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おばけアベンジャーズ第一弾!?「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ユニバーサルがこれまで手がけたモンスター映画を復活させるプロジェクト「ダーク・ユニバース」第一弾『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』ですよー!

みんな大好きトム・クルーズが、ミイラの女王に追い掛け回されたり対決したりする映画です。(雑な説明)

で、本作はネタバレしても面白さ自体は損なわれないタイプの作品だと思うので、サラッとネタバレも入れながら感想を書いていきます。
なので、これから本作を観る予定の方は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー!

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

1932年製作の『ミイラ再生』を新たによみがえらせたアクションアドベンチャー。エジプトの地下深くに埋められていた王女の覚醒と、それを機に始まる恐怖を活写する。監督は『トランスフォーマー』シリーズの脚本や『グランド・イリュージョン』シリーズの製作などを務めたアレックス・カーツマントム・クルーズラッセル・クロウら、ハリウッドスターが出演している。

ストーリー:中東で、古代エジプトの文字が刻まれた石棺が発見される。その発掘に居合わせたアメリカ軍関係者のニック(トム・クルーズ)は、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)らと共に調査のために石棺をイギリスに運ぶ飛行機に乗り込む。だが、フライト中に思いも寄らぬアクシデントが起きて、ニックをはじめとする軍関係者を乗せたまま輸送機はロンドン郊外に墜落し、石棺の所在もわからなくなってしまう。(シネマトゥデイより引用)

感想

「おばけアベンジャーズ」? 第一弾

本作は、ユニバーサルの過去に製作したホラー映画をリブートしたフランチャイズ作品、つまりモンスター大集合の「おばけアベンジャーズ」の第一弾として制作された作品みたいです。

主演はみんな大好きトム・クルーズ、シリーズ全体の鍵を握るジキル博士役にはラッセル・クロウと豪華キャストのビックバジェット作品。
ところが、いざ蓋を開けてみると評価の方は散々で、あまりにもコケすぎて企画自体が頓挫したという噂も。

なので僕も期待値ゼロの状態で観たんですが……「ん? そこまで酷くもないんじゃない?」って思いました。
いや、だからと言って超面白かったー! って程ではないし、ハードルを下げまくった状態で観たからかもですが、個人的には割と楽しめたんですよねー。

「ミイラ再生」とは

本作の元ネタである「ミイラ再生」は、1932年製作のホラー映画です。
僕はこの作品は未見なんですが、ネットであらすじを読んでみると、

1921年のエジプト。大英博物館の遺跡調査団は古代の高僧イムホテプのミイラを発掘すると、ミイラは息を吹き返して逃走。
1932年のエジプト。なかなか成果を上げられない大英博物館の遺跡調査団に、人間の姿を取り戻したイムホテプが女王の墓の場所をリーク。女王のミイラを掘り出させます。
で、女王を復活させるために夜中の博物館でこっそり復活の儀式をすると、女王の生まれ変わりのヒロインに混信? 

過去を見せられたヒロインは、女王に意識を乗っ取られ、イムホテップによる中断した魂再生の儀式を受けることになる(ヒロインが死んで女王が蘇る?)けど、「やっぱり生きていたい」とヒロインの願いにイシスの女神が応えて、イムホテップが持つ呪経を神火で焼いて儀式は失敗。ヒロインは助かり、イムホテップは再びミイラに戻る。

というストーリーらしいです。

で、1999年制作にこの「ミイラ再生」をアクション映画としてリブートした『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』が大ヒット。シリーズ化したのは記憶に新しいところですが、本作は設定をまるっと入れ替えて、トム・クルーズ演じる主人公を見初めた女王のミイラが復活。
トムを追い回すという物語になってるんですねー。

今回のトムは墓荒らし?

今回、トム・クルーズが演じるのは米軍の軍曹ニックで、偵察任務のついでに発掘した遺跡を売りさばいて小遣い稼ぎをしているという設定。

何かこの設定の段階で少々無理がある感じがしますよねw
っていうか、そんなことしてたら普通に捕まって軍法会議ものだと思うんですけどね。

で、たまたまナンパしたヒロインで考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)から盗み出した地図で、「偵察任務のついでにサクッとお宝ゲットだぜ! (`・ω・´)bキリッ」 と相棒のクリス(ジェイク・ジョンソン)と現場に行ったら、そこはテロリストのアジト。
「よっしゃ、忍び込んでサクッとお宝盗み出そうぜ!  (☆´-ω-)v」と、ニックは嫌がるクリスを引っ張ってアジトに乗り込み、あっという間に見つかって追い回され、窮地意に陥り、米軍に救出要請。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 適当なニックに翻弄される気の毒なクリス

ギリギリのところで、米軍の爆撃機がピンポイント爆撃で敵を撃退し、その衝撃で封印されていた女王の柩が出土するっていう無理矢理な展開。

でもアレですよ。これはきっと「最初にアクションで盛り上げよう」というトムのサービス精神なんですよ。多分。

で、この女王は生死を司るセト神を呼び出すための生贄(というか依代?)そっくりだったニックをロックオン! 呪いを受けたニックは不死の体になって、女王に追い回されたり、幻覚を見せられたり、ポイポイ投げ飛ばされたりと、墓荒らしの天罰を食らいまくるわけですねーw

ミイラの女王役は「キングスマン」で女殺し屋を演じたソフィア・ブテラ

そんなミイラの女王アマネットを演じるのは、スパイ映画「キングスマン」で義足の女殺し屋を演じたソフィア・ブテラ

エキゾチックな顔立ちでスタイルもいい彼女は、妖艶な女王役にピッタリでしたねー。
生者の命を吸い取りながら、最初のカラカラのミイラから、第二・第三・第四形態と、シン・ゴジラ並に生前の姿を取り戻していく感じも良かったです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 妖艶な美しさと怖さを併せ持つ女王アマネット

もし命を吸われるなら、せめて完全体の彼女に吸われたいって思いましたねーw

あと、ネットの感想では、彼女が何をしたいのかよく分からないという意見も多かったですが、彼女の目的はハッキリしていて、セト神を復活させて嫁になって世界を征服することだと思ったんですけど。違うのかな?

スーサイド・スクワッド」の魔女エンチャントレスに似ているという指摘もあって、確かにキャラは被ってますけど、エンチャントレスに比べれば、目的がハッキリしてる分、分かりやすいキャラと思いましたねーw

シリーズの鍵を握る秘密組織のリーダージ キル博士

映画中盤、ヒロインの考古学者ジェニーが協力している秘密組織「プロディジウム」の存在が明らかになります。
どうやら、世界中のモンスターを調査してるっぽい秘密組織で、組織のリーダーはなんと、「ジキルとハイド」のジキル博士。演じているのはラッセル・クロウです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ジキル博士とハイドの一人二役を演じるラッセル・クロウ

女王に魅入られたニックを囮に使い、女王捕獲に成功したジキル博士。
ニックに対して「世界を救うためにお前にセト神を憑依させてお前ごと殺すから(´∀`)」と和やかに宣言。ジキル博士、最初からハイド寄りですw

と、すったもんだの末にお薬が切れて、博士がハイド化、ニックと格闘シーンに。
トム・クルーズvsラッセル・クロウ夢の対決です。

ただ、残念だったのはジキルとハイドの見た目が殆ど変わらなかったこと。
まぁ、あんまり見た目を変えちゃうとハルクのパクリ(いや、そもそもハルクが「ジキルとハイド」を元ネタにしてるんですが)みたいになっちゃうので仕方ないっちゃ仕方ないんでしょうけども、もうちょっと見た目の変化が欲しかったですねー。

あと、「悪」を科学的に研究したらウィルスがどうたらいってましたが、そこの理屈はイマイチ分からなかったですw

アクション・コメディー・セクシーなど色んな要素が盛りだくさん

「ダークユニバース」なんて大仰な名前がついてるので、ホラー系なのかなーと思ってたんですが、アクションとコメディー、トム・クルーズのお尻丸出しセクシーショットなど盛りだくさんの内容で、ホラー感はほぼなかったですねー。

特にアクションの方は、さすが我らがトム・クルーズ主演だけあって、前述したテロリストとの銃撃戦や、二人が屋上に乗ったままビルが崩れ落ちるシーンは迫力満点。

また、女王の呪いによって、ニックとジェニーの乗った輸送機が墜落するシーンでは、本当の飛行機の中にセットを組んで、急上昇からの急降下で無重力状態を作り出した映像と、スタジオに飛行機内部のセットを作って クルクル回転させながら撮影した映像を組み合わせて、臨場感のあるシーンになってました。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 身体能力の高さを見せつけたアナベル・ウォーリス

ちなみに、この撮影でほかのキャストやスタッフはヘロヘロになってたらしいですが、トムとヒロイン役のアナベル・ウォーリスだけはピンピンしてたそうですよ。

あとニックの相棒クリスも呪われて亡霊となるんですが、そんな彼とニックの掛け合いも中々面白かったですねー。

セト神復活の鍵

女王が望むセト神の復活のためには、セト神を召喚する力をもつ赤い石がついた短剣で、生贄のニックを刺さないといけないんですが、女王が封印されたあと、その墓場を発見した十字軍によって赤い石は盗まれて十字軍の偉い人とともにロンドンの地下に埋葬されているんですね。その赤い石を壊せば呪いが解けることをジェニーが突き止め? 中盤以降は女王とニックの赤い石争奪戦になっていくわけです。

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画像出典元URL:http://eiga.com

ただ、この辺の設定を上手く整理できていない=登場事物の目的がどうにも分かりづらいんですよね。

映画冒頭で、十字軍の葬儀が行われ、赤い石がこれみよがしに遺体とともに埋葬されたと思ったら、すぐに女王の生前(なぜミイラになったか)のエピソードが始まるので、観ている方は混乱してしまうんですよ。
っていうか、十字軍は別に物語に絡まないので、赤い石と埋葬のシーンはいらないんじゃないかなと思いましたねー。それとも、ユニバース的な伏線になる予定だったのかな? (´ε`;)ウーン…

結局すったもんだあって女王に殺されたジェニーを生き返らせるために、ニックは自ら短剣で胸を刺し、セト神の力を手に入れて女王をミイラに戻し、ジョニーも生き返らせて旅に出る。というストーリーです。多分。

なぜここまで酷評されるのか

事ほど左様にアクションにしろ、コメディーにしろ、一つ一つの要素は決して悪くないし、物語の筋だけ追えば面白くなりそうな感じなんですが、それがなぜここまで酷評されたかというと、

・シーンの組み立てや全体の構成が良くなかったので分かりにくい。
・前フリが弱く起こっている事の状況が分かりにくい。
・シリーズ化を見越して無駄にエピソードを盛り込みすぎたので分かりにくい。
・主人公のキャラがぶれてるので分かりにくい。(僕はそこまで気にならなかった)
・ストーリーはどこかで見たような感じで目新しさ皆無。(しかも荒い)

などの理由が挙げられると思います。

その辺は脚本の問題と、本作が長編監督二作目というアレックス・カーツマン監督の力量不足が大きいんじゃないかと思いますねー。

ていうか、そもそもモンスター選びに問題があったのでは? っていうのもあって、最初がミイラって…… っていうね。
個人的に、(馴染みがないこともあり)ミイラって他のモンスターに比べて、怖さがイマイチよく分からないんですよ。

なので、最初は吸血鬼や狼男とか、もっとメジャーで観客の食いつきがいいモンスターからスタートしたほうが良かったんじゃないかなーと思いました。

マーベルの成功以降、二匹目のドジョウを狙って大手映画製作会社が次々と「〇〇ユニバース」を作りまくりですが、マーベルの場合、(有名無名問わず)それぞれのキャラクターを一旦解体、現代に合うように組み直して「全く新しいヒーロー」として1からスタートしたから大ヒットしたわけで、有名キャラクターを集める「ユニバース」モノは簡単そうでいて、実ははかなりハードルが高いんですよね。

本作の場合、トム・クルーズ力(りょく)とビックバジェットならではの映像のリッチさがあるから、個人的にはまぁまぁ面白かったですが、「ユニバース」ものの第一弾は“まぁまぁ”ではダメで、続きが見たい! と思わせるような「単体の映画」としても面白い作品にしないと難しいですよねー。

まぁ、万が一「ダークユニバース」第二弾があれば、僕はきっと見ちゃうんでしょうけどねw(←チョロイ)

興味のある方は是非!

 

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