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映画の原点に立ち返った作品!「映画 ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜」(2015)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、NHKのEテレでお馴染み、アードマン・アニメーションズ制作によるストップモーション・アニメーション『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』ですよー!

僕はツイッターでこの作品を知ったんですが、無声映画のようにセリフなしで繰り広げられるクレイアニメのドタバタコメディーで、まさに映画の原点に立ち返った作品でしたねー。

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あらすじと概要

日本でもテレビ放映されているイギリス発のストップモーション・アニメーションシリーズの初の劇場版。『ウォレスとグルミット、危機一髪!』に登場したキャラクター、ひつじのショーンを主人公に、牧場に暮らすショーンと仲間たちの大騒動がユーモラスに展開する。監督は、『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』などの脚本を担当したマーク・バートンと、「ひつじのショーン」テレビシリーズの監督リチャード・スターザック。ショーンをはじめとする個性的なキャラクターの魅力と、彼らが繰り広げるドタバタなストーリーに笑いがこみ上げる。

ストーリー:牧場で生活しているひつじのショーン。ある日、牧場主から自由になるためにいたずらを仕掛けるが、そのせいで牧場主は眠ったまま都会へ運ばれてしまう。牧場主と彼を追い掛けていった牧羊犬のビッツァーを捜そうと、ショーンと仲間たちは都会へ向かう。

感想

ひつじのショーン」とは

本作を制作したアードマン・アニメーションズといえば、ニック・パークが制作したクレイアニメウォレスとグルミット」でお馴染みですが、「ひつじのショーン」はシリーズの中編映画「ウォレスとグルミット、危機一髪」(1995)で登場し、一躍人気者になった羊のショーンを主人公にしたスピンオフ作品です。
1話7分のテレビシリーズとしてEテレでも放映していたので、知ってる人も多いハズ。で、本作はその「ひつじのショーン」の長編映画化作品なんですね。

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まるで無声映画

人間の発明家とその相棒のビーグル犬が主人公だった「ウォレスとグルミット」と違って、動物の目を通して見た世界を描いている「ひつじのショーン」は、ショーンたちだけでなく、牧場主など人間のキャラクターも言葉になってない発声の調子と、キャラの動きや表情だけでストーリーを伝える、チャップリンキートンなどの無声映画に近い作りになってるんですねー。

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本作でマーク・バートンと共同監督を務めたリチャード・スターザックも、バスター・キートンジャック・タチを参考にしたと、インタビューで語っています。

また、単調な生活に飽きたショーンたちが、牧場主にいたずらを仕掛けるところからスタートするストーリーは、ジョン・ヒューズ監督の名作青春映画「フェリスはある朝突然に」(1987)から着想を得たそうですよ。

ショーンたちが都会に出て騒動の末に牧場に戻ってくるという「行って帰る」ストーリーは、マッドマックス 怒りのデス・ロード」にも通じるかもしれませんねw(ジョージ・ミラー監督も無声映画を意識して「~デス・ロード」を作っているらしいですし)

そもそも映画の原点はアクション(アクション映画の「アクション」じゃなくて、演技や表情も含めた動き全般)なので、本作は映画の原点に立ち返った作品と言えるかもしれません。

三本の流れを同時進行で見せるストーリー

しかも本作では、冒頭はいつもの牧場からスタートし、ショーンのいたずらをキッカケに、牧場主と牧羊犬のビッツァー、ショーン、仲間のひつじたちという三本のストーリーラインが同時進行していて、それぞれ別れたり合流したりしながら、最終的には再び一本に集約されていくという結構複雑な構成になっていて、それをセリフなしのクレイアニメで誰でも分かるように(しかも面白く)見せていく手腕は素晴らしいと思いました。

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実際、本作の制作では、脚本執筆に18カ月をかけて「ストーリー上何が必要で何が必要でないか」を取捨選択するストーリーリールに最も労力を費やしたそうです。

また、本作を観ていて驚くのは、まったく説明はないのに、各キャラクターの性格や個性が表情や動きだけで分かるんですね。
インタビューによれば、キャラクターの方はセリフがない分、それぞれの考えや感情が観客に伝わるように、各キャラクターの表情を丹念に練っていったんだそうです。

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羊たち一匹一匹の性格の違いや、ビッツァーの真面目さ、牧場主のちょっとくたびれた中年感に加え、今回敵役となる動物捕獲施設(日本の保健所的な場所)の職員で、野良動物を捕まえる事に執念を燃やすトランパーの偏執的なところも、具体的な説明はないのに、それぞれのキャラクターがちゃんと伝わってくるんですよねー。

年齢、国籍関係なく誰でも楽しめる作品

もちろん、基本的には子供向けの作品ですが、例えば、羊たちが人間に変装して横断歩道を渡るシーンはビートルズのアルバム『Abbey Road』のジャケット写真のオマージュだったりとか、そんな大人がニヤリとするような遊び心も入っていたりして、シンプルだけど練りに練られたストーリーと、クレイアニメながら実写的な描写とともに見ごたえがあり、年齢や国籍関係なく誰でも楽しめる作品だと思います。

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正直僕は、観る前「そうは言ってもクレイアニメだし子供向きのヤツでしょ」と、ちょっとナメてたんですが、観終わったあとはショーンを始めこの作品に登場するキャラクターが大好きになっちゃいました!

興味のある方は是非!!

 

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