ぷらすです。
今回ご紹介するのは、ハリウッドがリメイク権を獲得した事で話題になった、ブラジル発のクライムアクションムービー『トゥー・ラビッツ』ですよー!
監督を務めるアフォンソ・ポイアルチは本作が長編デビュー作だそうですが、時間軸の入れ替えやスタイリッシュな映像から、ブラジルのタランティーノと呼ばれてるらしいですよ。
ちなみに今回はわりと文句多めになると思うので、そういうのが嫌な人や本作が好きな人は読まないでくださいね。
いいですね? 注意しましたよ?
画像出典元URL:http://eiga.com
あらすじと概要
新鋭のアフォンソ・ポヤルトがメガホンを取り、社会の腐敗を軸に描くクライムアクション。自堕落な生活をしていた主人公が、巨悪に立ち向かおうとする姿をスタイリッシュに映し出す。テレビドラマやショートフィルムを中心に活躍するフェルナンド・アウヴェス・ピントらが出演。複雑に絡み合う人間模様、先が予想できない展開に興奮する。
ストーリー:ブラジルのサンパウロにいるエヂガールは、ポルノを見たりテレビゲームをしたりして暮らしていた。腐り切った社会を嫌悪する彼はギャングのボス・マイコンの金を奪うと同時に、悪徳政治家を制裁する計画を練る。一方、検察局勤務のジュリアは、マイコンとの関係を疑われたことにより、内部調査の対象となり……。(シネマトゥデイより引用)
感想
タランティーノ的時間軸シャッフルとスタイリッシュな映像?
本作は犯罪者や汚職議員などが沢山登場する、いわゆるクライムアクションです。
時間軸シャッフルとスタイリッシュな映像。ラストのどんでん返しなどは、確かに初期のタランティーノ的と言えるかもですが、多分アフォンソ・ポヤルト監督はタランティーノ・フォロワーって訳ではないって思うんですよね。
時間軸シャッフルは最早、映画の手法として一般的だし、映像の方も色々な映画の影響を受けている感じがしました。
ただ個人的には、映像に加工を施しまくってアニメまでつけるガチャガチャうるさい映像に、主人公エヂガールのナレーションによる説明や文字が被ってて、最初は字幕で観始めたけど直ぐに吹き替えに変えましたよ。
もうね、映像がうるさ過ぎて内容が頭に入ってこないのです。
ざっくりストーリー
さらに、本作では登場人物も多いんですよね。
主人公エヂガールは、脇見運転で人身事故を起こしたものの罪には問われず、ほとぼりが冷めるまでアメリカに飛び、“ある計画”のためにサンパウロに戻ってきました。
彼が事故で命を奪ってしまったのは、元大学教授のヴァルテルの奥さんと息子。
ヴァルテルは、ショックから大学教授を辞めて今はエヂガールの父親のレストランで働いています。(父親の、せめてもの償いなんでしょう)
ちなみにエヂガールが罪に問われなかった のは父親が汚職議員のジャダールに金を渡して裁判で便宜を図ってもらってたからなんですね。
一方、サンパウロでは宝石会社の金庫から現金を盗んだ女性と娘が攫われて殺される事件が。
裏でこの事件の糸を引いていたのはマイコンという名の冷酷な悪党率いるギャングたちで、実行犯の一味は金をマイコンに渡しあとで分け前を受け取る約束だったけど、結局マイコンたちに殺されてしまいます。
大金は得たものの、犠牲者の女性の死体が上がったことで殺しの容疑がかけられ窮地に立たされたマイコンは、女性検事ジュリアと弁護士のエンリケ夫婦にジャダールに金を渡して事件をもみ消す事を提案されます。(二人はこれまでもジュリアが証拠を盗みエンリケが裁判で勝つという裏ビジネスをやってた)
そしてエヂガールは、自分の腕時計とケータイを盗んだ強盗と手を組み、ジャダールに渡されるハズの大金の強奪計画をまんまと成功させるのだが……というストーリー。
ただでさえ、登場人物が多いのに時系列シャッフルされて先の見えないストーリーなので、冒頭からかなり集中してないと置いていかれてしまうかもしれません。
で、わざわざ時系列シャッフルしている割には、展開がまどろっこしくて中々核心にたどり着かないので、正直イライラしました。
後出しジャンケン
そんな感じで中盤以降、物語の全貌と登場人物の相関関係が分かるようになってはいるんですが、この観せ方も「実はこうでした」「実はこうなってました」っていう後出しジャンケンのオンパレードで上手くないなーと。
何ていうか、新たしい事実が明かされても「はいはい、またですか ┐(-。ー;)┌」って感じになっちゃうのです。
あと映像も、ちょっと昔に流行ったスーパースローからの早送り的な繰り返しを多用してたり、人物紹介で「スーサイド・スクワッド」的な止め絵にしたり(映画としてはスーサイドの方が後ですけども)、アニメを入れてみたり絵と映像を組み合わせたりと映像がとにかくうるさいw
その割に、肝心のアクションシーンでは変なところで引き画気味だったり、テンポがあまり良くなかったりするので、あまり迫力もなく。映像的な説明が足りてない印象でした。(もしかしたら、オチに向けてわざとダサい演出を繰り返してるのかもだけど)いかにも若手監督がやりたがりそうな映像のオンパレードで正直辟易しましたねー。
オチのどんでん返し
にも関わらず、ハリウッドがリメイク権を獲得に乗り出したのは、多分オチのどんでん返しがあるからじゃないかと思うんですね。
確かに驚いたし、思い返せばオチに至る伏線は貼られていたんですが、ここもやっぱり後出しジャンケン感があるし、「じゃぁ“アイツ”はどこまでが計画だったの?」と新たな疑問も湧いてくるんですよね。
っていうか、結局新たな被害者も産んじゃってるし、それってただの独りよがりじゃね? って感じもするし。
なんかこう色々モヤモヤしてしまうんですよね。
うぅーん……、僕がちゃんと読み取れてないのかなー?
というわけで、僕には合わない映画だったんですが、観る人が観れば面白いのかもしれません。
興味のある方は是非!
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