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賞金稼ぎと賞金首、二人のオッサンの珍道中「ミッドナイトラン」(1988)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、名優 ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディン主演の傑作アクションコメディー『ミッドナイト・ラン』ですよー!
本作を観るのは多分3回目だと思うんですが、やっぱり何回観ても面白い映画でした!

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あらすじと概要

元警官のバウンティ・ハンターと、彼に捕らえられた横領犯のニューヨークからロスまでの壮絶な大陸横断アクション・コメディ道中記。横領犯を狙うギャングとFBIの追撃によるバイオレンス・シーンとC・グローディンの奇妙なキャラクターが引き起こす笑い、それにデ・ニーロの軽いフットワークの演技が心地よいアンサンブルになっており、ノンストップ・アクション全盛の当時にあっておおらかな正統娯楽活劇の作りが楽しい。(allcinema ONLINE より引用)

 

感想

ざっくりあらすじ紹介

本作は、「ゴッドファーザー」「ディア・ハンター」「タクシードライバー」など、数々の名作に出演してきた名優、ロバート・デ・ニーロが挑むアクションコメディーの傑作です。

元警官の賞金稼ぎジャック・ウォルシュ(デ・ニーロ)は、ニューヨークで捕まえた賞金首で元会計士のジョナサン・マデューカス(グローディン)、通称「デューク(公爵様)」を依頼人に引き渡すためロスに向かいます。

このデュークはギャングのお金を横領し、慈善団体に寄付したためにギャング、FBIに狙われてるんですね。
ジャックは、デュークにお金を貸した保釈金ローン会社の社長の依頼でデュークを捕獲、ロスに連れて行こうとするが……というストーリーなんですね。

賞金稼ぎとは

本作でデ・ニーロが演じている賞金稼ぎという職業、日本で馴染みのない制度なんですが、犯罪大国アメリカでは容疑者の数が多すぎて全ての人を拘束するとすぐに留置所が一杯になってしまうため大半は早々に保釈されるらしいんですね。

そこで、各裁判所の前にはベイルショップと呼ばれる保釈金専門の金融会社(保釈保証業者)が営業していて、容疑者はそこでお金を借りて保釈保証金を裁判所に納めて保釈されるわけですが、容疑者が逃亡して期日までに裁判所に出頭しないと保釈金は裁判所に没収されてしまうわけです。

そうすると金融会社は大損になるので、賞金稼ぎ(バウンティハンター)を雇って雲隠れした容疑者を連れ戻してもらうんですね。

で、会計士のデュークはギャングのお金を横領してるので刑務所に入ると報復で手下に殺されてしまうし、ギャングは報復だけでなく裁判でデュークに裏帳簿の事を証言されると自分たちも逮捕されるので、その前にデュークを始末したい。
FBIはデュークを逮捕してギャングの証言を得たい。
保釈金ローン会社の社長は、期日までにデュークを裁判所に出頭させないと破産してしまう。

というわけで、デュークはギャング、FBI、ローン会社から追われているわけです。

チャールズ・グローディンの好演

本作は、ギャングとFBIに追われながらニューヨークからロスを目指す、ジャックとデュークのロードムービーでもあり、バディ(相棒)ムービーでもあります。

そんな本作の見所は、二人の会話シーンとデューク役のチャールズ・グローディンの好演にあるんじゃないかと思います。

チャールズ・グローディンは俳優・コメディアン・プロデューサーと多彩な人で数々の映画に出演、米国では数々の賞にも輝くベテランなんですが、本作では正義感が強いわりにとぼけたキャラクターで、デ・ニーロを食ってしまうほどの存在感を見せています。

漫才で言えばデュークがボケ役、ジャックがツッコミ役で、映画の序盤はジャックに注目して観ているのに、いつの間にかデュークの方に肩入れしてしまうんですよね。

特に二人の会話やコメディーシーンでは、チャールズ・グローディンがデ・ニーロをリードしているようにも見えましたねー。

お手本のような構成

そして改めて観ると本作の構成はとても良く出来ていて、まさにストーリー作りのお手本というか、教科書的な作品でもあります。

コメディーとアクションとストーリーが全て連動していて、アクションやコメディーシーンでストーリーが止まることがなく、逆にどんどんスイングしていくんですよね。

例えば序盤、ニューヨークでデュークを捉えたジャックが、飛行機でロスまで連行しようとするも、デュークは「飛行機恐怖症」で仕方なく列車で移動するんですね。
で、その行動が結果的にギャングとFBIを出し抜く形になるとか。

一見ノリで作っているいかにもな80年代のドタバタコメディーのようで、実はしっかりと全体の流れが計算されているんだなーと。
ちなみに、本作の脚本は「ビバリーヒルズコップ」の ジョージ・ギャロが担当しています。

バディムービー

ジャックはシカゴの元警官なんですが、一人だけギャングの買収に応じなかったため、仲間が仕掛けた罠にハメられ、家族と職を失い賞金稼ぎに。
一方デュークの方は、会計士としてギャングの裏帳簿を発見し、正義感から裏金を慈善団体に寄付してしまい命を狙われるハメになってしまいます。

性格や行動は正反対ですが、実は二人は似たもの同士なんですね。
本作はそんな二人が、最初は反目しつつも、ストーリーが進むうちに信頼しあっていくという、王道のバディムービーです。

今観るといかにも80年代感溢れる作品ではありますが、前述したようにとても良く出来た物語だし、笑えて泣けてスカっとするエンターテイメント作品で、年代に関係なく楽しめると思いますよ!

興味のある方は是非!!