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スパイダーマンを見事に“アップデート”!「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019) *ネタバレあり

ぷらすです。

昨日公開初日の最初の回で観てきましたよー『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をー!!

いやー、控え目に言ってもう……最高でしたーー!!!

と・こ・ろ・が、この作品ネタバレ無しの感想が非常に難しい上に、前作「アベンジャーズ/エンドゲーム」のネタバレが避けられないという、映画レビュアーにとってはまさに鬼仕様

こっちはネタバレが怖くて未だに「エンドゲーム」の感想をアップしてないっつーのにね!(っていうか、本作予告で既にネタバレしてるんですけどねw)

「エンドゲーム」の感想はDVDリリースに合わせて完全ネタバレでアップしようと思ってるんですが、こっちの感想については諦めてネタバレありで書く事にしました。

なので、「エンドゲーム」と本作をこれから観る予定の人、ネタバレは絶対に嫌 !っていう人は、くれぐれも先に2本を観てからこの感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ!?

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概要

スパイダーマン:ホームカミング』に続き、トム・ホランドが主人公ピーター・パーカーを演じたアクション。ヨーロッパで友人たちと旅行を楽しむピーターがミッションを与えられ、新たな戦いに向かう。共演は、前作にも出演したジェイコブ・バタロン、ゼンデイヤ、マーベル作品のニック・フューリー役でおなじみのサミュエル・L・ジャクソンら。監督はジョン・ワッツが続投する。(シネマトゥディより引用)

感想

ざっくり「スパイダーマン」の歴史

先日スパイダーマンっていっぱいいてよく分からない」という話を友人から聞きました。というわけで、先にザックリスパイダーマンについて説明しようと思いますよ。

スパイダーマンのオリジン(誕生譚)といえば、科学オタクのいじめられっ子高校生ピーター・パーカーが放射能を浴びた蜘蛛に噛まれたことでスーパーパワーが覚醒。ベン叔父さんの死をキッカケに“親愛なる隣人”スパイダーマン」として活躍するストーリーで、今は亡き原作者のスタン・リーとアーティストのスティーブ・ディッコが生み出し「Amazing Fantasy#15(1962年8月)」で初登場したスーパーヒーローです。

2002年にサム・ライミ監督版の無印「スパイダーマン第1作が公開されると世界的大ヒットとなり、シリーズ3作が作られますがサム・ライミが降板。

ソニーはマーク・ウェブを監督に迎え世界観や設定をリブートした「アメージング・スパイダーマンを2012年に公開。当初3部作の予定でしたがサムライミ版から間がなかった事などから人気が出ずに2作で終了してしまいます。

その後しばらくスパイダーマンの企画は宙に浮いた形になるんですが、一方で原作の版元マーベルコミックは自社が運営するマーベル・スタジオは、自社のキャラクターをひとつの世界観で集合させるシェアード・ユニバース作品を計画。

それが「MCUマーベル・シネマティック・ユニバース)」で、2008年公開のMCU第1作「アイアンマン」は予想を超えるヒットになります。
その後は作品を重ねるごと話題を呼ぶ人気シリーズとなったMCU
ディズニー傘下になったこともあり映画化権を保有するソニーと「スパイダーマン」のMCU傘下を話し合いの末に、キャラクターを使用するライセンス契約(平たく言うとスパイダーマンのキャラをレンタルする契約)を交わしMCU版「スパイダーマンは誕生したわけですね。

ちなみにソニーは今年劇場アニメスパイダーマン: スパイダーバース」を公開し、こちらも大ヒットしました。

つまり、サム・ライミ監督の「無印」、マーク・ウェブ監督の「アメージング~」、MCU版、アニメの「スパイダーバース」に登場するスパイダーマンは(名前は一緒でも)それぞれ別人だとお考え頂けば、混乱はしないんじゃないでしょうか。

見事な“アップデート”

すっかり前置きが長くなりましたが、MCU版のスパイダーマンはこれまでの作品から設定を一新。
能力を得て自警活動をする少年ピーター・パーカーを、アイアンマンことトニー・スタークがスカウト・育成するという展開になっています。
憧れのトニー・スタークにスカウトされて舞い上がったピーターが、色々な失敗をしながら“親愛なる隣人”として成長するまでが前作「~ホームカミング」の大まかな流れ。

その後ピーターは「アベンジャーズ:インフィニティー・ウォー」でのサノスによる指パッチンで消されてしまいますが前作「~エンドゲーム」で復活。
本作に繋がるわけです。

というわけでここから色々ネタバレしますよー!

 

 

 

 

 

前作で師であり父親的存在でもあったトニーを亡くしたピーター。

前述したようにスパイダーマンのオリジンでは、ベン叔父さんを亡くしてしまった事と叔父さんの最後の言葉を胸にピーターはスパイダーマンになるんですね。

ですがMCUスパイダーマンでベン叔父さんは登場せず、代わりにベン叔父さんの役割を担っていたのがトニー・スターク

つまり前作「ホームカミング」と本作が、MCUスパイダーマンのオリジンストーリーなんですね。

「~ホームカミング」で父親のように見守り、導いたトニーという大きな存在を失った彼は周囲から英雄トニーの志を受け継ぐ者として祭り上げられるプレッシャーと不安の中、親愛なる隣人スパイディーとして活躍する一方、前作でも登場した同級生のMJことミシェル・ジョーンズに絶賛片思い中。そこで学校が企画したヨーロッパへの二週間の研修旅行中にMJに告白することを決意します。

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ところがそんなピーターに、元S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーから何度も呼び出しが。夏休みを満喫したいピーターはこれを無視して、スパイダーマン・スーツも家に置いてヴェネツィアへ向かうも、突如運河から意思を持つ水の巨人に襲われてしまうんですね。

装備もなく思うように戦えないピーター。
そんな彼の前にミステリオと呼ばれる魔法のようなパワーを操る男が現れ、水のモンスターを制圧するのです。

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彼の正体は「~エンドゲーム」で開いた異次元の穴から、ピーターたちを襲った怪物“エレメンタルズ”を追ってやってきたクエンティン・ベック(ジェイク・ジレンホール)という男だったんですね。

その後、フューリーはピーターに「E.D.I.T.H.」と呼ばれる人工知能を宿した眼鏡を手渡し、トニー・スターク/アイアンマンの後継者に指名されたことを伝えますが、自分に自信がもてないピーターはエレメンタルズとの対決をミステリオに任せて旅行に戻るのだが――というストーリー。

実はこのミステリオは、スパイダーマンの有名なヴィラン(悪役)でして。
なので、スパイダーマンのファンは全員、いつミステリオが正体を現すのかと思いながら観てるわけですw

原作版のミステリオは特殊効果のエキスパートで、SFXやバーチャル・リアリティといった映像技術と催眠ガスで幻覚を見せる悪者で、基本的にはただの人間なんですね。

本作では、「キャプテンアメリカ/シビルウォー」の劇中、発明品“BARF”のプレゼンでトニーが出てくる回想シーンがあるんですが、そのBARFの開発者がクエンティン・ベックで、トニーにクビにされた事を恨んでいるという設定になっているんですね。

また、ベックのチームの中には「アイアンマン1」で、悪役のオッサンにアーク・リアクターの小型化を急かされてた研究員(同じ役者が演じている)もいたりして、結果トニーの蒔いた種だった事が分かります。

ベックの狙いは亡きトニーの代わりに英雄になることで、その為にフューリーやピーターに近づいて信用を得て、ピーターに渡された高性能サングラスをだまし取ろうとしているのです。

結果、正体に気づいたピーターにミステリオは負けて事なきを得るんですが、ED後のオマケ映像での驚きの展開があります。

本作のテーマはズバリ近年問題になっている「フェイクニュース」で、ミステリオはそんなテーマにピッタリのヴィランとして“アップデート”されているわけです。(というかミステリオ→フェイクニュースの順番かも?)

さらにエレメンタルズ(偽物)の映像もMCU作品としては若干ショボく見えるように作られていたり、二度に渡る対決でピーターがミステリオの幻覚攻撃に苦しめられるわけですが、その幻覚もSFXで作った世界に見える嘘っぽいCGになっていて、その辺も原作版のミステリオの設定を今風に表現する上手い表現で良かったです。

またアップデートといえば、前述したように前作「~ホームカミング」から設定を一新していて、同級生や先生はインド系やラテン系黒人のキャストも増えて、ヒロインのMJもこれまでの赤毛の白人から、スパニッシュ系で勝気で若干中二病的なキャラクターになっているし、ピーターたちの年齢も若干引き下げて、今の若者たちの感覚に合わせた“アップデート”が行われています。

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スパイダーマンがまるでアイアンマンのサイドキック(相棒・助手)みたいだと、一部の古参ファンにはウケが悪かったMCUスパイダーマンですが、「~エンドゲーム」を経て、本作でピーターはトニー・スタークから“遺産”を受け継ぎ真のスーパーヒーローとして“アップデート”したわけで、そういう意味で前作「ホームカミング」と本作は前後編と言えるかもしれません。

フェーズ3最終作

わりと勘違いされがちですが、ファーストアベンジャーズ(アイアンマン・キャップ・ハルク・ソー)シリーズの最終作は前作「エンドゲーム」ではなく、本作「ファーフロム・ホーム」だったりします。

アイアンマンことトニー・スタークが死んで終りではなく、彼の意思をスパイダーマンことピーター・パーカーが受け継いだ本作を持ってファーストアベンジャーズのストーリーは終焉を迎え、同時に本作からスパイダーマンが中心となる新たなストーリーが幕を開けたわけです。

実にMCUらしい見事なエンディングでありオープニングじゃないですか。

そしてまだ未熟なピーターを守りサポートするのが、アイアンマン1・2の監督であり、トニーのボディーガードとしても登場するジョン・ファブロー演じる“ハッピー”・ホーガンなのです。

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劇中、トニーが残したテクノロジーを使ってオリジナルスーツを作るピーターに「音楽は任せておけ」と言ってハッピーがかけるのがトニーがアイアンマンスーツを制作するときにかかっていた、AC/DCの「Back In Black」なんですよ!!

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そして、「Back In Black」をバックに、オリジナルスパイダースーツを制作するピーターは、アイアンマンスーツを作っている時のトニーそっくりで、そんなピーターを感慨深げに見守るハッピー。

もうこのシーンだけで5億点ですよ!!

音楽がかかった時ピーターが「ツェッペリン最高!」と言ってひと笑いとるんですが、ピーターはトニーがスーツを作っている時は当然知らないわけで、ハッピーと僕ら観客だけは“分かってる”わけじゃないですか。

もうね、そっとガッツポーズとりながら泣いちゃいましたよ!

トニーの死からスタートする本作ですから、そのままやったら重くなってしまいそうな物語ですが、ハッピーがコメディーリリーフとしてこの映画に軽やかさを与えてくれるんですよね。

オマケの話

あと、個人的にツボだったのが、映画冒頭でアイアンマンやキャップなどの映像が流れて泣きそうになるんですが、そこでかかるBGMがホイットニー・ヒューストン「I will always love you」っていうね。

エンダアアアアアア じゃねえよw

もう泣いていいやら笑っていいやらっていう。
つまり、この冒頭で「この映画で湿っぽいことはやりませんよ」っていう宣言なんですよね。

それと前述したED後のオマケ映像での驚きの展開で、ニュースを伝えているキャスターが、あの人じゃないですか!!

とんでもないサプライズに思わず声が出ちゃいましたよ!w

「あの人」が誰なのかは、是非、映画館でご覧下さい!

興味のある方は是非!!!!

 

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