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今日観た映画の感想

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「クロノス」(1998) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、前回に引き続きギレルモ・デル・トロ作品『クロノスー寄生吸血蟲』ですよー!

ギレルモ監督の長編デビュー作なんですが、TSUTAYAの『発掘良品』としてレンタル開始になってたので、すぐにレンタルしてしまいましたー。( *• ̀ω•́ )b ☆ツタヤGj!

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/514V7FJ5YBL.jpg
画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

1993年にメキシコで制作公開されたホラー映画。

10代から映画に興味を持ち、大学卒業後は特殊メイクの第一人者ディック・スミスの下で学び、メキシコに帰国後特殊メイク・造形の会社を立ち上げ10年以上特殊メイクに関わった経歴を持つギレルモ・デル・トロ監督が、29才の時に手がけた劇場長編映画デビュー作。

メキシコで古物商を営む初老の男ヘスス(フェデリコ・ルッピ)は、ある日、売り物の天使像の中から奇妙な金属機械を見つける。
その機械のゼンマイを巻くと、時計のように動き始めた機械から飛び出した針に手を貫かれてしまい、その夜激しい乾きを覚える。
同時に、針が刺さることに奇妙な快感を覚え、若返る事に気づいたへへス。

その不思議な機械こそが、ある錬金術師が永遠の命を求めて作り上げたクロノスだった。

出演者には、その後「ヘルボーイ」や「パシフィック・リム」など、ギレルモ作品の常連となる盟友、ロン・パールマンも出演している。

 

感想

日本のアニメや特撮にも造詣が深く、「パシフィック・リム」や「パンズ・ラビリンス」などのSFやファンタジー映画の名手として、ファンの熱い支持を受けているギレルモ・デル・トロ監督ですが、元々はハリウッドの一時代を支えたディック・スミス門下生で、特殊メイクアーティスト出身なんですね。

そんな彼が、メキシコで29才の時に初監督したのが本作「クロノス」です。

(おそらく)かなりの低予算作品でもあり、またデビュー作ということもあって、現在のギレルモ監督の作品とは比べるべくもないですが、それでも一目で「あ、ギレルモ作品だ」と分かる、現在の作品に通じるエッセンスの詰まった一作でした。

吸血鬼物語

本作は、ざっくり言うと吸血鬼をモチーフにした物語です。
持ち主に永遠の命を与える機械「クロノス」
しかし、永遠を生きるためには燃料となる他人の血液が必要だったという設定。
本作は、そんなクロノスを偶然手に入れ、吸血鬼になり始めた初老の主人公と、クロノスを求める余命幾ばくもない老人の物語です。

ただ、主人公が吸血鬼化して強くなって戦うアクション映画というわけではなく、永遠の命を巡っての二人の対照的な男の思想の対比を描く物語なんですね。

あれ? これって…

日本のアニメやマンガに通じている人なら本作を観てまず感じるのは、
ジョジョっぽい」って事ではないでしょうか。

本作に登場する謎の機械『クロノス』が動き出す様子は、荒木 飛呂彦さんのマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する「石仮面」にそっくりなんですよねw

また、吸血鬼を物語のベースにしているのも共通してますし、もしかしたら日本のマンガやアニメが好きなギレルモ監督が『ジョジョ~』に影響を受けて本作を制作したんじゃないかな?? って思いました。(僕はジョジョの方は詳しくないんですが)
もしくは、『ジョジョ~』と本作に共通する元ネタがあるのかもしれませんが。

ただ、海外のファンタジーやホラー、SFにも博識で、多大な影響を受けてきたギレルモなので、設定やルックは『ジョジョ~』に似ているかもですが、物語自体は彼のオリジナルになってます。

荒削りではあるけれど

よく「デビュー作には、その作家の全てが詰まっている」みたいな事が言われますが、本作には現在のギレルモ・デル・トロ作品に共通するエッセンスが全て入っているなーと思いました。多分そういうのを作家性って言うんでしょうね。

まず、クロノス呼ばれる機会の造形や動き。
黄金色の手のひらに乗るくらいのゼンマイ式の機械なんですが、卵型の形や表面に施された装飾なんかは、後に彼が監督する傑作「ヘルボーイ ゴールデンアーミー」を思わせるし、クロノスから爪と針が出てくる一連の動きは、その後の彼の作品で登場する数々の機械の動きの描写と共通する、歯車やカラクリへの偏愛や、細かいディテールへのこだわりを感じずにはいられません。

またギレルモ監督特有の、おぞましさや恐ろしさの中にある美しさや、破滅の悲しさの中にあるロマンティックさも、本作の中にはしっかり盛り込まれていますし、映像の画角の中で表現される芸術性の高さも、荒削りながらシッカリと表現されてると思いました。

ただ、物語(脚本)の方はまだまだ甘く、やりたい事は分かるけど、何がどうなってその結末に行き着くのか、そのキャラクターはなぜそんな行動を取るのかなど説明不足な部分が多く、映画を観ていても物語の筋が掴みきれなかったり、主人公を始めとしたキャラクターに感情移入しにくかったり。

いや、それはギレルモ監督に限った事ではなくて、映像から映画に入った監督共通の特徴でもあるんですけどね。
話の筋より絵面を優先してしまうみたいな。

本作はデビュー作ということもあって、特にその辺の「物語りを見せる」部分の弱さを感じました。(物語の大筋やテーマはちゃんと分かるのでご安心を)

ファンはなら必見

1993年制作の古い映画であり、予算的にも(多分)かなり厳しい中で作られた作品でもあると思うので、正直、今観るとしょぼさが目立ってしまうし、ぶっちゃけ超名作というわけでもないので、ギレルモ・デル・トロ作品に興味のない人にはあまりオススメ出来ません。

ただ、ギレルモ・デル・トロのファンの方は、彼の原点を知るという意味でオススメ出来る作品だと思います。
作品を通して作家の歴史を縦軸で辿るのはファンの楽しみの一つですしね。

興味のある方は是非!

 

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