今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

Jホラー界の二大スターが夢の対決!……なのだが…「貞子vs伽椰子」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、Jホラー界の二大スーパースター、「リング」の貞子と「呪怨」の伽椰子の夢の対決で話題になった『貞子vs伽椰子』ですよー!

『VS映画』大好きな僕としては、かなりワクワクしながら観始めたんですが……。
結論から書くと、正直肩透かしを食らった感じでしたねー。(´ε`;)ウーン…

というわけで、今回はネタバレ全開になるので、これから本作を観る予定の人は、先に映画を見てくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

http://eiga.k-img.com/images/movie/83789/photo/02795e8003e98df8.jpg?1462165755

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

世界でも評価の高いJホラーの2大キャラクター、『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズの伽椰子の対決を描くホラー。貞子と伽椰子、さらには『呪怨』シリーズの俊雄も絡み、恐怖のキャラクターたちによる衝突を活写する。主演は、『東京PRウーマン』などの山本美月。監督には『戦慄怪奇ファイル』シリーズや『ボクソール★ライドショー~恐怖の廃校脱出!~』などの白石晃士。Jホラー界を代表するキャラクターたちの対決の行く末に期待。

ストーリー:女子大生の有里(山本美月)は、あるビデオを再生する。それは、観た者に貞子から電話がかかってきて、2日後に死ぬという「呪いの動画」だった。一方、女子高生の鈴花(玉城ティナ)は引っ越し先の向かいにある「呪いの家」に入ってしまう。霊媒師の経蔵(安藤政信)は二つの呪いを解くために、呪いの動画の貞子と呪いの家に居る伽椰子を激突させようとするが……。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

あの二大スターがついに激突!……だが…。

昨年、最初に本作の噂を聞いたときは、個人的にかなり盛り上がりました。
1990年代後半から2000年にかけて社会現象を巻き起こしハリウッドでリメイクもされた「リング」シリーズの貞子。
2000年の『Vシネ』からスタートして口コミによってJホラー界スターダムに上り詰め、ハリウッド進出まで果たした伽椰子。
という、共に現在のJホラー界の潮流を作りハリウッドに進出した二大スターの直接対決とくれば、これはもうホラーファンならずとも勝敗の行方が気になるってものです。

ただ、同時に僕はかなりの怖がりでもあり、またVシネ版の「呪怨」がトラウマになるくらい怖かったこともあって、ズルズル観ないまますっかり忘れてしまってたんですねー。

で、今回機会があってやっと観てみたわけですが、……ワクワクした分、肩透かしを喰らった感は否めませんでしたねー。

先攻は貞子。
まずはお婆ちゃんと訪問介護ヘルパーのお姉さんをサクッと呪い殺します。
そして、友達の夏美(佐津川愛美)から、結婚式のビデオをDVDに焼いて欲しいと頼まれた有里が、再生用にリサイクルショップで購入したビデオデッキの中に入ってたのが「呪いのビデオ」で、それを観てしまった夏美を助けようと大学の教授やら霊能者やらを頼るんですね。

http://eiga.k-img.com/images/movie/83789/photo/f898a73eac0db06b/640.jpg?1460014375

画像出典元URL:http://eiga.com

後攻は伽椰子と息子の俊雄。
家に入ってきたいじめっ子といじめられっ子をサクッと呪い殺し(主に俊雄が)、隣に引っ越してきた女子高生の鈴花を引っ張りこもうとするんですねー。

http://eiga.k-img.com/images/movie/83789/photo/5d03dfcd6360601f/640.jpg?1460014377

画像出典元URL:http://eiga.com

この辺は、家に入ってきたら即呪い殺せる伽椰子・俊雄タッグの方がスピードで勝る感じで、逆にドラマパートは、ビデオを見た二日後に死ぬ呪いを持つ貞子の方が担う形。

しかし、貞子も自分を祓おうとした大学教授や霊能者とその助手を呪い力で順調に殺し貫禄をアピール。

ただ、霊能者に呼び出されてホイホイ出てきちゃうのはどうなのかなーという感じもしましたけども。
僕の記憶では、もっとこうジワジワ攻めるのが貞子の流儀だと思ってたので、ちょっとキャラがブレてる感じがしなくもないというか。

まぁ、キャラがブレちゃう問題は“VS映画”ではしばしば起こりがちではあるし、物語の展開上致し方ない部分もあるんでしょうけども。

それは伽耶子&俊雄も同じで、怖がらせる時間が短いんですよね。
僕みたいに怖いのが苦手な人間にとっては助かるんですけど、Jホラーのツボは外してる感じがしました。

それからスッタモンダあって、最強霊能者の経蔵と相棒の少女・珠緒の案によって、両者をぶつけて共倒れさせようという事になり、ついに両雄の対決が実現となるんですねー。

ストーリー・登場キャラクターの強引さ

ただ、ここまでの展開で正直「あれー?」ってなってるわけですよ。
まず、主人公の有里と鈴花に繋がりがまったくないし、子供たち、リサイクルショップの店員、鈴花の両親、大学教授、霊能者という他の被害者も書割的というか、貞子・伽耶子に殺されるためだけに登場してる感じがバリバリなんですよね。

キャラクター同士の繋がりも薄く、物語も貞子・伽耶子のパートがバラバラに進んでいくので誰にも感情移入出来ないし、だから物語にも入り込めないっていう。

あと、後半登場する最強霊能者経蔵・珠緒コンビも、いかにも強そうな感じで登場するわりに、やることなすこと行き当たりばったりで、たいして役に立たないんですよね。
キャラがいいだけにもったいないです。

http://eiga.k-img.com/images/movie/83789/photo/585b23040789b550/640.jpg?1460014378

画像出典元URL:http://eiga.com

結局、貞子VS伽耶子の対決のために、逆算してストーリーを後付けで組み立てて、その物語を進めるためにキャラクターを配置してる感じで、観ている方からすると完全に他人事になっちゃうんですよねー。

そして肝心の対決でも…

でもね、それでも構わないんですよ。
結局この映画は、貞子と伽耶子のどちらが最強なのかっていうのが一番の肝なので、その対決さえ面白ければ他のことは大した問題じゃないんです。

最強霊能者・経蔵のプランは、既に貞子の呪いにかかっている有里は伽耶子の家に入ることで、伽耶子に呪われている鈴花は伽耶子の家で呪いのビデオを見ることで、それぞれ二つの呪いがぶつかり合って相殺されるというもの。

そのプラン通りにことは進み、ついに貞子と伽耶子が対決!
本作で一番盛り上がるシーンのスタートですよ!*1ワクワク

まずは先発俊雄の登場。
二人に襲い掛かろうとします。
その時テレビ画面から髪の毛が出てきて俊雄をテレビの中に引っ張り込んだかと思ったら、画面から満を持して貞子姐さんの登場

しかし、息子をやられた最強の引きこもりママ伽耶子も黙ってはおらず、ギ・ギギギというお馴染みの奇声を上げながら二階から登場します。

ついに両者にらみ合いからのファーストコンタクト!
「ぽっと出の小娘が!」とばかりに得意の髪の毛殺法で、伽耶子を苦しめる貞子姐さん。やはり年期が違うのか! 伽耶子はどう反撃するかと思ったら、経蔵から「計画失敗! プランBだ、裏の井戸に来い!」と携帯電話で有里・鈴花に指示が。

 

まだ貞子vs伽耶子の対決の途中でしょうがーーー!!田中邦衛風に)

 

そんでこのプランBもヒドイんですよね(;´Д`)

有里と鈴花のどちらかが貞子と伽耶子を道づれに、古井戸に落ちて死ぬっていう。

いやいやいやいやいや、経蔵、ちょっ、おまっ……、この役立たずが!

で、結局姐御肌の有里が貞子と伽耶子をおびき寄せるために、古井戸から身を投げようとすると、そこに貞子と伽耶子登場。

「さぁ、第二ラウンドか!」 と思ったら、両者突進して古井戸の真上でドーーーン!
その衝撃波で経蔵は腹から真っ二つに。
そして、貞子&伽耶子は有里と共に古井戸の中へ。

すかさず、経蔵の相方珠緒が鈴花に、封印用の蓋をしめるように指示。
鈴花が言われた通り古井戸に蓋を閉めてめでたしめでたしかと思いきや、
蓋がバーーン!

中から合体した貞子と伽耶子、つまり貞耶っ子(さだやっこ)が
ドーーーン!

鈴花と珠緒が「ギャーーーー!」で、終わり。

 

え?( ゚д゚)  (つд⊂)ゴシゴシ え?( ゚д゚)………

 

結局ほとんど対決してねーーーー!!

 

いや、分かる。分かるんですよ。
きっと予算も少なかったんだろうし、そもそも貞子と伽耶子は肉体派ってわけじゃないから肉弾戦ってわけにもいかないし、なんかこう、ああするしかなかったんだよね。
うん、分かるよ。

で も さ。

天下の貞子と伽耶子の対決シーンにしちゃぁ時間が短すぎる上にあまりにもショボすぎるんじゃないですかねぇぇ!?

だったら、前半でもっと二人の魅力を見せつけないとだし、ラストも呪いの力で日本が全滅するくらいぶっ飛んだオチにしないと物足りないでしょ!

いや、VS映画はいわばお祭り映画なんだから、いっそ最後は地球が爆発するくらいのことしたっていいんだよ!

三池崇史連れて来ーーーい!!(分かる人だけ分かるネタ)

結局、ストーリーもキャラクターも、肝心の対決も中途半端だし、EDロールのあとに、呪いのビデオに貞耶っ子(さだやっこ)が出てくる取ってつけたようなオチが。
結局、伽耶子と俊雄が家からビデオに引っ越しただけじゃん!

っていう、全部のツボを外したコレジャナイ感溢れる作品でしたねー。

監督の白石晃士さんは、ホラーではなくなっている『フレディVSジェイソン』については、反面教師にしたと語っているようですが、これだったらフレディVSジェイソン』の方が100倍面白かったなーって思いました。

興味のある方は是非。

 

▼面白かったらポチッとお願いします▼


映画レビューランキング

 

*1:o(´∀`)o