今日観た映画の感想

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「キングスマン」(2015) 感想 ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2015年のイギリス映画『キングスマン』ですよー!
実はこの映画、公開時に劇場に観に行って感想を書いてるんですが、

aozprapurasu.hatenablog.com

今回、DVDレンタルしてもう一度観たのと、前回は公開直後だったので触れなかった部分にも触れつつ感想を書こうと思います。

というわけで、今回はネタバレありです。
これから本作を観る予定の人は、観たあとに読んでくださいね。
いいですね? 注意はしましたよ?

 

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画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

平凡なオタク青年がヒーロー目指して奮闘する映画「キックアス」や、「X-MEN」シリーズのリブート第一作目「X-MEN ファーストジェネレーション」で高い評価を得ているマシュー・ボーン監督による新感覚スパイアクション映画。

ジョージ・ミラーとデイヴ・ギボンズによるコミック『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』を原作に、ケレン味たっぷりな80年代のスパイアクション映画を、現代風にアップデートさせている。

主演は『英国王のスピーチ』などのコリン・ファース

 

あらすじ

ロンドンにある高級スーツ店は、実はいかなる国家・団体の干渉も受けない独立諜報機関の「表の顔」。
その機関に所属するスパイエージェントは店の名を取って「キングスマン」と呼ばれている。

ある日、失踪した大学教授の捜査に当たっていたエージェントが何者かに殺され、キングスマンのメンバーに「空き」が出来たことから、各メンバーそれぞれが新たなキングスマン候補を推薦し、訓練することに。

一方、幼い頃に父親をなくし、自堕落な生活を送る不良少年エグジー(タロン・エガートン)は、ひょんなことからキングスマンメンバーの一人、ハリー(コリン・ファース)にスカウトされる。

 

感想

劇場で本作を観た直後、僕はすっかり浮かれて長々感想を書きまくったんですが、今回DVDレンタルがスタートしたので「ここはひとつ冷静に本作を見極めて感想を……」なんて思いながら、改めてこの「キングスマン」を観直してみたんですが……。

 

ヒャッハー!! やっぱキングスマン最高ぉぉぉぉぉ!! \(°∀° )/

以外の感想なんかありませんよ?(←結局浮かれる。

でもそれじゃぁ記事にならないので、一応それなりに気づいたことや、ネットで知ったことなどを書いていきますね。

イギリスの階級社会について

イギリスにはざっくり分けて3つの階級があるそうです。

① Upper Class(上流階級)

② Middle Class(中流階級

③ Working Class(労働者階級)

①は王室、貴族、地主、資産家など、いわば名門の家系で、②はホワイトカラーと言われる人たち、③はブルーカラーの人たちっていう感じで、ホワイトカラーの人たちの中でも更に階級が分かれてるんだとか。

で、この生まれによって、受ける教育なんかも自然と決まってくるらしいんですね。
①の生まれはパブリックスクールからオックスフォードやケンブリッジ大学へ進学するのが一般的。
②の人たちあたりの生まれの子は大学に進学し、③の生まれの子は義務教育を終えるとすぐに社会に出るのが一般的で、大学に進学するのは稀なんだそうです。

つまり、イギリスでは出自によって、(もちろん例外はありますが)自然と階級が決まってしまうらしいんですね。
で、それぞれの階級によって、言葉のアクセントや立ち居振る舞いなど、ほかの階級との差別化を図っているんだとか。

ただし、この辺がちょっと日本人には分かりにくい感覚かもしれませんが、この階級は上下やお金の有無で分けるという感覚ではないらしく、それぞれの階級の人たちが自分の階級に自信と誇りを持っているのだそう。なので「立身出世」という考え方はあまりないらしいです。

タロン・エガートン演じる本作の主人公エグジーは、“ブロック”と呼ばれる低所得者向けの集合団地で母親と暮らす無職の青年で、いわば労働階級ということになります。
本作はそんな彼が、コリン・ファース演じるハリーの助力を得て上流階級の子息が集う「スパイ要請学校」に入り、ハリーの意志を継ぐ一人前のスパイになるという、いわばスパイ版「マイフェア・レディー」なんですね。

キングスマンのボス、アーサー(マイケル・ケイン)は基本保守派で、上記でいうと上流階級バリバリの選民思想の持ち主です。
それに対して、ハリーは出自が人を決めるのではなく、教育が人を作るのだという考え方なんですね。(パブでのセリフ「マナーが人を作る」はそんなハリーの思想そのものってことですね)

マクドナルドの意味

劇中、サミュエル・L・ジャクソン演じる悪役ヴァレンタイン宅で、ハリーがディナーを振舞われるシーンがあるんですが、そのディナーがマクドナルドなんですね。

これは、マルコ・ピエール・ホワイトという高名なイギリス人シェフが「イギリスの高級なレストランよりマックの方が美味い」と発言したことで、「シェフがマックを絶賛するくらいイギリスのメシは不味い」と外国に広まったというのが元ネタ? で、あのシーンはハリーの正体を見抜いたヴァレンタインのイヤミではないか。という見解をある人のブログで読んで、なるほどと思いました。
あと「超金持ちで家や酒にはこだわるのに食事はマック」的な、IT成金のバランスの悪さを合わせて二重の意味で皮肉ってるのかもしれないですね。

秘密兵器

本作では、様々な秘密兵器が登場します。
スタンガン的な指輪や、防弾こうもり傘(敵を気絶させるゴム弾を打てる)、防弾スーツ、『毒』を起動させる万年筆などなど。

一方で、ヴァレンタインは、利用料無料スマホを餌に、『人を凶暴化』させる周波数で殺し合わせたり、ワインの中に追跡機能のナノマシンを入れたり、ICチップを首に埋め込んで常に賛同者を監視(裏切ったり、情報を漏らそうとすると頭が爆発)したり。

どちらも最先端のようでいて、ヴァレンタインの使う秘密兵器の方が一枚上手というか一歩先を進んだテクノロジーで、ハリーは後手に回ってしまいます。

ただ、『道具』としては断然キングスマンの方が美しいわけで、そのへんに合理主義一辺倒で美意識に欠けるアメリカや現代社会への皮肉も込められてるんじゃないかなーなんて思いました。

近年稀に見る不謹慎(褒め言葉)な映画

まぁ、皮肉で言えば若者にマナーを解く英国紳士が、敵をバンバンぶっ殺しまくる本作そのものが皮肉を込めたブラックジョーク的作品でもあるんですけどねw

で、最高に不謹慎でグロいシーンに、やたら明るかったり楽しかったり壮大な曲をかけてポップに観せたり。
まさに、コミックをそのまま実写にしたような作品です。

特に『威風堂々』のリズムに合わせて、ヴァレンタインに同調した選民思想の金持ちや政治家の頭が花火のようにポンポン吹っ飛ぶシーンは、何回見ても笑っちゃうし、やたら性に奔放なスウェーデン王女には、一定の年齢以上の人なら「あー、なるほど」と思わずニヤリとしちゃうんじゃないでしょうか。

 

色々細かい事を書きましたが、もちろんそんな事は知らなくても十分に楽しめるし、最高に面白い映画ですよ!!

興味のある方は是非!!

 

今回参考にしたのはこちらのブログです。

イギリス階級社会を最大限に皮肉る映画『キングスマン』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー