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“史上最低の映画監督“への愛が止まらない「エド・ウッド」(1995) 感想

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは1994年制作の伝記映画『エド・ウッド』ですよー!
“史上最低の監督“の称号? を持つ映画監督エドワード・D・ウッド・ジュニア、通称エド・ウッドの半生を、彼のファンであるティム・バートンが監督し、盟友ジョニー・デップを主演を務めた全編白黒映画です。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41NQCFAP1VL.jpg

画像出典元URL:http://amazon.co.jp

あらすじと概要

実在の映画監督で、“史上最低の監督”と謳われた、エドワード・D・ウッド・ジュニア、通称エド・ウッドの伝記的作品。

心から映画を愛し、夢を追い続け、そして史上最低の映画監督と謳われた男エド・ウッド。お堅い伝記作品というよりも、自身も彼の同類であると自認する製作・監督のティム・バートンが、そんな彼のキャラクターに重点を置き、ユーモアを持って、実に温かい目で描いた秀作。

ストーリー:スタジオの片隅で使い走りをしながら、映画監督になる日を夢見て働いていた映画青年エドは、ある日業界誌に載った性転換をした男性の物語の映画化を知り、矢も楯もたまらずそのプロデュサーのもとへ押しかけた。本物の服装倒錯者だったエドは、シナリオを3日間で書き上げ、ふとしたきっかけで知り合った往年のドラキュラ俳優、ベラ・ルゴシを出演させることを条件に資金を調達、その映画「グレンとグレンダ」で監督デビューを飾るが……。(allcinema ONLINEより引用)

 

出演はジョニー・デップマーティン・ランドービル・マーレイ

 

感想

本作はずいぶん前に一度DVDで鑑賞しているんですが、先日ラジオで紹介されてるのを聞いて、思わずレンタルしてきてしまいました。

エド・ウッドと言えば、“史上最低の監督”と呼ばれてまして、確か昔、僕が友達と一緒にレンタルビデオで観たのは『死霊の盆踊り(原題:Orgy of the Dead「死霊の乱痴気騒ぎ」)でしたねー。

裸のお姉さんが墓場で延々踊ってるというヘンテコ映画で、「死霊のはらわた」的な作品を期待してレンタルした僕らはみんな、

(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)←こんな顔になってましたw

もちろん、その時はエド・ウッドという名前を知らずに観てたんですけどね。
当時は他にもジョン・ウォーターズ監督の「ピンクフラミンゴ」(97)とか、ゲテモノC級カルト映画が日本にも沢山入ってきた時代でもあったんですよね。

エド・ウッドとは

エド・ウッドエドワード・D・ウッド・ジュニア)は、ハリウッドに実在した映画監督です。
その生涯で自ら制作した5本の映画は興業的に大失敗。
常に貧困にあえぎ、1978年にアルコール中毒で亡くなりました。
没後しばらくは忘れ去られていた彼ですが、映画の上映権を安く買い叩かれた結果、深夜テレビの映画枠で繰り返し放送された『プラン9・フロム・アウタースペース』が一部でカルト的人気を得て評論家の目に止まり、1980年「ゴールデンターキー賞」という本において「歴代最低映画」として紹介されたことで“再評価“されたそうです。

といっても、再評価されたのは作品ではなく、最低の映画を作り続け、最低の評価を受け続けたにも関わらず、映画製作への熱意と情熱を生涯失わなかったという点らしいですが。

また、本作を監督したティム・バートンを始め、ジョン・ウォーターズデヴィッド・リンチサム・ライミクエンティン・タランティーノなどもエド・ウッドのファンらしいですよ。(映画のファンというよりはエド・ウッド自身のファンなんでしょうけども)

本作では、そんな彼のデビュー作『グレンとグレンダ』からプラン9・フロム・アウタースペース』完成までのエド・ウッド黄金時代“を描いています。

ティム・バートンエド・ウッドへの愛が溢れる秀作!

カメラが不気味な洋館に入っていき、ある一室に置かれた柩に寄ると柩の蓋が開き、起き上がった案内役の男のおどろおどろしい口上からのオープニングから始まる本作。

この男の口上というアバンは、昔アメリカのテレビで放映されたB級ホラー専門の映画劇場で使われていた手法で、安く買い叩いたホラーの見所などを、案内役の俳優がおどろおどろしく紹介する手法のオマージュでもあり、そのあとの墓石に出演者の名前が出るOPとともにウッドのプラン9・フロム・アウタースペース』のほぼ完コピでもあります。

また劇中の随所でも、ウッドが監督した映画の場面を忠実に再現しているシーンがいくつかあり、ティム・バートンの彼に対する敬愛ぶりが伺える作品になってるんですね。

一方で、ティム・バートンは劇中ウッドの女装癖なども描いているんですが、決して茶化したり馬鹿にしたりという事ではなく、そういう性的指向も含めてエド・ウッドという人物を敬愛しているという事が分かります。

ラスト付近、たまたま入ったバーで、憧れのオーソン・ウエルズと出会い会話するシーンは実際にはなかった映画独自の脚色らしいんですが、これは多分、ティム・バートンから敬愛するエド・ウッドへのプレゼントなんだろうなーと思いました。(もちろん片や「史上最高の映画監督」片や「史上最低の映画監督」と言われながら、共に資金調達に苦労したという対比を描く演出意図もあったんでしょうが)

映画作りへの熱意と情熱も行動力も人一倍の人ったらし。けれど映画の才能だけはないエド・ウッドという人物を、ティム・バートンは面白おかしく、しかし、憎めない可愛らしい人物として、とても魅力的に描いているんですねー。

また、ドラキュラ俳優として一時は一世を風靡しながらも、落ちぶれて薬物に溺れている老俳優ベラ・ルゴシとウッドの交流を描いたシーンでは、(多分)ティム・バートンはウッドに自分自身の心情を重ねているんだろうなーというのも見て取れます。

そして、それらはそのまま俳優を使い捨てにする制作会社や、金も出すが口も出して映画を滅茶苦茶にするスポンサーなど、映画を商品として扱うハリウッドシステムへの批判(というか皮肉)にも直結していて、だからこそ大きな力の前に踏み潰されながら、最後まで情熱を捨てなかったエド・ウッドに、観客の多くは感情移入せずにはいられないんだろうなーと思いました。

ティム・バートンジョニー・デップがタッグを組んだ作品は数多くありますが、個人的には本作『エド・ウッド』が一番好きな作品ですねー。

興味のある方は是非!