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宇宙人美少女とボンクラ少年のボーイ・ミーツ・ガール!「パーティで女の子に話しかけるには」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」で鮮烈なデビューを飾ったジョン・キャメロン・ミッチェル監督が描く異色のボーイ・ミーツ・ガール映画『パーティで女の子に話しかけるには』ですよー!

イギリスの作家ニール・ゲイマンが発表した短編集の一篇を膨らませた、ヘンテコだけど普遍的でぶっ飛んだ作品でしたよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』などのジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、ニール・ゲイマンの短編小説を映画化したラブストーリー。1977年のロンドン郊外を舞台に、内気なパンク少年と遠い惑星からやって来た少女の交流を描く。美少女の異星人を『SUPER 8/スーパーエイト』などのエル・ファニング、彼女と恋に落ちる少年を第69回トニー賞で演劇主演男優賞を受賞したアレックス・シャープが演じるほか、オスカー女優のニコール・キッドマンらが共演。(シネマトゥディより引用)

感想

イギリス版の「かぐや姫」!?

本作のストーリーをざっくり説明すると、1977年のロンドン南部・クロイドンでパンクロックに傾倒するボンクラ少年のエン(アレックス・シャープ)が、悪友と紛れ込んだパーティーで出会った美少女ザン( エル・ファニング)との出会いと別れまでの2日間を描いたボーイ・ミーツ・ガールな物語です。

それだけならよくあるストーリーなんですが、本作が異色なのはザンの正体が反抗期の宇宙人だったということなんですねーw

ザンは、エンや彼が好きなパンクに興味を持ち、エンもザンに惹かれ、やがて二人は惹かれあうけれど……。という内容で、他のレビューでは「ロミオとジュリエット」や「ローマの休日」に例えていたけど、個人的には「竹取物語」や「雪女」など日本の民話を連想したりしました。

そもそも種族が違う二人は、言葉は通じるものの話は全然噛み合ってなくて、前半は「異文化すれ違いコメディー」的な感じで進むんですが、中盤でザンたちの種族に関する真相が勘違いからアメリカ人のロックシンガーとしてステージに上げられたザンと、エンの歌で語られるのです。

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画像出典元URL:http://eiga.com  /  エンとザンの超アガるギグシーン

一番残酷で衝撃敵な事実を、本作で一番カタルシスであるギグのシーンと重ねる演出にはビックリすると同時に感心してしまいましたねー!

エル・ファニングの当たり役

そんな宇宙人のザンを演じる エル・ファニングは2歳8か月で子役デビューし、「マレフィセント」でオーロラ姫を、「ネオン・デーモン」で小悪魔的美少女モデルを演じていますが、個人的に本作のザン役は彼女の等身大の魅力が出ている当たり役って感じがしましたねー。

あと、本作では地元のパンクスたちを束ねる自称プロデューサーを、 ニコール・キッドマンが演じているんですが、恥ずかしながら僕は最初全然気付かなかったんですよね。

挫折と屈折を繰り返した彼女は、最初、何者でもない(=金にならない)エンをゴミの様に扱うし、山場の歌のシーンでは「私が彼女(ザン)を見つけたー!」と叫んだりする、まぁまぁダメな大人なんですけど、後半、ザンを救い出したいというエンの頼みを聞いて、パンクスたちを引き連れて宇宙人のアジトに乗り込む頼れる女ボスでした。

あと、エンの悪友ヴィク(エイブラハム・ルイス)とジョン (イーサン・ローレンス)の二人も、いい感じのボンクラっぷりでしたよーw

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヴィク・エン・ジョンのボンクラ三人組

少年の通過儀礼を描いた青春映画

本作は、パンクに憧れながらもその周りをウロウロしてるだけの、まだ何者でもない少年エンがザンと出会って恋をする通過儀礼を描いた作品です。
また、本作に登場する宇宙人のPT(ペアレント・ティーチャー=保護者)たちのある習慣が、今の社会や大人たちの暗喩になっているのは言うまでもありません。

そんなPTたち(大人)にエンたち(子供)が対抗する手段がパンクっていうのが痛快だし、デヴィッド・ボウイっぽい音楽も入っていて、THE・イギリス映画だなーと思いましたねー。

あと、宇宙人たちのパーティー? や、エンとザンが通じ合うシーンをCG的な演出はほぼ使わず、サイケデリックな衣装や髪型、前衛的な踊りや美術などで観せているのは、70年代~80年代の低予算インディー映画を思い出して、なんか懐かしい感じがしたし、近年だと吉田大八監督の「美しい星」に似てるって思いましたよ。

レビューを見るとわりと賛否が分かれている様ですが、エル・ファニングは可愛かったし、個人的には超面白かったお気に入りの作品です!

興味のある方は是非!

 

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