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拭いきれない蛇足感「X-MEN:ダーク・フェニックス」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2000年から19年に渡って(スピンオフを含め)12作が作られた「X-MEN」シリーズ最新作となる『X-MEN:ダーク・フェニックス』ですよー!

今後の『X-MEN』シリーズの製作はディズニー傘下のマーベル・スタジオが担当することが発表されたので、20世紀フォックス版としてはこれが最後の「X-MEN」シリーズだそうです。

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

世界中でヒットを記録した『X-MEN』シリーズの第7弾となるアクション大作。前作でX-MENを勝利に導いたジーン・グレイのもう一つの人格が、思わぬ事態を引き起こす。監督は同シリーズの製作や脚本などに携わってきたサイモン・キンバーグ。ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのソフィー・ターナーをはじめ、ジェームズ・マカヴォイマイケル・ファスベンダージェニファー・ローレンスらのほか、謎のキャラクターとしてジェシカ・チャステインが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

瀕死のマーベルを救ったX-MEN

世界初のスーパーヒーローコミック「スーパーマン」を生み出したDCコミック創業から5年後の1939年、前進となる“タイムリーコミックス”がニューヨークで設立されたマーベルコミック。

1970年代後半からコミックの売り上げは低迷し、紆余曲折の末に1993年にテレビ・映画製作会社のマーベル・スタジオを立ち上げた一方で、自社作品の映画化版権をあちこちの会社に売却するなど悪戦苦闘を強いられながら1997年に破産。

そんなマーベルコミックを救ったのが2000年に公開された実写映画「X-MEN」と、2002年「スパイダーマン」の大ヒットだったんですね。

その後、自社に権利の残っていた「アイアンマン」(2008)からなる一連のMCUシリーズで完全に息を吹き返したマーベル。子会社であるマーベル・エンタテインメントは2009年にディズニーに買収され、以降はご存知の通り。

つまり、20世紀フォックスの「X-MEN」シリーズは瀕死のマーベル・コミックを救った救世主なんですね。

その後、20世紀フォックスがディズニーに買収されたことで、今後の作品はマーベルスタジオが担当することを発表。

本作が20世紀フォックス制作の「X-MEN」シリーズとしては最終作となったわけですね。

X-MENとは

X-MENは1963年に初登場した超能力者によるヒーローチーム。
突然変異によって超人的能力を持って生まれたミュータント。
そんな彼らは、人類から恐れられ迫害を受けていたんですが、そんなミュータントの人権を認めさせるため最強のテレパシスト、プロフェッサーXが集めたヒーローチームです。そんな彼らの敵となるのが、金属を自在に操るミュータントで、人類と徹底抗戦を望む強権派のマグニート率いるヴィランたち。

本シリーズはそんな両者の戦いを軸に進むんですね。

そしてX-MENの元ネタになったのが、1950年代に始まったアフリカ系アメリカ人による公民権運動で、プロフェッサーXのモデルは非暴力を唱えたキング牧師、マグニートのモデルは過激派のマルコムXです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 数々の活躍でやっと人類に認められたX-MENだったが… 

つまり、本シリーズのミュータントたちは、差別に苦しむマイノリティーのメタファーであり、究極的に言えば本シリーズは目的は同じでも方法論が違うプロフェッサーXとマグニート、そしてミュータントを危険視する人類による三すくみの戦いを描くシリーズなのです。

そんなX-MEN第1作の監督として、実質シリーズを牽引してきたのが「ユージュアル・サスペクス」などのブライアン・シンガー
2000年「X-MEN」2003年「X-MEN2」を大ヒットに導くも、旧三部作完結編となる「X-MEN: ファイナル ディシジョン」は「スーパーマン:リターンズ」を監督するためサイクロップス役のジェームズ・マースデンを引き連れ降板。

若手俳優にキャストを一新して望んだリブート版となる「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」のヒットを受け、新旧キャストが入り混じる「X-MEN: フューチャー&パスト」で監督復帰し、続く「X-MEN: アポカリプス」も監督し、新三部作完結となったわけです。

その間にも人気キャラのウルヴァリンヒュー・ジャックマン)を主人公にしたスピンオフや一応X-MENのキャラである「デッドプール」の単独作などが作られ、今年ついに最終作となる本作が作られたわけですが……。

まぁ、僕が「X-MEN」にそれほど思い入れがないからかもですが、正直に言うと「蛇足じゃね?」って思いましたねー。ブライアン・シンガーも完全に手を引いてるわけだし。

遅れてきた反抗期

本作の主人公はサイコキネシスとテレパシー能力を持つジーン・グレイソフィー・ターナー)。X-MEN最強のミュータントです。

太陽フレアによって故障したスペースシャトルの乗組員を救出に向かうも、仲間を守るため太陽フレアの直撃を受けてしまった彼女は能力が暴走。

少女時代にプロフェッサーXジェームズ・マカヴォイ)に封じられた記憶も蘇り、遅い反抗期に突入するんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 長年プロフェッサーに騙されていたことを知って反抗期に突入したジーン姉さん。

で、X-MENマグニートマイケル・ファスベンダー)を相手に回しボコボコにしたり、地球征服を狙う宇宙人に利用されかけたり覚醒した末、最後は何か「まどかマギカ」みたいになってましたよ。

彼女を襲った太陽フレアは、実は太陽フレアじゃなくて~みたいな事を言ってましたけど、よく分からなかったし、一応シリーズ最終章となるハズの本作が一番スケールが小さいっていうか、ただの内輪揉めってどうなん? っていう。

あと、一応、本作のヴィランである宇宙人たちがあまりにも存在感がないっていうか、「ジーンを悪者にしないため&X-MENたちの見せ場を作るために登場させました」っていう制作側の意図が透けて見える敵で、これまでのシリーズとの繋がりもなく唐突に出てきた、ただのかませ犬でしかないのも(´ε`;)ウーン…って感じですしね。

ぶっちゃけ「X-MEN」本編は、「X-MEN: フューチャー&パスト」で終わりで良かったんじゃないかなって思ったりしました。

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画像出典元URL:http://eiga.com / プロフエッサーたちが駆けつけるが…

まぁ、新三部作のキャスト卒業っていうある種のイベント的な意味合いの作品なのかもだし、あのラストもある意味今後マーベルで作られるであろう「新X-MEN」への伏線的な意味があったのかもですけど。

ただ、「X-MEN」って全体的に(監督がチョコチョコ変わることも含めて)シリーズとしての統一感がないというか、順番がおかしいというか。

何か、全体的に行き当たりばったり感があるんですよね。

良かったところ

とはいえ、アクションシーンは全体的に見応えがあって、特に悪魔っぽい見た目だけど心優しいテレポーターのナイトクローラー(コディ・スミット=マクフィー)、メインキャラなのに今までイイとこなしだったサイクロップス(タイ・シェリダン)、マグニートの見せ場がしっかりあったのは良かったです。

また、僕には正直イマイチだったけど、これまで「X-MEN」を応援してきたファンの人なら楽しめる作品かもしれませんね。

興味のある方は是非!

 

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