ぷらすです。
今回ご紹介するのは、昨年公開された『ジャングル・ブック』ですよー!
僕は原作も読んだことがないし、ディズニーのアニメ版も未鑑賞でして。
なので、本作が「ジャングル・ブック」初体験になりますよー!
画像出典元URL:http://eiga.com/
あらすじと概要
ラドヤード・キプリングによる名作を実写化したアドベンチャードラマ。ジャングルで黒ヒョウとオオカミに育てられた少年が、一匹のトラとの出会いを通して壮大な冒険に身を投じる。監督は『アイアンマン』シリーズなどのジョン・ファヴロー。主演は2,000人もの候補から抜てきされた新星、ニール・セティ。ベン・キングズレー、ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソンなどのスターが、動物たちの声を務める。動物と自然の風景の全てを創造した最先端CGに圧倒される。
ストーリー:モーグリは、生まれて間もなくジャングルに取り残されてしまう。黒ヒョウのバギーラから母オオカミのラクシャに託された彼は、愛情に包まれながら自然の厳しさと生き抜くための知恵と術を学んでいく。やがて少年となって動物たちと幸せな日々を過ごしていたモーグリ(ニール・セティ)は、人間に恨みを抱くトラのシア・カーンと出会う。シア・カーンから人間である自分の存在が、ジャングルやそこに住む動物たちの脅威になると言われ……。(シネマトゥディより引用)
感想
正直、僕がディズニー映画を観始めたのは『ピクサー』と合併したあとなので、それ以前の作品は殆ど観た事がないんですね。
なので本作も最初はまったく観る気はなかったんですが、監督があのジョン・ファブローだと知って、これは観なければ! と、早速レンタルしてきましたよー!
主人公以外全部CG!
本編でまず驚くのは、雄大なジャングルの景色や本物と見まごうばかりにリアルな動物たちじゃないでしょうか。
しかしこの映画、主人公モーグリ役のニール・セティ以外、オールCGだそうです。
その噂だけは聞いていたので、そういう目で見れば確かに「ちょっとCG感あるなー」というシーンもないではないですが、知らずに見たらどこからがCGでどこまで実写なのか境目が分からないくらいにリアルな作りでしたねー。
そしてCGによって描かれた動物たちはみんな、リアルでありながら魅力あるキャラクターとしても成り立っていて、改めてディズニーの技術力の高さを感じました!
4人の父親
本作は、クロヒョウに拾われ狼に育てられた少年モーグリが、試練を乗り越え成長し、自らの手で自分の居場所を掴むまでの冒険と成長の物語です。
そんな彼には4人? の父親(役)がいるんですね。
人間である実の父親。(回想のみ)
彼を拾いジャングルでの生き方を指南するクロヒョウのバギーラ。(ベン・キングズレー/松本幸四郎)
モーグリを群れに向かい入れた狼のアキーラ。(ジャンカルロ・エスポジート/大川 透)
そして、宿敵シア・カーン(イドリス・エルバ/伊勢谷友介)から逃れる途中で出会った、お気楽な熊のバルー。(ビル・マーレイ/西田敏行)
バギーラは、一見クールなようで実は過保護な教育パパという感じで、普段は掟掟と口うるさいですが、いざという時は頼りになるし、アキーラはリーダーとして群れで生きることを教える厳格なパパという感じ。
バルーは、仲間に迷惑をかけまいと群れを出たモーグリに、二人とは違う価値観を与え認めてくれる楽しいパパですね。
もちろんいざという時は超頼りになります。
そしてモーグルの母親となるのが、狼のラクシャ(ルピタ・ニョンゴ/宮沢りえ)
ほかの子供たちと分け隔てなく、モーグリを育ててくれた優しいママです。
そんな彼らに守られ、導かれながら、試練を乗り越えたモーグリは、ジャングルの中で自分の居場所を掴み取っていくという物語なんですねー。
動物たちに命を吹き込む豪華俳優陣
本作のもう一つの魅力は、CGのキャラクターに命を吹き込む豪華俳優陣です。
僕は字幕版で観たんですが、
「アイアンマン3」ではコミカルな小悪党マンダリンを演じた、ベン・キングスレー。
「パシフィック・リム」のスタッカーや、「ズートピア」のボゴ署長など重厚な役柄の多いイドリス・エルバ。
数々の名作に出演している名優、クリストファー・ウォーケン。
ブラックウィドウ役や今年公開のハリウッド版攻殻機動隊の草薙素子役、みんな大好きスカーレット・ヨハンソン。
そしてご存知「ゴースト・バスターズ」のビル・マーレイなど、大スターが勢ぞろい。
スカーレット・・ヨハンソン、ビル・マーレイとクリストファー・ウォーケンは、劇中、「トラスト・イン・ミー」や「君のようになりたい」「ザ・ベア・ネセシティ」といったアニメ版でも知られる名曲を歌っていますよ。
2000人の中から選ばれた天才子役ニール・セティ
そんな大スターと互角の存在感を見せたのが、2000人のオーディションから選ばれたニール・セティ。
可愛らしいだけじゃなく、身体能力も高く、表情豊かな演技も素晴らしかったです。
撮影当時は10歳だったそうですが、実に堂々とした見事な演技で抜群の存在感を示していましたよ!
アイデンティティーと自分の居場所を勝ち取る物語
人間でありながらジャングルの中で育ったモーグリは、幼少の頃からジャングルを生きる掟と、育ての親である狼の掟を教え込まれます。
それ自体は、人間である彼がジョングルに暮らす動物の中で生きていくため、彼を守る意味もあるんですね。
道具を使うのはズルで、やってはいけない事という価値観の中で育つモーグリ。
しかし、そんな彼の価値観を、熊のバルーはあっさり引っくり返してしまいます。
同時にそれは、モーグリの『個性』が初めて認められた瞬間でもあるんですね。
画像出典元URL:http://eiga.com/
ジャングルにおいて忌諱されたモーグリの『個性』は、実は彼だけの武器であり、それを認められ上手く利用することで、自分の居場所を勝ち取るという普遍的な成長譚を、厳しさとユーモアと優しさを込め、大人から子供まで楽しめる見事なエンターテイメント作品に作り上げたと思いましたねー。
ジョン・ファブローらしい、希望に満ちた作品
本作の監督、ジョン・ファブローといえば『アイアンマン』や、自身が監督主演を務めた『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』などで、監督としても役者としても非凡な才能を発揮していますが、一番の魅力は、彼自身の陽性で前向きなキャラクターや思想が物語に反映されているところなんじゃないかと思います。
ブルーレイに収録されたメイキングを観ると、最初はもっとリアルよりのシリアスな作品だったらしいんですが、それをジョン・ファブローと脚本のジャスティン・マークスがアニメ版へのオマージュを捧げつつ、ディズニー映画として一から組み立て直していったんだそうですよ。
1967年版のアニメや原作が好きな人は、もしかしたら「コレジャナイ感」を感じてしまうかもしれませんが、個人的には面白かったし、さすがジョン・ファブローと納得の作品でしたよ!
興味のある方は是非!!
▼関連記事▼