ぷらすです。
今回ご紹介するのは、「28日後...」などの脚本家として知られるアレックス・ガーランド長編初監督作品『エクス・マキナ』ですよー!
オスカー女優アリシア・ヴィキャンデル演じるAI搭載のロボット“エヴァ”の倒錯的な美しさと巧妙なストーリー、美しい映像のバランスが絶妙な作品でしたー!
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
『28日後...』などの脚本家として知られるアレックス・ガーランドが映画初監督を務め、第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞したSFスリラー。人間と人工知能が繰り広げる駆け引きを、限られた登場人物と舞台設定や目を引くビジュアルで活写する。美貌の女性型ロボットのエヴァを、『リリーのすべて』でオスカーに輝いたアリシア・ヴィキャンデルが好演。IT企業の社員と社長には、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のドーナル・グリーソンとオスカー・アイザックがふんする。(シネマトゥデイ より引用)
感想
これがデビュー作!?
本作の監督アレックス・ガーランドは本作が長編映画デビュー作ながら、2000年に最初の小説「ザ・ビーチ」を発表。
この作品がダニー・ボイル監督で映画化されて以降、「28日後...」「サンシャイン2057」といったボイル監督作で脚本を担当し、シナリオライターとしては名前を知られている人なんですね。
そんな彼が監督・脚本を担当した本作「エクス・マキナ」は、メアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」やフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」などのAIや人造人間を扱ったSFの名作古典を現代的にアップデートしてみせたんですねー。
限られたロケーションのなかで繰り広げられるSFスリラー
本作の物語をザックリ一言で要約すると「試したつもりが試されていた」って事になると思います。
検索エンジン世界最大手のブルーブック社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれ一週間を共に過ごす抽選に当たります。
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広大な自然の中にあるネイサンの別荘は、実は超ハイテクな社長専用研究所。
そこでケイレブはネイサンが作り上げたAIロボット エヴァの“チューリングテスト”を頼まれるんですね。
チューリングテストというのは、数学者でコンピューターの父 アラン・チューリングが発案した、ある機械が知的かどうか(AIであるかどうか)を判定するためのテストで、人間と会話させてAIだと見抜けなければ、そのAIには知性があるみたいなテスト。映画「ブレードランナー」でも登場していますよね。
で、出世のため実験を引き受けたケイレブは、目の前に現れたロボット“エヴァ”との会話を繰り返すうち、だんだん“彼女”に惹かれていき……。という物語。
自然に囲まれた別荘(研究所)の中という限られたロケーションで、登場人物がたった4人? しか登場しないというミニマムなシチュエーションの中、入れ子構造のストーリーによって、低予算ながら本格的なSF作品に仕上げているんですねー。
強いAIと弱いAI
「強いAIと弱いAI」は哲学者ジョン・サールが作った用語で、“強いAI”とはザックリ言えば自我を持つAI、対して“弱いAI”は自我がなく命令(プログラム)に従うだけのAIの事です。
もし人“強いAI”を作り出したとしても、それが本当に“強いAI”なのか、それとも“強いAIのフリをしている弱いAI”かを人間には見分けることは出来ないという考え方が本作の核になっていて、それ自体はAIを扱った作品では必ず扱われる(というより避けられない)発想で目新しさはないんですが、脚本家出身だけあってストーリー構成の上手さで最後まで引っ張っていくんですね。
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アリシア・ヴィキャンデルの名演
そんな本作のストーリーに説得力を持たせているのが、エヴァ役のアリシア・ヴィキャンデルで、メッシュ構造のボディスーツと特殊効果で顔以外は完全にロボットの外見ながら、どこか人間性や少女性を垣間見せる演技と、バレエ出身の身体性を活かした制御された動きで、シーンによってロボットと人間の間で揺れ動く(ように見える)、エヴァという複雑なキャラクターを見事に体現していました。
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ぶっちゃけエヴァみたいなロボットが目の前に現れて、自分に好意を寄せてくれたら、一発で好きになっちゃいますよ!w
ちなみにタイトルの「エクス・マキナ」は、ラテン語で「機械仕掛けの神」(デウス・エクス・マキナ)から来ていますが、英語のexには「元~」という意味があるそうで、「元・機械」とも読めるっていう、進化したAIが今後どうなっていくのか的なテーマを含んだタイトルだったりするみたいですね。
108分と物語の長さもちょうど良く、SFが好きな人もそうでない人も楽しめる良作でした!
興味のある方は是非!!!
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