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『カイト/ KITE』(2015) 感想 ネタバレ有り

ぷらすです。
今回ご紹介するのは、1998年に発表された日本のアニメ「A KITE」のハリウッド実写化作品『カイト/ KITE』ですよー!
あらかじめ書いておきますが、今回はネタバレ全開&ほぼ悪口しか書かないと思いますので、これから観る予定の方、また本作が好きという方は、感想部分は鑑賞後か、読まれないことをオススメします。(スイマセン)

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

海外でも高い評価を受け、ファンも多い梅津 泰臣監督のアダルトOVAアニメで、1998年に発表された「A KITE」の実写化作品。

当初、梅津泰臣の大ファンを公言しているデヴィッド・エリス監督による実写映画化が進行中であることが報じられ企画が進んでいたが、2013年エリス監督がヨハネスブルクで急死。その後、監督をラルフ・ジマンに交代し制作された。

主演はオリヴィア・ハッセーの実の娘として知られる、インディア・アイズリー。

 

あらすじ

経済と政府が破綻し、少年少女が性奴隷として人身売買される近未来が舞台。
人身売買組織に両親を殺されたサワ(インディア・アイズリー)は、父親の同僚警官アカイ(サミュエル・L・ジャクソン)に暗殺者として育てられ、組織の人間に復讐していく。
娼婦になりすまして男たちを暗殺していくサワは、精神のバランスを保つ薬「アンプ」の副作用で記憶が薄れていくなか、組織のボスに接近していくが……。

 

感想

今回、アニメ版は未見。内容もほとんどチェックしていない状態で本作を観ました。

という前提で感想を書くわけなんですが、一言で言うなら、面白くなかったです。

要因は色々あると思うんですが、とにかくストーリー展開の雑さが目立つような気がしました。

映画の冒頭で、経済が破綻・政府が機能してない・少女が売買されているという事が文字で画面に出てきます。
それは別にいいです。スターウォーズを始め、そういう方法を使った映画はほかにもあるので、そこはそれほど気になりませんでした。

続いて、一台の車がアパートの前に止まります。
中に乗っていたのはいかにも輩(ヤカラ)感漂う男と、真っ赤な髪の少女(サワ)。
サワは薬でもやってるのかフラフラの状態で、(恐らく)男のアパートに連れ込まれ、エレベーターに。

そこには老婦人が待っていて、男は老婦人に見せつけるようにサワの体を弄り、老婦人はエレベーターの中で男に悪態をつき、怒った男にメガネを飛ばされ杖を蹴飛ばされて転んでしまう。
その時、サワが男を攻撃。そしてカバンから(自動で出てくる)銃で男の眉間を撃ちます。
その弾丸には小型爆弾が仕込まれていて、小爆発とともに男の頭バーンの血がビューっと飛び散るゴアシーン。

サワは目撃者の老婆も撃とうとしますが、自分の顔をハッキリ見ていないと判断し(仏心もあって)、その場を立ち去ります。

ここまでは、中々イイ感じ。
多分、本作で一番アガるシーンだったんじゃないかと思います。

で、その後サワは自室に戻り、アカイから受け取った精神のバランスを保つ薬「アンプ」を打ちます。二人の会話から、彼女の両親が人身売買組織に殺されたこと・そのトラウマから精神が不安定になってること・症状を抑えるためにアカイから「アンプ」を貰ってること・その薬には記憶をどんどん薄れさせていく副作用があり、また、サワがその薬の中毒状態であることが分かるようになってます。

その後、サワは組織の取引相手を殺したり、組織の人間を殺したり、アンプで記憶が曖昧になったりしながら組織のボスに近づいていくわけですが、サワが動いて犯人に近づいていくというより、犯人の方からどんどん都合よくサワのもとに殺されにやってくるといった感じで、そいつらが何者なのかもイマイチ掴みづらいんですね。

明らかに低予算映画だし、時間も90分と短いのでサクサク進んでいかないと…というのは分かるんですが、基本登場人物が何者なのかはセリフで説明されるだけで、全員がカキワリ的にイキナリ登場するだけなので、人物の相関図が頭の中に作れないんです。

で、カット割りがやたら細かくて、かつゴチャついてるので、誰がどういう動きで何が起こってるのかが分かりづらいというのもあります。

一応サラは、色仕掛けで相手を油断させて暗殺する「くノ一」的な暗殺者で、身体能力も高いみたいな設定だと思うんですが、ぶっちゃけ動きは普通(以下)の女の子で、どう見ても強そうに見えないし、アクションもバタバタしてて、ピンチから大したロジックもなく逆転するので、ただ相手が間抜けなだけに見えちゃいます。

多分、主演のインディア・アイズリーがあまり運動神経が良くないので、その辺をカバーするためにカット割りを細かくしてるんじゃないかと思うんですが、その所為でアクションが見辛い感じになってるんですねー。

もっと言うと、この子、あまり演技が上手じゃないような気がします。
英語なので、セリフ回しがどうこうとかは分からないんですが、なんていうか表情や動きが全体的に一本調子な感じなんですよね。

万事そんな調子なので、映画自体もメリハリがなくてのっぺりしちゃってるし、ストーリーの流れも整理されてないからやっぱりメリハリがなく、なのでカタルシスが得られません。

あと、サミュエル・L・ジャクソンが、登場した瞬間に「いや、お前が真犯人だろ」って分かっちゃうので(サミュエルは頑張ってたけどストーリー的にね)、謎解き要素も特に意外性はなく、ラストも一応オチはついてるものの、スッキリしない。

なんか重要なカギを握ってそうで握ってないサワの幼馴染オブリ(カラン・マッコーリフ)も、一応お助けキャラ的に登場するんですが、一切役に立ってないし、サワの敵として登場する少年少女? の愚連隊的なやつらも、誰の手下で、どんな目的で動いてるのかがまったく把握できません。

あと、一番気になったのは、劇中、サワが部屋の窓から外を見ると、ビルの間からカイト(凧)が上がってて、そのあとアカイが見窓の外を見るとカイトは消えてるというシーン。
その時に、アカイが『おや?』って顔をするので、ははーん。これは何かの伏線だなー……って思ったら何の関係もないのかよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

とまぁツッコミはじめたらキリがないんでこの辺にしておきますけども。

とはいえ、僕には合わなかった本作ですが、ネットレビューでは褒めてる人も結構いたので、興味のある方は是非!