ぷらすです。
今回ご紹介するのは、イギリス生まれの大人気キャラクターが活躍する映画『ピーターラビット』ですよー!
予告編で観たり、噂には聞いてましたけど、思いのほか殺伐とした世界観でしたねーw
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
世界中で親しまれているビアトリクス・ポターの人気絵本を実写映画化。イギリスの湖水地方を舞台に、いたずら好きなうさぎの日常や恋のエピソードを、実写とCGアニメーションを織り交ぜて描く。ドラマシリーズ「ダメージ」などのローズ・バーン、『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』などのドーナル・グリーソンらが出演するほか、声の出演にジェームズ・コーデン、マーゴット・ロビー、デイジー・リドリーら。『ANNIE/アニー』などのウィル・グラックがメガホンを取った。(シネマトゥディより引用)
感想
僕はビアトリクス・ポター原作絵本を読んだことはないんですが、ピーターラビットはもちろん知っていて、なので実写映画化されると聞いたときは、「きっと優しくて可愛らしい映画なのだろう」と思ってたんですね。
しかし、ネットで予告編を観たら予想とは随分違っていて、さらにネット上での評価も賛否が分かれていたので、これは自分の目で確かめなければ! と思い、今回レンタルで観てみましたよ。
思いのほか殺伐とした描写にビックリ
冒頭、雀のミュージカルから始まる本作。
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イギリスで最も美しい風景と称えられる、湖水地方の自然豊かな風景をカラフルな映像で捉え、その中をピーターや妹たちや従兄弟、他の動物たちが楽しそうに駆け回るシーンは、まさに頭の中に描いていた「ピーターラビット」の世界そのままでした。
が、父親をパイにして食べてしまったピーターの宿敵、農夫のマグレガー爺さんが心臓麻痺でポックリ逝ったのを皮切りに、遺産相続のためロンドンからやってきた又甥のトーマスは、捕まえたピーターの従兄弟ベンジャミンを麻袋に入れて川に沈めようとするし、トラバサミのような罠をアチコチに配置、さらに門扉が頑丈なものに付け替え、挙句、害獣よけの電気柵や害獣を吹っ飛ばす爆薬まで……。と、
完全に殺る気満々。
対するピーターたちも、トーマスの仕掛けた罠を逆利用したり、アレルギーのあるトーマスの口にブラックベリーを放り込み、アナフィラキシーショックを起こさせたりと、まさに生きるか死ぬかのサバイバルバトルが繰り広げられるんですよね。
クライマックスに至っては、スピルバーグの戦争映画「プライベートライアン」を参考にしたと言うんだから驚きです。“あの”「プライベートライアン」ですよ!?
改良か、それとも改悪か
この改変っぷりに、原作ファンの人たちを中心に本作はかなり批判されたそうですが、「そりゃぁそうだよなー」と思う一方で、マクレイガー爺さんは、元々ピーターたちの土地だった場所を占拠したうえにピーターの父親をパイにして食べてしまったわけだし、又甥のトーマスも、家の敷地にピーターたちが入れないようにするばかりか、侵入したピーターやベンジャミンを容赦なく殺そうとしてるわけで、ピーター目線で見れば、弱者である自分たちが理不尽に立ち向かい土地を取り戻そうとするのは、ある意味で当然の行動と言えなくもないわけですよ。
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むしろピーターの行動に引いてしまうのは、可愛いピーターラビットが人間を殺そうとするなんて! というショックの方が大きいんじゃないかと思うし、それは、ある意味で人間の傲慢なのではと思ったり?
見た目は可愛いうさぎでも、ピーターは野生で人間と対等な存在なわけですからね。
そういう意味では、一見改悪に見える本作のピーターの行動は原作者ビアトリクス・ポターの精神に沿っていると言えなくもない…かもしれない? とか思ったり。
あと、ピーターたちがラップを歌ったり、映画自体がスラップスティックコメディーになるのは、100年以上昔の物語を現代にアップデートするっていう意味では致し方ないんじゃないかと思いますしね。
微妙な部分も
ただ、本作がピーターラビットの映画化として成功しているかというと、微妙な部分も。
例えば、本作でピーターを始め動物たちの多くは上着を着ていますが、そのことについて人間たちはごくごく当たり前に受け入れてるし、後半ではトーマスはピーターと普通に会話し始めるんですが、本作のヒロインであり、トーマスとピーターの争いを激化させる要因となるビアとは、ピーターは言葉を話さないんですよね。
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ちなみに、ピーター側は(多少認識の齟齬はあるけど)人間の言葉を理解しているようで、ということはピーターたちが話す人間を選んでいるのか、それとも人によって言葉が通じたり通じなかったりするのかが、よく分からなくて、その辺の(映画内)リアリティーのルールが明確にされていないのが、引っかかってしまうんですよね。
あと、本作で重要なキャラクターであるはずの、ビアの描き方はハッキリ上手くないって思いました。
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原作の設定や世界観を活かしつつ上手く現代風にアップデートすることに成功した作品としては、同じイギリス発の児童文学が原作の「パディントン」がありますが、対する本作は原作のエピソードを入れ込んでファンへの目配せはしているようですけど、アップデートという意味では上手くいってない部分が多いと思いましたねー。
とはいえ、ピーターや動物たちは総じて可愛いし、スラップスティックコメディーとしても楽しい映画でしたよー!
興味のある方は是非!!
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