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香港版“バットマン”「イップ・マン外伝 マスターZ」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ドニー・イェンが伝説の武術家葉門(イップ・マン)演じる“正統”「イップ・マン」シリーズの外伝『イップ・マン外伝/マスターZ』ですよー!

主役は前作「~継承」でイップマンと正統詠春拳を掛けて戦い敗れたチョン・ティンチ(マックス・チャン)です。

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概要

『イップ・マン 継承』でイップ・マン相手に激闘を繰り広げたチョン・ティンチを主人公にした、『イップ・マン』シリーズの番外編。武術界を去った彼が、ヘロイン密売に手を染める組織の幹部に立ち向かう。メガホンを取るのは『ドランク・モンキー/酔拳』などのユエン・ウーピン。『ドラゴン×マッハ!』のマックス・チャンとトニー・ジャー、『ブッシュウィック -武装都市-』などのデイヴ・バウティスタらが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

チョン・ティンチ=バットマン

葉門(イップ・マン)は、ブルース・リーの師匠としても有名な詠春拳の使い手にして実在のカンフーマスター。
そんなイップ・マンを「ローグワン」にも出演したアクションスターのドニー・イェンが演じたのが「イップ・マン」シリーズで、これまで「序章」「葉門」「継承」の3本が公開されています。
その3作目「継承」で、“正統”詠春拳詠春拳にはいくつもの流派があるらしい)の座を掛けてイップ・マンに挑むのが、マックス・チャン演じるチョン・ティンチ。

本作はイップ・マンに敗れたチョン・ティンチの“その後”を描いたスピンオフ作品なんですね。

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イップマンに敗れたあと道場を畳んで姿を消した彼は、裏社会で働いていたんですが、そこには「女・子供・善人」ではなく、悪党相手の仕事だけを引き受けるという彼なりのルールがあるんですね。必殺仕事人的な感じですかね。

その後、“普通の暮らし”をするため裏社会から足を洗った彼は、小さな食料品店を開き息子と二人で慎ましい生活を送るんですが、そんなある日、地元のマフィアのキット(ケビン・チェン)からバーの歌手であるジュリアリウ・イエン)とホステスのナナクリッシー・チャウ)を救った事がキッカケで恨みを買い、店(兼自宅)を焼かれてしまいます。

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一方、香港の裏社会を牛耳る地元マフィアの女ボス、ツオ・クワンミシェル・ヨー)は、裏稼業をやめて一般企業へ組織を改善しようとしているんですが、仲間や、香港を支配する英国人バイヤーと組んでヘロインの密売を始める弟のキットに頭を悩ませているんですね。

店を焼かれたチョン・ティンチは、ジュリアの好意で家に住まわせて貰い、彼女の兄フー(シン・ユー)が経営するバーでウェイターの仕事も世話して貰うんですが、最初は中国人に横暴な態度を取る英国人に対して不遜な態度を取ったり、店に火をつけたキットへの報復として彼が経営する阿片窟に火を放ったり。

しかし、その後はジュリアやフーたちとの付き合いを経て、やがて本当の“家族”のようになっていくんですが、そんな彼らの居場所である飲み屋街に、キットの魔の手が迫り――という物語。

カンフーマスターとして、香港の英雄となったイップ・マンは香港の正統派ヒーロー。
いわばスーパーマンで、対するチョン・ティンチは本作で、清濁を併せ持つダークヒーロー、バットマンとして描かれています。

それは劇中、彼が息子の誕生日に送るスーパーヒーロー「ブラック・バット」のオルゴールを見れば一目瞭然で、色味こそ違うものの明らかにバットマンを意識したデザインなんですよね。

これはつまり「彼はバットマン=ダークヒーローですよ」という製作者側の目配せなのです。

負け犬の復活劇

同時に本作は「負け犬の復活劇」でもあります。
イップ・マンとの対決で敗れたチョン・ティンチは、一時は詠春拳を捨てて闇に身を沈めるも、再び陽のあたる生活を夢見て裏社会を辞め、息子と二人慎ましいカタギの生活を送る。けれど、マフィアによって再び“夜の世界”に引き戻されてしまうんですよね。

そして、そこで出会った人々との交流が彼の頑なな心の扉を開き、マフィアや麻薬ディーラーとの戦いを通して、一度は捨てた武術家の魂を取り戻すまでを描いているのです。

前作「イップ・マン/継承」が“最愛の人を失う物語”だった事を考えれば、“失ったものを取り戻す”本作はまさに「~継承」とコインの裏表のような物語と言えるかもしれません。

手技のディテールにこだわった格闘シーン

そんな本作の白眉は、やはり何といってもカンフーアクション。
詠春拳の特徴は圧倒的な手技のバリエーションで、それ自体はこれまでのシリーズでも描かれていますが、本作ではより手技のディテールの描写にこだわった画作りがされているんですね。

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そして手技のバリエーション描写で、イップ・マンとの流派の違いや、もっと言えばイップ・マンとチョン・ティンチの立ち位置や性格の違いをも表現しているのです。

その分、スローモーションや手のアップが増えて、ややテンポが悪くなった感は否めないし、ドニー・イェンに比べると一連の動きでカットを割るシーンも多いんですけどね。

ただ、冒頭で壊れていた“ブラック・バットのオルゴール”が動き始めると同時に、ラスボス相手にチョン・ティンチがついに封印していた詠春拳を使うという一連のクライマックスは「あざといなー」と思いつつも、やっぱり燃えずにはいられませんよね!!

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画像出典元URL:http://eiga.com /  「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のデイブ・バティスタも出演

また、キャストの方も豪華で、「マッハ!!!!」のトニー・ジャーや、「クレイジー・リッチ!」などハリウッドでも活躍しているミシェル・ヨー
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のドラックス役や「ブレードランナー 2049」にも出演している元プロレスラーのデイブ・バティスタなどなど、そうそうたるメンバーが出演していて、個人的には大満足な作品でしたねー!

興味のある方は是非!!!

 

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