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俳優メルギブ復活の狼煙!「ブラッド・ファーザー」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、近年では監督として高い評価を得ている俳優のメル・ギブソンが久しぶりに主演を務めたアクションスリラー『ブラッド・ファーザー』ですよー!

少年時代に「マッドマックス」や「リーサルウェポン」を観ていた世代の人なら思わずグッときてしまう、俳優メルギブ復活の狼煙となる作品です!

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あらすじと概要

『ブレイブハート』など監督としても活躍しているメル・ギブソン主演のアクション。あるトラブルから、ギャング、警察、殺し屋に追われる娘を守り抜く元犯罪者の姿を追う。メガホンを取るのは、『アサルト13 要塞警察』などのジャン=フランソワ・リシェ。『天国の口、終りの楽園。』などのディエゴ・ルナ、『ファーゴ』などのウィリアム・H・メイシーらが出演する。

ストーリー:裏社会から去り、アルコール依存症から抜け出すためのリハビリをしながらひっそりと暮らしているジョン・リンク(メル・ギブソン)。ある日、数年前から音信不通だった娘のリディアが、彼の暮らしているトレーラーハウスを訪ねてくる。彼女はギャングとのもめ事を抱え、さらに警察と殺し屋にも追われていた。ジョンは、裏社会で培ってきたスキルを活用し娘を守ろうと……。(シネマトゥデイより引用)

感想

メル・ギブソンという男

メル・ギブソンといえば、伝説のアクション映画「マッドマックス」シリーズの初代マックスや「リーサル・ウェポン」シリーズのリッグス刑事を演じ、80年代のアクション映画を牽引したスターの一人。

また、「アポカリプト」や「ハクソーリッジ」など、映画監督としても高い評価を受ける一方、プライベートでは、アルコール依存症、離婚やDV疑惑、飲酒運転や人種差別発言など、多くの問題行動(発言)を起こしている事でも有名なんですね。

本作で彼が演じる主人公ジョン・リンクは、そんな浮き沈みの激しいメルギブ自身を投影したようなキャラクター。

元凶悪バイカー集団の構成員で、殺人などの罪で7年間の刑務所生活を終え、人生をやり直そうと禁酒セラピーに通い、トレーラーハウスで彫師をしながら細々と一人暮らしを送るリンクには、行方不明のリディア (エリン・モリアーティ)という一人娘がいます。

そのリディアはというと、母親と反りが合わずに家出をし、悪い男と付き合って麻薬の味を覚え、強盗殺人の片棒を担がされるんですが、間違って彼氏を射ってしまうんですね。それで、メキシコ麻薬カルテル系ギャングに追われてリンクに連絡してくるところから、物語が始まります。

本作は、そんな親子が敵組織に追われながら、一度は壊れた親子の絆を再生していくロードムービーで、また、元凶悪犯罪者の贖罪の物語でもあるんですね。

最強の極悪オヤジ

悪の組織から娘を守るために闘う最強オヤジの物語といえば、リーアム・ニーソンの「96時間」を連想しますが、ニーソンが演じるのが元CAIエージェントだったのに対し、本作でメルギブが演じるリンクは元極悪なバイカーギャング。

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普段は老眼鏡をかけて刺青を彫っている初老の男ですが、銃を持って娘を追ってきたギャングの若造相手にも一歩も引かずにド迫力の銅鑼声で一喝。さらに彼らの刺青をチラリと見ただけで所属組織を特定し、駐車している車をサクッと盗み、ハーレーを手足のように乗り回し、バイカーギャングのボスや、刑務所の中にいる“友人”にコネを持つ正真正銘本物のワルなのです。

若い頃は甘いマスクでアイドル的人気だったメルギブの、還暦を超えて深い年輪が刻まれ渋みが増した顔面に筋肉モリモリの腕が、そんな悪くて渋くてカッコイイ極悪オヤジというキャラクターにリアリティーを持たせてましたねー。(;゚∀゚)=3ハァハァ

マッドマックスとリーサル・ウェポンオマージュも盛りだくさん

本作では、メルギブが過去に主演した「マッドマックス」「リーサル・ウェポン」オマージュがふんだんに盛り込まれています。

主人公リンクがトレーラー暮らしなのは「リーサル・ウェポン」のリッグス刑事を思い起こさせるし、彼のトレーラーが襲撃され蜂の巣になるのは「リーサル・ウェポン2 炎の約束」のオマージュ。

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そして砂塵舞う荒野のシーンが続く展開は、メルギブの出世作「マッドマックス」を思い出さずにはいられないし、バイクを運転しながらストックを短くした2連ショットガンの片手打ちする姿はもう、モロにマックスですよ。

さらに、後半のクライマックスでの格闘シーンでは、両手を縛られたままの頭突きやリッグス刑事の得意技「噛みつき攻撃」まで網羅されてますからね。
もう、当時のファンなら「俺たちのメルギブが帰ってきた!
ヽ(;▽;)ノ」
と、思わずグッときてしまうんじゃないでしょうか。

前半で蓄えていた髭を、刑務所の“友人”に会うために剃ると、深いシワが増えているものの、懐かしいメルギブの顔になる演出も憎いですよねー。

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滅び行く種族

中盤、娘のリディアを連れて昔馴染みのバイカーギャングのボスに会いにいくリンク。
そこで、リディアに向かってボスが「俺たちは滅び行く種族だ」と言うシーンがあるんですね。

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これはもちろん、バイカーギャングが時代遅れの存在という自嘲の言葉なんですが、何となく80年代のマッスル思想で荒々しいアクション映画や、そんな映画を愛するファンに向かられた言葉のようにも感じたし、格闘技やリアルな銃の扱いを盛り込んだ“今どきのシュッとした”アクション映画に対するアンチテーゼのようにも感じました。

ダメ父親がたった一つだけ娘に伝えたこと

と、ここまでまるで、本作が昔のアクション映画やメルギブ主演作を懐かしむおっさん接待映画みたいな書き方になってますが、もちろんそれだけではなく、物語の主題はあくまで、父と娘が関係性を取り戻し、人生に向き合っていくという人間ドラマです。

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母親からも十分な愛情を与えられなかったリディアが失踪したとき、塀の中にいてリディアの助けになれなかったリンク。
道を違えて人生に絶望したリディアに、父親としてリンクがたった一つだけ伝えたこと。

それこそが、この作品の主題なのだと思うし、同時に演技の枠を超えてメルギブ自身の心情と重なるセリフだったのではないかと思ったりしましたねー。

 

アクションだけでなく、シンプルな物語に重厚な厚みを加えたメルギブの演技は素晴らしかったし、俳優メル・ギブソン復活の狼煙にふさわしい作品だと思いました!

興味のある方は是非!!!

 

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