ぷらすです。
今回ご紹介するのは、児童小説原作のファンタジー映画『ルイスと不思議の時計』ですよー!
予告で観た時は、子供向けの魔法ファンタジーって感じで興味がなかったんですが、イーライ・ロスが監督と知って俄然興味が沸きました。
だって、「ホステル」や「グリーン・インフェルノ」などゴアホラーでお馴染みな“あの”イーライ・ロスですよ?
その彼のファンタジー映画とくれば、そんなん気になるでしょ!!
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
ジョン・ベレアーズの児童文学を原作にしたファンタジー。少年と2人の魔法使いが、世界を救うために時計の謎に挑む。監督は『グリーン・インフェルノ』などのイーライ・ロス。『グースバンプス モンスターと秘密の書』などのジャック・ブラック、『ブルージャスミン』などのケイト・ブランシェット、ドラマ「デスパレートな妻たち」シリーズなどのカイル・マクラクランらがそろう。(シネマトゥデイより引用)
感想
ざっくりストーリー紹介
1955年、両親を亡くし、叔父のジョナサン(ジャック・ブラック)の世話になることになった少年ルイス(オーウェン・ヴァカーロ)。
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初めて会ったジョナサンは見るからに変人だし、彼の家は子供たちが「呪いの家」と呼ぶ不気味な洋館で不安になるルイスですが、やがてジョナサンが魔術師、隣家に暮らす美女ツィマーマン(ケイト・ブランシェット)が魔女だと知ったルイスは、自分も魔術師になりたいとジョナサンに頼み込み、その才能を開花させていきます。
しかし、二人はルイスに何か隠し事をしているようで――。という物語。
制作はスピルバーグのアンブリン・エンターテインメントで、イーライロスはスピルバーグに「怖く作ってくれ」と言われたそうですね。
原作
本作は1973年にジョン・ベレアーズにより出版され、その後ルイス・バーナヴェルトを主人公とするシリーズ物となる児童小説「壁のなかの時計」が原作。
1991年にジョン・ベレアーズが亡くなってからはブラッド・ストリックランドが執筆を引き継ぎ、全12巻が出版されてるんですね。
日本では2001年から2004年まで「ルイスと魔法使い協会」というシリーズで第8作まで翻訳され、今回の映画化にあたり映画の邦題に合わせて改題。
ハリーポッターの日本版で知られる静山社から「ルイスと不思議の時計」のシリーズで第3作まで出版されています。
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そんな本作は「『ハリー・ポッター』の原点」と言われているようで、確かに主人公ルイスの両親が亡くなっているとか、現代に魔術師が暮らしているという設定は似ているんですが、「ハリー・ポッター」シリーズの作者J・K・ローリング自身は、影響を受けた作品の中に本シリーズは挙げていないらしいんですよねw
恐らく、「ハリー・ポッター」の人気に乗っかって本作出版する際に、設定が似ている事に目をつけた出版社が、泊をつけるためにそういう触れ込みにしたんじゃないでしょうか。
監督
そんな本作を監督したのは、バカ大学生が東欧旅行で浮かれてたら殺人クラブでひどい目に遭う「ホステル」や、意識高い系大学生がアマゾンで人食い族に美味しく頂かれちゃう「グリーン・インフェルノ」など、ゴア描写たっぷり系ホラー映画でお馴染みのイーライ・ロス。
彼の映画を観たことがある人なら、「イーライ・ロスが子供向けのファンタジー映画の監督」と聞いて耳を疑ったんじゃないでしょうか?
とはいえ、「ホステル」も「グリーン・インフェルノ」も、ゴア描写ばかりがクローズアップされがちですが、映画としては面白く出来てるしイーライ・ロス自身は腕のある監督だと思うんですよね。
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現に本作も、冒険ファンタジーとして上手くまとまっていながらも、イーライ・ロスを感じさせる屋敷や人形などの不気味さや、悪い魔術師の魔法で顔はジャック・ブラックなのに体は赤ん坊になってしまう悪趣味さ、植木のガーゴイルがルイスやジョナサンに何度も糞を引っ掛けるなどの下らないコメディが絶妙のバランスで物語を盛り上げているのです。
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そして本作は、楽しい魔法ファンタジーでありながら、孤独や同じ痛みを持つルイス、ジョナサン、ツィマーマンが協力し合いながら居場所をみつける物語でもあるんですね。
面白いけど印象に残らない
そういう意味で、本作は大人も子供も楽しめる娯楽作品ではあるんですが、正直に言えば「可もなく不可もなく」という感じで、そこまで印象に残る作品ではないんですよね。
ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットという芸達者なキャストのやりとりはもちろん素晴らしいし、ルイス役のオーウェン・ヴァカーロもとても良かった。
イーライ・ロスの演出だって上記のとおり良かったわけですが、なんて言うかこう、ハリーポッターみたいな現実の向こうにある魔法世界の広がりは特に見えず、特に悪いところはないけれど、全体的に小ぢんまりとまとまってる感じなんですよね。
なので観ている間は楽しいけど、観終わったあとに印象に残らないっていう。
これがティム・バートンやギレルモ・デル・トロみたいにもう少しダークファンタジー方向に振り切るか、スコセッシの「ヒューゴの不思議な発明」みたいに「これ!」 っていう“何か”があればまた印象が違ったのかもですが、ファミリー映画という縛りもあって、イーライ・ロスに少し遠慮が出てしまったのかな? なんて思ったり。
っていうか、そもそもホラー監督とは言っても、イーライ・ロスのホラーは怖さの方向性が違うし、本作はイーライ・ロスの魅力が出しきれてない感じがしました。
ただ、前述したように大人も子供も楽しめると思うし、少なくとも観ている間はホントに楽しめる作品だけに、個人的にはその辺が、少々もったいない感じがしましたねー。
興味のある方は是非!!
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