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「傷物語Ⅰ 鉄血篇」(2016) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、西尾維新の大ヒットライトノベルを原作に2009年からテレビやネットなどでアニメが放映されている『物語シリーズ』の第0話、
傷物語Ⅰ鉄血篇』ですよー!

伝説の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・アートアンダーブレイドと、主人公阿良々木暦が出会うエピソードの劇場映画化第一弾(全3部作)です!

 

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あらすじと概要

小説家、西尾維新原作の大ヒットライトノベル物語シリーズ』。
その後2009年からテレビアニメ、ネット配信などで各エピソードごとに放映してるが、本作は『物語シリーズ』としては3作目。時系列的には『物語シリーズ』全作品の前日譚となる。

主人公の阿良々木暦神谷浩史)は、あるキッカケで友人になった羽川翼堀江由衣)から地元に現れる吸血鬼の都市伝説を聞く。
その夜、買い物帰りの彼は瀕死の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・アートアンダーブレイド坂本真綾)に出会い、彼女に自分の血を吸わせ命を救う。

血を吸われたことで彼女の眷属になった阿良々木は、キスショットが奪われた手足を取り戻すため、三人の吸血鬼ハンターと対決する羽目になってしまうのだが……。

監督は尾石 達也、総監督とアニメ製作は、これまで全シリーズのアニメ化を手がけてきた新房 昭之とシャフト。

 

感想

僕は小説版『化物語』からの本シリーズのファンで、小説もアニメも一通り全部観てる(読んでいる)んですが、そんなシリーズの第0話でもある本作のアニメ化はずっと楽しみにしていました。

シリーズ初の劇場版ということで、ぶっちゃけ1時間30分~2時間の作品1本で終わるだろうと思ったら、なんと本作「鉄血篇」、次作「熱血篇」、そして「冷血篇」の三部作になるっていうじゃないですか。

本作が64分、次作が69分らしいので、恐らく3部作合計で約3時間強の物語になるんですねー。

キャラクターや背景のビジュアル面が変わってた。

そんなわけで早速観たわけですが、まず驚いたのがビジュアル面。

本シリーズのアイコン的な建物、廃墟となった学習塾や主人公阿良々木暦の家が、これまでのテレビアニメ版とはまったく別物になってましたw

といっても建物や背景が小説版と全然違うのは、このアニメシリーズではお馴染みのことなので、ファンにとっては驚くほどのことではないんですが。

ただ(いないとは思いますが)本作からシリーズを観始めた人は、面食らっちゃうかもですね。「なんだこれは」ってw

あと、劇場版だからなのか本作の(シリーズの中では)ハードでシリアスな世界観に合わせたのか分かりませんが、キャラクターのビジュアルも少し変わってる感じがしました。テレビやネット放映のシリーズに比べると、少しエッジが立ってるというか。

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画像出典元URL:http://eiga.com/ テレビシリーズより少し線が鋭い印象

それと、本シリーズヒロインの一人「委員長ちゃん」こと羽川翼のおっぱいも、テレビアニメ版より大きくなってるような……。気のせい?

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画像出典元URL:http://eiga.com/

無駄に激しいアクションと坂本真綾神谷浩史の熱演

この『物語シリーズ』は元が小説、しかも会話シーンというか無駄話が売りのシリーズでもあり、本来アニメにはあまり向かない題材なんですが、テレビシリーズも含めて本シリーズでは、舞台建てを変えたり動きをオーバーアクションにしたりしながら、アニメーションとして映える画作りをしてきました。

本作も、(まだ)ぶっちゃけそんなにアクションの多いエピソードではないんですが、いつも以上に無駄なアクションをぶっこんで、画面を持たせる工夫をしています。

いつもなら、主人公阿良々木の“語り“から入るのがシリーズの特徴なのに、冒頭シーンはセリフなしの画の動きで観せてましたしね。

そして圧巻なのは、キャラの感情を表現するのに、わざと荒い線での描写シーン。
特に、阿良々木暦とキスショットの出会いのシーンでは、そうした画と動きだけでなく、声優の坂本真綾神谷浩史の演技も素晴らしかったです。

ただ、“画で観せる“ことにこだわり過ぎて、若干テンポが悪く間延びした印象のシーンが多かった気がしないでもないですが。

ただ……。

傷物語」はファンにとっては待ちに待ったエピソードでもあるし、画も動きもストーリーも個人的には大満足の出来でした。
ただ、一本の映画として「物語シリーズ」を知らない人が本作から観てどう思うかといえば、正直、乗れないだろうなとも思うんですよね。
これは本作だけでなく、テレビアニメの劇場版の宿命でもあるんですけど。

まぁ、イキナリ本作から観始める人はそんなにはいないとは思いますが、例えば阿良々木がキスショットを救うシーンなどは、それまでの「物語シリーズ」を観ていない人にとっては、なんでそうなるのか納得出来ないだろうなーとか。

それを持って良い悪いという話ではなく、この映画はあくまで「物語シリーズ」という縦軸で明かされたキャラ像を元に作られているファンムービーだということなんですよね。

原作小説をアニメとして成立させるために、これまで作り上げてきたケレン味溢れるアクションシーンなんかも、所見の人にとってはクセが強すぎて戸惑ってしまうような気もしますし。

 もちろん、本作からファンになって、遡って『物語シリーズ』のファンになるパターンの人も、もしかしたらいるかもですけど。

あ、そうそう。ファンの人にとっては最早常識ですが、DVDかブルーレイで本作を観たあとに、TOP画面のサウンドを開くと、オーディオコメンタリー版を観ることが出来ます。
これは、アニメ版「物語シリーズ」の売りになっていて、原作者の西尾維新書き下ろし台本で、登場キャラクターが自分たちについて延々喋りまくるという、ちょっとどうかしている感じの映像特典ですw(本編よりもセリフが多いっていうね)

本作のDVD&ブルーレイでは、阿良々木暦を助ける“専門家“忍野メメ櫻井孝宏)とキスショット(坂本真綾)が64分間喋りまくってますので、お時間がある方はそちらも是非お楽しみくださいなw
というわけで、

興味のある方は是非!