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自転車レースを題材にした青春映画「疾風 スプリンター」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、自転車のロードレースに青春をかけた若者たちの物語『疾風 スプリンター』ですよー!

この作品は香港映画なんですが、劇映画で、実写で、ここまで自転車レースの迫力をガッチリ描いた、まるで、スポコン少年漫画そのまま実写化したような作品でしたー!

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あらすじと概要

自転車ロードレースの世界を舞台にしたドラマ。固い絆と友情を育みながらも激しく競い合う、プロロードレーサーたちの姿を追う。メガホンを取るのは、『ブラッド・ウェポン』『クリミナル・アフェア 魔警』などのダンテ・ラム。『激戦 ハート・オブ・ファイト』などのエディ・ポン、『ドラゴン・ブレイド』などのチェ・シウォン、『神なるオオカミ』などのショーン・ドウらが共演する。出演陣がノースタントで挑んだ迫力満点のレースシーンの数々に魅せられる。

ストーリー:チョン・ジウォン(チェ・シウォン)をエースとする、自転車ロードレースの強豪チーム「チーム・ラディアント」に、アシストメンバーとしてチウ・ミン(エディ・ポン)とティエン(ショーン・ドウ)が加入する。誰よりも速く走ることを目指して、血のにじむような努力を重ね絆を育み、力を合わせてチームをけん引していく三人。だが、ライバルの「チーム・ファントム」と激しい攻防を繰り広げる中、チームが資金難に陥ってしまう。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

まるでスポコン漫画の実写版のような青春劇

本作を観終わって最初に思ったのは「弱ペダ(弱虫ペダル)の実写版みたい」でした。
弱虫ペダル渡辺航さんが週間少年シャンピオンに連載中のロードレース漫画で、高校の自転車ロードレースチームがインターハイで日本一を目指すという物語。

2013年から、テレビアニメも放映されている大人気漫画です。

で、本作「疾風 スプリンター」は、プロのロードレースの世界で戦う若者たちの栄光と挫折、そして復活を描いた作品ですが、ストーリー展開がマンガっぽいというか、悪い意味ではなくてスポコン漫画の熱い展開をそのまま実写にしたような熱量の高い作品だったんですね。

主演は台湾出身のエディ・ポン、中国出身のショーン・ドウ、K-POPグループ「SUPER JUNIOR」のチェ・シウォン。
そして、ヒロイン役に中国出身のワン・ルオダンがほぼノースタントで体当たりの演技を見せています。

監督は香港映画の重鎮ダンテ・ラム。
近年は「激戦 ハート・オブ・ファイト」「クリミナル・アフェア 魔警」など、香港ノワール作品で高い評価を得ている監督らしいです。

ちなみに僕は本作がダンテ・ラム作品初鑑賞でしたよ。(多分)

ざっくりストーリー紹介

台湾?の自転車ロードレースの強豪チーム「チーム・ラディアント」の入団テストに、二人の青年が合格します。
一人は、戦略に長けているもののスタミナに問題があるティエン(ショーン・ドウ)と、もう一人は入団テストでエースのチョン・ジウォン(チェ・シウォン)にバトルを仕掛ける自信家で才能も十分のチウ・ミン(エディ・ポン)。

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二人はそれぞれの才能を生かし、エース・ジウォンのアシストとして、チームの勝利に貢献するものの、ある日「チーム・ラディアント」は経営難に陥り解散。
エースのチョン・ジウォンを含む三人はそれぞれ別のチームに移籍し、敵同士となり……。という物語。

そして、ミンとティエンがヒロインでアマチュアロードレーサーのシーヤオ(ワン・ルオダン)を取り合うラブコメ展開なんかもあったりするんですねー。

ぶっちゃけドラマパートは……

二人が「チーム・ラディアント」に合格し、次第にチームの要になっていく序盤。
ガキ大将みたいなミンが、早く帰ろうと適当に自転車の手入れを終わらせると、副監督(実質マネージャー的な女の子)が腕組みをして立ってるところとか、ミンとティエンがシーヤオの気を引こうとなんやかんや張り合うところとか、一昔前のドラマで使われてるようなコメディーチックなBGMも相まって、観ているコッチが照れちゃうような演出。

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もうね、ラブコメ学園漫画かー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

とw

そのほかにも、全体的に物語的に鈍重に感じる部分もあったりして、ぶっちゃけドラマパートはスマートとは言えないんですよね。
ただ、例えばミンとシーヤオが初めて心を通わせるシーンとか、基本ドラマパートも自転車が絡む作りになってるのは好感がもてました。

あと、自転車レースの戦略自体が、キャラ描写やストーリー自体に深く繋がっているのも良かったですよ。

宇多丸師匠も評論の中で語ってましたが、ラストシーンでは主要キャラだけでなく、選手全員にそれぞれのドラマがあるんだっていう事が分かるエンディングなんですが、それはスポーツだけに限らずで、ロードレースっていう題材を通して若者たちの普遍的な成長の物語を描いているんだと思います。

圧巻のレースシーン

で、本作の白眉は何と言っても、自転車のロードレースシーン。

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何百台という自転車が、猛スピードで街中や山、砂漠を疾走する様子はそれだけで大迫力だし、クラッシュのシーンは本当に痛そうでΣ(||゚Д゚)ヒィ~!! ってなります。

劇中で登場するレーサーの人たちは、基本薄いジャージしか着てないので、サポーターとか身を守るものが仕込めないんですよねー。
なので、主要キャラだけじゃなくて、他の出演者の人たちも怪我をしたり、中には重症を負った人もいたようです。

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エンドロールではそんな出演者たちの様子を、ジャッキー映画さながらにNGシーンで出してるんですけど、救急車で運ばれたりジャージが破れて傷だらけだったりと、ホント痛そうでしたねー。

またレース中のギアチェンジとか、細かいカットを差し込んだり、(チーム戦なので)エースとアシストが交互に入れ替わって風よけになったり、フォーメーションを組んだりする様子は、「これ弱ペダでやってたヤツ!」って思ってテンションが上がりましたねー。

あと、ただのど根性パワーだけじゃなく、勝敗にロジックがちゃんとあるのも良かったです。

「でも、自転車レースのルールが分からないとつまらないんじゃ」という心配も無用。
レースのシーンでは、ちゃんと中継のアナウンサーと解説者が、大事なところは教えてくれる親切設計になってます。

もちろん、本当のロードレースを知ってる人が観れば「そんなアホな」ってシーンも沢山あるみたいなんですけど、少なくとも「物語内でのリアリティー」は担保されてるので、素人目にデタラメ過ぎて物語に乗れないってことはないんじゃないかな。

メインはあくまでキャラクターの成長なので、自転車ロードレースに興味のある人もない人も楽しめる、青春映画だと思いました。

興味のある方は是非!!

 

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