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掴みどころのない作品「ディアマンティーノ/未知との遭遇」(2018)*ネタバレ

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、昨年「未体験ゾーンの映画たち」で公開されたポルトガル映画ディアマンティーノ/未知との遭遇』ですよー!

クリスティアーノ・ロナウド似のサッカー選手が、巨大なチワワが現れたフィールドの中をドリブルする予告編を観て「イナズマ・イレブン」的なコメディー映画なのかな?と思って観たら、思ってたのと全然違ってましたw

正直、今思い返して観ても、よく分からない映画でしたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

ガブリエル・アブランテスとダニエル・シュミットが監督と脚本を担当したファンタジードラマ。ネオナチ、難民、クローンなど多様な問題を背景に、ポルトガルの偉大なサッカー選手の引退後の迷走が描かれる。『熱波』などのカルロト・コッタがサッカーのスーパースターを演じた。(シネマトゥディより引用)

感想

一体何を観せられているのか……。

本作を一言で言うなら「掴みどころのない映画」です。
予告編を観たときは絶対にコメディだと思ったんですけど、どうもそういう訳ではないらしい。かといって超真面目な映画かというとそうでもなく、ファンタジーでもなく、SFでもなく、恋愛映画ともアクションとも違う。

一体この映画は何なんだ……ってなるんですよw

ざっくりあらすじを書くと、

サッカー界のスーパースターであるディアマンティーノは、2018年Wカップの決勝戦の前日に海を渡ってくる難民に遭遇。
生まれて初めて「難民」の存在を知った彼は試合に集中出来ずポルトガルはWカップ優勝を逃し引退を表明する。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 主人公ディアマンティーノ。明らかにクリスティアーノ・ロナウドに寄せてます。

さらに決勝戦の最中、最愛の父が死んでしまい(殺したのは双子の姉)悲嘆に暮れるディアマンティーノ。

しかも彼には当局から、マネーロンダリングの容疑が掛かっていて(犯人は双子の姉)、引退後に出演したテレビ番組で「難民の子を引き取る」という彼の元にやってきたのは“少年”は、マネーロンダリングの証拠を掴もうとする潜入捜査するスパイの女性アイーシャレズビアン)。

しかし、彼女は純粋で無垢なディアマンティーノと生活するうち、彼に好意を持つようになっていく。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 超ひどい双子の姉

そんなある日、弟を金づるとしか思っていない双子の姉の元に、ディアマンティーノの遺伝子からクローン人間を作り、ポルトガル復権を目指す国内右派に属する研究所から打診があり、金に目がくらんだ姉たちはこれを了承。

実験体になったディアマンティーノは、ランボルギーニ博士からクマノミの遺伝子を注射されておっぱいが大きくなってしまう。
更に、ポルトガルEU離脱プロパガンダのイメージキャラクターとしてCMに出演。

もはや誰も信じられない彼は、愛する“息子”が本当は女性であった事を知ってHして、童貞卒業。

しかし姉から、唯一信じたアイーシャが潜入捜査官であることを知らされ絶望。

そして実験は最終段階に入り、クローンにディアマンティーノの脳情報をコピーすることに。

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画像出典元URL:http://eiga.com / マッドサイエンティストランボルギーニ博士

これをすると彼は死んでしまうが、双子の姉は快諾。
そんなディアマンティーノのピンチを救うためアイーシャは研究所に潜入。
襲いかかる双子の姉を倒すも、ランボルギーニ博士に殺されそうになる。

が、ギリギリで覚醒したディアマンティーノに救われ、二人は結ばれるのだった。

って、なんだこれ。

あらすじを完全ネタバレで書きましたが、全部読んでもどんな内容かさっぱり分からないですよね? だって、書いてる僕も分かりませんからw

解説を読んでみると、現在のポルトガルに広がる難民問題、富裕層のマネーロンダリング、科学技術の暴走、国の右傾化、LGBTなどの問題を、国民的なサッカー選手の物語として寓話的に描いたってことらしいです。

全てががゆるゆる

そう言われれば、確かに前述の描写は一応全て劇中に入ってはいるし、物語の筋立てもどこかキリスト教的な雰囲気がある気がします。

主人公がサッカー選手なのも、元々サッカーの盛んなお国柄ですし、だから主人公の見た目をクリスティアーノ・ロナウドに寄せているんでしょう。

しかし、それが映画的に上手くいっているかといえば、答えはノーなんですよね。

ポルトガルが抱える問題とやらも、問題提起にもなってなければ監督なりの答えも示していなくて、ただ無造作に放り込んでいるだけにしか見えませんしね。

かといってエンタメに振り切ってるかと言えばそんなこともなく、コメディーとして笑い飛ばしたり皮肉ったりしてる様子もなく、各種問題はそのまま劇中に登場するので寓話にもなってないし。

脚本、映像、CG、設定などなど全てがゆるゆるで、登場人物が何をしたいのかも分からず。(目的がハッキリしてるのは双子の姉だけ)

結局、巨大なチワワが出てくるシーンしか印象に残らないんですよねー。
しかも、唯一印象的なそのシーンさえ、主人公の妄想以上の意味はないのです。敢えて言うならイマジナリーフレンド的な感じなのかな?

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画像出典元URL:http://eiga.com / 主人公がゾーンに入るとフィールドに現れる巨大な小型犬たち

無理やり読み解くなら

それでも、あえて無理やり読み解くなら、昔は大国だったが現在はヨーロッパの中でもあまり目立たず、EUに振り回されるポルトガルの栄枯盛衰をサッカー選手に置き換えて、過去の栄光や成功体験に縋る人々を揶揄することで警鐘を鳴らしつつ、今の小さな幸せに目を向けよう。みたいな事が言いたかったのかな?と。

まぁ上手くはいってないですけどね!

興味のある方は是非!

 

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