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奇をてらわず作られた“正しい前日譚”「遊星からの物体X ファーストコンタクト」(2012)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、前回ご紹介した「遊星からの物体X」の前日譚となる『遊星からの物体X ファーストコンタクト』ですよー!

本作の公開時、「どーせCGでのっぺりした物体Xにしちゃうんでしょ」とスルーしてたんですが、ネットで知り合った方がオススメしてたのでカーペンター版と一緒にレンタルしてきました。

結論から言うと、超面白かったです!!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

『ハロウィン』などの鬼才ジョン・カーペンターが1982年に放った傑作SFホラー『遊星からの物体X』の前日譚(たん)。氷魂の中に閉じ込められた宇宙生命体を発見した、ノルウェー南極観測隊が体験する未曽有の恐怖をスリリングに活写していく。監督を務めるのは、CM業界出身の新鋭マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr。『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のメアリー・エリザベス・ウィンステッドが、宇宙生命体の脅威に挑んでいく考古生物学者を快演する。生命体に同化されておぞましい変ぼうを遂げていく人体を作り上げたVFXも見ものだ。(シネマトゥディより引用)

感想

カーペンター版の前日譚

ジョン・W・キャンベルの原作小説『影が行く』を原作にした『遊星からの物体X』は、これまで1951年のクリスティアン・ナイビイ版、1982年のジョン・カーペンター版が公開されていますが、本作はカーペンター版の前日譚です。

カーペンター版では南極観測のノルウェー基地を壊滅させた“物体X”が化けている犬を、生き残りがヘリで追いかけるシーンからスタートしていますが、本作は壊滅したノルウェー隊の物語。

カーペンター版から29年ぶりの映画化であることや、CGリメイクされた作品の多くがSFXの手触りを失っている事にガッカリしていた僕は、本作もそうなるだろうとスルーしていたんですよね。

ところが実際観てみたら、これが素晴らしい。

カーペンター版で描かれる壊滅後のノルウェー基地の様子に向かって、全く破綻なく進むストーリーや、オールCGで描かれると思った物体Xも、アニマトロニクスや操演、着ぐるみをベースに、それらを補完する形でCGIによるVFXを利用したことで、カーペンター版よりもさらにダイナミックでおぞましい動きの物体Xを表現。

その一方で、物体Xが「無機物はコピー出来ない」というルールを追加したことが、隊員と物体Xを見分けるのに歯で見分けたり、クライマックスの伏線にも繋がるなどカーペンター版とは違うオリジナル展開になっていました。

ストーリーはカーペンター版を踏襲

一方で、南極基地という限られた空間でのサバイバルアクションという意味では、(キャラクターは違えど)やってることはカーペンター版の繰り返しだったりするわけですが、それは「物体X」である以上は致し方ない事だし、本作では主人公をケイトメアリー・エリザベス・ウィンステッド)という女性化学者にしたことが、クライマックスでの重要なファクターになっているし、より獰猛で恐ろしい物体Xとのダイナミックな対決や、映画全体のテンポも現代風にアップデートされた分、より手に汗握る展開になっていたと思いましたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

その上で、カーペンター版で描かれる物語の核心の部分はしっかりと踏襲し、オマージュも随所に散りばめられているので「物体X」ファンの人も満足できる作品に仕上がっているのではないかと思います。

まぁ、前日譚ということで若干の「答え合わせ感」もなくはないんですが、それは逆に言えば奇をてらわず“正しい前日譚”として、カーペンター版へのリスペクトを持って作られているという事でもありますしね。

“オリジナル版”との差別化を図ろうとして、「観たかったのはコレじゃない」とファンにそっぽを向かれた作品が掃いて捨てるほどある事を考えれば、本作はとてもよく出来た作品なんじゃないかなって思いました。

どちらから観るべきか

僕は今回、本作を観るにあたって一緒に借りたカーペンター版を先に観たんですが、これが大正解。
本作は単体でも楽しめるようにはなってるんですが、どうせ観るなら2作続けて観る方が面白いと思うんですね。

で、そうなると時系列順か、公開順か問題があると思うんですが、やはりSWを始め、多くのシリーズ作品がそうであるように、個人的には公開順で観るのがオススメだったりします。

特に本作はカーペンター版ありきで作られている分、若干説明が舌っ足らずな部分もあったりするし、カーペンター版オマージュもありますしね。

あと、やっぱ映像的にも本作からのカーペンター版は若干ツライものがあるでしょうしねw

興味のある方は是非!!!

 

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