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“イタイ”JKの一年間を追った青春映画「レディ・バード」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ゴールデングローブ賞で作品賞&主演女優賞受賞。アカデミー賞5部門にノミネートされた『レディ・バード』ですよー!

「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」で女優を務めたグレタ・ガーウィグが脚本・監督を務めた半自伝的青春映画です!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

『フランシス・ハ』『20センチュリー・ウーマン』などの女優グレタ・ガーウィグが、自伝的要素を取り入れながら監督・脚本を手掛けた青春ドラマ。カリフォルニアの片田舎で生活している女子高校生が、さまざまなことに悩みながら成長していく姿を映す。『ブルックリン』などのシアーシャ・ローナン、ドラマシリーズ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」などのローリー・メトカーフ、『アンダーカバー』などのトレイシー・レッツ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などのルーカス・ヘッジズらが出演。(シネマトゥディより引用)

感想

本作をザックリ一言で言うなら、「故郷の良さは離れてみないと分からない」系映画です。
別に大きな事件は起こらず、淡々と、でも丁寧に主人公“レディ・バード”の心情に寄り添っていく作品なんですね。

僕はこれは「これは男には書けない物語だなー」と思いましたねー。

本作は少女と大人の女性の間を行き来して、そんな自分を持て余している高校生女子の不安定さをリアルに描いてるんですよね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 此処ではない何処かへ行きたいと思っているレディ・バード

ザックリストーリー紹介

2002年、サクラメントに住む女子高生のクリスティン(シアーシャ・ローナン)は、友達・家族・学校の先生にまで「私のことはレディ・バードって呼んで」とか言っちゃう、ちょっとイタイ17歳。

進学を巡って看護師の母親マリオン(ローリー・メトカーフ)と衝突したり、シスターにイタズラしたり(彼女はカトリック系の学校に通っている)、演劇を始めたり、初恋したり失恋したり、友達を傷つけたり、仲直りしたり。

そんな彼女が、18歳で高校を卒業するまでの一年間を描く。

というストーリー。

監督・脚本のグレタ・ガーウィグサクラメント出身で、この物語は彼女の半自伝的なストーリーになっているのだそうです。

確かに、メイキングのインタビューなんかを観ると、グレタ・ガーウィグの立ち居振る舞いは、主人公のクリスティンによく似てるんですよねー。

母親との確執

レディ・バードと母親は似たもの親子で、互いに自己主張が強くいので衝突するんですね。

映画冒頭、一緒に大学見学からの帰りの車中で最初は仲良く話していたのに、進学の話でレディ・バードがNYの大学に行くと言い出した途端言い争いになり、イキナリ走行中の車から飛び降りて腕を折ってしまうんですよね。
レディ・バード、エキセントリックすぎるだろw

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画像出典元URL:http://eiga.com / 仲がいいかと思ったら秒速でケンカを始める似たもの親子

彼女の家は、サクラメントでもどちらかといえば低所得者層でして、多分中の下くらい。兄で養子のミゲルはバークレイ大学に行ったのに、自分はサクラメントの大学に自宅から通えと言われるのが不満なレディ・バード

しかし、テロや不景気もあってミゲルは立派な大学に行ったのに、卒業後も仕事がなく、スーパーのレジ係をやっていること。また経済的にも地元の大学に家から通わせたい母親(というかずっと手元に置いておきたいというのが本音?)。

これで、レディ・バードが成績優秀なら母親も考えるかもですが、なんせ彼女は別に成績は良くないし、特に数学は壊滅的なんですよねーw

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画像出典元URL:http://eiga.com / スクールカーストで言えば中の下くらいにいるレディ・バードと親友のジュリー。

それでシッカリ勉強してるならまだしも、彼女は親友のジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)と学校で聖餅をスナック感覚でボリボリ食べながらオ「私はバスタブで」「私はシャワーヘッドよ」なんて下話をするわ、テスト中カンニングするわ、シスターの車にイタズラするわ、停学になるわ、親友を裏切ってヒエラルキー上位の女の子と友達を始めるわ。

その度に母親と大ケンカになるんですよねw

ここではない何処かに

サクラメントはカリフォルニアの州都ではあるものの、ぶっちゃけ退屈な田舎町。
おまけに、兄が通う公立校で暴力事件が起こったので、彼女は両親が無理してカトリック系の私立高校に通わせていて、なので同級生はみんなお金持ちだったりすんですよね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / レディ・バードが憧れる家に住んでいる初恋の彼。しかし彼にはある秘密が…

そのコンプレックスも手伝って、レディ・バード“ここではない何処か”にさえ行けば、全てが変わるハズ。って思い込んでるわけです。

まぁ、彼女くらいの年頃には多かれ少なかれそういう気持ちになったりするのは、僕も経験があるし気持ちは分からなくもないんですが、年齢的にもどちらかといえばご両親の方に感情移入してしまいましてね。

レディ・バードの身勝手な行動にイラっとしてしまうシーンもいくつかあったりしましたねーw

その分、ラストシーンには思わずグッときてしまったんですけどね。
彼女にとって、サクラメントは母親とイコールなのです。

女性ならではの視点

そんな、ある意味で自身の分身ともい言うべき主人公レディ・バードの心情を、監督のグレタ・ガーウィグは淡々と、でも寄り添うように繊細にフィルムに焼き付けていきます。

劇中のレディ・バードの言動は、大人から見ると身勝手で奔放で危なっかしくて、でも愛おしい。
逆に、同世代の女の子ならレディ・バードの気持ちにがっつりリンクしてしまうんじゃないかと。それって、やはり女性監督ならではの作劇なのだと思いました。

なので、多分この映画はどちらかといえば男性よりも女性の方が、ずっと深く刺さるだろうし共感できるのではないかと思いましたねー。

興味のある方は是非!!

 

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