけで、そこにサスペンス的なドキドキハラハラがあるわけです。

もう一つは、3年の月日で疲弊してるのはララだけではないということ。
中盤、ジョンが授業であることを語るんですが、それはそのままジョンの心情で、その後の彼は、授業で自分が語った言葉に縋るように、計画を実行するための黙々と準備をしていき、そうした諸々のピースが推進力となって、物語はラストの展開に向けて集約されていきます。

若干バタついているところもないではないですが、さすが脚本家としても有名なポール・ハギス監督だけあって、練りに練られたストーリーに、僕は最後まで楽しむことが出来たし、ラストは何とも言えない余韻が残る作品でした。

興味のある方は是非!