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「ウォーリアー」(2015) 感想

http://ecx.images-amazon.com/images/I/91tzCqOtIPL._SL1500_.jpg画像出店元URL:http://www.amazon.co.jp/

 

ぷらすです。
今回ご紹介するのは、僕も記事を乗せて貰っているサイト『日刊 オレラ』で、同じく映画ライターとして活躍中の烏之介さんが紹介していた映画『ウォーリアー』です。
僕は、烏之介さんの記事を読んで本作を観たんですが、素晴らしい作品でしたよー!!

▼烏之介さんの「ウォーリアー」紹介記事▼

orera.hatenablog.com

 

概要

2011年制作の米映画。
酒乱だった父親が原因で離れ離れになった二人の兄弟が、ある総合格闘技の試合で出会い、絆を取り戻していく物語。
主演は、ジョエル・エドガートントム・ハーディー。
監督はギャヴィン・オコナー。

 

あらすじ

酒乱だった父パディ(ニック・ノルティー)から逃げ出し、14年ぶりにピッツバーグに帰ってきたトミー(トム・ハーディー)。
しかし、酒乱だった父親から逃げ出したトミーと母親は、その後極貧生活のため保険にも入れず、母はそれが原因で病死。トミーはそのことで、今もパディを憎んでいた。
しかし、トミーは過去最大の賞金を賭けた総合格闘技の大会『スパルタ』に出場するため、パディにコーチを依頼する。(過去パディは元ボクサー)

一方、父のもとに残ったものの、結局、恋人(現妻)と家を出て絶縁状態の兄ブレンダン(ジョエル・エドガートン)は、元総合格闘技の選手だったが引退し、今は高校で物理を教え家族にも恵まれているものの、末娘は心臓に難病を抱えている。
医療保険のないアメリカで彼は娘の治療費を銀行から借りるが、安月給のため借金は返せず、せっかく手に入れたマイホームも銀行に差し押さえられそうになり、地元のストリップバー横の駐車場で行われている草格闘技大会で、賞金を稼ぐ。

しかし、そのことが学校にバレて停職になった彼は、妻の反対を押し切り数々の大会に出場するため、本格的にトレーニングを始める。

そんなある日、『スパルタ』に出場予定の選手が練習中に怪我を負い、ブレンダンが代理出場することに。

決して交わることのないと思われていた三人が『スパルタン』をきっかけに再び出会う事になる。

 

感想

本作は、アメリカでは大ヒットしたものの、日本ではDVDスルーになった作品です。(「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション2015」の中の一作として2015年6月15日から限定公開された)

総合格闘技という決してメジャーとは言えない題材を、ギャヴィン・オコナー監督はストーリーの中に上手く取り込み、一度はバラバラになった家族の愛憎を見事に描ききっています。

父親の暴力が原因で家庭を出たあと、お金がなくて母が亡くなった弟のトミーは、米軍に入隊。
しかし、ある事件がきっかけで彼は軍隊を去り、憎んでいた父親の住む地元に戻ってきます。

父パディの方は自分の行いを悔いて禁酒し、今は家に一人暮らし。
そんなパディをトミーは責めます。「酒を飲んでいるあんたの方が良かった」と。

トミーが帰ってきて父親と接触した目的は、アメリカ最大の総合格闘技イベント『スパルタン』に出場することで、パディにコーチを依頼するためだったんですね。(彼は幼い頃から才能に恵まれ、パディの英才教育を受けていた)

息子に頼られた事にすっかり有頂天のパディは、昔のように距離を詰めようとしますが、トミーはそんな彼に「コーチ以外では一切口を聞くつもりはない」と突き放します。

一方、兄のブレンダン(ジョエル・エドガートン)は、妻と3人の娘に恵まれ、マイホームを持ち、高校で物理教師として働く、一見順風満帆な日々。
しかし、末娘は心臓に難病を抱え、保険もなく高額な医療費はブレンダンの安月給ではとても足りず、銀行に家を差し押さえられそうになっています。

そこで彼は、昔取った杵柄で、地元で行われている総合格闘技の草大会に出場し、賞金を稼ぐんですが、それが学校にバレて問題になり、半年間の停職処分でその期間は無給になってしまいます。

彼はなんとか金を稼ごうと妻の反対を押し切って、昔馴染みのジムでトレーニングをする一方、各地の大会に出場し賞金を稼ぐわけですが、そんなある日、『スパルタ』に出場予定の選手がケガで出られなくなり、ブレンダンは賞金のために自ら代理出場を申し出るわけです。

そんなブレンダンもパディに対しては複雑な思いを持っていて、彼に会いに来たパディに「要件は電話か手紙で」と言い放っちゃうくらい、父親を憎んでるんですね。
また「おれが母親や弟と出て行かなかったのは、あんたを独り占め出来ると思ったから」とも言います。

どうやら幼い頃から、パディの目は才能あるトミーだけに向いていたようで、ブレンダンがUFC(総合格闘技大会)の選手になったのも、なんとか父親の目を自分に向けさせたかったからかもしれません。

そんなブレンダンにもトミーは恨みを持っていて、まだ子供だった彼は、年上の兄が一緒なら母は死なずに済んだと思ってるわけです。

で、そんなこじれにこじれた三人の関係を繋ぐのが『スパルタ』なんですが、この主催者がヘッジファンドの大富豪っていうのも、中々皮肉が効いてるなーと。

あと、本作では冒頭から、パディが「白鯨」の朗読テープを聞いています。

この「白鯨」は本作の大きなテーマに関わっていて、家族三人それぞれがエイハブ船長であり白鯨なんですね。

トミーにとっての白鯨は父親のパディだし、ブレンダンにとっての白鯨はトミー。
そして、パディにとっての白鯨は過去の自分自身なんじゃないかと思うんですね。

だからこそトミーは、禁酒して人が変わったような父親に向かって「酒を飲んでる頃のあんたのほうが良かった」と事あるごとに責め、一方のブレンダンにすっかり見捨てられてしまったパディは、大会中トミーの非道い言葉をきっかけに、とうとう禁酒を破ってしまいます。

泥酔し「白鯨はもういない! エイハブ船長、もう船を止めてくれ」と泣き叫ぶパディ。観ていて辛いシーンです。

と言っても、パディは自分が責めらたことを泣いているだけでなく、愛する息子を過去に縛り付け溺れさせてしまったことに深く傷ついたんだと思うんですよね。

この白鯨の引用は、家族間だけの話ではなく、ブレンダンはアメリカの資本主義に、トミーはイラク戦争でのある事件に、それぞれ苦しめられ、そこから這い上がるために『スパルタ』に出場するわけで、そういう意味では白鯨は、今のアメリカが抱える構造の矛盾そのもので、本作では家族の物語を通して、そういった問題も描き出しているんだと思います。

なんて書くと「小難しい映画なんじゃないの?」って思われるかもですが、そんなことは全然なくて、むしろ血湧き肉躍る熱い映画です。
例えるなら「総合格闘技版のロッキー」みたいな感じですよ。

興味のある方は是非!!

 

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