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おっさんホイホイですけど何か?「劇場版 マジンガーZ INFINITY」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、巨大ロボットアニメの元祖とも言うべき「マジンガーZ」を現代にリブートした劇場版アニメ『劇場版 マジンガーZ INFINITY』ですよー!

1970年代に少年期を過ごした(僕を含む)オッサン感涙の、正しくおっさんホイホイな映画でした!

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概要

絶大な人気を誇る永井豪作の「マジンガーZ」の新たな劇場アニメ。宿敵Dr.ヘルを倒して科学者となった兜甲児が、マジンガーZらと共に新たな脅威に立ち向かう。監督を『プリキュア』『ONE PIECE ワンピース』シリーズなどの志水淳児が務める。ボイスキャスト森久保祥太郎茅野愛衣らが担当。重厚感の増したマジンガーZの勇姿に注目。(シネマトゥデイより引用)

感想

上記の紹介文で「巨大ロボットアニメの元祖」と書きましたが、正確に言うと巨大ロボットアニメの元祖は横山光輝原作の「鉄人28号」なんですよね。

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じゃぁ、マジンガーZは何が元祖かというと、パイロットが乗り込んで操縦する巨大ロボットアニメの元祖で、その後のスーパーロボットシリーズや機動戦士ガンダムエヴァンゲリオンなど、現代へと続く巨大ロボットアニメの雛形となった作品なのです。

テレビアニメ版の続編

テレビアニメ版「マジンガーZ」は1972年~79年の約2年間放映され、最終回では敵の猛攻の前に大ピンチを迎えたマジンガーZ
これまでか…というその時、グレートマジンガーの登場によって敵を壊滅。

主人公の兜甲児とヒロインの弓 さやかは、グレートマジンガーパイロットの剣鉄也に後を託して、科学の研鑽を積むべくアメリカ留学へと旅立っていく。というところで終わり、そのまま後番組の「グレートマジンガー」に引き継がれていくわけです。

で、本作はこのテレビ版「グレートマジンガー」のその後を描いた続編になっています。

ざっくりストーリー紹介

テレビアニメ版から10年後が舞台。
ドクター・ヘルの脅威が去り、光子力エネルギーによって燃料不足は解消された世界は平和を取り戻していた。

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そんな時、テキサスの研究所を10年前に倒したハズの機械獣軍団が急襲。
交戦中に剣鉄也はグレートマジンガーごと行方不明になってしまう。

一方、兜甲児はマジンガーZで世界を救った英雄として、また祖父や父の志を継ぐ科学者として富士山麓の研究所にいた。

富士山の麓から、超巨大なマジンガーを思わせる古代の遺跡「インフィニティー」が出土し、中から人型アンドロイドの少女リサが現れたため、兜甲児と恋人の弓さやかたちが発掘・研究していたのだ。

そこに機械獣軍団を率いて10年前に死んだはずのアシュラ男爵、ブロッケン伯爵、そしてドクター・ヘルが現れ、世界を再び混乱に陥れる――という物語。

オッサンのオッサンによるオッサンのためのアニメ

冒頭、いきなりグレートマジンガーと機械獣軍団の戦闘シーンからスタートする本作。

パイロットの剣鉄也が技名を叫びながら、グレートマジンガーの必殺技を出し惜しみなく全開で使うこのアバンだけで、幼少期にマジンガーZグレートマジンガーに熱中していたオッサン世代は、一気に子供の頃に引き戻されること確実ですよ!

その一方で、マジンガーZグレートマジンガーはちゃんと今風なデザインになっていて、長年巨大ロボットアニメの変遷を見続けてきたファンも大満足なのではないでしょうか。

昔のようなツルッとした寸胴ではなく等身も上がったシルエットや、超合金Zをパーツごとにつなぎ合わせたようなデザイン、スピードアップした戦闘シーンなどはすべて3DCGで描かれているそうで、もう、超かっこいい!んですよ(*゚∀゚)=3

もちろん懐かしの技の数々や、ドクター・ヘル率いる機械獣軍団、テレビ版から成長した登場キャラクター、ビューナスAやボスボロットに至るまで、思わずグッときてしまうオリジナル版ファンへの目配せもバッチリ。

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志水淳児監督は御年57歳。まさに少年時代にマジンガーZを観ていた世代でもあり、この作品はまさにオッサンのオッサンによるオッサンのためのアニメ

ええ、まごう事なき「おっさんホイホイ」ですけど何か? ってな感じですよw

なので、ガンダムエヴァを少年時代に観ていた、いわゆるリアルロボット世代の人たちには、本作は全編がギャグに見えちゃうんじゃないかと思いますが、この作品に関してはそれでいいのだと思うんですね。

なぜなら本作は「あの頃の子供だった俺たちが観たかったマジンガーZですから。
それ以外の年齢層に通じないのは(多分)監督だって百も承知で、それでもマジンガーZ世代のオッサン向けに振り切ってるんですよねー。

その意気や良し! そしてありがとう! って感じです。

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リチャード・ドナー版「スーパーマン」との相似

1978年に公開されたリチャード・ドナー監督の劇場版「スーパーマン」では、1978年当時でも、全身タイツ・赤マント・赤パンツのスーパーヒーローを今時ストレートに映像化するのは難しいのではという議論が行われていたそうですが、監督のリチャード・ドナーはそれは違うと。
そして、スーパーマンというヒーローの本質を捉えた上でみんなが思い描くスーパーマン像をストレートに描くことで「大人が信じたいと思えるおとぎ話」としてしっかり仕上げたんだそうです。(週刊映画時評ムービーウォッチメンより)

で、本作はそんなリチャード・ドナー版「スーパーマン」の精神に通じるものがあると僕は思ったりするんですよね。

今時、必殺技を叫びながら繰り出す巨大ロボットアニメをリブートするなら、「グレンラガン」とか「キル・ラキル」のように、過去作品をある種パロディー化するか、それ自体をギャグとして扱う、もしくはマジンガーZはあくまで素材として、時代設定をグッと進めて兜甲児の子供や孫を主人公に「イマドキ」のアニメの流行に合わせた作り方をする方法もあるわけです。

でも、本作ではそれをしないで、技術やデザインの進歩にともなって変えるべきところは現代風にアップデートしつつも、本質を押さえてストレートに「マジンガーZ」のカッコよさを描いているんですね。

そのおかげで、本作は多くの古いアニメや特撮のリブート作品が陥りがちな、誰に向けて作られたのか分からない「誰得作品」にならずに済んだんじゃないかなーと。

そんな風に思いました。

興味のある方は是非!!!

 

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