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~ぽいだけの雰囲気映画「大脱出2」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、シルベスター・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガーW主演で話題になったアクション映画「大脱出」の続編、『大脱出2』ですよー!

いやね、とにかく方々から悪評が聞こえてくる映画だったので、僕もそれなりにハードルを下げて観たんですが、その下げたハードルの下を余裕で掻い潜っていくっていう、ある意味凄い作品でしたねーw

というわけで、本作に関してはネタバレしても、面白さが損なわれることはまったくないと思うので、完全ネタバレで感想を書いていきます。
なので、これから本作を観る予定の人や「ネタバレは絶対に嫌!」という人は、先に映画を観てから、この感想を読んでください。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

シルヴェスター・スタローンが難攻不落の刑務所からの脱獄に挑む男を演じたアクション『大脱出』の続編。万全な警備システムが敷かれた監獄にとらわれた仲間を救おうとする彼の姿を活写する。メガホンを取るのは『ファースト・キル』などのスティーヴン・C・ミラー。『ブッシュウィック -武装都市-』などのデイヴ・バウティスタ、『ユア・マイ・サンシャイン』などのホァン・シャオミンらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

誰が・何のために・何をしているのかサッパリ分からない難解映画

この作品は、ハリウッドアクション映画会の2大スターである、スタローンとシュワちゃんが共演ということで一部ボンクラファンの間で話題になった前作の続編として作られました。

アクション映画でスタローンとシュワちゃんが共演って、何がすごいの?って思われる方用にいくつか例を上げて説明すると「G馬場vsA猪木」「スターウォーズvsスタートレック」「ジェイソンvsフレディー」「エイリアンvsプレデター」「007vsM:Iのイーサン・ハント」「ガンダムvsエヴァンゲリオン」「ルパン三世vs名探偵コナン」くらい。

え、分からない?そうですか。

ともあれ、そんな二人が1本の映画で共演するっていう事が、僕みたいなボンクラ映画ファン的には夢の共演だったわけです。

で、どんな内容だったかというと、刑務所の依頼で入所して、脱獄することでシステム上の問題点を提示するという会社の社長スタローンが、難攻不落と言われている刑務所に入所、先に入所シュワちゃんとすったもんだあってバディを組んで脱獄する。っていう映画でした。

で、大ヒットとまでは言わないけど、そんな感じでまぁまぁヒットを飛ばした前作の、その続編が本作「大脱出2」になるわけですね。

ただ、今回シュワちゃんは出てこないし、スタローンも97分中15分くらいしか出てきません。で、ポスターにデカデカと出ているデイブ・バウティスタ(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのドラックス)の出番はさらに少ないんですね。

まぁ、スタローンはナレーション(というか、声だけは)ずっと出てますけども。

じゃぁ、主役は誰かというと中国俳優のホアン・シャオミン演じるシューという男。

彼は、スタローンの会社の社員なんですね。

で、冒頭。

チェチェンのテロリスト?に数人の男女が人質に取られて、逮捕された仲間と交換で云々みたいなシーンから物語はスタート。
ただ、その中に前述のシューとルーク(ジェシー・メトカーフ)っていうスタローンの会社の社員が紛れ込んでいるわけですね。
つまり、チームで救出作戦を行っている。らしい。

って、スタローンの会社ってそんな会社だっけ?

いや、まぁともあれドタバタ救出作戦が始まるんですが、なんとか脱出したものの人質の女性が被弾して死んでしまって作戦失敗。
その原因は、チームメイトのキンブラル(ウェス・チャサム)っていう奴が、作戦中にコンピューターで何かしてて、集合場所に遅れて来ちゃったから。らしい。

で、その後キンブラルは、みんなに責められた挙句、スタローンにも首にされちゃうわけですね。

で、この冒頭シーン、まぁ「M;I」的なチームアクションをしたかったと思うんですけど、なにしろ出てくるメンバーが全員知らない人ばかりな上に、ルークとキンブラルが二人共背格好の似た白人で、しかも両方ヒゲ面。(ちなみに敵のリーダーもヒゲ面)

ただでさえ人は多いし画面は全体的に暗く、人も多いしカットがやたら細かくて誰がどこにいるのかも分からないっていう状況で、絶対やっちゃいけないキャラ被りってやつです。

あと、キンブラルがコンピューターで何をしてたのかも、結局よく分からないですしね。

で、そのあとスタローンとシューが囲碁をしながら話してて、要はスタローンはシューに現場のリーダーを任せたいんだけど、シューの方は迷ってる。みたいな感じなのかな?

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で、場面変わって中国上海。
いかにもIT社長っぽい男と秘書っぽい女が何かのプレゼンを練習してて、そこにシュー登場。
どうやら社長と秘書は姉弟でシューは従兄弟。
シューは子供の頃親を殺されて、この姉弟の家で育った。らしい。
で、このIT社長のユシェンが開発した特許を狙うライバル企業に狙われている。
でも会社のパーティーがタイであるので、ユシェンを警護して欲しいと、このお姉さんに頼まれるんですね。

で、タイ。
会社のパーティーだから、どっかホテルかビルの屋上でやるのかと思ったら、タイの屋台街でユシェンが飲んだくれてるわけですよ。

で、泥酔したユシェンをホテルに連れ帰ろうとするシューが、仮面を被った男たちに囲まれて格闘が始まるも、敵のスタンガン銃的な武器でビリビリビリ~ってなって気を失い、気がついたら難攻不落の特殊牢獄「ハデス」にいるわけですよ。

で、このハデスってのが中央に丸い広場があって、選ばれた囚人たちはそこで戦わなければならない。らしい。

え、なんのために?

まぁ、よくあるっちゃよくある設定ですけど、そもそも囚人同士を闘わせる目的がまったく分からないんですよ。
普通なら、その戦いでどっちが勝つかをモニターで見ている金持ちが賭けをするとか、ディストピアものならその闘いをテレビ番組として放送するとかね。何かしら理由があるもんじゃないですか。

ところが、そういう目的らしきものはまったく分からない上に、勝つと2時間、サンクチュアリ保護室)という部屋で好きなことが出来る特典があるんですね。(宇多丸師匠はこの部屋を「漫喫」って言ってた)

しかも闘いは週2・3回しか行われず、見張りもいないので近くの人と話し放題。
なので、シューは漫喫でこの牢獄の見取り図を描いたり、色々盗んで脱獄のための目印?らしきものを広場につけたり、囚人に声をかけては仲間を増やしたりとやりたい放題。

そんなユルユル牢獄で、シューが個室に運ばれたご飯を食べようとすると、電気攻撃でビリビリ~ってねw コントかよ。

で、気が付くと電気椅子っぽい椅子に拘束されていて、そこの所長に「お前の従兄弟が特許の秘密を話さないから、お前が説得しろ」って言われる。

?????????????????

特許の内容って、希望すれば誰でも閲覧可能ですよね??

本人にわざわざ聞かなくても、ネット検索すれば一発で分かるんじゃね?

まぁいいや。

で、シューがユシェンに「お前が秘密にしてる特許って何?」って聞いたらユシェンが言うには「世界中のコンピューターをハッキング出来る超ヤバイシステムだから、悪用されたら大変」みたいな事をペラペラ喋るわけですよ。中央広場に向かう廊下で堂々と。

誰かに聞かれたらどうすんだ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
っていうか、そんなヤバイもん作るな!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

で、この牢獄に何故か冒頭でクビになったキンブラルも収監されてましてね。

いや、コイツ絶対敵のスパイだろ!って思ったらその通りでしたよ。

しかも、コイツ後に自分の正体をドヤ顔で明かすんですが、でしょうね!としか。

っていうか、その程度のこと気づけよシュー……。

一方で、シューを助けようにもハデスの場所が分からないスタローンたち。
で、スタローンの命令に逆らって、若いルークがパソコンで敵にハッキング仕掛けて敵の情報を得ようとするけど気づかれてシャットダウンされる。
そこに、作戦参謀でハッカー?のハッシュ(50セント/カーティス・ジャクソン)が「これが電話番号だ」とか言って、ポストイットをルークのパソコンにペタっと貼ったりして。電話番号って何?

で、ハデスのことを知ってる(らしい)相手を車で追跡中にまんまと捕まってハデス送りに。お前ら一体何がしたいんだ……。

しかも、白昼堂々、事務所に敵組織が踏み込んできてスタローンも捕まってハデス送りになるんですが、同じ事務所にいたハッシュや仲間はそのまま放置。

結局ハデスに送られたスタローンと連絡を取り合って、救出作戦が始まるっていうね。

え、この敵組織…っていうか、この映画の登場人物はバカしかいないの?

さらに、スタローンの旧友らしい、デイブ・バウティスタはスタローンに何か頼まれて動いてるらしいけど、何をしてるのかサッパリ分からないですしね。

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でまぁ、すったもんだの末にハデスを壊滅させたスタローン軍団は、キンブラルの上司に宣戦布告して続編に続くって感じで終わりましたよ。多分。

「~っぽい」だけで作られた雰囲気映画

事ほど左様に、この映画プロットとか脚本がもう、しっちゃかめっちゃかなんですよ。
宇多丸師匠は「小学4年生が考えたようなストーリー」って言ってましたが、まったくその通りで、前後の脈絡は繋がってないし、画面を観てると「何かしてるな」「何か起こってるな」ってのは何となく分かるけど、何をして何が起こってるのかは分からないっていうw

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あと部屋のドアが何かバリア的な感じなんですが、叩くとビリビリするんじゃなくて、ガラスを叩いてるみたいな音がするんですよ。
ユシェンのハッキングシステム盗むより、こっちを商品化した方が儲かるだろ。って思いました。

そんな、各シーンのアレコレは、全て何かの映画で観たことあるようなパーツをつなぎ合わせてるので「このシーンは、~っぽい」って感じで、何がしたいかの雰囲気だけは伝わるっていう、まさに雰囲気映画でしたねー。

あと、映像の方もアップが多い上に、無駄にカット割りしてる(しかも画面が暗い)ので折角の格闘アクションの凄さもまったく伝わらないし、誰が何処で何をしてるかも分からない。

その上、迫力を出すためか、やたらカメラをグラグラ揺らしてるので本当に観づらいんですよね。こんなん体調悪い時に観たら画面酔いするわ。

多分、本来のプロットは超単純なハズなんですよ。
でも多分、「難攻不落の牢獄」っていう設定や、登場人物の多さを製作者が処理しきれず、色々こねくり回してるうちに、こんな難解な映画に仕上がってしまったのではないかって思ったりしました。

ただ、ツッコミどころだけは満載なので、この年末年始、仲間と集まってツッコミながらワイワイ観るには最適の作品だと思いますよ!(前回と同じ〆)

興味のある方は是非!

 

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