今日観た映画の感想

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不器用で欠点だらけな男がどん底から立ち上がる「サウスポー」(2016) *ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ボクシングの元世界チャンピオンがどん底からの再起を図る物語
『サウスポー』ですよー!

出演は「ナイトクローラー」の怪演でファンの注目を浴びるジェイク・ギレンホールなど名優揃い。
「負け犬の復活劇」という何百回、何千回と描かれてきたテーマですが、それゆえ普遍的で力強い作品でしたー!

で、今回ある程度のネタバレは本作の魅力には差し支えないと思うので、そこそこネタバレありの感想になります。
なので「何も知らずに観たい!」っていう方は、先にDVDで本作を観てから、この感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

愛する妻がこの世を去り、娘とも引き離され全てをなくしたボクシングの元世界チャンピオンが、再び頂点を目指し娘との絆を取り戻すため奮闘するドラマ。どん底からの再起を図る主人公を、『ナイトクローラー』などのジェイク・ギレンホールが体当たりで演じる。共演にはオスカー俳優フォレスト・ウィテカー、『007』シリーズなどのナオミ・ハリス、『スポットライト 世紀のスクープ』などのレイチェル・マクアダムスら実力派が集結。監督を、『トレーニング デイ』などのアントワーン・フークアが務める。

ストーリー:怒りを力に変える過激な戦闘スタイルのボクサー、ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、試合にまつわるいざこざが原因で妻を亡くす。生きる気力をなくした彼は世界チャンピオンの座から転落し、まな娘とも離れ離れになってしまう。全てをなくしたビリーはアマチュアボクサーのトレーナーを務めるティック(フォレスト・ウィテカー)の協力を得て、栄光と娘の信頼を取り返すため再起を図る。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

ベタでシンプルで力強いストーリー!

本作をざっくり一言で言うと「負け犬ボクサーが再起をかけて立ち上がる」というロッキー的なストーリーなんですが、主人公のビリー・ホープは最強の世界チャンピオンからスタートするので、実質「ロッキー3」的な物語って言ったほうがしっくりくるかも。

世界チャンピオンのホープは怒りをパワーに変えて戦う、ゴリゴリのインファイターとしてチャンピオンの座を守ってきたわけですが、敵ボクサーとのトラブルから最愛の奥さんが死亡。
悲しみに暮れるホープに追い打ちをかけるように支払いは滞り、失意のうちに防衛戦に臨むもボロ負け、挙句レフリーへの暴行で1年間のライセンス剥奪。
自殺を図り、財産を失い、愛する一人娘からも引き離され、ホープはまさにどん底まで落ちていくんですね。

本作はそんな彼が名トレーナーとの出会いで生まれ変わり、仲間の協力を得て再び王座に返り咲くまでを描いた、手を返し名を変えて何百回と作られてきたベタベタなストーリーなのです。

しかし、何百回と描かれてきたということは、逆に言えばそれだけ魅力的な題材なわけで、本作もストーリー自体に目新しさは微塵もないものの、“男の子“が観ればしっかり感動してしまう、ある意味王道のストーリーなんですねー。

魅力的なキャラ設定

本作の主人公、ジェイク・ギレンホールが演じるビリー・ホープと奥さんのモーリーンは施設育ちで、これまで二人三脚でボクシングビジネスで成功を収めてきたわけですが、ホープは防御はせずに打たれたら倍打ち返すという完全攻撃型のボクサーで、しかも自分の怒りをコントロール出来ない超短気な男。

奥さんはそんな彼を心配し、ファイトスタイルを変えて我慢を覚えるよう再三注意しますが、当のホープはバカなので聞く耳を持ちません

ボクシングで成功、愛する奥さんと一人娘のレイラもいて、幸せの絶頂にある彼ですが、彼自身の正確が幸せを破壊する時限爆弾である事が、冒頭の試合や会話から分かるようになっています。

超短気でバカなホープ、賢くて優しい奥さん、奥さん似でちょっと生意気な愛娘、ホープから奥さんの仇(かたき)のボクサーミゲルと手を組むプロモーター、貧しい子供たちにボクシングを教えホープを鍛える名トレーナーと、本作に登場するキャラクターは限りなくボクシング物語のテンプレ通りだけど、とても魅力的なキャラクターばかりで、しかも、そんな魅力的なキャラクターを演じるのは、フォレスト・ウィテカーレイチェル・マクアダムスなど実力派ぞろい。
もう、絶対面白くなる要素満載なわけですよ。

確かに面白かったし感動したんだけど……。

というわけで、観ている間はとても面白かったし、感動したし、興奮しました。
全てを失ったホープを救う丹下段平的トレーナーのティックの指導で、今まで攻撃一辺倒だったホープがディフェンスを学び、人間的にも成長していくシーンはアガるし、世界チャンプになったミゲル相手に、最初は劣勢だったホープがティックに教わったディフェンス技術で持ち直し、必殺パンチで勝利するシーンは大興奮でした。
一度は嫌われた娘レイラとのラストのシーンも、グッときちゃいましたしねー。

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ただね、観終わってみると何かこう物足りなさが残るんですよねー。
何ていうか、喉ごしが良すぎる感じなのです。

一つ一つのエピソードがサラッと流れすぎて心に残らない感じで、脚本に描かれたシーンを義務的に映像に起こしているような、っていうか脚本自体、一つ一つのエピソードがストーリーを進めるためのピースにしかなっていないというか。

ホープの絶望を描いた前半までは、わりといい感じでコチラもググッと引き込まれるんですが、そこから復活していくエピソードの一個一個があっさり描かれすぎな印象なんですよね。

特に気になったのが、トレーナーのティックのジムに通う黒人少年 ホッピーの件(くだり)。
本作の中でもかなり重要なシーンだと思うんですけど、ティックのキャラクターを引き立てるためのエピソードみたいに見えちゃうんですよね。

あと、最後の試合のクライマックスで、劣勢のホープがディフェンスを使って徐々にミゲルを追い詰めていくシークエンスも、必殺のパンチを繰り出してミゲルを倒すシーンも、全部トレーナーのティックの指示がキッカケなんですよ。
いや、そこはホープが自分で変わるキッカケがあって、そこから反撃→必殺パンチっていう流れにしてこそ盛り上がるんじゃん! っていうね。

リアルなファイトシーンにこだわったのかもしれませんが、フィクションなんだしテーマ的にも、ホープが自ら気づいて変わるっていう流れにして欲しかったんですよねー。

それと、個人的に凄く引っかかったのは、奥さんのモーリーンが亡くなるキッカケの発砲シーン。
多分、ミゲルの関係者のせいでモーリーンが亡くなったんだと思うんですよね。
ただ、このシーンがゴチャゴチャしててちょっと分かりづらいし、犯人が判明したのか、その後どうなったのかの決着が描かれてないんですよ。(ですよね?) 

ホープの仲間が相手の銃に気づき、自らも銃を取り出したために警官に押さえ込まれるシーンもあったんですが、まさか、そのまま誤認逮捕ってことはないよね?
で、その件はそのまま放りっぱなしなので、そこが引っかかってモヤモヤしちゃうんですよね。
ミゲルの身内が犯人で捕まったなら、ボクシングの観客はミゲルのことをもっとバッシングするんじゃないかと思うのですが……。うーん。

結局、ここのモヤモヤが晴れないので、個人的にその後の展開に入り込めませんでした。
どこか見逃したのかなー??

ホッピーのシーンもそうですが、僕はわりと各エピソードに決着をつけない投げっぱなし感が多いような気がして、キャスト陣の演技は良かっただけに残念な感じがしました。

とはいえ、ボクシングシーンは迫力満点だし、奥さんは美人で娘も可愛いし、「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホールしか観たことのない人は、本作を観たらビックリするんじゃないかと思いますよ。

興味のある方は是非!

 

 ▼ジェイク・ギレンホール主演作!

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