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「ヘイトフル・エイト」(2016) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、みんな大好きクエンティン・タランティーノ最新作『ヘイトフル・エイト』ですよー!!!

僕の地元では、3月に公開されなくて「え、もしかしてDVD待ち!?」とハラハラしてたんですが、約1ヶ月遅れの4月9日から短期上映で公開されることになってホッと一息。それで、今日やっと観てきましたよー!!

まだまだ多くの映画館で上映中だと思うので、できる限りネタバレしないように気をつけますが「ついウッカリ」もあるかもなので、これから本作を観る予定の方は映画を観た後に、読んでくださいねー。

いいですか? 注意はしましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

今や世界的巨匠となったクエンティン・タランティーノ監督の最新作。
ワケあり男女が吹雪の山小屋に閉じ込められる『密室ミステリー』
主演のサミュエル・L・ジャクソン、カートラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチルティム・ロスマイケル・マドセンブルース・ダーン、ジェームズ・パークス他

 

あらすじ

南北戦争から約10年後、雪の降るワイオミングが舞台。

広大な雪原の中を駆けるO.B.ジャクソン(ジェームズ・パークス)が操る一台の駅馬車には、賞金稼ぎのジョン・ルースカート・ラッセル)と1万ドルの賞金首デイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)が載っていた。

そこに現れたのは、黒人の賞金稼ぎマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)。
賞金首の死体を運ぶ最中、馬が死んでしまったので駅馬車に同乗を願い出る。
さらに、三人の目的地レッドロックの新保安官に就任するというクリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)も同乗。追ってくる吹雪から逃れるため、馬車はミニーの店に。

しかし、店主の姿はなく、代理のメキシコ人ボブ(デミアン・ビチル)が店番をし、首吊り処刑人のオズワルド・モブレー(ティム・ロス)、カーボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、南軍のサンディ・スミザーズ将軍(ブルース・ダーン)の3人の先客が。

それぞれに過去や因縁を持ち、曲者ぞろいの8人だが、この中にデイジーの手下が潜んでいるのではとルースが疑い始めたことから物語は急展開していく。

 

感想

いやーーもう、面白かったですよー!!イヤッフー!

1ヶ月待たされたぶん面白さもひとしお。感無量です。

ただ、いざ感想を書くとなると中々困っちゃうんですよねーw

いきなりのネタバレ

まず、イキナリ重要なネタバレをしますが、本作は密室ミステリーではありません

いや、これはアチコチで色んな人が言ってるのでセーフ!
っていうか、「ほほう、密室ミステリーかー」って思って観に行くとなんじゃそれーーー(#`皿´)ノ ってなっちゃうと思うので、先に書いておいたほうがいいかなーってw

まぁ、吹雪の山小屋に閉じ込められた8人という設定は、いかにもミステリー的ではあるんですけどね。本作で、ミステリー要素はあまり重要ではありません。

どんな映画?

じゃぁ、どんな話なのかというと、吹雪の中ミニーの店に閉じ込められた8人の曲者の正体がじわじわ明かし明かされ、お互いに罵倒しまくる会話劇…かなぁ。

少なくとも「ニ〇ー」(黒人への蔑称)という言葉が一生分出てきます。
あと、女賞金首のデイジーが(主にカートラッセルに)ボコられます。

画像出http://image.eiga.k-img.com/images/movie/83735/gallery/cast3_jennifer-jason-leigh_large.jpg?1453361016典元URL:http://eiga.com/ 登場からいきなりマンガみたいな青タンを拵えてるデイジー姐さん。

そりぁ、18禁にもなるわっていうね。

南北戦争

南北戦争」という名前を知らない人はいないと思いますが、ざっくり言うと黒人奴隷解放をかけ、リンカーン大統領率いる北軍と南軍が行ったアメリカの内紛です。
結果北軍が勝利し奴隷制は廃止となるんですが、感情面は別で、未だにアメリカ人の一部では黒人差別が根強く残っていますよね。
この南北戦争と黒人差別が本作の物語や各キャラクターの関わりに深く根ざしています。

http://image.eiga.k-img.com/images/movie/83735/gallery/newmain_large.jpg?1452139600典元URL:http://eiga.com/ タランティーノ作品常連ながら、今回初主演のサミュエル・L・ジャクソン

そう考えると直接的ではないものの、本作はタランティーノ監督の前作「ジャンゴ」の続編的な位置づけと言えるかもしれません。
ただ、「ジャンゴ」が黒人奴隷だったジャンゴの復讐譚だったのに対し、本作はまったく別のアプローチになっています。

前作では黒人が一方的に被害者→復讐だったのに対し、本作ではある意味全員が加害者です。そういう意味で、この映画は限りなくミクロな箱庭で起こる『世界の縮図』と言えるし、だからこそ、あのラストにはハッとするしグッと来ちゃうんですよねー。

上映時間168分

本作の上映時間は6章立ての168分。約3時間弱と非常に長尺な作品です。
ちなみに、本国アメリカでは休憩を挟んで3時間を越えるそうですよ。

そして、その168分のうち前半1時間以上がミニーの店につくまで。
つまり、雪原を走る駅馬車の中での会話です。
この部分が長すぎるという意見もよく分かりますが、個人的には後に起こる展開の為には必要な『下ごしらえ』だったように思いますねー。

そして、ミニーの店についたあとも延々と会話劇が中心となります。
ミニーの店の店主、ミニーがいない事を不審に思ったサミュエル演じるマーキスが、自称店番のボブにカマをかけて正体を探ろうとしたり、会話が進むうちにそれぞれの嘘が露見したりと、まさにタランティーノ節全開で僕はとても面白かったんですが、タランティーノ映画に慣れていない人には、長尺な割に無駄話ばかりの退屈な映画に映ってしまうかもですね。

公開前から話題騒然

本作は企画段階・撮影中にトラブルに見舞われていて、公開前から話題になっていました。その中で一番有名な2つのエピソード。

① 脚本流出事件

これは、本作の脚本がネットに流出してしまい、一旦はタランティーノ監督が制作を白紙にしたという事件です。
この脚本流出事件は、結局訴訟ざたにまで発展したそうですが、結局タランティーノは脚本の内容を書き直して、制作・公開にこぎつけたそうです。

② 撮影中に500万円のギター壊しちゃった事件

これはちょいネタバレですが。
本編の途中でジェニファー・ジェイソン・リー演じるデイジーのギターを取り上げたルースが、このギターを破壊するというシーンがあるんですが、このギターはなんと博物館から借りた500万円のビンテージギターだそうです。

予定では、壊す寸前にダミーのギターに取り替えるハズだったんですが、ルース役のカートラッセルにその事が上手く伝わってなくて、本物のギターをバッカーンと破壊しちゃったんですね。
この時、デイジーは悲鳴を上げるんですが、この時の表情は演技じゃなくて、ギターが本物だと知っていたジェニファー・ジェイソン・リー本気で驚いたみたいですよ。

リンカーンの手紙

本作で重要な役割を担っているのが、マーキス(サミュエル・L・ジャクソン)の持っている「リンカーンからの手紙」です。
この手紙は割と序盤に登場するんですが、この手紙に注目しながら観てもらえると、より楽しめるんじゃないかなって思います。

映画体験

本作はアメリカでは、今は使われていない70ミリのフィルムで撮影され、画面は2.76:1というワイドスクリーンの、いわゆる『ロードショウ形式』で上映されたそうです。
日本ではもうそのサイズで上映出来る映画館が存在しないため、残念ながらこの形式は取られていませんが、アメリカでは本作上映のために、すでにリタイアした上映技師を雇って各地の映画館で上映されたそうです。

タランティーノは2007年 盟友ロバート・ロドリゲスとともに、ドライブインシアターやミッドナイト上映されていたB級映画を再現した『グラインドハウス」という試みをしていますが、二つに共通するのはただ映画を観るだけではなく、タランティーノ自身の『映画体験』ごと今の映画ファンに再現するという、シネフィル(映画狂)のタランティーノらしい試みだなーと思います。

伊達に自分の映画館持ってないねタランティーノ

タランティーノは、10本の映画を撮ったら引退する計画と公言していて、それが本気なのかどうかは分かりませんが、もし本当だとすれば、残されたタランティーノ作品はあと2作。

おそらく、映画というフィクションの中に自分の思想や主張を入れ込むスタイルは、本作が集大成となるんじゃないかと思いますが、さて、次はどんな方法や作品で、僕ら観客を楽しませてくれるのか益々目が離せません。

グロあり、暴力あり、ヘイトあり、不謹慎ありと決して万人にオススメ出来る作品ではありませんが(そもそも18禁だし)、タランティーノという稀代の名監督の作品ですから、もし機会があれば、是非劇場のスクリーンで見ていただきたい映画です。
雪原の映像の美しさだけでも見る価値はあると思いますよ。

興味のある方は是非!!!

 

 

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