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MVの大御所が作ったウルトラバカ映画! 「トルク」(2004) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2004年公開のバイク映画『トルク』ですよー!
ミュージック・ビデオ界の大御所のジョゼフ・カーン監督が世に放った愛すべきバカ映画ですよ!!

本作に関しては、もう、ネタバレがどうとか、そういう問題じゃないし、例え内容を全て書いても本作の魅力は一切損なわれないと思うので、今回はネタバレ全開で書きますよー! 
万が一、これから本作を観る予定があって、ネタバレは困るという方は、映画を鑑賞した後に、この感想を読んでくださいませ。

いいですね? 注意しましたよ!?

http://image.eiga.k-img.com/images/movie/52302/photo/54f6bf1e3651ac56.jpg?1469166278画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

トリプルX』『ワイルド・スピード』『S.W.A.T.』を手がけた売れっ子プロデューサー、ニール・H・モリッツが仕掛けるバイク・アクション。

ストーリー:覚えのない罪で街を追われたフォード(マーティン・ヘンダーソン)がかつての恋人(モーネイ・マザー)と友人たちの元に帰ってきた。その夜、殺人事件が発生。FBIや対立するバイカーギャングが彼らを追いつめる。

スピード感あふれる迫力の映像はもちろん、マニア垂涎のマシンの数々が登場。極め付けは世界に10台しかない地上最速マシンY2k! さらにはバイクを乗り回す次世代ハリウッド・スターも美形揃いと見どころ満載。ミュージック・ビデオ出身のジョゼフ・カーンによる演出もクール。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

先日、ネットでたまたま聞いたラジオのアーカイブで、「映画秘宝」デザイナーの高橋ヨシキさんが、紹介していた本作。

かなりのバカ映画らしいという事だったので「これはレンタルしてみなくては!」と早速TSUTAYAで借りてきましたよー!

まるで中学生が考えたような物語と設定をやりきる勇気!

本作がどういう映画かザックリ一言で言うと、バイク版ワイルドスピードです。
しかも、『ワイルドスピード』の100倍バカっぽいという、スゴイ映画でしたw

一応ストーリーらしきものはあるんですが、何ていうかこう、中学生が学校の休み時間に考えたような、もしくは、飲み会の午前2時くらいに仲間内で盛り上がったバカ話みたいなストーリー。

というか、本作においてストーリーにツッコミを入れること自体が野暮なんじゃないかとさえ観る側が思ってしまう。そんな映画です。

それでも一応説明するとこんな感じ。
・主人公はあるギャンググループのバイク修理を依頼される→
・エンジンがかからないのでタンクの中を見てみると、中に大量? の覚せい剤が→
・主人公は、そのバイクを隠してタイに逃げる(麻薬密売人としてFBIに指名手配される)→
・数年後、元カノ会いたさに主人公帰国(映画はここからスタート)→
・早速、別の黒人バイクギャングといざこざ→
・主人公の帰国を聞きつけたギャンググループに狙われる→
・主人公チーム&黒人バイクギャング&ギャンググループと三つ巴に→
主人公チーム&黒人バイクギャングが和解、共通の敵ギャンググループと対決

みたいな感じです。

って、ワイルドスピードだこれ

つまり、バイクが猛スピードで走って、チェイスして、壊れて、お尻とおっぱいとビールでご機嫌というボンクラ映画です。

ただ、このバイクシーンはいろんな意味でスゴイですよ。

映画冒頭、ワイルドスピードの二人を思わせるマッチョハゲとパーカーのレース? に主人公のバイクが割り込み、そのスピードで標識がクルクル回るシーンに始まり、
走る列車にバイクで飛び乗って片方は屋根の上、もう片方は列車の中でチェイスしたり。
バイクを使って格闘したり。(コメンタリーではバイクxカンフーでバイフーって言ってましたw)
ヘリコプターのエンジンを積んだスーパーバイク、Y2K(実在のバイクらしい)でチェイスしたり。
Y2Kが早すぎて風圧? で女性のスカートがめくれたり、車の窓が割れたり、おっさんのヅラが飛んだり。

そしてワイルドスピードでもお馴染み、バイク好きが集まる謎の祭りではビキニの美女たちがシャワーに濡れながらお尻ボーン、おっぱいバイーンで踊るシーンももちろん登場するという、見どころ満載の映画なのです。

こういうのって、半分冗談のバカ話で終わりそうなもんですが、これを本当にやりきっちゃうのはさすがハリウッドだなーなんて思いましたねーw

ただし、映画としてはヒドイ

こんなふうに書くと、ワイルドスピードみたいな映画を想像してしまうかもですが、そんなことはありません。

映画としてのルックや完成度で言うと、ワイルドスピードの10分の1くらい。
ストーリーはハチャメチャ(設定じゃなくて物語として破綻してる)だし、肝心のアクションも見せ方や間が良くないので、迫力は半減、誰が何をしてるのかよく分かりません。

そもそも、バイクに乗ってる時はヘルメットをかぶってるし、バイクも素人目にはアメリカンとレーサーの違いくらいしか分からないですしね。(監督も、途中で気づいたのか後半はみんなノーヘルで走ってましたw)

あと、明らかに300キロオーバーで走ってるバイクの上で、殴る蹴る、鉄砲で撃つ、宙返りなどのアクションも行われてるんですが、物理法則無視しすぎだろとw

ただ、それだけハチャメチャなのに、何処か憎めない愛嬌があるんですよね。
いわゆる愛すべきバカ映画っていうやつです。

突き抜けたアイデア

本作を憎めない理由は、ずばりバカが突き抜けているからです。
バイクで、走る列車の屋根に飛び乗って追いかけっこまでは100歩譲っていいとして、その後主人公は、列車の連結部分にバイクごと降りて客車を爆走。敵のボスはそのまま屋根の上を追いかけるっていう、どう考えても無理のあるチェイスを映像化しちゃうとか。
ジャックナイフ(ブレーキをかけて後輪を持ち上げる)で敵を倒そうとする格闘シーン(バイフー)とか。

ヤシの木畑? でのバイチェイスとか。

中でも前述した街中でY2Kを駆るシーンは、塚本晋也監督の『鉄男』を彷彿とさせるスピード感満載で、小五マインドを持つ僕としては、結構熱くなったりしたんですよねー! あと、全員のバイクに漏れなくニトロ積んでますしね!w

そういう一つ一つのアイデアは非常にバカバカしいんですが、もう何か突き抜けちゃってて、これはこれでアリ! と思っちゃうんですよねー。

もし、これらのアイデアが全部上手く表現出来てたら、それこそワイルドスピードと並ぶ人気シリーズになっていたかもしれません。

というわけで、今回僕は結構褒めてるっぽい感じで感想を書いてますし、実際面白がってたわけですが、これはあくまで偏愛の部類で、しつこいようですが一本の映画としては決して褒められた出来ではないです。

ただ、本編が84分しかないのでサックリ観ることが出来るし、友人との集まりでビール片手にツッコミを入れながら観るにはいい映画なんじゃないかと思いましたよ。

興味のある方は是非!!

 

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