ぷらすです。
今回ご紹介するのは、本国では2014年に公開されたオーストラリア映画
『ブレイキング・ゴッド』ですよー!
1983年にオーストラリアで起こった実際の事件を元にした、クライムサスペンス? 映画です。
画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp
あらすじと概要
麻薬の運び屋となった男が巻き込まれる、実話を元にしたクライム・サスペンス。「インシディアス」の脚本家リー・ワネルが製作総指揮も兼ねており、同作に出演したアンガス・サンプソン、「マトリックス」のヒューゴ・ウィーヴィングが出演。極限状態での駆け引きが見どころ。2015年8月にWOWOWにて本邦初放映後、2016年1月~3月開催の<未体験ゾーンの映画たち2016>でも上映。
ストーリー:1983年、オーストラリアのメルボルンにあるテレビの修理店で働く真面目な男レイは、悪友に大金を稼ぐ話を持ちかけられる。それは麻薬の運び屋という危険な任務だった。レイは麻薬入りの袋を飲みこんでタイから帰国するが、税関で不審な行動を疑われ、さらにX線検査を拒否したために拘留される。拘留期限が切れるまでの間、トイレを我慢するレイと、レイが動くのを待つ警察。体を張った究極の我慢くらべの結末は!?(allcinemaより引用)
感想
ありそうで無かったリアル“クソ映画“
本作の内容を一言で言うなら、ウ〇コを我慢する男の物語です。
中年になっても実家住まいで母親にべったりのボンクラ男レイ( アンガス・サンプソン)がコンドームに小分けした1kgの麻薬を飲み込んで国内に持ち込むも、空港で検問に引っかかり、レントゲンを拒否(任意)したため空港近くのホテルに拘留。
ここからレイと警察の便意を巡る我慢比べが始まる……という、文字通りの“クソ映画“です。
で、このあらすじを見たら、コメディー映画だって思いますよね?
ところが、この作品はなんとガチで手に汗を握るクライムサスペンス映画なのです。
普通、クライムサスペンスと言えば、アクション有り、サスペンスあり、最後には大どんでん返しありのド派手な映画が多いんですが、本作はホテルの一室で主人公がひたすら“ウ〇コ“を我慢するだけっていう、ビックリするほど地味な展開。
証拠がないため、警察が彼を拘留出来るのは7日間。
レイはなんとしても、一週間もの間ウ〇コを我慢し続けなくてはならないっていう、考えただけで地獄のような状況です。
もうね、主演のアンガス・サンプソンの苦しむ表情に観ているコッチまで辛くなりましたよ!
しかも、ヒューゴ・ウィーヴィング演じるトム捜査官は、レイの腹を殴ったりするし(お腹の中でコンドームが破けるんじゃないかとヒヤヒヤ)、国選弁護士は権力への反発から、心が折れて密輸を告白したレイに「もう少しだから頑張れ」とか言い出すし、依頼主はレイを殺そうとするし、挙句、そんな過酷な状況を何とか乗り切ったと思ったら、拘留期間が伸びるし。
もう、どいつもこいつもーー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ と。
そんな四面楚歌の状況の中、レイはひたすらウ〇コを我慢し続けるんですねー。
ちなみに本作の原題は「THE NULE」頑固者的な意味らしいです。
あと、ここだけはちゃんとお伝えしなくてはいけないと思うのですが、
本作には、極めて不快なシーンがあります。
なので、本作を観る人はそれなりの覚悟が必要かもしれません。
わりとグロ耐性のある僕も、そのシーンにはかなり精神的にダメージを受けましたからねー。
負け犬ボンクラ男の逆転なるか!?
ただ、ここを境にそれまで防戦一方というか、あまりの苦痛に心がボキボキに折れかけていたレイが色々吹っ切れて、さらに、“ある展開“を経て自分を見下す連中立ち向かう決心を決めます。
そしてレイは、自分をバカにして見下している奴らを見返すための計画を思いつくのです。
果たして何をやっても失敗続きだったレイの逆転なるか!?
というのが、本作最大の見所なんですねー。
好き嫌いの分かれる映画
こんな風に書くと、いかにも面白かったみたいに見えるかもですが、本作はかなり好き嫌いの分かれる映画なんじゃないかと思います。
上記の問題のシーンは嫌な人は耐えられないだろうし、基本映像は地味だし(中年がウ〇コを我慢するシーンが延々続くし)、ストーリー的にもエンジンがかかるのが遅いので前半から中盤にかけては正直かなり退屈ですしね。
しかし、こんなバカみたいなネタを、クライムサスペンスに昇華させようとした心意気は、個人的に嫌いになれない作品でしたねー。
興味のある方は是非!