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コングレス未来学会議 (2015) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2013年に制作されたイスラエルとフランス他10カ国合作映画『コングレス未来会議』ですよー!
抽象的かつ哲学的でしかも難解という噂だったので、観ようかどうしようか迷ったんですが、なんだか面白そうな予感がしたので、思い切ってレンタルしてみましたー!

 

概要

2013年、イスラエル・フランス他10カ国合作のSF映画。
惑星ソラリス」の原作でも知られるポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの『泰平ヨンの未来会議』を原作に、実写とアニメが入り混じるドラッギーで抽象的な映像で、かつ哲学的なテーマを語る。
監督は『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン
主演は、劇中でも本人役で登場するロビン・ライト

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画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじ

40歳を超え女優としての旬が過ぎたうえ、性来の気難しさも相まって、所属する映画会社ミラマウントから『最後のオファー』を受けるロビン・ライト。(本人)
そのオファーとは本人のかわりに、彼女をスキャンしたデジタルデータで作られたCGに演技をさせるというものだった。
最初はそのオファーを断るロビンだったが、難病を患う息子アーロン(コディ・スミット=マクフィー) のため、契約し女優を引退する。

それから20年後、ミラマウント社は、グループ会社のミラマウント=ナカザキが開発した薬物により誰でも彼女になれるようにするという契約をロビンに結ばせようと彼女を未来会議に招待する。

 

感想

本作が劇場公開されるときラジオの「たまふる」で紹介されていて、以来気になっていた作品でした。その時の情報としては、
1・ロビン・ライトという女優さんが本人役で主演する。
2・実写とアニメが入り混じっている
くらいだったんですが、その後レンタルが開始された本作のレビューを読んでみると、哲学的だったり難解だったりしてよく分からないという意見も多く、観ようかどうしようかちょっと迷ったんんですよねーw
でも、気になってた映画だしということで、今回思い切ってレンタルしてみました。
確かに、途中で少々混乱するシーンはあるものの、『物語の大筋』はわりとシンプルなので、途中で迷子になることはなかったように思いましたよ。

アニメと実写が入り混じるドラッギーな映像

本作の特徴はなんと言っても、アニメと実写が入り混じっていることだと思います。
実写とアニメが混じっている映画といえば、『ロジャーラビット』やディズニー作品が有名ですが、アニメのキャラクターが実写に登場して役者と絡むそれらの作品とは違い、本作は『実写のロビン・ライトがアニメの世界に行く』お話です。

映画会社ミラマウントが作った、アブラハマシティは(薬品を摂取することで)人間がアニメになる? 技術を開発しているんですね。
なので、『未来会議』に招かれた彼女がアブラハマシティの検問所で薬を嗅いで、会場のホテルにつくまでに、彼女を含めた世界がアニメに変わるというわけです。

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画像出典元URL:http://eiga.com/   

このアニメが、色合いも絵柄も70年代風な何ともサイケデリックなアニメなんですね。フライシャー兄弟のアニメの絵柄でビートルズの『イエローサブマリン』の色彩を連想して貰えると分かりやすいかも。

そんなサイケデリックなアニメの世界では、ロビンが大嫌いだったSF映画のヒロインとしてCGのロビンが大活躍している実写映像が流れてたり。(どうやら大ヒットシリーズになっているらしい)
その辺のルールはイマイチ分かりませんけどもw

本作は、前半で実写、20年後の世界がアニメ、さらに20年後がアニメ+実写となるわけですが、物語が進むうち観ているこっちも段々アニメと実写の区別が曖昧になっていくという、何ともドラッギーな映像体験が出来るんじゃないかと思います。

アンチハリウッド映画

アリ・フォルマン監督が本作を通して、CGに頼りすぎのハリウッド映画を強烈に皮肉っていることは明らかです。(ミラマウントが、そもそもパナマウントとミラマックスという映画会社の名前を合体させちゃってますしねw)
特に物語の内容的にも、
ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』を彷彿とさせる作りでもありますしね。
マトリックス』といえばCG映像に役者の顔をスキャンして貼り付けてアクションシーンを作っているのは有名だし、その後、ほかの映画でもその手法が使われたりもしています。

本作はそれをさらに進めて、もう、役者そのものをスキャンしてデータとして所有しちゃえば、経費削減になるんじゃね? っていう状況からスタートするんですね。

つまり、役者がカメラの前で演じるんじゃなくて、役者のCGデータを所有した映画会社が好きなようにアニメーションで全ての映画を作るようになるんです。

その20年後にはさらに技術が進み映画自体がなくなって、物語と俳優のデータを体内に取り込んで誰もが『想像』の中で物語の主人公になれる薬が開発されます。
つまり、もう映画自体なくなっちゃうわけです。
『未来会議』はその発表の場なんですね。

幾重にも重なるテーマがレイヤー構造になっている。

これって、形は違えどいろんな作品で問われている普遍的なテーマでもありますよね。
つまり「個人を個人たらしめているのは何か」っていう。
あと、幸せな虚構と厳しい現実のどちらを選ぶのが幸せなのかとか。
このアニメの世界は見方を変えればネットの世界でもあり、あの世でもあり、夢の世界でもあり、いろんな物に置き換えができちゃうので、それこそ人によって少しづつ見え方が変わるんじゃないかなーと思ったり。

この物語は、そんな虚構と現実が入り混じって曖昧になった世界で、ロビン・ライトが何を選択するのかが主軸になっている、ある意味凄くシンプルな構造の映画なんですが、ただ、途中でロビン自身が夢と現実の境が分からなくなるシーンを観客も追体験させられる作りなので、胡蝶の夢』的な物語だと知らずに観ちゃうと、そこで混乱して迷子になっちゃうのかもしれません。

今はCG技術の進歩に観客が慣れてしまって、中々映像でショックを受ける体験って出来ないと思うんですが、本作は一見アナログな手法ながら映像で脳を揺らされるような『体験』が出来る映画だと思いますよ。

興味のある方は是非!

 

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