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今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ボンクラとマヌケが織りなすノワールコメディー「ビッグ・リボウスキ」(1998)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、今やハリウッドのヒットメーカーとなったコーエン兄弟
1998年製作のコメディ作品、『ビッグ・リボウスキ』ですよー!

ヒッピー崩れのお気楽男、“デュード“ことジャフ・リボウスキが、同姓同名の富豪と間違われて騒動に巻き込まれていく顛末を描いたドタバタノワールほんのりハードボイルドコメディー(なんだそりゃw)です。

 

 

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp/

 

あらすじと概要

鬼才コーエン兄弟が放つ、奇妙で可笑しい人間ドラマ。同姓同名の人物と間違われた男が巻き込まれる事件の顛末を、多彩なキャラクターを交えながらユーモラスに描く。『ファーゴ』で見せた人間の滑稽さをクローズ・アップコーエン兄弟お得意の不条理な可笑しさに満ちた傑作。ジェフ・ブリッジズ、ジョン・グッドマンスティーヴ・ブシェーミ共演。無職で気ままに暮らす“デュード”こと、ジャフ・リボウスキ。彼の家に突然、2人のチンピラがやって来る。女房の借金を返せと怒鳴るチンピラに、全く身に覚えがなく呆然とするリボウスキ。その後彼は、同姓同名の大金持ちと間違えられたと気づくが・・・。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

コーエン兄弟とは

ジョエル・コーエンイーサン・コーエンは、監督、脚本家、プロデューサーなど二人三脚で映画製作を行っている兄弟。
1984年に初監督作「ブラッド・シンプル」を発表以降、「赤ちゃん泥棒」「ファーゴ」「ノーカントリー」など数々のヒット作を手がけ、2014年からはテレビドラマ版「FARGO/ファーゴ」をスタートするなど、ハリウッドの大ヒットメーカーです。

作風は世相を皮肉ったブラックコメディーが得意で、ボンクラ男が犯罪や事件に巻き込まれたり、本の出来心でやった事が周囲を巻き込む大事件に発展していく物語が多い印象ですかねー。

本作では、ヒッピー崩れのお気楽ボンクラおじさん“デュード“ことジャフ・リボウスキが、同姓同名の大富豪に間違われて非道い目にあったのを皮切りに、その富豪との嫁の誘拐事件に巻き込まれ、誘拐犯、ポルノ王、中学生、保安官、ボーリング仲間の意識高い系ベトナム退役軍人に振り回されていきます。

オフビートな笑いと巻き込まれ型ボンクラ主人公

本作の舞台はジョージ・H・W・ブッシュ政権下、湾岸戦争のころのロサンゼルス。
そんな事とは無関係に、友達でベトナム退役軍人のウォルター(ジョン・グッドマン)、ドニー(スティーヴ・ブシェミ)とボーリング大会目指して練習している“デュード“ことジャフ・リボウスキ(ジェフ・ブリッジス)はある日、同姓同名の大富豪、通称“ビッグ・リボウスキ“と間違われて、借金取りに暴行された上に部屋の敷物におしっこをかけられます。
このビッグ・リボウスキの若い嫁がアチコチに借金を作っていたというんですね。

デュードは敷物の弁償をしてもらおうとビッグ・リボウスキの邸宅に行きますが、罵られ馬鹿にされ、けんもほろろに追い返されてしまいます。
そしてデュードは、この一件をキッカケに、次から次へと厄介に巻き込まれていくというストーリーなのです。

デュードは完全巻き込まれ型主人公で、どういうわけか家にやってきた暴漢に殴られ、蹴られ、トイレの便器に顔を突っ込まれ、敷物におしっこをかけられ、運び屋をやれば戦争ノイローゼの友人に邪魔をされ、車は盗まれ燃やされてと、もう散々w

しかも、この映画でデュードに関わるやつらは、誰一人として人の話を聞かない奴ばっか。
主人公がこれだけ非道い目に遭えば、少しは陰惨な内容になりそうなものですが、基本登場するのは(デュードも含めて)全員バカか間抜けなので、観ていて思わず笑っちゃうんですよね。
あと、嫌な感じにならないのは、デュード自身のノンキなキャラクターもあるんでしょうけど。

ポッコリお腹のいいオッサンなのに、短パン半袖、上からナイトガウンみたいなロングニットのカーディガンにサンダルで歩き回り、元ヒッピーらしく長髪にヒゲモジャ。
無職でボンクラ仲間とボーリングチームを組んでいて、楽しみは“葉っぱ“とボーリングとサビサビのポンコツ車でドライブっていう典型的なダメ人間ですが、「友達だったら、頼りにはならないけどきっといいヤツ感」が出てて、非道い目に合わされても何か飄々としてるんですよね。

ちなみにデュード(伊達男とか大将というニュアンスらしい)という名前は「カッコイイ」からと勝手に名乗ってるだけで、本名とは何の関係もありません。(中二病かw)

コーエン兄弟版「ロング・グッドバイ

1973年公開の「ロング・グッドバイ」という映画があります。
「ロング~」はレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説『長いお別れ』の映画化ですが、原作を大きくアレンジしていて、主人公探偵フィリップ・マーロウは完全巻き込まれ型のダメ探偵なんですよね。
いつもヨレヨレのスーツにボサボサ頭で飄々としたマーロウは、本作の主人公デュードそのもの。

つまり本作はコーエン兄弟版「ロング・グッドバイ」なんです。
なので、こんなにゆるい作品なのに、全体の構造はハードボイルド作品だったりします。本格ミステリー的な安楽椅子探偵じゃなくて、足で調査して真実のピースを見つけ、事件を解決していく物語ですね。

そういえば、2015年公開の『インヒアレント・ヴァイス』も本作と同じで「ロング・グッドバイ」系譜の作品ですが、むしろ雰囲気は本作に近いかもしれません。

そして、この3本に共通するのは、主人公は何らかの事件に巻き込まれて右往左往した挙句に、何かを「得る」んじゃなくて「失う」けれど、それでも日常は続いていくという物語なんですねー。

個性豊かなキャラクターを楽しむ映画

本作に登場するキャラクターは、主役のデュードを筆頭に、みんな個性豊かです。
大富豪ビッグリボウスキ、苦労話と自慢話が大好きで、いつも虚勢をはっているし、その娘はよく分からない現代美術? をやってるフェミニスト? 
友達のウォルターはいわゆる「意識高い系」アメリカ人で、別れた奥さんに未練があり、他にもポルノ王やら、間抜けな誘拐犯やら、車泥棒の中学生やら、全員どうかしてる奴ばっかなんですが、でもみんな何処か憎めないんですよねw

本作は、そういう憎めないバカたちを愛でて楽しむ映画なんじゃないかと思います。
そういう意味では、ちょっと落語っぽい雰囲気もあるかな。

あと、デュードのもうひとりの友人で、多分一番まともっぽいドニーを演じてるのは、みんな大好きスティーヴ・ブシェミですよー!
個人的に、スティーヴ・ブジェミが出てる映画にハズレなしって思ってるんですが、本作もやっぱり面白い映画でした。

興味のある方は是非!!!

 

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