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リチャード・リンクレイターが描く青春映画の傑作!「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督が描くボンクラ青春映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』ですよー!

映画ファンの間では公開時から大評判だったのですが、タイミングが合わなくて劇場で観る事が出来なかったんですよねー。
で、ついにレンタルが始まったので早速観てみましたー!

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あらすじと概要

6才のボクが、大人になるまで。』で話題をさらったリチャード・リンクレイターが、監督と脚本を務めた青春ドラマ。野球推薦で大学に入学した主人公がこれからの数年を共にすることになる仲間たちと出会い、授業開始直前に過ごす濃密な時間を映す。出演は、ブレイク・ジェナー、ゾーイ・ドゥイッチ、グレン・パウエルら。主人公たちの青春が共感を呼ぶ。

トーリー:1980年夏、ジェイク(ブレイク・ジェナー)は、野球の推薦入学生として大学に通うことになる。本格的に授業がスタートする前の数日間、彼は新しく知り合ったチームメイトたちと共にどんちゃん騒ぎを始める。話題は野球や女子たちのこと、好みの曲や下品なジョークまでといろいろで……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

6才のボクが、大人になるまで。』の続編!?

本作の監督はベルリン国際映画祭監督賞を受賞した「ビフォア・サンライズ 」とリアルタイムでその9年後を描いた『ビフォア・サンセット』や、2002年から2013年まで12年間をかけて一人の少年の成長を追った「6才のボクが、大人になるまで。」などで知られるリチャード・リンクレイター

そんな世界中の映画ファンに注目されている彼の最新作が本作「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」で、監督は本作を夏休みを迎えた高校生の日常を描いたグラフィティ・コメディの傑作「バッド・チューニング」と「6才のボクが、大人になるまで。」の精神的続編的なものだと考えているとインタビューで答えているそうです。

「6才の~」では、6才の少年メイソンJr.が18才になり、母親の元を離れて大学寮に入るまでを描いていますが、本作は18才のジェイクが野球の推薦入学生として地元からテキサスの大学寮にやってくるところから、大学の一学期が始まるまでの3日間(と15時間)を描いた作品なんですねー。

ボンクラ野球部員たちがバカ騒ぎする超ゴキゲンな映画

本作の舞台は1980年代の南東テキサス州立大学。撮影はオースティンを始め、テキサス州各地で撮影されているそうです。

オープニング早々、ジェイクがザ・ナックの『マイ・シャローナ』をカセットテープでかけながらオンボロの愛車で野球部の寮にやってくるシーンで、「あ、ゴキゲンな映画だ」という匂いがプンプン。

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そして大学の野球部員用の学生寮(市が借りた一軒家)に到着したジェイクは、一癖も二癖もありそうな先輩たちや新入生の仲間たちに出会います。

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もうね、こいつらが如何にもな「僕らがイメージするアメリカのウェイウェイな若者」って感じで、チ〇コとおっぱいの話ばっかしてます。
小学生か!w

また、購入したウォーターベッドに水を入れてたら二階の床が抜けそうになったり、女の子をナンパしたりフラレたり、地元の店で飲んだり、ナンパしたり、ケンカして出禁になったり、寮で乱痴気騒ぎしたり、エッチしたり、演劇科のパーティーに乱入したり、ナンパしたり、エッチしたり、大麻吸ってラリったり、恋したり、下らないイタズラに興じたり。

お前らホントに強豪野球部なの? と呆れつつも、彼らの下らないけど超ゴキゲンな様子に思わず観ているコッチもつられて笑っちゃうんですよねーw。

ただのバカ騒ぎ青春映画ではないほろ苦さも

ただ、そんなバカ騒ぎの合間に、彼らがスポーツという勝負の世界で勝ち抜いてきたエリートだと感じさせるシーンも。

例えば、卓球やダーツ、ビリヤード、ゲンコツの骨の部分を爪で弾く(日本で言えばデコピンやしっぺ的な)我慢比べなど。
どうでもいい遊びでも彼らは異常なくらい勝負にこだわり、負けるとガチギレするくらい負けず嫌い。
他にも自分はプロ志向で大学やプロからもスカウトが来たとやたら自慢しまくる自称153キロのボールを投げるヤツもいます。

要は、それぞれが子供の頃から野球一筋で、ライバルたちとの争いに勝ち残って強豪校のスポーツ推薦を勝ち取ったというプライドもあり、一方でビックマウスで自分を鼓舞することでライバルに弱みを見せまいとする弱さも抱えている普通? の若者なんですよね。

新入生たちも強豪校の中で通じるのかという不安を抱えていて、そんな彼らプライドと将来への不安。期待と諦めをバカ騒ぎの最中にちょこちょこ挟み込んでいく事で、本作はただゴキゲンなだけのバカ騒ぎだけじゃない、厚みのある「青春映画」になってると思います。

舞台が大学っていうのも絶妙ですよね。
大学は大人時代への入口でもあって、高校生の時よりも自由だけど、その先には社会人っていう現実が見えていて子供の頃みたいに無邪気なままではいられない。
社会に出る準備期間でもあるし、社会へ出るまでのモラトリアム期間でもあるわけで、学年が上がるほど現実が迫ってくるわけですよ。

なので、大学の一学期が始まる前の3日間はジェイクにとって、無邪気な子供でいられる最後の時間なんですね。

また、劇中の時間も前作「6才の~」で12年をかけてじっくり子供の成長を描いたのに対し、本作では時間をたった3日間に限定したのも、両作が「対」になるように監督は考えていたのかもしれません。

という事も含めて、本作はゴキゲンでちょっぴりほろ苦い青春映画の傑作です!

興味のある方は是非!!

 

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