今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ストップモーションアニメの究極形「パラノーマン ブライス・ホローの謎」(2013)

あけましておめでとうございます。
ぷらすです。
今年もよろしくお願いします。

さて、2018年1発目にご紹介するのは、現在公開中の「KUBO /クボ 二本の弦の秘密」が話題沸騰中のストップモーションアニメスタジオ「ライカ」2012年公開作品『パラノーマン ブライス・ホローの謎』ですよー!

僕の地元では、未だ「KUBO~」の公開予定がないんですが、万が一の公開に備えて予習も兼ねて観ることにしましたー!

http://eiga.k-img.com/images/movie/77400/poster.jpg?1361977200

画像出典元URL:http://eiga.com

 あらすじと概要

300年前の魔女の呪いによって死者たちに襲撃された町を舞台に、死者と会話のできる少年の活躍をファンタジックに描くストップモーション・アニメ。ホラー映画好きのどこにでもいるような少年でありながら、死者が見え話すこともできる主人公の声を、『ザ・ロード』『モールス』のコディ・スミット=マクフィーが担当。アカデミー賞にノミネートされた『コララインとボタンの魔女 3D』の製作会社によって作り出された、繊細でユーモラスな動きや表情を見せる人形たちに夢中になる。

ストーリー:300年前に魔女狩りが行われていた町、ブライス・ホロー。ノーマンはどこにでもいるホラー映画好きの少年だが、死者と話せる特殊な能力を持っていた。ある日、ノーマンの前に死んだおじさんが現れる。そして、魔女の呪いによって町が滅ぼされる日がすぐそこまで近づいており、それを救うことができるのはノーマンだけだと言われ……。(シネマトゥデイより引用)

感想

驚異の“人形アニメ

本作を制作しているのは、米国のストップモーションアニメスタジオ「ライカ」
ストップモーションアニメとは、ミニチュアのセットに置いた人形を少しづつ動かして撮影する手法で、日本だと「人形アニメ」っていう方がしっくりくるかもですね。

基本的には絵を動かす普通のアニメーションと理屈は同じですが、実際にセットの中で人形を動かすので、実写と同じ立体的な映像が作れます。

ライカはそこに、CG映像を組み合わせたり、3Dプリンターでキャラクターの顔を作成、一コマ単位で人形の表情を変える「リプレイスメント・アニメーション」という技法を開発するなど、とんでもない手間をかけてストップモーションアニメを進化させているスタジオなのです。

www.youtube.com

なので、本作は限りなく3DCGアニメに近い作品ながら、キャラや町並みの質感なんかはCGに比べて実在感を感じたし、逆にストップモーションアニメ独特の“ぎこちなさ”みたいなものは、ほとんど感じられませんでしたねー。

ストーリー

そんな本作なので、どうしても技術的な事にばかり目が行きがちですが、ストーリーの方もシンプルで無駄がなく、普遍的な重いテーマを寓話的に分かりやすく伝えていて、本当に素晴らしかったです!

ストーリーをざっくり説明すると、幽霊とコミュニケーションができるせいで変人扱いされる少年ノーマンが、その力で魔女の呪いを解く物語で、日本でいえば「夏目友人帳」に似ているかもしれません。

http://eiga.k-img.com/images/movie/77400/gallery/sub1_large.jpg?1396889433

画像出典元URL:http://eiga.com

舞台は300年前に魔女狩りが行われていた町ブライス・ホロー。
幽霊と話ができる事を、最初は誰にも信じてもらえずに、大人たちには白い目で見られたり、同級生にはいじめられているノーマンはある日、同じ力を持つ親戚のおじさんに、魔女を封じて町を呪いから守る役目を継ぐように迫られ……。
というのが物語の大筋で、そこにノーマンを理解しようとする母親、逆にノーマンの言葉を受け入れられない父親、いじめっ子、太っちょの親友、ノーマンを疎ましく思っている思春期の姉と、心を閉ざしたノーマンとのエピソードが語られていきます。

http://eiga.k-img.com/images/movie/77400/gallery/sub3_large.jpg?1396889433

画像出典元URL:http://eiga.com

そこには多様性を認める事の大切さだったり、排他主義の恐ろしさだったり、いじめや集団心理の怖さなどなど、人間が根本的に抱える普遍的な問題が描かれていて、「魔女の呪い」の事件キッカケに、ノーマンとメインキャラクターの関係が少しだけ変わっていくわけです。
そんな風に書くと「最後はみんな仲良くなって大団円」って思うかもですし、まぁ概ねそうなんですが、例えば同じテーマを扱っているディズニーやピクサー作品のほどはスッキリはしないかもw

でも、それが大人の着地と言う感じがして、個人的には凄く新鮮でしたねー。

その辺は「ライカ」が、ポートランドストップモーション・アニメーションを制作していたウィル・ヴィントン・スタジオの流れを汲んでいる事も関係しているのかも。

なので、子供たちはノーマンに感情移入して純粋に楽しめると思いますが、大人はクライマックスやラストでの少量の毒に、ドキっとしてしまうかもしれませんw

ただし、だからと言って小難しい映画というわけではなく、映像もストーリーも、大人から子供まで楽しめるエンターテイメント作品になってるんですけどね。

この作品には、お化けと話せる少年の姿を通して、人と違う事に悩む少年少女たちへの「人と違うのは悪いことじゃない」というメッセージが込められているし、それはライカのスタッフ自身の経験が反映されたテーマでもあるんですね。

www.youtube.com

そして、僕は本作を観て益々「KUBO~」をスクリーンで観たくなってしまいましたよー!!(血涙) 2ヶ月遅れでもいいから、何とか地元でも公開してくれないかなー。|ω・)チラ

興味のある方は是非!!

 

▼よかったらポチッとお願いします▼


映画レビューランキング