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今日観た映画の感想

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「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは1978年、ゾンビ映画の父 ジョージ・A・ロメロが制作した『ゾンビ』(原題は同じドーン・オブ・ザ・デッド)のリメイク作品『ドーン・オブ・ザ・デッド』ですよー!

元作品とは違ってゾンビが全力で走る超怖い映画でしたー!(ネタバレじゃないよ!)

というわけで、今回はネタバレありで書きますんで、これから本作を観る予定の方は、感想部分は映画を観たあとで読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41PZZV0SAVL.jpg
画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp/

概要

1978年公開、ジョージ・A・ロメロ監督『ゾンビ』のリメイク作品。
『走るゾンビ』という新設定が付け加えられたことで、オリジナルとは違ったサバイバルアクションムービーになっている。

また、これまでのB級ホラー路線から一新、生存者をグラウンドホテル形式(限られた舞台での群像劇)として描き、キャストにもサラ・ポーリーを始め実力派俳優が出演している。

『300<スリーハンドレッド>』『ウォッチメン』『マン・オブ・スティール』などで知られるザック・スナイダーの監督デビュー作にして出世作でもある。

 

あらすじ

看護婦のアナ・クラーク(サラ・ポーリー)は夫ルイスと郊外に暮らすごく普通の女性。夜勤明けの翌日も、いつも通りの日常になるはずだった。

しかし、朝、ふたりの寝室に近所に住む少女ヴィヴィアンが現れ、突如二人を襲う。
ルイスはヴィヴィアンに喉元を噛みちぎられて重症。
アナはすぐに救急車を呼ぼうとするが、電話の回線がパンクし通じない。

気配に気づきアナが振り返ると、そこにはゾンビ化したルイスが。
間一髪、襲いかかるルイスの手を逃れたアナが車で走り出すと、そこには地獄のような光景が広がっていた。

 

感想(ここからネタバレ)

オリジナルとリメイクの違い

人気ゲームシリーズの『バイオハザード』や、(厳密に言えばゾンビ映画ではありませんが)『28日後』など、今や当たり前に描かれている『走るゾンビ』
本作の走るゾンビ設定も、監督のザック・スナイダー自身が『28日後』に触発されたと公言しているようです。

ロメロによるオリジナル版のゾンビは動きが鈍く一体あたりの驚異度はそれほどでもありません。しかしジワジワ数が増えていくことで次第に手がまわらなっていく。
このジワジワ追い詰められる感がロメロゾンビの恐ろしさだったと思います。

しかし本作ザック版ではゾンビが全速力で追いかけてくる分、驚異度は一気にアップ。

猛スピードで走って追いかけてくるゾンビとか、勝てる気がしません。(だってあいつら動悸息切れしないし)

その分、物語にスピード感とスリルも増すので、現代的なゾンビ映画になってるんじゃないかと思いました。(ロメロ御大は「走るゾンビ」はあまりお気に召さなかったようですがw)

共通のテーマ

物語もキャラクターもまったく一新された本作ですが、根底に流れるテーマはしっかりオリジナルを踏襲しています。

ゾンビ映画において、主人公はあくまで人間です。
ごく普通の日常を暮らす市井の人々が、ゾンビという非日常によって突然極限状態に追い込まれる。
そこで起こる生き残った人々の言動を通して、人間の醜さ・恐ろしさ・美しさを描くのが、ゾンビ映画の本質なのです。
つまり、ゾンビはあくまで『極限状態を作り出す為のギミック』なんですね。

本作は、オリジナルよりも鮮明に『人間を描く』ことに重点を置いているように見えました。

多様なキャラクター

主人公アナは看護婦であり、本作全体の良心ともいえる存在。
観客の多くは彼女に感情移入して本作を観ることになる、いわば語り部的ポジションです。

警察官のケネスヴィング・レイムス)は本作のリーダー的存在で、肉体的にも精神的にも、生き残った連中の柱となります。
キリスト教徒でわりと情に厚く、危険な場所では自ら先頭に立ってメンバーを引っ張っていきます。

マイケル(ジェイク・ウェバー)は気の弱そうな中年ですが、頭が回り冷静な判断の出来る男で、いわばメンバーの作戦参謀のような立場。密かにアナに恋心を抱いています。

アンドレ&ルーダ(メキ・ファイファー/インナ・コロブキナ)は、黒人とロシア人の夫婦で、ルーダのお腹には子供がいます。
アンドレは元ワルで犯罪歴があり、ケネスに「自分は死んだら地獄に行く」と語り、また「生まれてくる子供には自分と同じ道を歩ませたくない」と父親の顔も見せます。

CJ&テリー&バートマイケル・ケリー/ケヴィン・ゼガーズ/マイケル・バーリー)は、アナたちが逃げ込むショッピングモールの警備員です。
CJは警備員のリーダー的存在で、最初は利己的な男で他のメンバーと衝突しますが、彼らと行動を共にするうちに身を張って仲間を助けるように。
バートはCJの子分的存在。
テリーは一番の下っ端の若者ですが、温厚でCJとはソリが合わないため、アナたちの側に寝返ります。後に出会う年の近いニコールと恋人になります。

ニコール(リンディ・ブース)は中盤トラックに乗ってモールに避難してきた女の子。
父親は後にゾンビ化し、ケネスに撃たれます。
モールに迷い込んだ犬チップスを可愛がるあまり、アンディー救出作戦が失敗したとき、1人トラックを運転してゾンビの群れに突入。メンバーを危険な目に合わせたりします。

アンディー(?)はモールの向かいにある銃器店の店主です。
互いの屋上でのやり取り(ホワイトボードでチャット)を通し、ケネスとの友情が芽生えますが、最後にはゾンビ化してしまいます。

スティーブ(タイ・バーレル)は、金持ちのクズ。

こんな性格も素性もまったく違うメンバーたちが、ゾンビに囲まれたショッピングモールの中で衝突したり団結したりしながら、なんとか生き残ろうともがき続ける物語です。

ゾンビ映画のお約束

ゾンビ映画にはいくつかお約束があります。

ゾンビに噛まれると感染する。
ゾンビになるか人のまま死を選ぶか。
愛する人がゾンビになる。
利己的なリーダーによる支配。
衝突と団結。
自己犠牲。
篭城。
脱出。

ざっくり上げるとこんな感じで、物語にこれらが入れ込まれていれば『ゾンビ映画』と呼べるんじゃないかと。
ご当地グルメの条件みたいなものですね。

で、本作は、これらの条件をちゃんと満たしています。

物語序盤でゾンビに噛まれてしまったルーダは、ウイルスに犯され徐々に死に近づいていきます。
夫のアンドレは、ルーダを殺させないためメンバーに嘘をついてルーダを隔離。
結局ルーダは死にゾンビになりますが、そんなルーダが赤ん坊を出産。
しかし、母体を通してウイルス感染してしまった赤ん坊はやはりゾンビに…。
そんな赤ん坊を愛おしげにアンドレが抱くシーンは実に切ないです。

中盤のニコール救出作戦で、タッカーというメンバーが逃げ遅れゾンビに捕まったとき、「俺を撃て!」と懇願。CJが彼を撃つシーンがありますし、そのCJは終盤、仲間を逃がすためにゾンビもろとも爆死します。
最初は自分が生き残る為なら仲間も見捨てるような利己的な男だったCJが、物語が進むにつれ頼れる仲間になり、そして最後は仲間を守るために爆死ですよ!
CJぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!・゜・(ノД`)・゜・

ケネスの謎

物語序盤、モールにたどり着いたアナ、ケネス、マイケル、アンドレ、ルイーダ
アナはモールの噴水で夫ルイスの血を洗い流します。
その直後、ゾンビに襲われ格闘になりゾンビとケネスが噴水にドボンと落ち、その拍子にケネスは噴水口の金具で腕を切ってしまいます。

ここ、いかにも伏線ですよよ言わんばかりにケネスが腕を切るシーンが撮されてるので、「ははーん。最終的にケネスもゾンビ化しちゃうんだなー」と思いながら観ていたんですが、いつまでたってもケネスはなんともなくて、結局そのままラストまで人間のままです。

もしかしたら台本が途中で変わったか、そもそも観客をハラハラさせるためのミスディレクションかもですが、なんだかちょっぴりモヤモヤが残ってしまいました。

本作の翌年公開された、ロメロ御大の『ランド・オブ・ザ・デッド』で、自我に目覚め知能を持ったビッグダディーというゾンビが登場するんですが、体が大きくスキンヘッドの黒人ゾンビなので一瞬、ケネスがゾンビ化した姿!? と思いましたが、全然別の役者さんでしたw ビックダディは元警官じゃないしね。

オリジナルのエッセンスやオマージュは随所に見られるものの、設定や登場人物も変わり、同じなのはほぼタイトルだけのオリジナル作品と言っても過言ではない本作ではありますが、オリジナル版に比べるとゴアシーンも少なめだし、アクションホラーとしてもよく出来ている作品だと思います。

興味のある方は是非!!

 
▼ザックも影響を受けた、ゾンビ的なヤツがフルスピードで追いかけてくる映画▼

aozprapurasu.hatenablog.com

 ▼ザック版・ロメロ版を見比べるのもアリかも▼

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