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今日観た映画の感想

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「リトルフォレスト夏・秋 / 冬・春」(夏秋2014/冬春2015) 感想

映画レビュー

ぷらすです。
今回ご紹介するのは、NHKの連続テレビ小説あまちゃん』で大ブレイクした女優、
橋本愛さん主演の『リトルフォレスト』ですよー!
本作は、それぞれ夏・秋・冬・春の4部で構成されてて、劇場では『~夏秋』が2014年8月に、『~冬春』が今年の2月に公開されたようです。

今回は続きものということで、2作まとめてご紹介しますよー!

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 画像出典元URL:http://eiga.com/

http://image.eiga.k-img.com/images/movie/79862/poster2.jpg?1415950315
画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

2002年12月~2005年5月にかけて『月間アフタヌーン』で連載された五十嵐大介の同名漫画の実写化作品。
原作は、者自身が岩手県衣川村(現:奥州市)で生活した際の実体験をもとに、大自然に囲まれた小さな集落で暮らす一人の女性を描き、本作では主人公いち子(橋本愛)を主人公に春夏秋冬4つの季節に分けて描いている。
主演は橋本愛、監督は株式会社ロボット映画部所属の森 淳一。

 

あらすじ

高校生のころ、突然母が失踪した過去を持つ主人公いち子は、高校卒業後に都会に働きに出るものの馴染むことが出来ず、結局逃げるように故郷である東北にある小さな集落『小森』に戻り、一人で米や野菜を作りながら自給自足に近い暮らしをしていた。

 

感想

とにかく、気持ちのいい映画でした。
べつに、アクションがスゴいとか、ストーリー構成が素晴らしいとか、最後に大どんでん返しがー! とか、そういうドラマ的な盛り上がりは全くなく、主演の橋本愛さん演じる『東北の小さな集落』に暮らす女の子の日常を淡々と、ただ淡々と描いているんです。

育てる、収穫する、作る、食べるを繰り返し観せられるわけですが、じゃぁ退屈な映画なのか? といえばそんな事はなくて、むしろずっと観ていたいと思っちゃうわけですね。

主人公のいち子が、梅雨のジメジメ解消のため暑いのに薪ストーブを焚いて、その熾火で作るパンや、甘酒にドライイーストを混ぜて発酵させて作る『米サワー』。
幼馴染で同じUターン組のユウ太とバイトに行ったイワナ養殖場でご馳走になる『イワナの味噌汁』、ウスターソースヌテラだって畑の野菜と近くの山で取ってきた木の実で作っちゃうし、グミの実をジャムにして手作りパンと一緒に食べたり。

その合間に、借りている水田で米を育て、雑草を抜き、畑の野菜を収穫したり、山菜を採取して保存用に塩漬けにしたり、夏のうちに冬のための薪を準備したり。

中でもお米は、田植えから収穫、乾燥、脱穀、調理、そして次の年のための準備の過程を、じっくりたっぷりと、東北の盆地にある小さな集落『小森』の美しい自然とともに描いていくわけです。

もちろん劇映画なので、いち子の過去や母親との関係、都会で人間関係に失敗して小森に逃げ帰ってきたこと、幼馴染のユウ太(三浦貴大)や親友のキッコ(松岡 茉優)と自分の違いなど、必要最低限のドラマは入ってますが、それはあくまで補助線的な役割として描かれていて、監督がメインで描いているのは、繰り返される暮らし=『生活の描写』なんだと僕は思います。

その『生活』の中には、先人たちから受け継いできた土地であり、技術であり、知識でありを受け継いでいくことも含まれていて、いち子が作る料理やお菓子や保存食も、母親の福子(桐島かれん)から受け継いだものなんですね。

田舎の農村という舞台は日本人が持っている『原風景』であり、『生活』や『継承』の大切さを分かりやすく観客に伝える舞台装置でもあるわけです。

『夏・秋』編では、ユウ太が都会から戻ってきた理由を、「自分が責任を持って言葉にできるのは自分が経験した分だけだし、(食べ物を)他人に殺させておいて、殺し方に文句をつけるような生き方はしたくない」と語り、『冬・春』編では、おそらく本当に地元に住んでいるお年寄りたちが、寄り合いの場で畑や水田を開墾したときの話を語って聞かせるシーンがあります。

もちろんそれは『田舎が偉い』という話ではなく、情報だけを見聞きして知った気になって語ってしまう今の時代や、人々へのアンチテーゼの意味もあるんだろうなーと、我が身を振り返って反省しちゃったりしますね。

ここからちょっとネタバレになります。

そうして、集落の一年間をいち子の目を通して観せたあと、諸々あってのラストシーン。
廃校になった小学校で行われた(多分)集落のPRイベントで、いち子は村の同級生を集めて収穫を祝う『神楽』を舞います。
それまでの映像を挟みながら、橋本愛さんが吹き替えなしでしっかり神楽を舞うこのラストは、四季の積み重ねがあって初めて意味を成すシーンでもあり、本作のラストを飾るにふさわしい素晴らしいラストシーンだったと思いました。

なんか、こうやって文字にしちゃうと、やたら説教臭い映画のように思われちゃうかもですが、そんなことはまったくなくて、作物が育っていく様子にワクワクしたり、いち子の作る料理やお菓子を真似して作りたくなる、そんな素敵な映画ですよ。

興味のある方は是非!!!