ぷらすです。
今回ご紹介するのは「スナッチ」や「シャーロック・ホームズ」などで有名なイギリス人監督、ガイ・リッチーの長編デビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 』ですよー!
人によって好き嫌いがパックリ分かれる監督ではあるし、僕も全作品が好きってわけではないんですが、この映画は面白かったですねー!
画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp
概要
本作で一躍名を成したイギリスの俊英、ガイ・リッチー監督・脚本によるクライム・ムービー。一攫千金を狙う4人の若者を軸に、ギャングやマフィアが入り交じって繰り広げる群像劇を独特のユーモアを交えて描く。巧妙なストーリー展開やテンポある演出に加え、多彩な登場人物が見せる妙な味わいが秀逸。ロンドンの下町に生きるエディはある日、仲間3人から金を集め、ギャンブルに投資するが惨敗。逆にその元締めに多額の借金を背負ってしまう。返済猶予は一週間。途方に暮れるエディたちだったが、彼らは偶然隣人の強盗計画を耳にする。(allcinema ONLINEより引用)
感想
ガイ・リッチーはこの作品で一躍注目を浴びた監督ですが、本作ではまだ「知る人ぞ知る監督」って感じで、世間的に広く認知されたのは(多分)ブラピが出演した「スナッチ」(2000)からじゃないかと思います。
彼の作品の特徴は、登場人物が多く視点切り替えが多い、時間を遡って他シーンの裏側で起こっていたことを見せる演出、スローモーションや早回しを多用したいわゆるオシャレで「スタイリッシュ」? な映像だと思うんですが、その辺も好き嫌いが分かれるところではあるという印象があります。
ちなみに、ガイ・リッチー、本作で制作も務めたマシュー・ヴォーン、アメコミ大好きザック・スナイダーは僕の中で同じグループのイメージだったりするんですよねw
クライムコメディー群像劇
そんなガイ・リッチー監督の長編デビュー作であるこの作品は、ざっくり言うとボンクラ4人組が借金返済のために強盗団から大金と大麻を横取りする計画を立てるという物語。
エディ、ベーコン、トム、ソープの悪友4人組は一攫千金を狙って、それぞれ持ち寄った合計10万ポンドを元手に、地元のギャング ハリーとギャンブルをするもイカサマに引っかかって50万ドルもの借金を1週間以内に返済するハメに。
途方にくれるエディたちは、隣室の強盗団が大麻の売人を襲撃する計画を盗み聞き。
横取り計画を立てて、まんまと大金と大量の大麻をせしめる事に成功するのだが……。
という物語。
で、この映画はいわゆる群像劇なので、登場キャラの多さに序盤は少し混乱してしまいます。
そんな登場キャラをざっくりグループ分けすると、
1・エディ、ベーコン、トム、ソープのボンクラ4人組。
2・ギャングで賭博の元締めハリーのグループ&間抜けな泥棒2人組&親子の借金取り。
3・黒人ギャングのロリー率いるギャング団&配下の大麻密造グループ。
4・隣室の強盗団。
で、最初はバラバラに動いているこの4つのグループが、大金と麻薬と年代物のライフルを巡って地で血を洗う抗争へと集約していく様子をブラックユーモアとスラップスティック要素を入れてコミカルに描くという、後の監督作に繋がる要素全部乗せな、まさにガイ・リッチーの原点とも言える作品なんですね。
また、ジェイソン・ステイサムの俳優デビュー作でもあり、ロック様や巨大ザメと戦う前のステイサムが見られます。もっとも、この時すでに30歳を超えていたので初々しさはないですけどもw
タイトルの意味
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 」という長いタイトル。
これは、「ロック・ストック・アンド・バレル」という慣用句をモジった造語で、ロック=発射装置、ストック=銃床、バレル=銃身をそれぞれ表し、三つが揃って銃が完成することから、「一切合切」「すっかり」という意味なのだそうです。
「~『トゥー・スモーキング』・バレルズ」となっているのは、劇中で登場する2丁のアンティーク銃を指していて、このライフルを撃つと硝煙がたつ→銃撃戦を連想させる&最後は煙のように消えてしまうみたいな、複数の意味が込められているっぽいです。
ガイ・リッチーのオリジナリティー
本作から遡ること数年前、タランティーノの「レザボアドックス」や「パルプフィクション」が大ヒットしたことで、ガイ・リッチーは英国版タランティーノなんて(本人にしてみれば)不名誉な呼ばれ方をして当時はタランティーノフォロワー的な扱いだったし、僕も「スナッチ」を観た時は僕もそう思ってましたが、今こうして長編デビュー作を振り返ってみると、やっぱり違うなーと。
スローモーションや早回し、カメラを動かしまくりの映像的特徴だけじゃなくて、ストーリーテリングにも、ガイ・リッチー独自のオリジナリティーがしっかりあるんですよね。
続く2作目の「スナッチ」は、本作と同じスタイル、アイディア、モチーフを踏襲していて、本作より映像的にも物語的にも洗練された印象ですけど、個人的には(デビュー作ならではの粗さや拙さも含めた)勢いが感じられたし、これだけ沢山のキャラクターを登場させながら、観ているこっちが混乱しないように最終的に一つの物語に集約させる構成力は素晴らしいと思いました。
まぁ、物語のピースを揃えるために登場するキャラやエピソードがないとは言わないけど、それぞれのキャラクターがちゃんと立っているので、それほど気になりませんでしたねー。
興味のある方は是非!!
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