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ボンクラ映画ファンのためのボンクラ映画!「フリー・ファイヤー」(2007)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、巨匠マーティン・スコセッシが製作総指揮に名を連ね、「ハイ・ライズ」(僕は未見)などのベン・ウィートリーが監督した“銃撃戦映画”『フリー・ファイヤー』ですよー!

『90分ノンストップ銃撃バトルロイヤル』のキャッチコピー通り、敵味方入り乱れてひたすら銃で撃ち合うだけの映画でしたーw

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画像出典元URL:http://eiga.com 

あらすじと概要

名匠マーティン・スコセッシ監督が製作総指揮に名を連ねたアクション。拳銃の密売取引をしようとする2組のギャングが、あるトラブルを契機に壮絶な銃撃戦を繰り広げる。監督は『ハイ・ライズ』などのベン・ウィートリー。『ルーム』などのブリー・ラーソン、『第9地区』などのシャールト・コプリー、『プルートで朝食を』などのキリアン・マーフィ、『ローン・レンジャー』などのアーミー・ハマーらが結集する。

ストーリー:拳銃の密売取引をしようと、2組のギャングが場末の倉庫にやって来る。張り詰めた空気の中で取引を進める彼らだったが、思いも寄らないトラブルが起こってしまう。それを機に交渉はこじれ、銃撃戦が発生し……。(シネマトゥデイより引用)

感想

70年代のアメリカが舞台

本作の舞台は70年代のボストン(うろ覚え)。
アイリッシュギャングと南アフリカの武器商人が、廃工場で銃器の密売取引をするわけですが、話がこじれて銃撃戦に突入。
そこに謎のスナイパーも参戦し、敵味方入り乱れた銃撃戦バトルロイヤルに発展するという、僕みたいなボンクラ映画ファンには垂涎ものの映画でCGはほとんどなし、500個の爆薬の起爆剤と6000発の銃弾を使って、90分の作品中60分以上ひたすら銃撃戦という狂った映画でしたw

銃撃戦の引き金は?

映画冒頭、ふたりの男が車で話してるんですが、そこで運転手のスティーヴォ(サム・ライリー)が昨晩ケンカをして殴られたらしい事が分かります。

で、彼らが向かっていたのは、町外れの廃工場。
彼らはアイリッシュギャングの一員で、廃工場で仲間と合流して南アフリカの武器商人からライフル30丁を買う取引をしようとしているわけです。

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画像出典元URL:http://eiga.com /ライフルを買いたいアイリッシュギャングの皆さん

そして少し遅れて武器商人グループも到着。
双方曲者ぞろいで、取引は最初からギスギスした雰囲気で始まるもののなんとか無事に成立。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ライフルを売りたい武器商人のみなさん(女性と顎ヒゲは仲介役)

ところが、ライフルを運び込むための車を運転していたのは、ステーヴォのケンカ相手でピン芸人のマツモトクラブに似てるハリー(ジャック・レイナー)だったからさぁ大変。スティーヴォを見つけたハリーはいきなり殴りかかってひと騒動。

ハリーによれば、スティーヴォはバーで彼の17歳の従姉妹をナンパ、フラれた腹いせにビール瓶で殴って病院送りにしたらしいんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / すべての元凶1・スティーヴォ(中央)
場を収めるためアイリッシュギャングのリーダーフランク(マイケル・スマイリー)がスティーヴォに制裁を加え、ハリーに謝罪させるんですが、腹の虫が収まらないスティーヴォが、ハリー(と従姉妹)を侮辱、怒ったハリーがスティーヴォを拳銃で撃ち……。それが、ノンストップ銃撃戦の引き金になるわけですねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 全ての元凶2・ハリー

一番怖いのは有能な敵じゃなく無能な味方」っていう言葉を思い出しましたよw

ワンシチュエーション

というわけで、本作は倉庫の中でふた組のギャングが撃ち合うというワンシチュエーション・アクション・コメディー(?)

舞台設定やキャラクター、ストーリーの運びなど、タランティーノ初期の作品「レザボア・ドッグス」を連想させる本作ですが、似て非なるものっていうか、タランティーノのように洗練されたオシャレ感はなく、登場人物たちは腕や足に銃弾を喰らい、血と砂やホコリにまみれ、地べたを這いずりながらひたすら銃を撃ち合う、どちらかといえばサム・ペキンパー的? な泥臭いガンアクション。
登場人物が全員情けなくてカッコ悪くて、誰にも感情移入出来ないっていうのは斬新だと思いましたw

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画像出典元URL:http://eiga.com 

多分、監督はキャラクターに感情移入させる気はさらさらなくて、むしろ、本人たちは必死だったりカッコつけたりしてるけど、一歩引いて見ると滑稽な状況を、わざと客観的に突き放して描いている気がしました。
チンピラのケンカを遠巻きで見てるような感じっていうんですかね。

それはそれでいいんだけど、ワンシチュエーションの中でキャラクターのやりとりからストーリーを上手く膨らませるという点では、やや微妙な感じもしましたねー。

中々当たらないし中々死なない

で、そんなすったもんだあって銃撃戦が始まるんですが、どいつもこいつも中々弾が当てられないし、当たっても中々死なないんですね。
これはFBIの銃撃事件の報告書を山ほど読んだウィートリー監督が、「臓器を失っても人間はそうあっさり死なない」という報告を元に、本作のストーリーを組み上げていったからだそうです。

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まぁ、確かに訓練を積んだプロの兵士でも殺し屋でもないギャングたちが、物陰に隠れて狙いも定めずにバンバン撃ち合ってるんだから、そうそう銃弾も当たらないんだろうし、当たったとしても腕や足なら、撃たれた方だって相手に反撃すでしょうから、ある意味これが本当のリアルなのかも。

ただ、だからといって普通はこんな泥沼の状況になることは、めったにならないでしょうし、お前らどんだけ銃弾持ってきすぎだろって話ですけどねw

ボンクラ映画好きのためのボンクラ映画

そんな感じで本作は、最後に何か大どんでん返しがあるわけでもなく、観たからといって人生の教訓になりそうな「何か」があるわけでもなく、ひたすら鉄砲を撃ち合うだけの映画なので、好き嫌いはかなりハッキリ分かれると思います。

特に、ストーリーを追って映画を観ていく人は、観終わったあとに「なんじゃこりゃ」とガッカリするかもしれません。

ただ、何ていうか、両手持ちで狙いを定める効率的でリアルな(に見える)ガンアクションではなく、撃たれたら(狙いもつけずに)撃ち返すだけっていう、近年のアクション映画では中々観られないグダグダなガンアクションを90分間観られるので、鉄砲を撃ちあったり爆発したり血が出る映画が大好きな、(僕も含めた)ボンクラ映画ファンならきっと楽しめるんと思いますよw

興味のある方は是非!

 

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