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今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

「イン・ハー・シューズ」(2005) 感想 ネタバレ有り

ぷらすです。

今回ご紹介するのはキャメロン・ディアストニ・コレット主演の映画『イン・ハー・シューズ』ですよー!

タイトルの『In Her Shoes』は「彼女の立場になって」という意味だそうです。
そのタイトル通り、お互いを疎んだり羨みながらも深いところで愛し合っている姉妹を描いた素敵な作品でしたー。

ちなみに、今回はネタバレしますので、これから本作を観る予定のある方は、感想部分は、映画鑑賞後にお読みくださいませー。
いいですね? 注意しましたよ?

http://ecx.images-amazon.com/images/I/417W7N0KN5L.jpg

画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp/

 

概要

2005年公開の米映画。
ジェニファー・ウェイナーの同名ベストセラー小説を、キャメロン・ディアストニ・コレット主演で描いたハートフル・ヒューマン・ストーリー。
監督は『LA・コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソン

 

あらすじ

誰もが羨む美貌とスタイルを持ちながら問題ばかり起す妹マギー(キャメロン・ディアス)。姉ローズ(トニ・コレット)はフィラデルフィアで弁護士をするほど頭がいいが、自分の容姿に自信が持てずにせっかく買った靴コレクションもクローゼットに仕舞いこんだまま。

定職にも就かずローズの部屋に居候していたマギーを邪魔に思いつつ、追い出せずにいるローズだったが、マギーに恋人を寝取られ逆上。ついにマギーをアパートから追い出してしまう。

マギーは一旦実家に戻り、家の金をくすねようとするが、偶然、死んだと思っていた祖母エラの存在を知り、彼女が暮らすフロリダの老人ホームに身を寄せる。
家族と絶縁していたことに罪悪感を抱くエラ(シャーリー・マクレーン)はマギーを歓迎するが、彼女がお金を盗もうとしているのを発見。老人ホームで施設内の介護の仕事をするように言い渡す。

最初はやる気のないマギーだったが、そこに暮らす老人たちとの触れ合いや、穏やかな暮らしの中で、少しづつ変わっていく。

 

感想

僕は自分が「おばあちゃん子」なので老人が出てくる映画には非常に弱いんですが、それを抜きにしても本作はとても良い映画でした。

本作は、ある姉妹とその家族や大切な人たちとの絆の物語です。

妹のマギーは容姿端麗でモテモテですが、定職にもつかず男たちとHしたりタカったり、家族を頼ったりして生きています。
彼女は、知的能力及び一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、文字の読み書き学習に著しい困難を抱える学習障害難読症』を抱えていて、そのコンプレックスから目を逸らすために、仕事や大事なことから逃げて、奔放(というか破滅的)な生活で気を紛らわせているんですね。

姉のローズは少女期に肥満体型だったことが原因で、自分の容姿にコンプレックスを抱えています。
勉強は出来るし、弁護士という立派な職にもついているんですが、コンプレックスから派手な洋服や化粧を避け、『自分を必要としてもらう』ために仕事に打ちこみ、(太ってもサイズが変わらない)靴のコレクションでクローゼットが埋まっています。

そんな正反対の二人は互いを妬み、羨み、時に衝突しつつも、互のコンプレックスを刺激することだけは避けながら、何とかなぁなぁで付き合ってきているんですね。
そこには、精神に病を抱えふたりが幼い頃に『自動車事故』(実は自殺)で亡くなった母と、その後妻としてやってきたけれど二人とソリが合わない継母の存在が大きく影響しているんだと思います。

しかし、ローズの彼氏で弁護士事務所の上司をマギーが寝取ってしまったことで、二人の仲は決裂。

ローズはショックから弁護士事務所を休職、マギーは金をくすねようと戻った実家で、父親から死んだと聞かされていたハズの祖母が生きていることを知り、祖母を頼ってフロリダの老人ホームへ。

実は、父と祖母は精神を病んでいたローズ・マギーの母親への対処をめぐり対立していて、しかし母親が自殺したことで、互いにマギーとローズに対して負い目があるんですね。

なので二人の祖母エラは、最初マギーを歓迎するんですが、やがて財布からお金をくすねようとするマギーを発見。
NYに行くために3000ドル必要というマギーに、自分が給料を出すから老人ホームで介護の仕事をするようにと言い渡します。

多分エラは、ここに来てからの彼女の行動を見てマギーの問題を何となく察していたんだと思います。

最初は、あまりやる気を見せないマギーですが、3000ドルのために働かざるを得ません。
暖かな気候と穏やかな暮らしの中、徐々にエラや老人たちに心を開き始めます。

その一人が、盲目の元大学教授。

教授はマギーに本を読んでくれるよう頼みます。
しかし、最初のうち仕事が忙しいからとマギーは断るんですね。
そのうち、教授は彼女が難読症』であることを見抜き、ゆっくりでいいから読むように言います。本を読むことで『難読症』はある程度克服できると。

つっかえつっかえ詩を朗読するマギー。
じっと聞く教授。
マギーが読み終わると、教授は詩の内容に対して次々質問をしていき、考えながら答えたマギーに「A+だ。君は頭がいい」と褒めます。

これをキッカケにマギーがどんどん変わっていく、本作の鍵になるエピソードです。
さらに、いくつかのエピソードを挟んで、マギーはこのフロリダに居場所が出来るんですね。

一方のローズは、ある偶然から犬の散歩代行の仕事を始めます。
そんななか、犬の散歩中に元事務所の同僚で自分に恋心を抱いているサイモン(マーク・フォイアスタイン)と再開。

彼のアタックに最初は気のない返事を返しますが、穏やかな彼に心を開くようになり、二人は付き合い始めやがて婚約します。

仲が深まる中、マギーに会いたがるサイモン。愛する人の妹だから当然です。
しかしそんなサイモンに、ローズはマギーのことはどうしても話せません。

マギーが変わった事をしらないローズは、マギーをサイモンに会わせれば、きっと迷惑をかけてしまう。
その事で、サイモンはマギー『を』嫌ってしまう。
でも自分にとってマギーは妹であり親友以上の存在で、そんな彼女が自分の愛する人に嫌われるのが耐えられないのです。

サイモンはローズを心から愛しているけれど、全てを話してくれないローズに「こんな状態では結婚できない」と告げます。

彼の言葉に傷つき、アパートに戻った彼女に一通の郵便が。
それはエラが密かにローズ送った航空券入りの手紙でした。

こうして、フロリダで再会した二人。
エラの用意したアルバムをキッカケに思い出話は弾み、やがて二人のコンプレックスの原因となった母の死の真実に話は及び、マギーとローズ、父と祖母。家族のボタンの掛け違いが明らかになっていきます。
さらに老人たちとマギーは共謀し、サイモンをフロリダに呼び寄せてローズと和解させます。

ふたりの仲が深まったジャマイカレストランでの結婚式で、エラは自分のハイヒールをローズに『貸し』、そしてマギーはローズへの花向けとしてE.E.カミングスの詩の朗読するのでした。
という内容。

本作のキャラクターはそれぞれに、コンプレックスや負い目を抱えていています。
例えば、仕事がバリバリできる二枚目のローズの元彼は、学生時代『クジラ』と呼ばれてた事をローズに告白します。
彼はバリバリのプレイボーイでもあるけど、その原因は学生時代のコンプレックスなのかもしれません。

キャメロン・ディアス演じるマギーは、年齢的には十分大人だけど行動はまるでティーンエイジャーのようです。
なまじ容姿端麗なだけに、障害のことを正しく理解してくれない多くの人から心無い言葉をぶつけられてきたんだろうと思います。
そのうち、膨れ上がったコンプレックスを自分でも持て余してたんだろうなーと。

トニ・コレット演じるローズは、容姿にコンプレックスを抱えてます。
学生の時はぽっちゃり体型だったことでいじめられたりしたんでしょうね。
なので、普通の体型に戻ったあとも容姿に自信がもてないままです。
彼女の場合、マギーの存在が余計にコンプレックスを助長したのは想像に難くないですよね。

ローズの恋人サイモンは、多分ローズと元彼のことを知ってて、元彼に対してコンプレックスを抱えてるし、意地悪な継母は多分、夫(ローズの父)が自分にちゃんと向き合てくれない事に不満や亡くなったローズたちの母親へのコンプレックスがあったんじゃないかなーなんて思ってみたり(深読みしすぎ?)

そうした、映画では描かれない所まで想像できるのは、本作が一つ一つのエピソードやキャラクターたちを丁寧に描いているからなんですよね。
物語はシンプルで、悪く言えばよくある話でありながら、観る人の心を揺さぶるのは、そうした丁寧な描写が映画に深みや『行間』を与えているからじゃないかと思います。

環境や関わる人、心の持ち様でコンプレックスは絡まりまくったり、逆にちょっとした変化や何気ない一言で、絡まりまくったコンプレックスがするすると解きほぐされて行くこともあるんですよね。

もう一つ本作で重要なキーワードが『喪失』です。

愛する母の死で子供のまま時間の止まってしまったマギーですが、彼女を変えてくれた元大学教授の死がマギーの止まってしまった時計を動かします。

恋人をマギーに寝取られたローズは、自分の支えだった恋人と妹を失ってしまいますが、ただの同僚としか見ていなかったサイモンの人となりを改めて見直す機会を得ます。

傷つくことは怖いし、失うことは悲しいけれど、その先には新しい出会いや気づきがあるわけで、ほんの少し視点を変えて踏み出した先に、幸せはあったりするということを、本作は寄り添うように、そっと耳元で囁くように教えてくれてるんじゃないかなーと思ったりしました。

興味のある方は是非!!

 

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