今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

お前かーーい!ww「ハッピー・デス・デイ2U」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、先日ご紹介した映画「ハッピー・デス・デイ」の続編『ハッピー・デス・デイ2U』ですよー!

丁度、前作と入れ替わりで期間限定公開されたので、劇場で観てきました。
いやー、いい意味で期待を裏切られたって感じでしたねー!

https://eiga.k-img.com/images/movie/90366/photo/db02e5a2ed38f29b.jpg?1561943546

画像出典元URL:http://eiga.com

概要

パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』シリーズなどのジェイソン・ブラムが製作を担当したホラーの続編。何者かに惨殺される日を繰り返す現象から抜け出した女子大生が、新たな恐怖に直面する。監督のクリストファー・ランドン、キャストのジェシカ・ロース、イズラエル・ブルサードら前作の面々が集まった。(シネマトゥディより引用)

感想

お前かーい!w

前作「ハッピー・デス・デイ」の内容をざっくり説明するとですね。

ビッチで性格の悪い女子大学生ツリー(ジェシカ・ロース)が、誕生日に大学のマスコットキャラマスクの殺人鬼に殺された瞬間、その日の朝に戻るというループに入り込むんですね。

で、何度も殺されては戻りを繰り返しながら、犯人の正体に迫っていくというある種のミステリー。スラッシャーホラーで真っ先にビッチが殺されるという“お約束”を使いつつ、最終的にはツリーの人間的成長を描くという脚本が非常に面白い作品でした。

ただ、この前作があまりにも素晴らしいラストだっただけに、どうやって続編を作るのかと思ってたんですよねー。

で、本作。

前作でツリーと付き合うことになったカーター(イズラエル・ブルサード)のルームメイト、ライアン(ファイ・ヴ)が、ボロ車で目覚めるところから物語はスタート。

そしてライアンが、カーターとツリーがイチャコラしている部屋に行くまでをカメラがずっと追いかけていくんですが、ここで前作を観た人はピンとくるわけですよ。

「(今回は)お前かーい!w」ってね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/90366/photo/8b402339962d98ac/640.jpg?1552979187

画像出典元URL:http://eiga.com / 前作ではただのボンクラだと思っていたライアンが…「お前かーい!w」

案の定ライアンはマスコットマスクに殺され、車のなかで目覚めるというループに。
しかし、再び殺されそうになるその瞬間、カーターとツリーに救われ、マスコットマスクを捕えます。
そして、マスクを脱がせると、その正体は何とライアン!

ライアンを殺しにきたライアンの話によると、ライアンはある研究のため作り出した量子反応炉“シシー”によって次元の平行タイムループに陥ったと説明。この状態が続くと、バタフライ効果で更に悪い事が起きると言うんですね。

そう言えば、前作ではユニバーサルロゴがループしていたんですが、本作はユニバースロゴの画面が3つに別れてました

これには一緒に話を聞いていたライアンの研究仲間、サマールドレも困惑。
ともかくこの次元のライアンはタイムループと次元の交差を閉じるべく、“シシー”を作動させますが、そこに“シシー”を没収すべく学部長と警備員が乱入。混乱の中で“シシー”は作動し、光と波動が彼らを包みます。

そしてツリーが目覚ると、そこは前作で誕生日の18日の朝、何度も目覚めたカーター(とライアン)の部屋だったのです。
なんと、ツリーはやっとの思いで抜け出したハズのループに再び囚われてしまうんですね。怒り狂ったツリーは、何も知らずに部屋にやってきたライアンに、シシーで元の時間に戻すよう怒鳴りつけるんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/90366/photo/ed808ced562ca427/640.jpg?1552979188

画像出典元URL:http://eiga.com / 再びシのループに囚われるツリー

で、ここからまたツリーの殺されループが始まるのかと思いきや、どうも様子が違う。

前作でツリー殺しの犯人だった〇〇は犯人ではなく、登場人物のキャラの性格や関係性も少し変わっていて、何より、死んだはずのお母さんが生きている

そう、彼女は“シンシー”によって平行世界に飛ばされていたのだった――というストーリー。

並行世界(マルチバース)へ

前作での彼女がタイムループしたのは、実はライアンのせいだったんですねー。
っていうか、ただのボンクラだと思ってたライアンが、まさかの天才だったっていうw

そして、この並行世界でも結局、誕生日死に戻りループに囚われるツリー
そこで彼女は、何とかして元の次元に帰ろうと奮闘する展開になります。

タイトルの「ハッピー・デス・デイ2U」の“2U”とは、もちろん「to・you」と2作目であることを掛けているんですけど、ツリーが2つのユニバースを行き来するというトリプルミーニングだったんですね!

もちろん、前作同様、殺人鬼が友人ロリの務める病院に収監される件もあり、“真犯人”もいるので、そちらも解決出来るのは未来を知っているツリーだけ。

つまり、本作でツリーは、元の次元に戻る&殺人鬼撃退という2つのミッションをクリアしなくてはならない。しかもこの次元では、まだ“シンシー”は未完成。

ツリーを元の世界に戻すため、シンシーに正しいアルゴリズムを入力すためには、何度も実験を繰り返さなくてはならないんですが、ループが繰り返されるということは、実験を繰り返してもライアンたちの記憶ごとリセットされてしまうわけじゃないですか。

そこで、まったく専門外のツリーが、実験のたび数値や数式を覚えなくてはならない上に、実験を繰り返すには何度も死に戻りをする必要があるわけです。(実験のたび学部長と警備員にシンシーを取り上げられちゃうから)

https://eiga.k-img.com/images/movie/90366/photo/9dad9a88c486f893/640.jpg?1552979188

画像出典元URL:http://eiga.com / 爆発で死に戻りしたあと、ドリフみたいになってるツリー

そこで、ツリーは実験が失敗するたび自殺するハメになるんですが、最初はお風呂にドライヤーを入れて感電死、次はホームセンターで漂白剤をごくごく飲む、さらにビキニ姿でノーパラシュートスカイダイビングなどなど、今回もバリエーション豊富な死に様を見せてくれるんですね。

もちろん、前作同様、やっぱり彼女の体にはそれ相応のダメージが蓄積されていくし、この次元では、ツリーの恋人だったカーターはビッチ会のリーダーだったダニエル(レイチェル・マシューズ )と付き合っているけど大好きなお母さんは生きている

そこで彼女は、この次元に残るか、元の次元に帰るかの選択をしなくてはならないというのが、本作の肝になっているんですねー。

ミステリーからSFに

前作はツリー殺しの犯人をツリー自身が突き止め、死に戻りループを脱出するという、ホラーミステリーだったわけですが、続編となる本作は、彼女がループに陥ってしまった原因を提示するSFに振り切っています。

ただのタイムリープだけでなく、平行世界(マルチバース)の概念が入ってくることで、前作よりも物語は複雑化しているんですが「SFに詳しくないし…」と尻込みする必要は全くありません

物語のメインはSF要素ではなく、主人公ツリーの奮闘と成長ですから。(劇中で描かれるSF要素も結構デタラメだったりしますしねw)

とはいえ、前作での死に戻りで人間的に成長したツリーですが、実は一つだけ描ききれていなかった事があって、それが彼女が最愛の母の死と向き合うという部分。

前作では、“母の死”という辛い現実から逃げていたツリーが、その事実を受け入れる?ところまでを描いたんですが、本作ではそれを一歩進めて母との思い出(過去)に縛られるのではなく、未来に進む(親離れ)するまでを描いているのです。

母親のいる別世界で生きたいと望むツリーですが、その世界でループを閉じるということは殺人鬼によって殺された人たちは戻ることが出来ない。

しかも友人のロリや殺人鬼を止めようと病院に向かったカーターまでも返り討ちにあって殺されてしまった事を知った彼女は、葛藤の末、全てに決着をつけて元の世界に戻ることを決断するんですね。

理想的な続編

人気作品の続編を作る場合、大雑把に分けて「(作品の)世界観を広げていく」パターンと「(前作の)世界観を深掘りする」パターンのどちらかになっていくと思います。

本作の場合、冒頭で観客に「前者か?」と思わせておいて、実は後者でしたという構成になっているんですが、これが大正解。

https://eiga.k-img.com/images/movie/90366/photo/c21249164b0320d2/640.jpg?1552979187

画像出典元URL:http://eiga.com / 後ろのポスターに注目

主人公のツリーや前作で活躍したカーターだけでなく、ライアンや他のキャストにもスポットを当てて魅力的に描き、問題をチームで解決していくことで、ツリーという女の子の魅力を更に引き出していった本作は、まさに理想的な続編と言えるんじゃないかと思ったし、彼女とお母さんとのシーンは涙なしでは見られなかったです。

その辺は、前作からの引き続き本作を担当した製作陣の手腕や、主演のジェシカ・ロースを始めとしたキャスト陣の魅力もあったと思います。
大いに笑って、泣いて、大興奮の超面白い作品でしたよ。

ビックバジェットだったり有名俳優が出ているわけではないからか、(少なくとも日本では)あまり多くの人に知られていないのが残念ですが、これから本作を観る人には、前作と合わせて2本続けて観ることをオススメしたいです!

興味のある方は是非!!!

 

▼よかったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

 

▼関連作品感想リンク▼

aozprapurasu.hatenablog.com