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伝説のサメ映画完結!「シャークネード ラスト・チェーンソー4DX」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのはシリーズ6作目にして完結編『シャークネード・ラストチェーンソー』ですよー!

アメリカではテレビ映画として、日本ではずっと劇場未公開のビデオスルー作品として好事家たちに愛され続けた“サメ映画”。
しかし本シリーズは、あまりの人気に完結編となる本作「~ラストチェーンソー」が4DX版で劇場公開(日本のみ)されるという奇跡を起こした「伝説のサメ映画」なのです。

というわけで、今回は過去シリーズを振り返りつつ本作について語りたいと思いますよー!

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概要

サメの大群を巻き込んだ竜巻と人間の戦いを描いた『シャークネード』シリーズの第6弾。数々のシャークネードに立ち向かってきた主人公が、さまざまな時代を駆け巡りながら新たな戦いに挑む。監督は『シャークネード』シリーズのメガホンを取ってきたアンソニー・C・フェランテ。ドラマシリーズ「ビバリーヒルズ青春白書」などのアイアン・ジーリング、『アローン・イン・ザ・ダーク』などのタラ・リードら、おなじみの出演者が集結する。(シネマトゥディより引用)

感想

「サメ映画」とは

劇場公開されたという話は全く聞かないのに、なぜかレンタルビデオ店の棚の一角を占拠しているシリーズってありますよね。
例えば、よく分からないゾンビ映画の新作とか、大ヒットしたホラー映画によく似たタイトルとパッケージの作品とか。

それらの劇場未公開、DVDだけが販売・レンタルされる作品をビデオスルーと言って、そんな中で幅を利かせているのが、サメに人間が襲われる通称「サメ映画」です。

その起源をたどれば、スティーブン・スピルバーク監督の名作「ジョーズ」(75)に行き着きます。(「ジョーズ」より先に作られたサメ映画もあるけど)
ジョーズ」は世界的に大ヒットしたことでその後「ジョーズ2」(78)「ジョーズ3」(83)「ジョーズ'87 復讐篇」(87)と続編が作られるんですね。

一方、低予算・低コストで制作、ドライブインシアターや深夜のオールナイトのみで上映されるような、ゲテモノB級映画の制作会社は「ジョーズ」の大ヒットを受け、「人間がサメに襲われる映画を作れば儲かるのか!」となり、「ジュラシック・ジョーズ」(79)や、「ジョーズ・リターンズ/邦題:最後のジョーズ」(80)などのフォロワー映画が作られ、また、同時期の70年代には「ジョーズ」やヒッチコックの「鳥」に端を発した動物パニック映画のムーブメントも重なり、クマ・タコ・犬・ミミズ(実際にはゴカイ)・シャチ・ピラニア・クモ・ネズミ・ネコなどなど、次々に動物が人間を襲う映画が作られて行くんですね。

以降、サメ映画や動物パニック映画の人気は下火になっていきつつも、その血脈は細々と引き継がれていき、CGが安く使えるようになったこと、子供の頃に「ジョーズ」を観た世代が大人になったこともあり、テレビ映画に舞台を移して「サメ映画」が復活。
超巨大化したり、他の動物やジャンルと合体しながら、謎の進化を遂げたのが現在の「サメ映画」です。

その多くはアイデア一発の出オチ映画で、レンタル店でタイトルを見たときが一番面白く、実際に観るとあまりのバカバカしさに呆れてしまうようなチャチな映画ばかり。
本シリーズもそんな「サメ映画」の一本としてスタートしたのです。

シャークネードとは

ざっくり言うと、大型台風に伴う巨大竜巻に巻き上げられたサメが、空から降ってきて人間を襲うという内容です。

そんなアホなって思うかもですが、この程度はサメ映画業界ではむしろ普通すぎるくらいです。

ほかの映画ではアメリカの原子力空母よりでかいサメや、タコと合体したサメや、ゾンビや幽霊になったサメや、続編の度に頭が増えるサメなどが大暴れしてますからね。

シリーズ全作のざっくりあらすじ紹介

2013年に放映された第一作では、メキシコ湾で発生した3つの台風が海を渡り、サメを巻き上げながらロスに上陸。
ロサンゼルス市民は暴風と豪雨に加え、"台風によって飛来したサメたち"の襲撃を受ける事にます。

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サンフランシスコの海岸でバーを営む主人公のフィンは、未曾有の大惨事の中、離婚してロスに住む家族を守るべく、拳銃やチェーンソーを手に空を舞うサメとの死闘に臨み、最終的にはダイナマイトの爆風で竜巻を吹っ飛ばして、シャークネードに打ち勝ちます。

 この1作目で、フィンがチェーンソーごとサメに飲み込まれ、中からサメを切り裂くというアイデアインパクトは絶大で、その後のシリーズで繰り返し使われるんですね。(そして大喜利のようになっていくw)

続く「シャークネード カテゴリー2」では、家族とよりを戻し妻エイプリルと故郷ニューヨークへ向かうフィンを追いかけるように発生する、シャークネードとフィン一家の死闘を描き、第3作「シャークネード エクストリーム・ミッション」では、過去2度に渡ってシャークネードからアメリカを守ったフィンが、ホワイトハウスで大統領に表彰される式典の最中、三度シャークネードが発生。

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過去2度とは比べ物にならないほど巨大な竜巻を止めるため、フィンは元NASAに努めていた父ギルバート(なんと演じるのはデヴィッド・ハッセルホフ!)の力を借りて、人工衛星からビーム砲でシャークネードを攻撃、見事撃破します。

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第4作「シャークネード4」は前作から5年後、ハイテク企業のアストロX社が開発した天候安定システムにより、竜巻の発生を未然に防ぐことができるようになって世界は平穏な日々を取り戻します。

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前作ラストで、妻エイプリルを失ったフィン・シェパードは、失意の中カンザスの農場で幼い息子ギルと母親と三人で静かな生活を送っていました。
そんなある日、長男マットと再会するためアストロX社がラスベガスにオープンさせたサメをテーマにしたホテルで、砂漠で発生した巨大竜巻に見舞われるフィンたち。
砂塵とともに、ホテルで飼われていた大量のサメを巻き上げた竜巻はシャークネードとなり、さらに岩や油田の油を巻き上げ、炎や電気を纏い、ついには原子力発電所の核燃料を飲み込んで“ヌークリアネード”に成長。
そこに、死んだと思っていたエイプリルがサイボーグとなって現れ、フィンたちと合流。最凶のヌークリアネードを阻止するため、チェーンソーとハイテク装備に身を包み、命がけの特攻を開始するのです。

そして前作「シャークネード5 ワールド・タイフーン」では、シャークネードの脅威から何度もアメリカを救ったフィンが、ついにその功績が認められNATOによる「シャークネード戦略会議」に召集されます。

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会議が開かれるロンドンを妻エイプリルと息子ギルと共に訪れたフィンのもとに、かつて共にシャークネードと戦ったノヴァから連絡が入るんですね。

ノヴァ曰く、シャークネードと人間との戦いは太古の昔にも行われていて、そこで古代の人々は「デュークワカのハーネス」という秘宝の力を使いシャークネードに勝利。そしてその秘宝はストーンヘンジの地下に眠っていると。

フィンがノヴァと共に遺跡からハーネスを持ち出すと、巨大なシャークネードがロンドンに突如発生。ロンドンの街を壊滅状態に追い込んだシャークネードはハーネスを持っていた息子ギルを巻き込んで、どこかへと去り、フィンとエイプリル、ノヴァはギルを取り戻すためシャークネードを追って世界を駆け巡るも……。

そして、完結編となる本作「シャークネード ラストチェーンソー4DX」

前作ラストで、ついにシャークネードに完敗し荒野とかした世界にタイムマシンで現れた息子ギル。なんと成長したギルはドルフラングレンになってました

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で本作、ギルに導かれ辛うじて残った妻・エイプリルの頭部(サイボーグだから頭だけでも会話できる)と共に恐竜時代にタイムスリップしたフィン。
ギル曰く「タイムトラベルはエネルギーが不安定で危険なので、過去に戻れるのは1回だけ」らしい。

そこで、死んだはずのノヴァ、生身のエイプリル、ブライアン(1作目に登場)の姿が。それぞれ死の直前、未来からやってきたギルに助けられたらしいんですね。(過去へ戻れるのは1回という設定はどこへ??)

彼らのミッションは、全ての元凶である最初のシャークネードを破壊すること。
そして現れたシャークネード1号を、フィンは恐竜を絶滅させた隕石の爆発で破壊することに――。

そしてすったもんだあって、現れたタイムネード?と、ギルから渡されたタイムスリップ用のバッチ型の機械で、未来に飛ぶとそこはアーサー王の時代で……。

という感じで、アメリカ独立戦争の時代や、西部開拓時代、若き両親がいる1960年代、1997年?、20013年と時代を超えては現れたシャークネードを退治したり、自分や家族のコピーサイボーグを作って王国を建設する(サイボーグ)エイプリルと戦ったりするわけですよ。

……何言ってるか分からないと思いますが、僕もまったく分からないので大丈夫

この本作、完結編にしてシリーズ史上最も意味不明で、何回見直してもストーリーがまったく理解出来ないんですよねー。ほんと、劇場で観なくて良かったw

いや、そもそもシリーズ通して内容はメチャクチャだし、フィンとシャークネードはどんどん強さがインフレするし、っていうか途中からサメあんまり関係なくなっちゃってるしね。

そもそも、近年のサメ映画はストーリーなんてあってないようなもので、物語の辻褄が合わないなんてのは普通。とにかく映像のインパクトが一番なのです。

むしろ本シリーズは、そんなサメ映画群のなかでもストーリーがちゃんとしてる方ですからね。

シャークネードの魅力

そんな数あるサメ映画の中で抜群の人気を誇る本シリーズ。

その魅力を一言で言うと、主役が人間ということです。

他の作品ではいかに奇抜なサメを出すかに腐心していて、登場キャラクターは基本サメのエサか解説役です。

しかし本シリーズではサメはあくまでサメでしかなくて、主役のフィンやその家族と友人たちなど、人間のキャラや関係性の方を魅力的に描いているんですね。

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特にフィンは、最初は家族とうまくいかないボンクラ親父ですが、サメとの決死の戦いを通して家族との関係を修復・自己実現をするという、ロッキーにも通じる負け犬が再び立ち上がる系の王道キャラクターで、チェーンソーでサメと戦うという分かりやすいヒーロー像とも相まって、多くのボンクラ男子が感情移入しやすいキャラクターなのです。

また、本シリーズの監督 アンソニー・C・フェランテは、かなりのシネフィルでもあり、作中にそれと分かるように色んな映画のオマージュを散りばめていたり、デヴィッド・ハッセルホフやドルフ・ラングレンなどのビックゲストを登場させるなど、正真正銘のボンクラ仲間であり、ファン心理を分かってる感も本シリーズの人気を支えているのだと思いますねー。

とは言っても、「サメ映画の中では」という注釈付きですがw

本シリーズはあくまで、バカみたいなB級映画が好きな好事家が喜ぶ映画なので、積極的にはオススメ出来ないですが、個人的には(ストーリーの支離滅裂さやバカっぽさも含め)かなり楽しめましたよ。

興味のある方は是非!!

 

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