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今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

世界よこれが五社英雄だ!!「雲霧仁左衛門」(1978)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「鬼龍院花子の生涯」の五社英雄監督が、1978年に名優 仲代達矢主演で制作した時代劇『雲霧仁左衛門』ですよー!

「WOWOWぷらすと」で映画評論家の町山智浩と、時代劇研究家の春日太一さんが紹介していたのを見て、気になったので観てみました。
そしたらこれが、もうね、なんていうか、とにかくスゴイ作品でしたよー!

で、本作に限っては、ネタバレしても面白さに影響はない…というか先にある程度内容を知ってたほうが楽しめる映画だと思うのでネタバレ全開で書いていこうと思います。
なので、内容を知らずに観たいという方は、映画を観てから、この感想を読んでくださいねー!

いいですね? 注意しましたよ?

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71GajEGngdL._SL1200_.jpg

画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

非情な武家組織に追われて盗賊と化した男と、彼に熾烈な闘争を挑む火付盗賊改めの姿を描く、池波正太郎原作の同名小説の映画化。脚本は「影狩り」の池上金男、監督は「暴力街(1974)」の五社英雄、撮影は「愛情の設計」の小杉正雄がそれぞれ担当。(映画.comより引用)

トーリー:享保七年頃、江戸では盗賊の雲霧仁左衛門仲代達矢)率いる雲霧一味によって、豪商富商が次々と襲われ大金を奪われる事件が頻繁に発生していた。
安部式部(松本幸四郎)率いる火付盗賊改めは雲霧一味を捉えようと躍起になるも、雲霧一味はそんな彼らを出し抜き、まんまと大金をせしめていく。
そして、江戸での盗み働きに見切りをつけた仁左衛門は、最後の大仕事として、尾張屈指の呉服商、松屋丹波哲郎)を狙うのだが…。

 

 

感想

池波正太郎の原作を鬼才五社英雄が壊しまくる!

池波正太郎の原作、もしくは中井貴一版テレビドラマで「雲霧仁左衛門」をご存知の方も多いかと思います。
ざっくり簡単に言うと、怪盗団vs火付盗賊改めの出し抜き合戦というか、例えるならルパン一味vs銭形警部率いるインターポールみたいな感じの、ノワール(犯罪)作品(シリアス版)みたいな感じ。

原作とドラマ版での雲霧仁左衛門率いる「雲霧一味」は、ターゲットの豪商富商(大金持ち)に部下を潜入・調査して、ターゲットの金庫にある大金を盗むわけですが、強盗のように殺しはせず、盗まれたほうが気づかないほど一切の証拠を残さずに雲か霧のように消える鮮やかな手口で犯行を行う怪盗団。

そんな雲霧一味を追う安部式部率いる火付盗賊改め(鬼平犯科帳でお馴染みですね)との、知恵比べが見所なんですね。

と・こ・ろ・が、本作で五社監督は原作の醍醐味である知恵比べや出し抜き合いのロジックをバッサリとカット。
かわりに、ビックリするほどの血飛沫ぶっしゃー! 、首がぽーん! 、おっぱいバイーンの、エンタメアクション作品に仕上げたんですねー。

なので、ストーリーはぶっちゃけしっちゃかめっちゃかですが、とにかく映像のインパクトが凄すぎて「なんか凄いもの観た」って思わされる作品でしたねー。( ゚д゚)ナンカスゴイ…

超豪華キャストによる複雑な人間関係

実はこの作品、人間関係はかなり複雑だったりするんですが、その辺の描写をほぼ省いているので何も知らずに観た観客は「??」ってなっちゃうかもしれません。
というわけで、登場人物・グループの相関関係を書こうと思います。

雲霧一味

仲代達矢演じる雲霧仁左衛門によって結成された盗賊集団。
火付盗賊改めを出し抜き、次々と盗みを成功させ名を上げた。

火付盗賊改め

凶悪な組織犯罪に対抗するべく作られ、武力行使も許可されている刑事集団。
若き日の松本幸四郎(当時は先代の市川染五郎だった)演じる安部式部は、当時の長官。雲霧一味を逮捕することに執念を燃やしている。

星一

雲霧一味とは逆に、放火・殺人・強姦などなんでもありの盗賊。
映画冒頭で雲霧一味が狙っていた商家に押し込むも、火付盗賊改めに踏み込まれ壊滅状態に。

尾張藩

十年程前、当時家臣だった仁左衛門らに公金横領の罪をかぶせ、親族一同を殺し、家を焼き払ったうえ、許婚者まで奪った。

辻蔵之助

仁左衛門の兄。仁左衛門とともに尾張藩の追っ手から何とか逃げ延び、以来尾張藩に復讐の機会を狙っている。
演じているのは初代松本白鸚(当時は先代の松本幸四郎

富の市(宍戸錠

辻兄弟抹殺のため、尾張藩から派遣されたものの返り討ちに合う。
それでも何とか生き延びたが盲目になったため、按摩に身を窶し仁左衛門への復讐を誓っている。

大体こんな感じ。
メインは雲霧一味と火付盗賊改の対決ですが、後半では尾張藩仁左衛門の兄、富の市、暁星一味の残党が絡んで物語が進んでいくんですねー。

“権力”への復讐劇

ここで重要なのは、本作が辻伊織(雲霧仁左衛門)と兄の蔵之助、それぞれの復讐劇でもあるということ。
兄は「侍の誇りのために」自分たちを陥れた尾張藩に復讐の機会を狙っていて、弟は「天下の大盗賊」として名を成し、幕府(政府)の信用を落とすことで復讐しているんですね。
そして尾張で二人は出会い、待ちに待った機会が訪れるので一緒に復讐して欲しいと頼む兄に、仁左衛門は侍として死ぬなどバカバカしいと突っぱねる。

そんな二人の立場がラストで逆転するんですが、ここはまさに胸熱な展開なんですよねー!
実はさらにもう一人、密かに尾張藩への復讐を行っている人物が登場するんですが、それは見てのお楽しみ。
尾張藩(権力)に対しての復讐のスタンスが三者三様のアプローチなのが、個人的には「おぉ!」ってなりました。

こまけぇこたぁ、いいんだよ! 

とまぁ、ストーリー的にはこんな感じなんですが、本作の見所はそこではなくって、何と言っても映像のインパクです!

冒頭、多分誰もが「なんで!?」と驚くオープニングの後、商家に忍び込んだ暁星一味がとにかく犯す殺すの大暴れ。そこに火付盗賊改登場なんですが、馬に乗ったまま扉を突き破って馬に乗ったまま屋敷の中に突入し星一味を斬りまくるっていう衝撃的なスタートは、観ている誰もが「何が起こってるんだ!?」と混乱すること間違いなし!
っていうか、馬から降りたほうが絶対戦いやすいと思うし、馬の頭は木の扉を突き破るほどは固くないよ! っていうw

そして、岩下志麻演じる七化けの千代が超エロい
尾張の豪商、丹波哲郎演じる松屋と屋形船の中で濃厚な濡れ場があるんですが、ここでの岩下志麻は超色っぽいし、丹波哲郎とのキスシーンがとにかく濃厚です!
おっぱいも出てくるけど、ここは本人じゃなくて吹き替えだそうですが。
でも、誰のであれ、おっぱいには変わりありませんからねー!( ゚∀゚)o彡

あと全体的に、血しぶきの量が半端ない!
切られるたびにビックリするくらい大量の血しぶきがぶっしゃーで、
観てて思わず笑っちゃうくらいですw

中盤、尾張で雲霧一味の狙いを掴んだものの出張中の火付盗賊改に捕まり、司法取引でその情報を江戸の安部式部に話すため搬送される、櫓の福右衛門(成田三樹夫)を始末するため、仁左衛門自ら出陣するんですが、刀で籠を一刀両断、籠に乗っていた護衛(影武者だった)の首が真上にぽーんと飛ぶっていう、物理法則無視のド派手なシーンは、本作最大の見所かもしれませんw

ちなみに、雲霧仁左衛門の表の職業はストリップ小屋の経営者なんですが、そのストリップでかかる音楽がズンドコズンドコっていうアフリカの音楽っぽいw
そんな中、ストリップ嬢がポールダンスさながらにロウソクたての棒を掴みながらズンドコズンドコ髪を振り乱して腰を振るシーンは最高です!( ゚∀゚)o彡オッパイ( ゚∀゚)o彡オッパイ

しかし、何より最高なのは何と言っても、雲霧仁左衛門を演じる仲代達矢のカッコ良さ! 佇まいや話し方、声のトーン、目力。
荒っぽさがなく知的で、どこか実在感のない雰囲気はまさに雲霧仁左衛門といった感じ。でも「怒らせたらヤバイ」オーラはビンビン伝わってくるんですよねー!
さすがは名優 仲代達矢です。

そしてラスト、亡き兄の代わりに、兄の名を名乗って名古屋城に単身乗り込む時の、忍者装束と鎧の中間のような衣装姿が超カッコイイんですよねー!
そしてここで初めて怒りを顕にするですが、その時の迫力はそれまでの抑えた演技を一気に開放したようなド迫力でした!

殺陣もカッコイイし、背も高くてスタイルもいいし、さらにあのギョロっとした目で周りを見回す時の殺気には痺れました!

あと、劇中仲代さんは瞬きしないんですよね。
そこがまた、実在感のなさや迫力に繋がってるんじゃないかと。

あ、あと最後の最後に梅宮辰夫がいきなり出てきてあっという間に死にます。

とまぁ、こんな感じでとにかく見どころも突っ込みどころ満載の本作ですが、
うるせー! こまけぇこたぁいいんだよ! 面白ければそれでいいんだ!」という五社英雄監督のサービス精神が炸裂してる感じがして、約2時間半もある作品なのに、観ていて全然退屈しないんですよねー!

よく「過ぎたるは及ばざるが如し」なんて言いますけど、こと映画においては過ぎてる方が面白いに決まってますからねー。

そういう意味でも本作は、五社英雄作品に興味のある人なら必見の作品だと思いますよ!

興味のある方は是非!

 

 

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